芸術

バウハウス・コスモロジー

近代デザインの基礎をつくった「バウハウス」について、ドイツ留学・研究滞在経験のある発行者がわかりやすく解説していきます。いっしょにバウハウスの宇宙を旅してみませんか。

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[バウハウス・コスモロジー No.34]

2002/06/03

 Design: Art & Technology            - 不定期発行 - 
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○△□ バウハウス・コスモロジー (((bauhaus cosmology)))  No.34

                     発行者:ドクトル・ケンタ
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●□□□(バウハウス・レトロ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


バウハウス閉校への道のりを再確認してみましょう。
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○バウハウスの終焉‐存続への努力と絶望
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バウハウス最後の学長ミース・ファン・デル・ローエは、すでにデッサウ期
に就任しています。私の時代区分(No.5参照)では下記の通りですが、バウ
ハウス最後の歴史をミースはともに歩んだわけです。

○ 1930−1932年 デッサウ
 市立バウハウス組織再建期:教育機関としての合理化
○ 1932−1933年 ベルリン
 私立バウハウス崩壊期:存続への努力と絶望

デッサウ期のミースは、問題となりそうなバウハウスの政治的・芸術的要素
を削除し、「建築大学」としての再建を目指していました。しかし、それで
もナチの拡大によって、バウハウスへの圧力はどんどん増していきます。

デッサウ市議会の決定により、ヴァイマール期と同様、政治的圧力によって
1932年 9月30日、バウハウスは閉鎖することになりました。すぐにナチはバ
ウハウス校舎へ押し入り、窓を壊し、書類や道具や備品を道路に投げ捨てま
した。バウハウス破壊への意志をここにうかがい知ることができます。

ミースはバウハウスを消滅させないよう、ベルリン郊外のシュテグリッツに
ある不使用の電話工場を賃借して再開する努力をします。政治・経済の状況
から公的な助成金をえることはきわめて困難であるため、私立の機関として
新たに設立することになりました。学生たちからの授業料、バウハウスの特
許、理解者たちからの寄付でなんとかやっていこうとしました。幸運にも、
デッサウからやってきた教授陣は、デッサウ市側の契約不履行によって俸給
を継続して受け取る権利をもっており、私立になっても給料の心配はなかっ
たのでした。

1932年10月15日、バウハウスはベルリンにて再スタート。18日より冬学期の
授業が開講されました。いかに困難であろうとも、希望の光は輝きを失って
いなかったのです。しかし、歴史はバウハウスを黒雲で覆い始めます。ナチ
はドイツにおいてより優勢となり、ついにヒットラーが首相に任命されるこ
とになったのです。

バウハウスで実施されてきた祝祭は、労働共同体としての連帯感を高めると
ともに、バウハウスの成果を外部にアピールするものでした。ベルリンにお
ける第一回バウハウス祭は、とくに資金の獲得のために企画されています。
バウハウス教師や他の芸術家たちから寄付された作品をもとに、抽選会も行
いました。販売するくじは、一枚につき3マルクでした。バウハウス・ベル
リンの事務局の記録によると、1933年 2月18日とその一週間後の25日に行わ
れた祝祭への参加者は、それぞれ約 700名、約 400名でした。この成功はバ
ウハウス関係者を喜ばせ、一時的に心地よい夢をみさせたことでしょう。

しかし、 4月11日、新学期が始まるやいなや、バウハウスは警察によって家
宅捜索を受け、強制的に封鎖されてしまいます。デッサウ当局は、バウハウ
スの理解者であった市長フリッツ・ヘッセを魔女狩り的に逮捕し、有罪にす
るための捜査を行っていました。また、国家を掌握することになったナチの
法律によって、デッサウはバウハウス教師たちへの支払いも打ち切ります。

ついに、 4月以来休校となってしまったバウハウスに存続の可能性が見いだ
せなくなってきました。ミースは、 7月20日の会議で教師たちにその旨を伝
えます。同日の日付で国家秘密警察局(ゲシュタポ)にもバウハウス・ベル
リン解散を通知しました。逆にゲシュタポは、21日の日付でバウハウス再開
への条件を示してきました。そこにはヒルバーザイマーとカンディンスキー
の解雇、カリキュラムの変更、新公務員法に基づく質問表に教師が回答する
ことがありました。このような条件が受け入れられるか。しかしもう議論に
はなりません。すでにバウハウスは自ら終焉を決定していたのです。

1933年 8月10日、経済的な問題を理由として、バウハウスの解散が学生たち
に告示されました。


●□□□(バウハウス・カフェ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 

自作テクノをFlashでミュージック・クリップにしました!(Flash5) 
現在、プロも参加しているSWFムービーコンテストで公開中です。

「Flash Power Session 2002 tokyo」〜れっつ!こらぼれーしょん〜
(後援:経済産業省、財団法人デジタルコンテンツ協会)

ムービーコンテストは、Flashの「異種格闘技戦」らしい・・・。

参考: http://f-site.org/movie/ 

ここで「投票」をクリックすると、Flash作品が閲覧できます。  
私の作品番号は106。 (まずはエントリー作品の番号枠で)
タイトルは、「ムーンライト・チェイサー2002」。 
(見て、気に入っていただけたら投票お願いします!) 
一人何作品でも投票できますので、いい作品には入れてください。

ようやく Flashもプロ、アマを問わない表現の道具となってきました。絵も
写真も音楽も統合できます。
今回のコンテストのようにネット上で発信できますし、テレビなどの映像用
の書き出しもできます。ゲームのようなインタラクティヴ設定も可能です。

今回使用した曲だけをお聴きになりたいという方は下記よりダウンロード:
 http://kenta.edu.iwate-u.ac.jp/KENTA/SOUND/2002-5/2002-5.rm.sit
 http://kenta.edu.iwate-u.ac.jp/KENTA/SOUND/2002-5/2002-5.rm.zip

○△□

バウハウス教育に関して執筆依頼をいただきました!
月刊『X-Knowledge HOME(エクスナレッジ・ホーム)』
8月号(7月21日発売)にてバウハウスが特集されるとのこと。
参考: http://www.xknowledge.co.jp/ 
 
○△□

バウハウス関連図書の翻訳本が出版されます!

ヴィンフリート・ネルディンガー編(清水光二訳)
『ナチス時代のバウハウス・モデルネ』大学教育出版
 ISBN4-88730-479-x 2500円(初版:2002年6月10日)
バウハウス以後(ナチス時代)の「バウハウス」を見ることによって、その
神話は崩壊するでしょう。(そんな刺激的な内容を含んでいます!)
日本におけるバウハウス研究の資料の一つとして位置づけられる図書です。

「訳者あとがき」に私のサイトについても触れていただいております。
私のHPで公開している「バウハウス様式と国家社会主義」および「第三帝国
とバウハウス教育について」をご参照いただきました。これらは同書の原書
を資料の一つとして書いたものでした。
参考: http://kenta.edu.iwate-u.ac.jp/KENTA/bauhaus/html/000.html

○△□ 

ドイツに誕生したバウハウスは14年という短い命でした。しかし、その業績
と影響力は多大なものでした。その波紋は現代にまで広がってきているよう
に思います。

今回はこんな言葉でしめくくりましょう:
「バウハウスは、生・き・て・い・る!」


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創刊日:2000-09-04  
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