音楽

ドイツ発『劇場訪問記』〜もっとオペラを楽しもう〜

皆さんオペラやオペレッタ見たことありますか?私も日本では見たことありませんでした。ドイツに住んで十数年、私が今までに観賞したオペラ、オペレッタ、ミュージカル、バレエ、演劇の紹介です。

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ドイツ発『劇場訪問記』〜もっとオペラを楽しもう〜

2005/09/29

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    ドイツ発『劇場訪問記』〜もっとオペラを楽しもう〜

        コンサート『青少年コンサート』
                                第89号
                            発行2005.09.28
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こんばんは、マリナです。時々夜目が冴えてどうしても寝れない夜があります。
その翌日会った友人や知人に話すと「私もよ。きっと満月だったからじゃな
い?」とよく言われます。日本にいる頃にはそんなこと言われたことがなかっ
たので、ヨーロッパの方が月の影響力が大きいのかしら?と思いました。カレ
ンダーにも満月と新月のマークがよく記されています。

18日は「中秋の名月」でしたね。ドイツ各地でも良いお天気に恵まれ雲ひとつ
ない美しい満月を鑑賞することができました。お月見しながら赤ワインが飲ん
でいると、月に向かって遠吠えしたくなってくるからかなり危ないです。蟹座
生まれは月の影響を受けやすいと言われますが、狼男も蟹座生まれ?


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 ☆☆☆今回の目次☆☆☆
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      ★コンサート『青少年コンサート』

   ●最近の新聞記事より
    <パバロッティがワールドカップでまた歌う>
    <Montserrat Caballeの声がまた出る>
    <本選出場歌手が決定>
    <『年間最優秀オペラ(Oper des Jahres)』がハンブルクに>

   ●最近の話題のプレミエ
    『オデッセー』Mundry    9月7日(水)初演
    『蝶々夫人』プッチーニ   9月25日(日)
    『Mathis der Maler』ヒンデミット  9月25日(日)

   ●ドイツ国内の歌劇場、劇場紹介(68) ロストック

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 ★★★コンサート★★★

   『青少年コンサート』 
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これだけ多くの歌劇場やオーケストラを抱えているドイツ、学校での音楽教育
も相当充実しているので、と思っておりました。ドイツの場合、学校教育(義
務教育も含めて)は州ごとに違っていて、また細かいことは学校ごとに任され
ていますから一概には言えないかもしれませんが、友人、知人などの話を聞い
た限りでは、日本の小学校の方が色々な楽器を習っているようで、楽譜も一通
り読めているようです。大人になってもカラオケのお陰でしょうか、日本の方
が歌が上手い人が多いですね。

もちろんドイツにも学校以外に音楽学校が多数あり、3歳ぐらいから通ってい
る子供もいますが、ここでは手を叩いたり、歌ったり、踊ったりとお遊戯程度、
楽器演奏を習うには専門の音楽クラスに通います。小学校の音楽の授業でリ
コーダーも3年生から習っているようですが、その前に音楽学校で習っている
子供もいます。

この町は音楽大学があるお陰で、音楽学校以外にも個人レッスンをしている音
楽家や学生が多いので、音楽的環境には恵まれている方だと思います。音楽の
才能があり実技の入学試験に受かれば、小学生でも音楽大学に通って世界的に
有名な音楽家の個人レッスンを受けることも可能です。

また劇場もあるので、音楽関係者が他の町より多く住んでいると思います。こ
の町に住んでいる日本人はほとんどと言っていいほど音楽関係者で町の音楽大
学を卒業後、音楽学校の職に就いたり、近郊のオーケストラに入団したりして、
就労ビザを所得しています。

私の知人にこの夏6歳と8歳になる女の子がいますが、お父さんがオペラ歌手、
お母さんがピアノ伴奏者という環境で育っているため、オペラが大好きで、昨
年冬劇場で観た『ヘンゼルとグレーテル』が気に入って冬の間中歌っていまし
た。2人とも全曲ドイツ語で歌え、仲良く掛け合って歌っている様子を見てい
ると、ドイツ語が聞き取れなくて歌えない私は軽い嫉妬心すら覚えました。

でも一番のお気に入りは「『魔笛』ごっご」で、上の子が夜の女王のアリアを
演技つきで歌っていますが、全く歌のレッスンを受けていないのにその歌いっ
ぷりの立派なこと!こういう環境で育った子供達が将来音楽家になるのも納得
です。


話が脱線してすっかり前置きが長くなりましたが、ドイツ国内に多数ある劇場
やオーケストラが義務教育で賄えない部分を補っているところも多いと思われ
ます。

多くの公的補助金が劇場に出されているため、安いチケット代でオペラやコン
サートが鑑賞できる環境が整っており、子供の頃から生の音楽に触れる機会が
日本よりも多いのではと感じます。

劇場の出し物には、子供向け劇、音楽劇、コンサートなどもあり、ここの劇場
でも音楽劇として、モーツァルトの『魔笛』やドヴォルザークの『ルサルカ』
などの作品を児童向けにアレンジして、4〜8歳児を対象に小さな劇場で公演
しています。

児童、青少年向けコンサートには、学校から先生が生徒を引率してくる劇場で
のコンサート、または小編成オーケストラが学校を訪問するコンサートの2通
りがあります。

定番はやはり、プロコフィエフの『ピーターと狼』。楽器紹介を始めにして、
物語を朗読しながらの演奏で約1時間、6歳から劇場入場可能です。また来年
のモーツァルト年に合わせて、モーツァルトの室内樂コンサート(8歳児から)、
では学校訪問コンサートを行っています。


今回は、ここの劇場でいくつか鑑賞した学生用コンサートで一番印象に残って
いるコンサートのご紹介をいたします。


【青少年コンサート】

『ロミオとジュリエット』から『ウエスト・サイド・ストーリー』まで


<曲 目>

 チャイコフスキーの幻想序曲『ロミオとジュリエット』より
 バーンシュタインのミュージカル『ウエストサイドストーリー』より
 出会いのシーン(バルコニー)と決闘シーン。

※近郊の音楽学校との共同企画で対象年齢は12歳以上、

  チャイコフスキー(1840-1893)の作品は1870年初演
  バーンシュタイン(1918-1990)の作品は1957年初演


いわずと知れたシェイクスピア原作の戯曲「ロミオとジュリエット」を題材に
した音楽作品。シェイクスピアの作品は英語のクラスでは原作で取り扱われて
いたり、学生劇(ドイツ語もしくは英語)でもよく上演されているドイツでもポ
ピュラーな作家です。


最初に舞台の上のオーケストラがチャイコフスキーの『ロミオとジュリエッ
ト』出会いのシーンを演奏。その後15〜16歳の女学生がシェークスピアの「ロ
ミオとジュリエット」のあらすじを紹介し、この話が古いお伽話でなく最近ア
メリカでも同様に14歳の少女と16歳の少年が親に交際を反対されて自ら命を絶
ったという記事を他の女学生が読み上げます。同年代の観客からどよめきが上
がり、舞台への関心が高まります。

舞台後方上部にはスクリーンがかけられており、先生がノートパソコンを操作
してスクリーンに「ロミオとジュリエット」の無声映画の出会いのシーンを映
し出します。この場面に生徒が効果音をつけたと説明し、ロミオが乗った馬が
歩く音(タンバリン)、ジュリエットのテーマ(フルート)、ロミオが階段を登る
音(シロホン)などを、ますそれぞれの楽器で個別に音を出した後、映像に合わ
せて音をつけます。会場から拍手が沸き、口笛が鳴ります。

2曲目は決闘のシーン、まず映像に合わせてオーケストラで演奏、今度は映像
なしで生徒の楽器演奏、ここで会場から「わからなーい」とブーイングがあが
ります。その後もう一度映像に合わせて生徒が楽器演奏すると、会場から拍手
と歓声が上がり盛り上がります。

次は「ウエストサイド」。あらすじが紹介された後観客席からロミオ役の歌手
(劇場専属歌手)が舞台に上がり、2階のバルコニー席に声をかけ、床から拾っ
た(実際はポケットから出した)小石をバルコニーに投げ、ジュリエットを呼ぶ
と、ジュリエットがバルコニーに現れ小声で答えます。一通り演技が終わると
「トゥナイト」のデュエットが始まりました。

先生の思惑として、チャイコフスキーのクラシック音楽とバーンシュタインの
現代音楽の違いを聞いて欲しいというところでしょうが、専門的な音楽の説明
はありませんでした。その後決闘シーンの演奏があり、所要時間1時間15分で
コンサートは幕を閉じました。

前半の生徒参加と比較すると、後半の意図がよく分からない内容で、舞台の上
のオーケストラは楽器編成が違うから前半と後半で休みの人がいて退屈そうで
した。内容的には「音楽教育」という分野ではないかもしれませんが、音楽に
興味を持たせるという意味では成功したコンサートだと感じました。


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  最近の新聞記事より 
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<パバロッティがワールドカップでまた歌う>〜9月12日、デュッセルドルフ

引退コンサート・ツアー中にもかかわらず、テノール歌手Luciano Pavarotti
の2006年ドイツで開催されるサッカーのワールドカップへの出演は例外だ。
1990年イタリア大会でのコンサート同様に「国際的事情」だと、ツアー・マネ
ジャーHarvey Goldmithがデュッセルドルフで語った。その時初めてパバロッ
ティ、ドミンゴ、カレラスが『3大テノール歌手』として舞台で共演した。
69歳のパバロッティは昨夜ドイツ国内最後から2番目の引退コンサート「A 
Night To Remember」をデュッセルドルフで開催した。


<Montserrat Caballeの声がまた出る>〜9月22日、フランクフルト発

健康上の理由から4ヶ月間歌手活動を休養していたスペイン人スター・ソプラ
ノ歌手Montserrat Caballe(72歳)がまた復帰する。10月3日から『歌曲コン
サート』でドイツ国内ツアーが始まる。会場はライプツィヒの後リューベック、
フランクフルト、ニュルンベルク、ハノーファー(10月15日)。オペラ大スター
は2007年まで活動を続けると告知している。5月に予定されていたコンサート
取り止め理由は、血圧と糖尿病療養のため。


<本選出場歌手が決定>〜9月14日、ギュータースロー発

47名のオペラ歌手がベルテルスマン財団が主催する、第11回世界歌唱コンクー
ル「新しい声」の本選に参加する。主な参加歌手の国別は、ドイツから4名、
アルゼンチンから6名、中国とロシアからそれぞれ5名、日本、カナダ、アメ
リカからそれぞれ3名、と審査委員長Gerard Mortier(元ルール・トリエナー
レ芸術監督でパリ国立オペラ座専属監督)が発表した。コンクールはギュー
タースローで10月17日〜22日に開催され、優勝者が選ばれる。


下記のホームページで詳しい記事が読めます(日本語)

http://www.yokosuka-arts.or.jp/opera2005/worldopera.html


<『年間最優秀オペラ(Oper des Jahres)』がハンブルクに>
                     〜9月23日、ベルリン発

ハンブルク歌劇場の元総支配人Ingo Metzmacherと演出家Peter Konwitschnyは
リスクへの勇気と発見欲を持って定番オペラに新展開を築き、常に過大な批判
を懸念されていたが、雑誌「Opernwelt(オペラ界)」の50人の音楽批評家達
へのアンケートの結果、先シーズンの『年間最優秀オペラ(座)』に選ばれた。

2位は3シーズン目を務める総支配人Bernd Loebeのプレミエの間隔が狭すぎ
ると懸念されていたが、フランクフルト歌劇場が選ばれた。『年間最優秀作品
(上演)賞』にはシュトゥットガルト歌劇場の『ファウスト博士』、『年間最優
秀演出賞』にはベルリン・コーミッシュ歌劇場の『ムツェンスク郡のマクベス
夫人』、『年間最優秀指揮者』にはバイロイト音楽祭の『パルジファル』の指
揮でPierre Boulez。

Daniel Barenboimとベルリン・シュターツカペレ『年間最優秀オーケストラ
賞』、『年間最優秀歌手』にはスター・テノール歌手Roland Villazonとイゾ
ルデ役でバイロイトデビューを飾ったスエーデン人ソプラノ歌手Nina Stemme
が選ばれた。


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  最近の話題のプレミエ
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ベルリン・ドイツェ・オーパー

  『オデッセー』Mundry    9月7日(水)初演
   指揮:Peter Rundel     演出:Peter Rundel

http://www.deutscheoperberlin.de/


ベルリン・コーミッシュ・オーパー

    『蝶々夫人』プッチーニ   9月25日(日)
     指揮:Daniel Klajner   演出:Calixto Bieto

http://www.komische-oper-berlin.de/


ハンブルク州立歌劇場

  『Mathis der Maler』ヒンデミット  9月25日(日)
     指揮:Simone Young      演出;Christian Pade

http://www.hamburgische-staatsoper.de/


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  ドイツ国内の歌劇場、プレミエ紹介 (雑誌「Opernwelt」参照)
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68 ロストック   Rostock

http://www.volkstheater-rostock.de/

※「魔笛」モーツァルト:9月10日
※「ヘンゼルとグレーテル」フンパーディンク:11月5日
※「王様と私」ミュージカル:2006年1月21日
※「3つのオレンジの恋」プロコフィエフ:4月8日
※「ウィーン気質」シュトラウス:6月10日


【 おわりに 】  

今回もコンサートの内容が中途半端になってしまい、すみません。その代わり
と言ってはなんですが、ニュースを多めにご紹介しました。次回はまたオペラ
でもう少し背景を調べて書く予定です。

最後にもう一つニュースの追加です。前回【最近の新聞記事より】でご紹介し
たザルツブルク音楽祭の『椿姫』のライブ録音CDがドイツ・グラムフォンか
ら発売されます。ドイツ国内ではクリスマス商品として売り出される予定です。

ここの音楽大学教授がこのCD制作をグラムフォンから依頼され、録音技師助
手として学生を連れてザルツブルクに赴きました。その新聞記事の内容を要約
すると、プレミエはオーストリア国営放送が録音してテレビ放映していました
が、このプレミエと他に2回の公演を30本のマイクを使い録音、ソリストと話
し合ってこの中から1番いい箇所を選んで編集するとのことです。

生の舞台とCDでは鑑賞面が異なると思いますが、あなたはどちらがお好きで
すか?私の友人が昨年クリスマスに娘(8歳)を連れて劇場に児童ミュージカル
を見に行っきました。ところが1月に学校からまた同じ作品を見に劇場に行っ
たそうです。友人は「ビデオならいつも同じだけど、舞台はいつも何かが違う
から何度見に行ってもいい」言っていました。ここの家庭も音楽とは無縁です
が、娘が1年生の時に選んだ将来の職業は「音楽家」でした。


それでは、またこのメールでお会いできますように。
次回は  オペラの予定です。


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編集・発行 / 松野マリナ  matsuno_marina@hotmail.com
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創刊日:2002-05-22  
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