老裏5[129]ラストメッセージ
発行日:3/31
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老人ホームの裏事情Part5 [NO.129] 2010/03/31
〜学校では教えない本当の社会福祉〜
◆エル・ドマドール
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┏━━━━━━━━━━━━━━━┓福祉を騙る偽善と悪行そして真実。福
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リア10年以上の福祉界の猛獣使いことエル・ドマドールが暴く福祉の本当
の姿、そして痛烈な真実。
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第129回
■ラストメッセージ
たまごや様を介してのこのメルマガを発行するのは今回で最後になる。諸君が
俺のメッセージを受け取るのは最後になるかもしれない。今まで俺は精神論を
殆ど書いてこなかった。このメルマガで教えるのは事実で、慰めは牧師の仕事
だと思っていたからだ。だが今回は諸君に魂を込めたメッセージを送りたい。
俺は今まで10年以上いろんな人を介護してきたが、利用者からいろんな事を言
われてきた。感謝をされたこともあるが、罵倒されたこともある。殴られたこ
ともある。しかし、その中でも俺が最も聞きたくないセリフがある。
「年をとっても本当にろくな事がないわ。私もいい加減にもう死にたいわ」
よく高齢者施設に勤めているとこんなセリフを吐く老人が少なからずいる。尊
敬してほしいのか、それとも同情してほしいのか知らないがみっともない甘え
もいいところだ。長い介護人生で何度も聞いたが本当に頭にくる。本気で「死
にたい」とは思っていないところに余計怒りを感じる。もしこれが自分の親な
ら虐待と言われても仕方ないぐらい殴り倒しているだろう。
「甘ったれてんじゃねぇ!!この世界にはおのれみたいに長生きどころかろく
に生きることもできない人だっているんだ!どれだけ自分が恵まれてるか知ら
ないで、よくそんな事を言えるな。アンタみたいな人間なんかいない方が税金
と保険料の節約になっていい。今すぐそこの窓から飛び降りろ。何なら介助し
てやろうか?」
勿論こんな事は口にしないし、内容も実行することはない。ただ俺はこの類の
セリフが非常に大嫌いで仕方がない。不幸なのは自分だけだと思っているのだ
ろうか?自分が今生きていられるのは家族や周りの献身があるからではないの
か?要介護状態でも衣食住に不自由しない環境はある意味人類の理想郷だった。
自分が不幸だと思うのは本当は恵まれていると気付いていないだけではないの
だろうか?
そしてこの「もう死にたい」と言うセリフはいかに自分の人生に満足していな
いかの裏返しでもある。怒りと同時にこうも思う。どうして「生きてきて幸せ
だった」と自然に口に出るくらい充実した人生をなぜ過ごさなかったのだろう
か?
こんな老人の愚痴を耳にした介護職員もこんな事を思う人が多い。「やっぱり
年取ったらボケる前にぽっくり死んだほうがいいね」だが、俺はそんな主張に
は到底同意しない。自分が高齢者になるのが当たり前だと思っている傲慢極ま
りないセリフだ。死期を自分で決める事は出来ない。ある人は100歳まで生き
ていても、マイケル・ジャクソンみたいに50歳で死亡する事もある。貴方達も
明日交通事故に遭って死亡するかもしれない。だが、ここで胸に手を当てて考
えてみて欲しい。果たして俺たちは明日死んでも納得できるぐらい充実した人
生を送っているだろうか?もし返事がノーなら今日からでも納得できる人生を
送ろう。
前述した「もう死にたい」と口にする老人たちはその努力を怠ってきた人々な
のだ。長生きできるのが当たり前だと思い込み、ただ漫然と流されるように生
きて来た結果、改めて自分の人生に満足感がないという事実に絶望しているの
だ。だが、要介護状態になってそれに気付いてもあまりにも遅すぎる。
人生80年と言っても本当の意味で「生きる」事ができるのは80年ではない。人
生要介護状態になったり、出産や育児、親の介護などで好きなように生きる時
間は思ったより短くなる。だから自分が「生きる」事ができるうちに充実した
時を過ごして欲しい。何もしなくても長生き出来るのが当たり前だと思ってい
はいけない。
もうひとつ当たり前だと思ってほしくない事がある。親や兄弟や家族、もしく
は友人、恋人や同僚など愛する人がいる事を当然だと思っていはいけない。第
51号「ヒューマンスキル」で俺は利用者には何よりも人付き合いのスキルの方
が大事だと主張した。この事は健常者にだって同じである。人と人との絆こそ
この世で最も人間が切望するものだからだ。
施設で長い間介護してきたが、この「絆」を無くしてしまった人は実に多い。
そもそも社会で他人や家族と上手くやっていけないからこそ施設に入る羽目に
なった人が多い。皮肉なことに人間の愚かな性で、人と人との絆は無くしてし
まってからその大事さに気付く。施設でヒューマンスキル大事にして来なかっ
た人の余生は悲惨の一言だ。亡くなっても誰も泣く事もなく、それどころか
「死んでくれて良かった」と介護者ばかりか家族にまで言われる人もいる。
かつて杖で俺に殴りかかってきた男性は本当に家族や周りの人々を大事にしな
かった。身勝手なわがままで家族や介護者を散々困らせた。軍人だった彼は在
日韓国人や中国人を見下す筋金入りの人種差別主義者だった。その彼が死亡し
た時の光景は一生忘れられない。元軍人でそれなりの人付き合いがあるはずだ
が、なんと通夜での参列者はたった4名だった。俺は職業柄通夜に行く事が多
いが、ここまで出席者が少ない通夜は見た事がなかった。人と人との絆を大事
にしない代償は哀れなほど高くつく。
どちらかと言えばこういう人々は「自分を変えられない人」とも言える。醜い
自分、身勝手な自分、愛されない自分を直視することなく悪癖にしがみついた
がゆえにみじめな老後になってしまった。「老後の心配」と言うとよく金銭的
な問題を想像するが、実を言うと精神的な孤独の方が深刻なのだ。
一方、施設に入所していても面会者が絶えず訪れ家族に愛されていた人もいる。
ある死亡した女性は「生まれ変わってもまたこの家族で一緒になりたい」と生
前言っていた。俺はこのセリフが忘れられない。ここまで言えるぐらい家族や
愛する人と良好な関係を築いているだろうか?
もう一度言うが自分を支えてくれる家族や友人、恋人など近い人がいるのを当
たり前と思ってはいけない。そして感謝や愛をできれば直接言葉で言える内に
言っておいてほしい。「いつでも言える」なんて思ってはいけない。最初に強
調したが人生は永遠ではない。その終わりはいつ来るのか誰にも予想できない。
生きていても認知症になったり脳梗塞などで植物状態になってしまえば貴方が
いかに愛していたのか知る事はできないだろう。
これまで2年以上も言いたい放題書いて来た。ここまで購読してくれた諸君に
は本当に感謝している。読めば気分を悪くさせるメルマガを最後まで解除する
ことなく購読してきた諸君はおそらく真剣に人生を考える人たちのはずだ。ど
うか偽りに惑わされることなく、現実を直視して生きて欲しい。このメルマガ
で俺は真実を書き続けてきた。現実は辛い。だが真実こそ人を自由にして幸せ
にする事を忘れないでほしい
このメルマガの存続について多くの人々から存続希望のメールを頂いた。メー
ルを頂いた方にはこの場で感謝の意を表したい。今まで2年以上書いて来たが
このメルマガを必要としてくれる人々がいて本当に光栄だ。当初そんなに存続
希望のメールは来ないだろうと思っていたが、本当に作家冥利に尽きる。存続
の要望に答えるべくこのメルマガ終了後も連載を続ける事にした。今度はブロ
グで俺の毒舌を発揮したい。
PCからは http://blog.zaq.ne.jp/socialservice/
携帯からは http://blog.zaq.ne.jp/m/socialservice/
これからも福祉に関して他では聞けない真実を発表していくつもりだ。
たまごや様にもこれまでのご助力を感謝申し上げたい。
エル・ドマドール
【関連記事】
[51]ヒューマンスキル
http://www.tamagoya.ne.jp/cms/senior5/archives/2008/08/51.php
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