億の近道

個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を。執筆陣は現役の証券・金融業界の人間ばかりです。プロの目から見た各種分析や銘柄を参考にして、「億」の資産を目指しましょう!既に読者は1万人を越えています。各種コラムやイチオシ銘柄が大好評。濃い内容に自信有り。

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億の近道 2018/09/18

2018/09/18

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投資情報メールマガジン                   2018/09/18

             イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週5回発行
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【ご挨拶】

 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析やコラムを参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

   ★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★

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             −本日の目次−
     (本日の担当:石川臨太郎&相川伸夫&大原浩)


  ◆コラム「最新有料メルマガから」:石川臨太?
  ◆コラム「相川伸夫が語る注目銘柄 丸順(3422)」:相川伸夫
  ◆コラム「書評:ソクラテスの弁明・クリトン」:大原浩


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◆コラム「最新有料メルマガから」


 今回は特別に、本日配信の有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘
柄の研究」のコラムの一部を掲載いたします。
 自立した投資家、石川臨太郎の最新コンテンツをお楽しみ下さい。


=コラム「2年前と同じように日本株のリバウンドに期待が持てる状況」
 (有料メルマガ第499回・2018/9/18配信号)


【前略】


 日本企業の株価は、世界の国の株式市場のうち中国とかアメリカとかどこか
の国の株価指数が下がると、悪いところにツレ安して下げるような状況が続い
ています。日本株の投資家が付和雷同型の短期投資家ばかりになっているのが
原因かもしれません。

 日本の株式市場に参加している投資家の多くは、通算では大きく損をしてい
るけれど、時々大きく儲かることがあるから、株式投資を止められない。こん
な投資家が多数派なのかもしれません。特に8月から9月にかけては日本株に
はイナゴと短期バクチ打ちと空売り外資証券しかいないような印象を受けてい
ました。

 しかし、そんな投資家が多いので、巨額の利益を求めるためにレバレッジを
大きく掛けた信用取引は、絶対やらない。

 ある程度稼げたら感謝して勝ち逃げして(=利喰して)他の割安な配当利回
りや配当優待利回り(=高インカムゲイン銘柄)の高い銘柄にシフトをしてい
く。

 こんな単純な投資戦術を続けていけば今年も去年までのアベノミクスがスタ
ートしてからの5年間と同じように、それなりの利益を得ることができると期
待しています。


【中略】


 私が20代から40代のころよりも、現在なら投資手段も増加して、自分の
経済的実力に見合った投資手段を見つけやすくなっています。

 株に投資する場合も、他の投資商品に投資する場合も、「いま何に投資する
と一番儲かるか」というような目線で探すと、上がりきった割高な金融商品を
掴まされる可能性が高くなります。


【中略】


 今年は業績上方修正をして増配を発表しても株価が下げてしまう企業が散見
されるようになりました。旭硝子のような企業です。

 このような大きな下落が起きた時は、しばらく下げ続け、下げどまった底で
上げ下げしながら日柄整理を行って、おびえた投資家や諦めた投資家が株を売
って逃げだした後で、株価が反転して上昇を始めます。その時を待つ間に投資
対象としたい企業を見極めたいと努力してきました。

 いつも株価の急落が起きた時のコラムに書いてきたことですが、投資家は自
分がどのような投資スタイルで投資しているかを把握して、自分の決めた投資
の時間軸で、自分のルールに従って投資を進めていくことが、とても大切です。

 そうでなければ、牙をむきだして襲いかかってくる株式市場で生き残ってい
くことは難しくなります。


【後略】


経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎


★有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」を週1回配信し
 ています。石川臨太郎が特定銘柄を挙げて詳細研究する「銘柄研究」が好評
 です。ご興味がある方はぜひ一度ご購読下さい。


【金利上昇でも問題なし!好業績の実質無借金で財務内容が強固なキャッシュ
 リッチ&グローバルな低PER低PBRで増配期待の優待企業を研究!!】


 本日配信の有料メルマガでは、高技術の事業を行い、増収増益で好業績を維
持しており、実質無借金のキャッシュリッチで、低PER低PBRの過去6期
増配している、長期株主優待があるグローバル企業を研究しています。


 また、コラムでは、「今年の年末まで3か月と数日となり第4コーナーとな
りました。今年の日本株は2月から崩れて、現物投資しか行わない私にとって
は悪戦苦闘の日々が続いてきました。しかし2年前と同じように年末に向けて
予想以上の米国株の上昇と、それに追随する日本株のリバウンドに期待が持て
る状況になってきていると感じています。」と題し、最近の自身の投資行動を
ケースに、あるセクターに関して情報収集の結果と、投資作戦を考察していま
す。

 さらに、本日一部億の近道に掲載したほか、相場でやられないために自身が
留意してきたことを例示しているほか、業績がさらに伸びていくことが見えて
いるのに株価下落している9月の配当と優待利回りが良い企業を8銘柄挙げて
います。

 金曜までにお申し込みの方には、本号も差し上げます。ぜひご購読を。


有料メルマガは週1回・火曜日配信です。
詳細は http://www.iforum.jp/magazine.htm をご参照下さい。


 過去サンプル(研究銘柄)
 銘柄研究 帝国電機製作所(6333)http://okuchika.jugem.jp/?eid=5007
 銘柄研究 わらべや日洋(2918) http://okuchika.jugem.jp/?eid=4234
 銘柄研究 ミライアル(4238)  http://okuchika.jugem.jp/?eid=4244

過去サンプル(コラム)

 増益修正や増配発表企業の株価が下落するのはチャンス(2017/02/28)
 http://okuchika.net/?eid=6894

 安心できる企業の株でポートフォリオの再構築したい(2017/01/10)
 http://okuchika.net/?eid=6789

 割安企業を選んで分散投資を行えばリバウンド相場で大きく稼げる
 (2016/12/27)
 http://okuchika.net/?eid=6776

 現代の錬金術である株式投資を使って、老後の生活を少しでも豊かにしよう
 とするための心得(2012/11/06)
 http://okuchika.jugem.jp/?eid=4235


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者
の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、
当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が
変化している可能性があります。)


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◆コラム「相川伸夫が語る注目銘柄  丸順(3422)」


■相川伸夫ピックアップ銘柄フォロー
 ※9月14日(金)執筆時点

・山王(3441)2016年12月19日配信
 株価560円⇒1470円(+163%)

・テノックス(1905)17年2月20日配信
 株価815円⇒987円(+21%)

・LCホールディングス(8938)17年4月3日配信
 株価894円⇒1621円(+81%)

・特殊電極(3437)17年6月12日配信
 株価2922円⇒4670円(+60%)

・東北特殊鋼(5484)17年9月4日配信
 株価1831円⇒1408円(−23%)

・新報国製鉄(5542)17年10月2日配信
 株価1577円⇒1395円(−12%)

・パウダーテック(5695)18年2月19日配信
 株価4845円⇒3420円(−29%)

・東京エレクトロンデバイス(2760)18年4月6日配信
 株価1970円⇒1901円(―4%)

・アバント(3836)18年6月25日配信
 株価945円⇒1536円(+63%)

・神戸天然物化学(6568)18年8月13日配信
 株価2718円⇒2571円(―5%)


 山王が本決算に向けての期待で急伸しました。
 しかし、新規事業に関しての特段の言及はなかったので、週明けは売られる
展開になると思われます。


 テノックスが先週末金曜日に自社株買いを発表しました。
 今年から新代表になった佐藤氏に代わってから中期経営計画の発表に始まり、
ストックオプションの発表、そしてこの度の自社株買いの一連の動きは非常に
興味深いです!
 佐藤代表について調べてみたところ前職は住友商事(1978年入社)であ
り、2004年には住友商事の完全子会社である住商セメント(主事業はセメ
ント関連分野の国内販売の専門商社)の社長を務めた実績もあるようです。

 テノックスへの入社は今から3年前の2015年の4月であり、そこから代
表になるまでの速さを鑑みるにもしかすると面白いことがあるかも?と期待で
きるかもしれません。


 LCHDが業務受託収入及び違約金収入の計上のIRが出ました。
 基本的にはポジティブとして市場は判断するのではないかと思われますが、
詳細を知りたいところですね!




 それでは、本題に入ります。


 今回も先月に続いて個別銘柄について、取り上げるのは丸順という名証二部
に上場している知る人ぞ知る自動車部品のプレス加工会社です。

 細かい話は9月5日に『みんなの運用会議』にて記事を掲載しているので、
こちらをまずご覧になってもらえればと思います

https://double-growth.com/3422-marujun/


 こちらでは同社の『アツさ』についてフォーカスを絞り、語らせていただき
たいと思います。



■丸順のどこにアツさを感じたのか?


 丸順はホンダ車(日本・中国・タイ)向けプレス部品関連で売り上げの70
%を占めており、超ハイテンの冷間加工ではトップクラスの技術を持ち、33
業種区分では金属製品セクターに属しています。

 2015年と16年の赤字で一時はGC注記の手前である重要事象も付きま
したが、現在は解消。2015年以前とは会社としての事業価値が全く変わっ
ているというのが私の認識です。

 構造改革前の営業利益の最高が2011年の22億5千万円。

 構造改革後の17年にいきなり過去最高益更新で26億8千万円。

 翌年の18年はさらに大幅続伸で40億9千万円

 今期会社予想は42億円。中期経営計画では5年後の23年では営業利益は
57億円を予定していますが、東プレとの資本業務提携も効果を発揮してくる
ので、決して無茶な数字ではないと思われます。

 現在2月末の高値である1350円から約40%下落し、株価は826円。

 東プレとの資本業務提携の時に増えた総発行済株式数1185万7200株
での今期予想EPSは185.5であり、現在のPERは4.45です。

 四季報では会社予想を超えると予想されており、こちらで計算するとPER
は4.0です。

 PER4という数字をどのように解釈するかがポイントです。


■PERが低い=「割安だ!!」は危険な考え?


 丸順の解説に入る前に、みんな大好きPERについて話したいと思います。


一般的な教科書的説明で行くと…

「PERとは、現在の株価が企業の利益水準に対して割高か割安かを判断する
目安として利用されます。」

 この解説は間違っていません。しかし言葉ってのは大変難しいもので、この
『割安』という言葉は非常に多くの勘違いを生みます。

 まったく同じ事業をやっている会社が2つあり、しかも財務も同じであれば
PER10とPER5で行けば、数字が低い方が割安だと言えます。

 しかし、現実的にそんなことはまずありません。


「私の推し銘柄はPERが5で日経平均のPER13よりもすごく低くて割安
なはずなのにPER50などの割高な株ばかり上がるのは市場がおかしい!!」

こういった嘆きを頻繁に耳にします。

 PERとはいったい何なのでしょうか?


 株価を形成する要素には業績、資産、キャッシュフロー、配当利回り、上場
している市場(1部とかマザーズとか)、成長性、業種、業態、安定性、期待、
思惑……etc

ざっと書くだけでもこれだけあります。

 色々な要素を含めたうえで株価を利益から評価するとPER○○のようにな
るのです。

 つまり、PERを誤解を恐れずに説明すると以下のようになります。

「PERとは、業績成長への『市場からの期待値』の高さを株価と利益から表
している」

…と私は考えています。

 そのうえで、医薬品セクターはPER29で不動産セクターはPER14と、
これほどに違うのは、不動産セクターの業績が大きくぶれやすいため、来期の
EPSが20%上がる見込みと言われても、景気変動で一気に赤字になること
もあるセクターなので高値まで買いにくいのが理由の一つです。

「サラリーマンでもアパート経営はできる」のCMでおなじみのシノケンは、
2013年⇒2017年までにEPSが62円⇒254円と4倍になっていま
す。

 EPSの伸びに応じて株価も大きく上昇しましたが、この期間PERはおお
むね4〜8の範囲で推移しました。

 シノケンの利益の7割は不動産販売事業で成り立っており、販売先の99.
5%が公務員含むサラリーマンかつ、その72%は年収1000万円未満とな
っています。

 シノケンに対する市場からの人気は高かったにも関わらず、PERが2桁に
乗らないのは、スルガ銀行に端を発した今回のような信用収縮懸念、景気後退
懸念のリスクがあったためです。リスクがひとたび顕在化すると業績が大きく
崩れてしまう可能性があるからです。

 現在売られているのは来期の数字が大幅に低下することを懸念した売りです。

 これはシノケンに限らず、不動産セクター全体で同様のことが起こっていま
す。

 PERが安いと思って飛びついても、その元であるEPSが下がっては元も
子もありません。

 逆にPER50で高いと思っても、ストック性の高いビジネスを手掛けてい
る企業で業績のブレが少なく、来期もそのまた来期も収益が倍増していく可能
性が高いなら、それは買いと言えるでしょう。なぜなら再来期にはPER12
まで下がるからです。


 このようにPER=『割安の度合い』と解釈してしまうのはミスリードにつ
ながりやすく危険ですが、それでもPERがこれほどまでに使われているのは、
直感的に買われ過ぎかどうか判断するのに便利だからだと思っています。

※特損や特益などがあったり、EPSの値が−であったり、1に近い値の場合
 は参考にすらならないこともあるので注意が必要。



■丸順の場合はどうなのか?


 本題に戻ります。


 まず、参考までに丸順の属する金属セクターは全市場で93社あり、PER
70を超えた異常値4社を除いた業界平均PERは15.8、さらにPER2
0以上の成長期待を評価されているであろう企業21社を除いた平均PERは
11.5となります。

 丸順のPERは金属セクター最下位であり、次に低い評価の企業でPER5.
2です。


ここまで丸順が市場からの評価が低い大きい理由として

・上場市場が名証二部であること
・ホンダへの依存度が高いことによるリスク
・自己資本比率が17%と低いこと(16年は4%だった)
・配当が少額であること(今期は3円の復配で配当利回り0.3%)

等がその主な要因として考えられます。

 逆に考えると、市場からすでに評価されていないということは、ここから大
きく売られる時=丸順の業績回復のシナリオが崩れた時とも言えます(ホンダ
車の想定以上の販売不振や丸順が得意先不具合などで損失計上をする事態等)。

 市場に絶対はないので決めつけは禁物ですが、こういった市場から見放され
ているような企業に実は大きなチャンスがあったりします。


 投資の基本はダウンサイドとアップサイドのリスクリターンのバランスです。

 現在丸順の時価総額は100億弱であり、経常利益の3倍弱でしかありませ
ん。

 同社が現在EV関連銘柄になっていることは、おそらくあまり市場で認知さ
れていないのでしょう。

 パナソニックからハイテン材でのバッテリ―ケースの受注が決まっており、
現在も受注は増えています。

 中国は特に今後も環境配慮の影響でEVが伸びることが予想されるのでバッ
テリ―ケースに関しては増収増益が期待できます。


 新代表の斎藤社長になってからIRセミナーや名証IRでの積極的なPR活
動、中期経営計画や東プレとの資本業務提携などの精力的な活動も非常に好感
が持てます。


 丸順の技術力に関してはみんなの運用会議で克明に書き上げたので追記する
必要はないでしょう。


 直近気になる点としては、ホンダの中国での新車販売台数が前年比でマイナ
スなことでしょう。

 17年と18年の4−6月のホンダの新車販売台数を調べたところ、

・日本乗用車
 84,305台(前期比マイナス1,277台)

・日本軽自動車
 82,445台(前期比プラス10,435台)

・中国(メーカー販売台数)
 308,274台(前期比マイナス30,597台)

・タイ(メーカー販売台数)
 24,659台(前期比プラス2,239台)

 合計前期比マイナス19,200台ということになりました。

 もちろん、丸順の部品の利益率も拠点や部品ごとに違い、またすべてのホン
ダ車に採用されているわけでも、数字の反映がどの程度ズレているのかもこれ
だけの結果ですべてが分かるわけではありません。


 丸順の第一四半期の決算を見てみると、売り上げは前期比467百万円の増
収、営業利益は319百万円の増益となっています。

 会社のコメントを見てみると、基本的には構造改革における効果が大きいよ
うで、これは今後も効果が見込まれるため現状のホンダ車の中国での販売が伸
び悩んでいることは格段業績に対してマイナスを与えないのではないか?

というのが私の見解です。


 同社には少なくとも3年〜5年以上の目線で投資を検討するのが良いと私は
考えています。



■丸順の投資指標

※2018/9/14現在

 終値     826円
 時価総額   98億円


※19年3月期会社予想(第一四半期経過時点で計算)

 売上    480億円
 営業利益   42億円
 経常利益   35億円
 純利益    22億円
 今期末配当    3円
 配当利回  0.36%

 PER     4.45
 PBR     0.79
 ROE    17.9%
 自己資本比率 17.0%

現在このようになっています。


 投資はあくまで『自己判断にて』お願いします。

 何かあってもその一切をこちらでは保証できません<m(__)m>


それではまた!!

『全力全開全力前進!!!』


(相川伸夫)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
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【9/18 第208号では】

■相場の視点
■自己株買い発表のテノックスの株価の行方に注目
■日創プロニティに株価反転の動き
■7月決算2銘柄の決算速報
■前回取り上げたサイネックスの続報
■来期業績に関心が寄せられるズーム
■調整中のアドソル日進の次のイベントは10月12日のフォーラム
■TATERU株の下落に引きずられたLCホールディングス
■新四季報で来期EPS134.5円とされたLib Work
■炎のファンドマネージャーの「銘柄選択セミナー」予告編


 → ご案内ページ http://www.honohfm.com/


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◆コラム「書評:ソクラテスの弁明・クリトン」


書評:ソクラテスの弁明・クリトン
プラトン 著、 講談社学術文庫
 https://amzn.to/2OBk1uL
 

■「悪法も法なり」なのか?

 ソクラテスは無実の罪(不敬神)で、邪悪なアテナイ市民から訴えられ、
アテナイ市民の多数を占める「心無い」人々によって死刑を宣告されました。
ソクラテスはこの判決が「無実の者を罰する誤ったもの」であると確信してお
り、ソクラテスの親しい友人であるクリトンたちも、ソクラテスの助命に奔走
し脱獄の準備もしていました。しかし、ソクラテスはその誘いを拒否し、神の
意志の表れとして死刑を受け入れました。

 この逸話から「悪法も法なり」という言葉が生まれましたが、ソクラテス自
身はそのようなことは述べていません。しかし、ソクラテスが「誤った判決」
を静かに受け入れ死刑となった背景には「国家の判断と個人の判断がぶつかっ
た時には国家の判断が優先する」という哲学があったのは間違いないと考えま
す。

 この考え方は、現代のように「個人」の意思が尊ばれる時代においては「専
制的な国家の暴政も受け入れなければならないのか!?」と糾弾されそうです
が、本当にそうでしょうか?


■封建制度を経験しなければ民主社会は生まれ無い

 歴史的に見ると、絶対王政から民主主義は一足飛びに生まれていません。基
本的には封建社会を経験する必要があります(詳しくは、人間経済科学所研究
論文「中国はなぜ民主主義を受け入れないのか」<藤原相禅>を参照)
https://j-kk.org/

 簡単に言えば、封建制度とは「御恩」と「奉公」の関係であり、領主が武士
たちの所領を「安堵」する代わりに武士たちが領主に「奉公」するという
「ギブ・アンド・テイク」の関係なのです。これこそが「契約」という概念の
本質であり、<国民と政府との間の契約>という概念が発達しなければ民主主
義は永遠に生まれないのです。

 絶対王政の王や帝国の皇帝はもちろんのこと、ファシズム、軍事政権、共産
主義のように党や軍部が絶対権力を持つ<独裁政治>の元で民主主義は生まれ
ませんし、そのような独裁政治から一気に民主主義社会へ移行することはまず
なく、封建制度のような<中間的形態>を経る必要があるのです。

 欧米諸国は、後進国(発展途上国)の経済を豊かにすれば民主化されると信
じて経済援助を続けてきましたが、それが完全な誤りであったことは現状を見
ればすぐにわかることであり、共産主義中国はその典型例でしょう。

 結局、民主社会を実現できるのは欧米や日本などの(封建主義を経験した)
限られた国々だけであり、そのような「政府と国民の契約が成り立つ社会」で
は、個人は政府との契約にしたがって命令に服従しなければならないというの
がソクラテスの主張です。

 したがって、共産主義(ファシズム)が支配する中国のような国では、国家
の命令に従う必要はないということです。

 例えば、ソクラテスは当時多数の都市(国家)の集合であったギリシャの中
で、自分が望めばアテナイ以外の都市へいつでも自由に移動(移住)できたこ
と(ほとんどの独裁国家では自由にできません)をあげて、自分の意志で国家
との契約を行ったのだと主張しています。

 もちろん、現在の日本をはじめとする先進国でも、他国への出国、移住の自
由は基本的に保証されています。


■法律こそが自由の基礎である

 もう一つ重要な点は、「法律こそが<自由>の基礎であり、法律に従うこと
こそが自由への近道である」ということです。

 一般的に法律と自由は反対の概念と思われがちですが、法律がまったく無い
状況を想像してみてください。例えばアフリカのソマリアは無政府状態で法律
による統治がまったく行われていませんが、人々は恐怖におびえながら暮らし
ていて「自由」はほぼ存在しません。ただ一つ存在するといえるのは「他人を
殺す自由」だけです。

 西部開拓時代も同様です。保安官が撃ち殺されれば(存在しない場合も多か
った)、盗賊集団が町を支配し、「呼吸する自由」さえ奪われかねないような
状況でした。

 実は無政府というのは、究極の不自由であり、政府と法律が自由に不可欠で
あることは、「自由主義」の急先鋒であり、ノーベル経済学賞受賞者である、
オーストリア学派のフリードリヒ・ハイエクも認めるところです。

 ですから、ソクラテスは「自由」を手に入れるために、間違った死刑判決を
受け入れたとも言えます。


■良き人生を生きる

 死刑判決当時ソクラテスは70歳でした。70年間アテナイという都市(国
家)に守られて暮らせたことを感謝しており、それも彼の判断に影響を与えた
ようです。

 「たとえ他国へ亡命したとしても「脱獄」したという汚名は消えず、人々が
自分(ソクラテス)の話を聞くときにそのことを考えすにはいられないだろう。
おいしい料理を食べたりする以外に何ができるのか?」と述べています。

 しかし、それでも生きていた方がいいじゃないかと思う人が大半でしょう。
ソクラテスはそのことをよく理解して「我々(クリトンなどの支援者)の考え
をわかる人々は極めて少ないだろう」とも発言しています。

 つまりソクラテスは、「良き人生」を送ることが人生の主要な目的であると
いうことは真理であるが、「良き人生」の概念は人によってさまざまであると
いうことも認めているのです。

 自由に良き人生を生きたいからこそ「誤った死刑判決を受け入れる」という
のは矛盾のようにも思われますが、それこそが「自由=良き人生」に関する最
大のメッセージなのです。


■モリカケ問題とソクラテス

 国民の血税を使って、野党やマスコミが国会で無実(少なくとも細かい議論
は別にして本筋において)の安倍首相を捏造証拠や嘘で糾弾しました。ソクラ
テスを無実の罪で裁判にかけた卑劣なアテナイ市民にも劣りますが、幸運なこ
とに安倍首相は死刑に処されていません。

 ソクラテスは、「<真実>を追求し続けながら、公職につくことは自滅行為
である」と、あくまで人々との対話によって真実を伝えてきた理由を説明して
います。確かに、卑劣な人間は、その卑劣さを指摘されると激怒します。ソク
ラテスのような、妥協の無い姿勢で野党やマスコミの卑劣さを次々と指摘して
いたら、ケネディ大統領のように今頃暗殺されていたかもしれません・・・・。

 民主主義政治とは「寛容と忍耐」を必要とします。安倍首相は、はらわたが
煮えくり返るような思いであったかもしれませんが、堪忍袋のひもをしっかり
と締めたまま、卑劣な糾弾者と忍耐強く対峙しました。良くも悪くも。民主主
義社会では、連続殺人鬼や幼児レイプ班員であっても、一定の人権は保障され
るのです。

 ソクラテスのように自らの死によって、自らの哲学を貫徹させる賢人もいれ
ば、安倍首相のように、国民の現実の幸福のために自らを投げ出す宰相もいる
ということです。


■備忘録

 書ききれなかった重要なポイントを箇条書きにします

◎真実は相手を傷つける。頭頂部の毛髪の生育力が弱まっている人に「禿」と
 言ったり、エコノミー座席が二つは必要な体型の人に「デブ」と言うのは
 <真実>ではあるが、「正しい」こととは言えない。一方で、汚職をしてい
 る政治家・官僚、記事を捏造しているマスコミに<真実>をつき出すのは絶
 対に必要なことである。

◎ソクラテスは、普遍的に<真実>を追求したため、<真実>を暴かれた人々
 から大きな恨みを買った。

◎人間は、夜眠っているときには意識が無い。もし、死がそのようなものであ
 れば「永遠に熟睡できる」のは決して悪いことでは無い。

◎当時のアテナイでは検察制度が無く、誰もが訴訟を起こすことができ、示談
 金をせしめるために冤罪とわかりながら訴訟を起こして金をせしめる輩も少
 なく無かったが、ソクラテスはそのような示談を行うことなく、法廷で正々
 堂々と弁論を行った。

◎ソクラテスは、「冤罪で死刑にされる」よりも「冤罪で死刑にする」人々の
 ほうが不幸だと考えていた。

◎大衆の多数意見に価値は無い。重要なのは思慮のある人の意見である。

◎医療に関しては専門家である医師の意見に従う。大多数の無知な大衆の意見
 に従うのは危険な行為である。言論、政治においても同様である。

◎大衆が自分をどのように評価しようが関係が無い。大事なのは知識と教養を
 備えた人が自分をどのように評価するかである。

◎国家を父親のようなものと考えたら、「ぶたれたからといってやり返すのが
 正しい行い」なのだろうか?

◎民主国家では政府を説得するか、それとも政府に従うかの二者択一を国民に
 与えている。共産主義やファシズムでは与えられていない権利である。

◎国家と政府とは違う。政府とは、国民一体の概念上の存在である国家から実
 務を運営するために仕事を任命された存在である。

 国家と政府の「二権分立」が確立した日本の制度を見るとよくわかる。
 国家とは、国民統合の象徴である天皇制で表されるが実務は行わない。実務
を行うのは国家の象徴である天皇から任命を受けた内閣(昔は征夷大将軍)で
ある。したがって、政府が何回変わっても「日本」という国家の永続性は保た
れる。


(大原浩)


★大原浩の執筆記事「異次元緩和でも日本にインフレが起こらない極めてシン
 プルな事情」(アナログな企業と人生こそデフレの勝者)
 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56970
 が講談社・現代ビジネスに掲載されました。

★大原浩の執筆記事<「衝撃分析:中国崩壊でも心配無用 世界経済好転」>
 が8月20日(月)午後発売の夕刊フジ1面に掲載されました。
 ZAKZAK (夕刊フジネット版)
 https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180821/soc1808210003-n3.html

★2018年4月に大蔵省(財務省)OBの有地浩氏と「人間経済科学研究所」
 (JKK)を設立します。HPは< https://j-kk.org/ >です。

★夕刊フジにて「バフェットの次を行く投資術」が連載されています。
(毎週木曜日連載)


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 昇龍社、アマゾン・キンドル版<上・下巻>2016年度版
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(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)


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