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Moyan Odiria

ファンタジー世界の源である中世ヨーロッパ民俗文化について解説。
中世に関する素朴な疑問等もお待ちしております。

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[Moyan Odiria]#126 12/29号

2007/12/29

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                                                                  第126号
                                                              2007/12/29
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            ファンタジー/中世ヨーロッパ民俗文化情報マガジン

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[Contents]

○今月のイベント情報
○告死童子の学術中世コラム
○本日の一言

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2007年もあと僅か、昨日で仕事納めの方も多いのではないかと思います。
仕事が終わったかと思えば今度は大掃除に年始の準備・・・と、「師走」といわ
んばかりの忙しさが続きますが、どうぞマイペースで、またお身体もゆっくり休
んでください。
インフルエンザの流行も気になりますので、マスクも極力お使いになった方がい
いと思います(何気に口周りの保温効果もあったりした)。

それでは今年最後のメルマガ、一気にいきます!

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▲▼▲▼開催中の中世イベント情報▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

●:展覧会情報
▲:コンサート情報・各種イベント情報
■:Illusion自主・協賛イベントとなります。


▲大阪音楽大学 音楽博物館▲
ミュージアム・コンサート
「クラリネットの魅力」 ―その歴史と今―
http://www.daion.ac.jp/museum/index.html

2008/3/15 14:00〜
クラリネットの魅力とそれにまつわる話を紹介。古典ピアノとモダンピアノとの
コラボレーションコンサートもあります。
(ホームページ上で申込受付中)


●東京富士美術館●
珠玉のコレクション〜名品セレクション〜
http://www.fujibi.or.jp

〜2008/1/12(土)まで開催。17世紀のイタリアを始めとするバロック絵画等を特
別展示。年始は1/2(水)から開館。


●箱根ガラスの森●
ヴェネチア仮面祭〜あなたも仮面をつけてみませんか?〜
http://www.ciao3.com/

〜2008/2/29(金)まで開催。毎年恒例の行事です。本場ヴェネチアで制作された
仮面をつけて記念写真などを撮ることが出来ます。また、同館に設置の「ヴェネ
チアン・グラス美術館」では、当時の貴族達が好んでいた繊細なグラスやシャン
デリアなどがあります。年末年始も営業。


●日本玩具博物館●
「世界のクリスマス」展
http://www.japan-toy-museum.org/

〜2008/1/22まで開催。
世界45ヶ国、約1000点にも及ぶクリスマスに関するグッズを展示!
展示解説会もあります。


■コストマリー主催企画■
http://woodruff.press.ne.jp/

定期的に開催している、トークショーorワークショップ。
今回は仮面・衣装制作家・柴田景子氏をお迎えして、仮面(マスケラ)の魅力や、
タロットに関するトークショーを開催。夜間のイベントは貴重です。
詳細はこちらからどうぞ。完全予約制なので、定員に達したら〆切ります。
予めご了承下さい。現在受付中。

〜夜間の仮面トークショー/タロットを添えて〜 
2008/1/26(土)18-21時 東京・池袋「明日館」


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○告死童子の学術中世コラム○

〜暦・占星術 その9〜

"錬金術の構成についての書"という書物は、ラテン語に翻訳されてヨーロッパに
錬金術をもたらし、当時世界最高水準と謳われたイスラム医学について記した"医
学典範"は、実に400年もの間、ヨーロッパで医学の教科書となりました。
ヨーロッパで散逸していた"ユークリッド幾何学"、"ヒッポクラテスの医学"など
の古代ギリシアの著作も、アラビア語版で再発見されたり、ギリシア語の原典ま
でもが見つけられたのです。

ギリシア文化は、ヨーロッパで脈々と受けつがれてきたのではありません。西ロ
ーマ帝国が滅んでのち、キリスト教化に伴って、ギリシアの、異教のものだとい
うだけの理由で一旦は排除したものを、十字軍遠征以降、異教徒のイスラム世界
からヨーロッパに逆輸入したのです。
これが後の"ルネッサンス "から近代ヨーロッパ科学、ひいては現代科学へとつな
がっていきますが、ギリシアの諸文化が失われなかったのは、イスラム教徒たち
の功績によるものです。

天文学や占星術に関するものとしては、アルマゲストや、アストロラーベなどの
道具が伝わりました。当時は、まだ"予言"という意味での占星術をキリスト教徒
が忌避していたので、最先端の科学の一分野として数学や化学とともに教会で広
まります。
13世紀になりますと、ロバート・グローステスト、アルベルトゥス・マグヌス、
ロジャー・ベーコンの手によって占星術理論とキリスト教義がすりあわされ、"西
洋占星術"が確立されていきました。

まず西洋占星術の中心地になったのがイタリアで、ボローニャやミラノなどの大
学で、占星術の講座が開かれています。しかし占星術理論とキリスト教義という、
全く異なるものが完璧に合うはずがありません。チェッコ・ダスコリというボロ
ーニャ大学の占星術の教授は、異端審問の規定に抵触する講義を行ったというこ
とで、異端者として1327年に火刑に処されてしまいました。
それでも14世紀後半になりますと、ヨーロッパの宮廷や教会にもかなりの数の占
星術師がいたようです。少し時代が遡りますが、何人ものイタリアの将軍に仕え
勝機を進言して名をあげた、グイド・ボナッティという人もいました。

また医術と占星術は、アラビア世界と同様に密接に結びついていて、占星術の知
識を得ることが医者としての訓練のひとつでした。そして多くの占星術師は同時
に天文学者であり、科学を究めて、より現実に即した、優秀な占星術師であろう
としたのです。ところが、これが占星術にとって仇となりました。

まず占星術師でもあったニコラウス・コペルニクスは、数学を駆使して"太陽系の
中心は太陽である "と説きました。さらにドイツの天文学者ヨハネス・ケプラー
は、この人もまた占星術で生計を立ててたんですけど、彼自身の観測や計算でも
って、 "ケプラーの法則"、惑星の運動は円運動ではなく楕円運動によるという法
則を解明し、コペルニクスの説を裏づけたので、占星術の根幹であったプトレマ
イオスの宇宙理論が覆ってしまいました。

なによりハンス・リッペルスハイが発明した望遠鏡は、プトレマイオスが"アルマ
ゲスト"で記した 48星座、 1,022の星を遥かに凌駕する星々を見つける助けとな
りました。肉眼で見える最も遠い天体は約 220万光年の距離にあるアンドロメダ
銀河ですが、現在では 132億光年の距離の間に、無数の天体が確認されています。

これらの天体が、たかが"人間 "の命運にわざわざ関わりを持っているはずがなく、
ついに17世紀末、それまで最先端の科学分野と扱われていた占星術は、疑似科学
になってしまったのです。


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○編集後記・ご挨拶○

メルマガ「Moyan Odiria」を今年もご愛読頂き、誠にありがとうございました。
月2回の発行を目指していたのですが、いろいろあったりで結局月1回の発行に
なってしまい、申し訳ありません。来年はできる限りその傾向でいきたい…と思
います。
また、中世民俗ネタも少なめだったのが反省点ではありますが、ネタがなくなっ
たわけではありませんので、ご心配なく(笑)。

なお、毎年恒例ですが、1/1(金)は、中世の時代で活気付いたヨーロッパの時間
に合わせて新年のご挨拶メールを一斉配信します。ぜひ来年もご覧頂き、資料の
ひとつとしてご協力できれば嬉しい限りです。

また、個人的宣伝ではありますが、来年度より、中世ヨーロッパ・ファンタジー
関連のプランニング&運営を専門とする「コストマリー」の運営をさせて頂くこ
とになりました。個人・企業・団体関係なく、「こんなことやってみたい!(専
門内で)」というのがありましたら、ぜひお声をかけて下さい。
もちろん、主催イベントもパワーアップして継続予定ですので、ぜひ遊びにいら
して下さいね。

それでは、よいお年を!

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:本日の一言:

どんな困難な状況にあっても、解決策は必ずある。救いのない運命というものは
ない。災難に合わせて、どこか一方の扉を開けて、救いの道を残している。

                                                        (セルバンテス)

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Moyan Odiria 126
発行・編集人:Illusion Wind/繻 鳳花
最終発行日: 2007/12/29

Site Address:http://woodruff.press.ne.jp/illusion/
Mail:illu@woodruff.press.ne.jp
(問い合わせ・掲載等は上記アドレスまでお願いします)

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メルマガ情報

創刊日:2002-01-28  
最終発行日:  
発行周期:隔週  
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