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ながい介護丞と とうなす屋の 平成浮世草子

強欲代官と物知り商人との時空を超えた対話が、超高齢社会に突入した平成の世相を鋭く抉る、時代劇メルマガ巨編!これからの20年、近未来のシニア・ライフに役立つ情報も満載・・・かも?

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ながい介護丞と とうなす屋の 平成浮世草子第141号

2006/10/26

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          平成18年10月25日  第141号


強欲代官と物知り商人との時空を超えた対話が、超高齢社会に突入した平成の
世相を鋭く抉る、時代劇メルマガ巨編!これからの20年、近未来のシニア・
ライフに役立つ情報も満載・・・かも?


           ◆◆◆  ニュース  ◆◆◆

   「市民後見センターきょうと」を開設して一ヶ月半ほど経ちましたが、
   当初予想していたよりも多くの方々がご相談にお見えになり、少しほっ
   としているところです。まだ、相談所開設のご案内も十分ではありま
   せんが、ホームページの検索で情報を得て、おいでになる方もおられ、
   大変うれしく思っております。ぜひ、お気軽にお立ち寄りいただきたい
   と思います。

   場所は、京都駅前の中央郵便局前の通りを渡って、西に2分ほど歩いた
   所にある下京区総合庁舎(茶色のレンガ張のビル)の角(西洞院通)を
   北に向かって1分ほど歩いた、サンプレ京都ビルの5階です。(ブルー
   の看板「エスティー」があるビルです。事前にお電話をいただけると有
   難いです。電話は 075-361-8567 です。おいでを、お待ちしています!


                ◆◆◆


     ◆◇◆ 第141話 「代官、医療に悩む」の巻 ◆◇◆


(代)秋も深まったというに、昼間は暑いのう。
   領内を見回ってまいったが、大汗をかいてしもうたわ。

(唐)今年は天候もよろしく、収穫のほうも上々のようでございますな。
   お代官さまも、ご安心でございましょう。

(代)うむ、年貢の取り立ても滞りがなく、安堵いたしておるが・・・

   見回りの最中に領民どもが「産婦が手遅れで死んだ」なぞと、噂話をし
   ておるのが耳に入ったが、唐茄子屋、其の方なにか存じておるか?

(唐)はて・・ あ、ございましたな、さような事件が。

   大和国での話でございます。産気づいた婦人が医者に運ばれた後、急に
   容態が悪くなり、気を失ったようで。その時に医者がきちんと検査をし
   ておけば良かったのでございますが、そのまま放置して・・・

(代)それで死んだか?

(唐)いえ、それからがまた問題でございまして。
   医者が大事に気づいて、大きな病院に移そうとしたのでございますが、い
   ろいろ当たっても、どこの病院も受け入れず、ずいぶんと長い時間が掛か
   りましてようやく十数軒目の医者が受け入れたのでございます。

   それが、大和国から遠く離れた大坂で、およそ三刻半ほどかかってしまい
   手遅れとなったのでございます。

(代)大坂とな? 医者なら隣国の山城にも多くおろうに、何故、大坂くんだ
   りまで?

   待て、唐茄子屋、其の方時々、訳の分からぬことを平気で申すな。
   大和国から大坂までが三刻半で行ける訳はあるまい。三日半の間違いで
   あろうが。

(唐)はぁ? ・・はい、まあそういうことにして・・・

   医者はおりますが、受け入れが出来なかったそうにございます。
   今はどこでも、産科や小児科の医者が不足しておりまして、いづれでも
   地元の患者が優先となっております。他国の患者を受け入れる余地がな
   かったのでございましょう。

(代)それもおかしなことじゃの。
   お上も、それから大名家でも医師の育成には力を入れており、毎年、多
   くの医者が生まれておると聞いておるぞ。

(唐)それはその通りではございますが、その、偏りというものがございます。

   産科医のなり手が極端に少なくなっているのでございます。そのため、
   少ない医者が多くの患者を抱えております。

(代)医者になれば面白いほど金が入って来ると聞くが、なぜなり手がおらぬ?

(唐)はい、産科は重労働でございます。子が生まれるのは夜中から明け方に
   かけてが多いようで、そのため医者は当直をせねばなりませぬ。

   また、産気づいたとなれば、真夜中であろうがなかろうが叩き起こされ
   て子供を取り上げねばなりませぬ。今時の若い医者はそのようなことを
   嫌うのでございます。

(代)当直が明ければ、ゆっくり休めるはずではないか。それに、それ相応の
   金が懐に入って、一体何の不足がある?

   左様な身勝手な医者は、一度締め上げてやらねばならぬな。

(唐)それが休むどころの話ではないようでございまして。
   当直明けに、そのまま夜まで引き続き仕事をして・・ それが三日おき
   だそうにございます。

   休みは月に三日も取れれば良い方だそうで・・・

(代)若い頃は、それくらいの苦労を厭うてはならぬ。
   働けば、いずれ金ががっぽり入って、それで遊ぶなり、酒を飲むなり・・

(唐)いつ手術になるか分からぬものを、お酒なぞ飲んでおられませぬぞ。

   また、重労働の割には報酬が少ないのだそうでございます。休む暇もな
   く働きづめで「自分が壊れるか家庭が崩壊するか」というぎりぎりの状
   態に追い込まれている医者も多いのでございます。

(代)それは知なんだが・・ 医者も色々じゃの。楽に儲けておる者も多いと
   聞くが・・・

(唐)手前の知る限り、医者という仕事は誠に重労働。楽に儲かるなぞという
   のは一昔前の話でございます。

   尤も、大儲けする者も多少はいるようで。

(代)どんな医者じゃ?

(唐)はい、今なら美容整形、腕さえ良ければ引き手数多。客は引きを切らず、
   報酬も自由診療でございますゆえ、言い値ということに。

(代)あれか? あのぶすの顔に細工をして、ぺちゃぱいに詰め物をして、三
   段腹を細くしてというやつか?

   予はあれは好かぬ。ああいう詐欺まがいのことは好かぬな。大金が入っ
   ても嫌じゃ。

(唐)ほー? 金になるなら何でも有りというお方が、妙なところに拘って・・

(代)もっと、楽できれいな仕事の医者はないのか?

(唐)そんな勝手な仕事はございませぬが、まあ、強いて言えば耳鼻咽喉科、
   それから皮膚科、でございましょうか。

   耳鼻咽喉科は花粉症の治療で、薬をちょと塗るくらいで、切った張った
   の勝負はございませぬし、当直ということもまずはありませぬ。皮膚科
   は若い女子のニキビの治療が主で、これもまあ楽な方。

(代)人の鼻くそや鼻水を扱うのもの・・ にきびやあばたの不細工な面を見
   るのも、あまりぞっとせぬな。

   他にもっときれいな医者の仕事はないのか??

(唐)矢鱈、注文が多い・・・
   では、人の悩みを聞いて、人の心を直す、精神科ではいかがで?

(代)おお、それそれ!
   出来れば患者は金持ちで良家の子女に限定しての。妙齢の美女が、恋の
   悩みなぞを打ち明けて・・ それをじっくり聞いてやって。

   静かな部屋に、予と美人の患者と二人きりでの・・・ ひ、ひ、ひ・・

(唐)・・ また、病気が出たか・・・
   心の病が一番難しいのでございますぞ。お代官さまに、さようなことが
   お出来に?

(代)当たり前じゃ。
   恋の病を患う美女は、予が全身全霊を傾けて治療を施すのじゃ。

   さすれば美女は、やがて予に惚れて、恋の病はたちどころに治ってしま
   うのじゃ・・ が、今度は世に惚れたがために、より重い恋の病になっ
   て・・・ うむー・・ これは医者として辛いことじゃ・・ が、嬉し
   いような・・ 辛いような・・・ これは参ったの。どうしたものか、

   あー、辛いのう・・・

(唐)ご苦労さまで。とりあえず精神科に見てもらいますか?



次週に続く、

         ☆☆☆ 今週の役立たず情報 ☆☆☆

 ○ 江戸の医師教育

   江戸時代には医師の資格免許制度はなく、誰でも自称医者を名乗ること
   ができた。しかし、そのような状況では当然、技能の未熟な医者も多く、
   医者という職業は尊敬の対象にはならなかった。安永年間(1772〜
   1781)に著された「風俗見聞録」には「医道の本意を失ひ、猥りに
   驕奢にほこり、欲情のつよき事言語道断(中略)富貴なる病人へは、丁
   寧に療治をなし、貧窮のものへは疎略」との記述がある。

   幕府お抱えの医師に対する批判や、医療そのものに対する不信感も広が
   ったため、幕府は質の高い医師の育成に乗り出した。これを担ったのが
   幕府の奥御医師で、将軍家の医療を担当した多紀安元である。多紀家は
   平安時代の名医丹波康頼を祖とし、代々徳川将軍家に仕えた幕医である
   が、安元の代に医の最高位である奥医師に任命された。多紀安元は「医
   術とは人の生死に関わるものである以上、技量が未熟で学問も浅い医師
   が多いと、人は横死を免れえない。よって、未熟な医師を集め、自ら医
   学教育を施したい」と幕府に願い出た。

   将軍吉宗はこの訴えを認め、神田佐久間町に千五百坪の敷地を与え、建
   物の普請も支援して医学塾「躋寿館(せいじゅかん)」を創設させた。
   ここでは武士、町人を問わず、医学を目指す者に漢方医としての育成を
   行った。個人による日本初の医学校といえるが、幕府からの厚い支援を
   受けた幕府公認の医師養成機関であった。幕府は寛政3年(1791)
   に、これを「医学館」と改名し幕府直轄の医学校とした。館長には多紀
   安元を任命し、以降、館長職は代々多紀家の世襲とした。また、医学館
   には、以後毎年幕府から運営費として100両、薬種料として100両
   が給付され、さらに町屋敷も与えられ、そこからあがる地代が運営費に
   充てられた。

   医学館には、館主である多紀安元のもとに、教諭が10名ほどおり、教
   諭は、月に六回医学館へ出講し、本道(内科)、外科、眼科、小児科な
   どの講義を行った。子弟は40歳以下の幕府医官やその子弟に限定され
   ることとなり、その数はおよそ50人ほどであったという。医学考試と
   して口頭試験と筆記試験があり、問答は試験官の前で5題の設問に答え、
   素読は漢方医学の基本書物の一節を音読するものであった。筆記試験は
   「医案方付」と称し、出題内容は実在の患者の具体的な症状、経過を書
   き記した文面で、答案として自らの診断(医案)を書き、それに適した
   処方を示す(方付)ものであった。

   考試の結果は、御番医師や奥医師以上への事実上の登竜門となった。医
   学館の講義を受講する者には、考試が免除されていたため、多くの幕医
   が医学館に集まり、講義は盛況を呈したという。

   医学館は医学教育のみならず、臨床教育の一環として、医学館では診療
   を求めてやって来る患者100名に限って無料の施薬も行った。これは
   患者にとっても有難いことであり、また修行中の幕医にとっては、無料
   の薬を使用できり利点があって、貴重な臨床経験の場となった。生徒医
   師は順番を定めて病人を診察し、所見を述べて処方箋を作成した。最後
   に教諭が診察して、処方を改めて作成した。

   寛政の改革を進めた老中松平定信は、医療行政の改革に力を注ぎ、医学
   館の発展を支援して、幕医の質の維持向上を推進した。貧しいがため、
   医術修得の志が叶わない者には、授業料を免除し、また朝夕の食事の支
   給、書物や寄宿中の夜具を貸与するなど、手厚い就学支援を行っている。
   定信は医学館に対して、幕府医官の推挙や医書の検閲などの権限も与え
   たため、それ以降、医学館は幕府の医療行政および江戸の医学界に絶大
   な影響力を行使していくようになった。医学館は後に明治新政府に接収
   され、廃絶となった。

 □ 質のいい医師を大量に養成して、患者さんには診断と治療・投薬をした
   というのですから、江戸時代の大学病院と言えるかもしれませんね。し
   かも医療費がただというのは、うれしい限りです。


         ★★★ ためになるかも情報 ★★★

 ● 医師不足の悪循環

   日本の医療における医師不足問題は極めて深刻な事態に陥っている。過
   疎地域や離島での医師不足は今始まったことではないが、近年、産科と
   小児科で医師の補充が出来ず、それに起因する事故も生じている。毎年、
   新たに4千人からの医師が誕生しているにもかかわらず、このような問
   題が生じているのは、診療科における「医師の偏在」が発生し、それに
   よって更なる悪循環が生じているからである。

   産婦人科医師が不足している原因

   1.産婦人科医師の40%以上が6歳以上と高齢化が進む一方で、新た
     に産婦人科を志望者する新人医師は、医師国家試験合格者の3〜4
     %に減少している。

   2.そのため地域の基幹病院の産科勤務医師が不足し、残った産科医師
     に負担がかかる。それが一層の過重労働を生み出し、一人の医師の
     負担が増大し、診療に余裕が無くなっている。

   3.女性医師の増加し、出産、育児などのための休職もあり、フルで働
     くことが困難になっている。

   4.内科医師などと比べて、産婦人科医師の当直回数は倍以上となって
     いる。

   5.出産時の事故に関連する医療訴訟が多発し、肉体的疲労に加えて、
     精神的疲弊が蔓延している。

   九州のある大学病院の調査によれば、産婦人科医師の労働実態は以下の
   ような過酷なものであることが明らかになっている。
    ・一日平均勤務時間が12時間以上と答えた医師:79%
    ・月11回以上の当直または拘束があると答えた医師:45%
    ・当直時の平均睡眠時間:4.8時間
    ・一ヶ月の平均休日日数:2.5日
 
   また、北海道内30ヶ所の産科医を対象に行った調査では、
    ・一年間の当直回数が平均123回
    ・当直明けに休みがとれる病院はゼロ(連続30時間以上の勤務)
    ・土、日、祝日の勤務は37回。


   小児科医が不足している要因

   1.日本は欧米に比べて小児科医がカバーすべき「領域」が広い。
     ・欧米の場合、小児も含めて救急患者はまず救急医が診療するが、
      日本では数少ない小児科医も救急医療のローテーションに組み込
      まれている。
     ・米英では総合医や看護士が担当する予防接種や子育て支援などの
      小児保健的な領域も、日本では小児科医に託されている。

   2.子供の患者の対応と治療には、大きな手間隙がかかる割りに、診療
     報酬が少ない。
     ・子供の患者は、その治療に大人以上の大きな手間がかかるが、小
      児科の診療報酬が内科に準ずるもので、注射に怯えて泣き叫ぶの
      をなだめすかしたり、入院中にベッドから転落するといった事故
      を防止するための巡回などは診療報酬の対象にならない。

   3.夜間勤務が多く、肉体的、精神的疲労が大きい。
     ・乳幼児などは、夜間に急に発熱してぐったりする例も多く、夜間
      に救急車で搬入される。そのため小児科医は夜間に働かされるこ
      とが他の科よりはるかに多い。(本当に救急の必要があるケース
      は全体の5分の1でしかない。)

   4.女医が多く、全体として戦力不足が生じている。
     ・小児科は女医の比率は高く、全体の32%が女性で、結婚、出産、
      子育てなどのための仕事の中断や、肉体的疲労のため夜間勤務が
      できない、勤務時間を削減するといった傾向が見られる。

 ■ 産婦人科も小児科もお医者さんは大変です。真面目な先生ほど責任感か
   ら過重な仕事を引受けて、それが続くと燃え尽き症候群に陥るようです。
   「労多くして、報酬は少ない」では誰も引受けなくなります。こういう
   問題こそ、厚生族議員さんが頑張るべきではないでしょうか。


          ◆◇◆ 編 集 後 記 ◆◇◆

相変わらず、身勝手な想像で悦に入る代官ですが、こんは人は放っておいて構
いませんから、これから将来のある子供の医療、子供を生む女性へのしっかり
したケアと支援を、政府にお願いしたいですね。

今週も、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
ご意見やご感想のメール、お待ちしています!



          ◇◆◇  感謝、感謝  ◇◆◇



□ ■ □        「登場人物紹介」         ■ □ ■

永井介護之丞(ながい かいごのすけ) 年齢: 53歳
金と色が人生のすべてという、強欲で知られた悪代官
弱い者には強いが、娘と茶屋の女将にはめっぽう弱い、生活習慣病はほとんど
経験済み。自分のことは棚に上げて、他人の悪事は鋭く追及する。

唐茄子屋徳三郎(とうなすや とくさぶろう) 年齢: 62歳
若いころ放蕩をして親に勘当されたが、唐茄子の「担ぎ商い」から出直して成
功し、いまや押しも押されもせぬ豪商となった。人助けが大好きで他人の健康
管理にも、やたらと口をはさむ。

話に出てくる人物・名称に関しては、全てフィクションであり、実在の人物、
団体とは、何ら関わりはありません。ご了承下さい。

■ □ ■                         □ ■ □


  発行元:NPO法人ユニバーサル・ケア http://www.kyoto-koken.net
  管理人:のほほん茶      E-mail: postmaster@kyoto-koken.net


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□ 購読中止・変更: 京都「成年後見」支援センター
                    http://bokenahsi.com/magazine/index.html

□ 発行システム: まぐまぐ   http://www.mag2.com/    ID:0000126034
        : Melma!     http://www.melma.com/    ID:m00109136
        : めろんぱん http://www.melonpan.net/  ID:006052
        : Macky!   http://macky.nifty.com/  ID:nohohon

□ 記載内容の無断転載はお断りします。

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