文学

ハイリゲンシュタットの怪人

一人の日本人ジャーナリストが、21世紀のウィーンで、ベートーヴェンの亡霊に出会い、9・11後の世界について語り合うと言う物語です。

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ハイリゲンシュタットの怪人(17)

2006/09/07






          ハイリゲンシュタットの怪人




              第一の変奏曲




                17




     その道に入ると、僕は、微かな風を感じた。その
    風は、後ろから音も無くやって来て、音も無く、そ
    っと僕を追ひ抜いて行った。そこにも人影は無く、
    僕は、その静かな道を誰にもすれ違ふ事無く、その
    先に在る十字路へと向かって居た。道の左側には、
    木が有った。そこで、僕は、道の左側に、その小道
    の名を記した青いプレートが有るのを僕は目にした。
    そこには、Eroicagasseと書かれてあっ
    た。「英雄の小道」。それが、この道の名だった。
    僕は、「英雄の小道」を歩いて居るのだった。「あ
    の男も、この道を歩いたのだろうか?」誰も居ない
    その静かな道を歩きながら、僕は、そう思った。

                       (続く)



    核時代61年9月7日(木)







             西岡昌紀(にしおかまさのり)

            http://blogs.yahoo.co.jp/nishiokamasanori/

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創刊日:2004-09-11  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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