文学

ハイリゲンシュタットの怪人

一人の日本人ジャーナリストが、21世紀のウィーンで、ベートーヴェンの亡霊に出会い、9・11後の世界について語り合うと言う物語です。

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ハイリゲンシュタットの怪人(15)

2006/09/07





             ハイリゲンシュタットの怪人




               第一の変奏曲




                 15




     空には、夕方の色が感じられた。そして、その空の
    下の通りにも、夕方の気配が、漂い始めてゐた。その
    空を見上げ、通りの静けさに耳を澄ましながら、僕は、
    小さなため息をついた。そして、向かって右の方向の、
    あの教会が在る方を見やると、ポケットに手を入れて、
    そちらの方向にゆっくり歩き始めたのだった。夕方の
    気配が感じられるとは言っても、辺りはまだ明るい。
    この辺りを散歩して、あの大作曲家が歩いたこの辺り
    の空気を吸ひたいと、僕は思ったのだった。僕は、そ
    の狭い道を、あの教会の方向へと歩いた。

                        (続く)




    核時代61年9月7日(木)






 
              西岡昌紀(にしおかまさのり)

        http://blogs.yahoo.co.jp/nishiokamasanori/

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創刊日:2004-09-11  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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