文学

ハイリゲンシュタットの怪人

一人の日本人ジャーナリストが、21世紀のウィーンで、ベートーヴェンの亡霊に出会い、9・11後の世界について語り合うと言う物語です。

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ハイリゲンシュタットの怪人(13)

2005/10/07

(続きです)




              ハイリゲンシュタットの怪人




                 第一の変奏曲




                   13




     だが、僕は、いつまでもここに居る事は出来無い事を知ってゐ
    た。もうすぐ閉館なのだ。僕は、我に返り、ゆっくりと、その老
    人が座って居る入り口の方へと、移動した。僕は、窓から外の世
    界を一瞥し、老人の前へと戻った。そして、そこで、この家の由
    来についてのパンフレットを買ふと、軽く手を上げて、「Auf
    Wiedersehen(さようなら)」と、その老人に別れの
    挨拶をした。
    「Auf Wiedersehen(さようなら)」と、その老
    人も、ウィーン訛りで、僕に挨拶を返した。
    「又、来よう。」と、僕は、心の中で思った。今度来る時は、彼
    女と一緒にここに来よう。彼女は、きっと、感動するに違い無い。
    ・・・そんな事を思ひながら、僕は、その家を出、家の前の、細
    い、静まり返った通りへ出たのだった。

                             (続く)




    核時代60年10月7日(金)









                   西岡昌紀(にしおかまさのり)

                      http://blogs.yahoo.co.jp/nishiokamasanori/

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創刊日:2004-09-11  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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