文学

ハイリゲンシュタットの怪人

一人の日本人ジャーナリストが、21世紀のウィーンで、ベートーヴェンの亡霊に出会い、9・11後の世界について語り合うと言う物語です。

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ハイリゲンシュタットの怪人(2)

2006/05/07


(続きです)




                 ハイリゲンシュタットの怪人




                    第一の変奏曲




                       2




     僕は、広場の一角に有る、地図の前へと移動した。そこには、この広場からの
    道が描かれ、どちらに行くと、何が有るかが、観光客に分かる様、図示されてゐ
    た。僕は、もちろん、そんな物を見なくても、これから、自分が行こうとしてゐ
    る場所が、何処に在るかを知ってゐた。だが、僕は、何年ぶりかに訪れたこの広
    場が懐かしかったので、その地図の前に立ったのだった。僕は、その地図を覚え
    てゐた。−−以前ここに来た時、僕は、一人ではなかった。その時、僕は、彼女
    と二人で、この地図の前に立ったのだった。−−地図は、あの時のままだった。
    そして、地図の横に掛けられた、赤と白のオーストリア国旗もあの時のままだっ
    た。

                                    (続く)





    核時代60年(西暦2005年)1月23日(日)











                         西岡昌紀(にしおかまさのり)

                       http://macky.nifty.com/cgi-bin/bndisp.cgi?M-ID=eiga1

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創刊日:2004-09-11  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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