文学

オルフェウスの杖

妻を亡くした老作曲家が、クリスマス・イヴの夜、新宿の喫茶店で怪人メフィストフェレスに遭遇します。そして、その怪人から、或る条件で、作曲家が、冥界から妻を連れ戻す手伝いをすると言われます。その条件とは何でしょうか。

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オルフェウスの杖(10)

2006/05/01


(続きです)




                オルフェウスの杖




                   10




     黒田は、当惑した表情で、メフィストフェレスを見つめた。
    メフィストフェレスは、笑ひ過ぎて、目に涙を浮かべてゐた。そして、
    その笑ひ涙を指で拭きながら、首を横に振った。
    「ほ、ほ、ほ・・・」
    怪人は、なおも笑ひ続けた。
    「私は、そんな者では御座居ませんよ。」
    そう言って、メフィストフェレスは、もう一度、首を横に振った。怪人
    は、演技ではなく、可笑しくて堪(たま)らないと言ふ表情をしてゐた。
    「お迎えならば、こんな所には現れません。・・・病院とか、色々、そ
    れにふさわしい場所が有るではありませんか。・・」
    そう言って、怪人は、黒田を見つめた。
    「では・・・」と、黒田は、言った。
    「あなたは、何なのですか?」
    黒田は、そう言って、メフィストフェレスの答えを待った。

                                (続く)




    西暦2004年12月15日(水)










                      西岡昌紀(にしおかまさのり)

          http://macky.nifty.com/cgi-bin/bndisp.cgi?M-ID=heiligenstadt

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創刊日:2002-11-27  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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