文学

オルフェウスの杖

妻を亡くした老作曲家が、クリスマス・イヴの夜、新宿の喫茶店で怪人メフィストフェレスに遭遇します。そして、その怪人から、或る条件で、作曲家が、冥界から妻を連れ戻す手伝いをすると言われます。その条件とは何でしょうか。

全て表示する >

オルフェウスの杖(9)

2006/05/01


(続きです)




                 オルフェウスの杖




                     9




     メフィストフェレスは、ぽかんと口を開けた。そして、その当惑した
    表情で、自分の前で立ち上がった黒田を見上げた。黒田は、そうして立
    ち上がったまま、メフィストフェレスの言葉を待った。だが、その黒田
    の前で、メフィストフェレスの表情は、見る見る内に、笑い顔に変はっ
    た。
    「ほ!ほ!ほ!」と、メフィストフェレスは、笑い声を発した。
    「今、何とおっしゃいましたか?」
     黒田は、立ち上がったまま、自分の前に座るメフィストフェレスを見
    つめた。
    「お迎え・・・ですと?・・・」
    メフィストフェレスは、信じられない、と言ふ顔で、黒田の顔を見つめ
    た。
    「ほ!ほ!ほ!ほ!ほ!」メフィストフェレスは、高い声で笑った。
    「これは、これは!」と、メフィストフェレスは言った。
    「私が、『お迎え』だと・・・」
    メフィストフェレスは、笑い続けた。
     

                                (続く)




    核時代59年6月20日(日)










                   


                       西岡昌紀(にしおかまさのり)

                   http://macky.nifty.com/cgi-bin/bndisp.cgi?M-ID=zakkan

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2002-11-27  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。