ルーズヴェルトの亡霊
アメリカ大統領フランクリン・D・ルーズヴェルト(1882−1945?)の死は、実は、暗殺だったとする説が有ります。この小説は、そのルーズヴェルトの亡霊が、日本の新しい首相官邸に現われ、日本の首相に、アメリカへの復讐を命じると言う怪奇小説です。(西岡昌紀)
ルーズヴェルトの亡霊(1)
2006/05/01
ルーズヴェルトの亡霊
1
平成十五年、2003年の正月の事である。新年を迎えた東京の新首相官邸では、
或る奇怪な噂が、政府首脳及び官邸職員の間に流れて居た。それは、アメリカ合衆
国第32代大統領フランクリン・D・ルーズヴェルトの亡霊が、夜な夜な出現し、
新官邸を徘徊していると言う噂であった。
この亡霊が、最初に新官邸で目撃されたのは、前年の平成十四年、2002年の
12月8日の事であった。その日の未明、冬の暗闇に包まれた新官邸の廊下で、巡
視中の老警備員が、この亡霊を目撃したのを最初に、亡霊は、その後、年の瀬の新
首相官邸に毎夜の如く出没し、官邸の警備員達に、度々、その姿を目撃される事と
成ったのであった。
亡霊は、終始無言で、官邸に人気(ひとけ)の少ない深夜にのみ出現したため、
幸い、目撃者は、官邸の極く少数の職員に限られた。しかし、真珠湾攻撃(19
41年12月8日)当時のアメリカ合衆国大統領であり、ヤルタ会談において戦後
日本と世界の運命を決定し、そして、日本への原爆投下を準備したフランクリン・
D・ルーズヴェルトの亡霊が、新築されたばかりの首相官邸に毎夜の如く出現する
と言う報告に、政府首脳部は、戦慄した。
報告に接した政府首脳部は、直ちに緘口令(かんこうれい)を敷き、官邸にルー
ズヴェルトの亡霊が出没していると言う恐るべき事実の秘匿に努めた。そして、政
府部内においても、谷村首相と岡野官房長官、及び、小坂内閣情報調査室室長を除
いた閣僚達の誰にも、この事実は伝えられないと言う厳重な機密管理が行われた結
果、とりあえず、情報の漏洩は防がれ、各官庁や野党、外務省、アメリカ大使館、
各国情報機関、そして、マスコミが、この亡霊の出現を知る事とは成らぬまま、事
態は経過したのであった。
しかし、亡霊は、クリスマス後も官邸に出没し、官邸から姿を消そうとはしなか
った。そうした状況の中、亡霊が新官邸に出現する真意を図りかねた岡野官房長官
は、亡霊の出現が、日米関係を始めとする国内外の情勢に与える影響を憂慮し、谷
村首相に対し、ついに、或る助言をする事にしたのであった。
その助言とは、谷村首相自らが、深夜、官邸でルーズヴェルトの亡霊と対面し、
亡霊の口から、亡霊が、日本の首相官邸に出現した理由を問い正すと言う助言に他
成らなかった。
(続く)
核時代57年(2002年)12月8日(日)
真珠湾攻撃61年目の日に
西岡昌紀(にしおかまさのり)
http://macky.nifty.com/cgi-bin/bndisp.cgi?M-ID=tohno1
http://macky.nifty.com/cgi-bin/bndisp.cgi?M-ID=marcopolo3
規約に同意してこのメルマガに登録/解除する
メルマガ情報
創刊日:2002-11-16
最終発行日:
発行周期:不定期
Score!:
-
点
コメント一覧コメントを書く
コメントはありません。

この記事にコメントを書く