文学

広島のメリー・クリスマス

広島を舞台にした小説です。原爆投下は正しかったと言うイギリス人が、クリスマス・イヴの日、広島で、奇妙な老人に出会ひ、百物語と呼ばれる降霊術に招かれると言ふ物語です。

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広島のメリー・クリスマス(7)

2006/05/07


(続きです)




                 広島のメリー・クリスマス




                       7




    イギリス人は、決心した。そして、その決心を、このおかしな老人に伝えた。
   「分かりました。では、あなたが今夜開く降霊術に、参加させて頂きます。」
   老人は、喜びの表情を浮かべた。
   「ただし、・・・」と、イギリス人は、言った。
   「一つ、条件が有ります。」
   老人は、目を丸くした。
   「その条件をあなたが受け入れて下さるかどうか、今ここでお尋ねしたいので
   すが、宜しいでしょうか?」
   「条件?」
   「はい。」
   イギリス人は、老人の顔を見つめた。そして、その表情を観察しながら、老人
   の言葉を待った。すると、老人は、イギリス人が予想した通りに問い返した。
   「条件とおっしゃるのは、一体、どんな条件でしょうか?」
   イギリス人は、微笑を浮かべた。そして、きっぱりと言った。
   「私が、あなたが開くそのパーティーの場で、あなたが行なう降霊術のトリッ
   クを暴いても良いと、あなたが同意するならば、です。」
   イギリス人は、老人の反応を観察した。
   「トリック?」
    老人は、イギリス人が口にした言葉を反復した。
   イギリス人は、うなずき、老人がここで怒るか、或いは、恥をかいて真っ赤に
   成るか、どちらかに違い無いと、確信した。が、驚くべき事に、老人は、その
   どちらでもない反応を示したのであった。

                                   (続く)









   核時代58年1月7日(火)
   (西暦2003年)













                       西岡昌紀(にしおかまさのり)

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創刊日:2002-07-17  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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