文学

広島のメリー・クリスマス

広島を舞台にした小説です。原爆投下は正しかったと言うイギリス人が、クリスマス・イヴの日、広島で、奇妙な老人に出会ひ、百物語と呼ばれる降霊術に招かれると言ふ物語です。

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広島のメリー・クリスマス(6)

2006/05/07


(続きです)




                              広島のメリー・クリスマス




                                         6




        イギリス人は、この老人は、necromancy(降霊術)と言う言葉の意味
      を知らないに違い無い、と確信した。そして、その確信を確かめようと、老人に尋
      ねた。
      「necromancy(降霊術)と言う英語の単語の意味を知っているのですか
      ?」
         老人は、にっこりと笑いながら、頷いた。
      「本当に?」イギリス人は、念を押した。だが、老人は、頷くばかりであった。
      イギリス人は、当惑して老人に質問した。
      「では、necromancy(降霊術)とは何か、説明出来ますか?」
        イギリス人は、自分の言葉が、次第にきつく成って居る事を感じた。そして、こ
      んな馬鹿げた事を真剣に尋ねている自分の愚かしさに苛立ちをも感じた。が、そう
      思う彼に、老人は、こう答えたのだった。
      「necromancy(降霊術)は、あなたのお国でも盛んではありませんか。
      いや、実際、我が国の降霊術は、貴国の降霊術から大いに影響を受けておりまして
      な。言うまでも無く、necromancy(降霊術)とは、死者をこの世に呼び
      出す術です。あなたは、necromancy(降霊術)を御存知ないのですかな
      ?そうならば、、これは又と無い機会ではありませんか。」
        イギリス人は、絶句した。この日本人は、necromancy(降霊術)と言
      う単語の意味を確かに知っている。意味を知らずに、自分をnecromancy
     (降霊術)の集会に誘っているのではないのである。
       「馬鹿な・・・。」と、イギリス人は、つぶやいた。そして、目の前を流れる川
      を見つめた。だが、老人は、その彼の横で、微笑を浮かべ続けているのであった。
      
                                                                   (続く)







        核時代57年(2002年)11月28日(木)














                                                西岡昌紀(にしおかまさのり)

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創刊日:2002-07-17  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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