映画

週刊・映画コラム瓦版

映画批評家・服部弘一郎が編集発行する週刊メールマガジンです。映画評サイト「映画瓦版」では読めないオリジナルの映画コラムを毎週お届けします。

全て表示する >

映画コラム瓦版 第009号

2010/11/01

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          週刊・映画コラム瓦版 vol. 9
                             2010/11/01
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
映画批評家・服部弘一郎が編集発行する週刊メールマガジンです。映画評サイ
ト「映画瓦版」では読めないオリジナルの映画コラムを毎週お届けします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎映画コラム:いまどきの映画

『赦し/その遙かなる道』(2008年/韓国/日本未公開)

この映画のDVDはどんどんコピーして配布してください……だと!?

 10月のはじめに映画瓦版の読者だという人からメールをもらった。韓国で
制作されたドキュメンタリー映画の日本語版を作ったのだが、『当初から商業
性は全く無いと判断したので、韓国のオリジナル制作者の認可を得て、「コピ
ー推奨/レンタル認可/自主上映歓迎」というちょっと変わったDVDとして
完成させました』とのこと。映画は韓国で起きた連続殺人事件によって家族を
殺された男性が、犯人を「赦す」ことによって新しい人生の一歩を踏み出して
ゆく様子を描いたもの。この映画の内容については映画の公式サイトと、映画
瓦版に僕が書いた感想を見てもらうことにして、今回はこの映画の配布形態の
面白さについて紹介しようと思う。

・映画『赦し/その遙かなる道』の公式サイト
 http://www11.ocn.ne.jp/~grdragon/temp/forgiveness/

・映画瓦版の記事
 http://www.eiga-kawaraban.com/10/10101901.html

 公式サイトによれば、この日本版DVDはなるべく多くの人に観てもらうた
めに制作したものであり、家庭内での個人の視聴に限らず、その複製コピーと
第三者への頒布、公の場での上映、貸与について、有償・無償にかかわらず、
自由にご利用することができる。その際、原著作権者や日本語版制作者の了解
を得る必要はない。つまりこの映画は、無断譲渡、無断貸与、無断コピー、無
断配布、無断上映などが自由に行えるだけでなく、営利目的での上映や配布や
レンタルを行ってもまったくおとがめなし!ということになっている。(著作
権自体は放棄されていないので、内容改訂や無断の改作などは許されない。)

・公式サイト:DVDの利用権解放に関して
 http://www11.ocn.ne.jp/~grdragon/temp/forgiveness/freesoft.html

 こうした大盤振る舞いを行っているのは、この日本版DVDが「死刑廃止国
際条約の批准を求めるフォーラム90」というNGO団体によるボランティアで
制作されているためでもある。死刑廃止運動の一環として、この映画を通じて
社会に問題提起したいというのが、このDVD配布の動機になっているようだ。
(ただし映画の内容自体は単純な「死刑廃止」ではない。僕はむしろこの映画
を観て、死刑制度は今後も必要であることを痛感させられてしまった。)

・死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90
 http://www.jca.apc.org/stop-shikei/

 映画ソフトのコピーについては、市販されているDVDソフトの違法コピー
や海賊版販売が何かと問題になっている。しかしこの映画については、むしろ
「どんどんコピーして配布してください」と言っているのがユニーク。しかし
考えてみれば、世の中には「タダでもいいから大勢の人に観てもらいたい」と
いう映画が山のようにあるはず。そうした映画については権利問題さえクリア
になれば、DVD配布やネット配信が新しい映画流通チャネルになるかもしれ
ない。映画の中身の評価とはまったく別の部分ではあるが、僕はこの映画の行
方に注目している。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■無料メルマガ「聖書&キリスト教ナビ」のご案内!

 10月創刊の新しい週刊メルマガ「ふつうの日本人のための《聖書&キリス
ト教》ナビゲーター」は、何しろ立ち上げたばかりなので読者数もごくわずか。
早く購読したからと言って何か特典があるわけでもありませんが、読者が増え
れば編集発行作業にも気持ちの張り合いが出ますので、ぜひよろしく。

 →購読申し込み: http://archive.mag2.com/0001189995/index.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎今週公開の映画

『パートナーズ』 http://bit.ly/a3c4E2
『うまれる パパとママを選んできたよ』 http://bit.ly/crXFXs
『リトル・ランボーズ』 http://bit.ly/cNDUDs
『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』 http://bit.ly/aPgSu8
『リミット』 http://bit.ly/aDmCmf
『スプリング・フィーバー』 http://bit.ly/dwOPRT

 今週は『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』という話題作や、人気
シリーズ最新作『エクリプス トワイライト・サーガ』などもありますが、僕
が観ているのは上記6作品。

 『パートナーズ』は普通にいい映画なのだが、ちょっと地味。むしろ『裁判
長!ここは懲役4年でどうすか』の社会派コメディぶりに、僕は往年の伊丹作
品の匂いを感じる。ただしこれも、配役が少し地味なのが残念。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎編集後記

 MacBook Airがほしい。もちろん新しく出たばかりの11インチ版だ。僕が
現在使っているポータブルMacは2006年型で、機能的に今でも不自由はない
のだが、毎日持ち歩くには重すぎる。何しろ本体重量2kgで、他に電源ケーブ
ルや通信アダプターやデータバックアップ用のHDDなども合わせると、結構
な重量と容積の荷物になってしまうのだ。今は結局自宅でiMacを使い、手伝
っている会社の事務所にMacBookを起きっぱなしにしている状態。要するに
「省スペースデスクトップ機」になっているわけで、ポータブルマシンとして
の役割をまったく果たしていない。

 初代MacBook Airが出たときはその薄さと軽さにたまげたが、画面サイズが
13インチだから大きさ自体は手持ちのMacbookと変わらず、厚みだけが薄く
なるというものだった。重量も2kgが1.36kgになったところで、劇的に軽く
なったという印象は持てなかった。(そもそも持っていたMacBookが当時と
してはそれなりに小さくて軽かったのだ。)しかし今回は11インチ型の重量が
1.06kg。現在持っているMacBookのほぼ半分だ。これはかなりのインパクト
がある。画面サイズは小さくても、僕はかつて9インチ画面のMacintosh SE
で特に不自由を感じていなかったのだ。画面は高精細になっているから、実際
のデスクトップは画面サイズほど小さくならないはずなのだ。

 というわけで僕は久しぶりに「Mac欲しい病」にかかっているわけだが、
たぶん新型MacBook Airを買ったところで、それほど頻繁にMacを持っての
外出にはならないだろう。新型パソコンを買って生活や仕事が劇的に変わると
いう「幻想」を、僕はもう素直には信じられないでいる。とりあえず購入資金
が手もとにないという、現実的な問題も大きいのだが……。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【メルマガのご案内】

 映画評サイト「映画瓦版」では試写室や劇場で観た映画1本ずつの感想を掲
載していますが、メルマガでは個々の映画から少し離れて、映画にまつわるさ
まざまなコラムを掲載していこうと考えています。5つのテーマを週替わりで
連載し、1つのテーマごとに月1連載になる形式です。(第5週目のコラムに
ついては年4回の掲載となります。)

  ・第1週 いまどきの映画  (最新映画の紹介)
  ・第2週 映画の履歴書   (映画史にまつわるコラム)
  ・第3週 水神森キネマ倶楽部(映画DVDの紹介)
  ・第4週 本棚の映画館   (映画関連本の紹介)
  ・第5週 東京名画座ガイド (映画館案内)

 基本的にすべての映画は「いまこの時」のメディアだと考えているので、映
画史やDVDソフトの話題を取り上げる際にも、常に「いまこの時」の視点を
大切にしてゆくつもりです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【発行者について】

服部弘一郎(はっとりこういちろう)

1966年8月3日生まれ。東京都出身。血液型はB型。専門学校桑沢デザイン研
究所を卒業後、グラフィックデザイナーやコピーライターを経て、1997年か
ら映画批評家として活動。95年頃に映画評のホームページ「映画瓦版」を開
設。インターネットの世界では、日本語で読める映画評サイトの草分けだった。
著書に「シネマの宗教美学」など。

  映画瓦版 http://www.eiga-kawaraban.com/
  ブログ  http://hattori.cocolog-nifty.com/
  twitter http://twitter.com/eigakawaraban
  メール  eigakawaraban@gmail.com

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【発行者からのお願い】

・このメールマガジンに対する質問・要望・問合せは、次のメールアドレスま
 で直接お願いします。 eigakawaraban@gmail.com

・記事を読んだら、あなたの評価をつけてください。評価は3段階で簡単にで
 きますので、本メールの一番下からご参加ください!

・同じ著者による新メルマガ「聖書&キリスト教ナビ」もヨロシク!
 http://archive.mag2.com/0001189995/index.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2000-08-28  
最終発行日:  
発行周期:週刊  
Score!: 91 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。