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フライデー・ビデオマガジン

毎週金曜日に独自の視点で選んだビデオを1本紹介します。レンタルの際の参考にどうぞ。コメントは出来るだけ”ネタバレ”しないよう心がけていますのでご安心ください。コラムもあります。

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フライデー・ビデオマガジン(No.426)

2009/12/25

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「フライデー・ビデオマガジン」(毎週更新のビデオ紹介マガジン)  

         【 2009年12月25日号 No.426 】

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!!!今週ご紹介するのは『テキーラ・サンライズ』
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<D-Column>
”名は体を表す”と言います。人や物の名前は、そのものの実体を言い表し
ていることが多い、という意味ですね。
いとうせいこうさんや竹中直人さんらと組んだ伝説の演劇ユニット「ラジカ
ル・ガジベリビンバ・システム」のメンバーとしても活躍されていた劇作家
・脚本家の宮沢章夫さんのエッセイが好きなんですが、先日、フリーペーパ
ー『dictionary』の編集・発行などを手がける『クラブキング』主催のイベ
ントで、宮沢さんご本人が自然体でトークされている様子を初めて拝見しま
した。
”名は体を表す”ではなく、”文章は体を表す”とでも言うべき、例の独自
の視点で世界の重箱を突っつき笑いを誘う、ご自身のエッセイそのものの雰
囲気でした。迷子になった大人のようなとぼけた感じが良かったですねえ。

宮沢さんの著書では、『『資本論』も読む』(WAVE出版)や『東京大学「80
年代地下文化論」講義』(白夜書房)などが好きなんですが、エッセイでは
『牛への道』(新潮社)が一番好きですね。冒頭で語られる、深夜に自販機
でスポーツドリンクを買いまくる状況に陥ってしまったエピソードを読んだ
時の衝撃は忘れられません。他にも”中国の説得力”や””力士の安全性”
などなど、くすっと笑ってしまいながらも、妙に納得させられる文章が満載。
世界を掘り下げればコメディになる、こんなアプローチがあったのかと感心
します。よく宮沢さんの著書に対する書評で、「電車で読まない方がいい」
というコメントがありますが、まさにそうですね。読みながら顔がにやけて
しまうことがしばしば。やばいです。

ちなみにそのトークイベントの中でおっしゃっていたのですが、来年はエッ
セイを二冊刊行予定だそうです。楽しみ。

・『遊園地再生事業団』(http://u-ench.com/

それでは今週の1本です。


<作品プロファイル>
・邦題:『テキーラ・サンライズ』
・原題:『TEQUILA SUNRISE』
・監督:ロバート・タウン
・脚本:ロバート・タウン
・キャスト:メル・ギブソン、カート・ラッセル他
・公開/制作:1998年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:115分
・評価:★★(評価内容については下記説明をご覧ください)

<ストーリー>
麻薬の仲買人として知られるマック(メル・ギブソン)は、最近になって足
を洗うことを決意するが、別れた妻からは息子の養育費など金を要求され、
従兄は、金儲けのためにマックへの商売の誘いをやめようとしない。結果、
なかなか麻薬取引と手を切れないマックに、麻薬捜査官でもある友人ニック
(カート・ラッセル)が警鐘を鳴らすが...。

<コメント>
『俺たちに明日はない』(1967)や『チャイナタウン』(1974)などの脚本で知
られるロバート・タウンが脚本・監督を手がけた作品。メル・ギブソン、カ
ート・ラッセル、ミシェル・ファイファーという豪華な顔ぶれによる、三角
関係を軸にしたサスペンス・ドラマとなっています。

ミシェル・ファイファーと二人の男、という設定だと、どうしても同時期に
作られた『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』(1989)と比べ
てしまいます。どちらも音楽と映像にこだわった、雰囲気のあるいい作品だ
と思いますが、やはり彼女の魅力を引き出したという意味では『恋の〜』に
軍配があがるでしょう。
本作では、”男の友情”と”三角関係”をサスペンス仕立てで描いています
が、残念ながらどちらも今ひとつ...。メル・ギブソンとカート・ラッセ
ルの二人は、追うもの、追われるものという相反する立場にありながら友情
で結ばれているわけですが、まずそこがちゃんと伝わってきません。お友達
以上の関係には見えるものの、グッと来るものがない。三角関係に関しても、
それぞれの思惑や行動がわかりづらいです。さらに肝心のサスペンス要素に
関しても、ドラマとして見せ場が少なく、盛り上がりに欠けます。脚本その
ものはロバート・タウンらしく、ドラマチックな要素が盛り込まれていると
思うのですが。

それでも、音楽と映像へのこだわりは成功していて、全体的に大人の雰囲気
を感じさせます。デヴィッド・サンボーンやリー・リトナーのソロも素晴ら
しいですし、コンラッド・L・ホールの映像も印象的です(ちなみに、本作
は同年のアカデミー賞「撮影賞」にノミネートされました)。もちろん、ミ
シェル・ファイファーの魅力によるところも大きいでしょう。
クライム・サスペンス、としては弱い部分も目に付きますが、大人の甘さで
包まれたサスペンス風味の恋愛ドラマとしてはそれなりに成功していると思
います。コメディとしてリメイクされたら面白いんじゃないでしょうか。

by DISK
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「評価」の★の数について

5:これは最高。ぜひ見て欲しい名作。何度でも借りたくなること間違いなし。
4:良く出来た作品。見る人の趣味にもよりますが、とにかく見て損なし。
3:平均的な作品。でも見所はあります。好きな役者が出ていれば迷わずGO。
2:あまり良い出来栄えとは言えませんが、数百円のレンタル料なら許せる?
1:レビューを読んで頂くだけでいいかも。どうしても借りるものがなければ。
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創刊日:2002-04-05  
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