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フライデー・ビデオマガジン

毎週金曜日に独自の視点で選んだビデオを1本紹介します。レンタルの際の参考にどうぞ。コメントは出来るだけ”ネタバレ”しないよう心がけていますのでご安心ください。コラムもあります。

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フライデー・ビデオマガジン(No.374)

2008/12/26

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「フライデー・ビデオマガジン」(毎週更新のビデオ紹介マガジン)  

         【 2008年12月26日号 No.374 】

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!!!今週ご紹介するのは『ペイ・フォワード 可能の王国』
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<D-Column>
2008年度最後の配信となりました。今年もご覧いただきましてまことに
ありがとうございました。何とかまた無事に毎週発行をまっとうすることが
出来ました。みなさんのおかげです。あらためて感謝。
ここ数年、ブログの隆盛すさまじく、『D−Movie』についてもブログ
にしようかどうか考えたこともあるのですが、過去作品の一覧性ではやっぱ
りホームページの方が見やすいのかなあとか、いろいろ考えた結果見送りま
した。何かご意見などありましたらぜひ賜りたいと思います。よろしくお願
いします。

さて、毎年のことながら、なかなか劇場には足を運べていないのですが、そ
の中でも年間No.1を決めてみたいと思います。これは文句なくコーエン
兄弟の『ノーカントリー』でしょう。全編に流れる圧倒的な緊張感、正しい
不条理とでも言うべき居心地の悪さ、完璧でした。内容に比べるとラストの
余韻がちょっと弱い気がしますが、コーエン兄弟の作品だからこそ、そこま
で求めてしまうわけで。

それ以外で心に残った作品は、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』、『TO
KYO!』『靖国』『潜水服は蝶の夢を見る』あたりでしょうか。全体的に
はやはりファンタジックな作品が多かった気がします。
今月公開された映画での注目株は、まだ観ていませんがマーティン・スコセ
ッシの『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』ですね。す
でに観た知人の評価がかなり良いので気になっています。何といっても『ラ
ストワルツ』(1978)を撮った監督ですから。

ということで、また来年も週一回は映画に触れていただくべく、続けてまい
りたいと思います。よろしくお願いします。良いお年を。

それでは今週の1本です。


<作品プロファイル>
・邦題:『ペイ・フォワード 可能の王国』
・原題:『PAY IT FORWARD』
・監督:ミミ・レダー
・脚本:レスリー・ディクソン
・キャスト:ハーレイ・ジョエル・オスメント、ケヴィン・スペイシー他
・公開/制作:2000年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:123分
・評価:★★★★(評価内容については下記説明をご覧ください)

<ストーリー>
アルコール依存症の母と家を出て行ったDVの夫との間に生まれた少年トレ
バー(ハーレイ・ジョエル・オスメント)。彼が通う中学校の担任の先生シ
モネット(ケヴィン・スペイシー)は生徒達に、「もし自分の手で世界を変
えたいと思ったら、何をするか?」と生徒たちに問いかける。トレバーは自
分が受けた思いやりや善意を、その相手に返すのではなく、別の3人に渡す
という”ペイ・フォワード”を提案するが...。

<コメント>
中学生の男の子の思い付きから始まった”善意の連鎖”。果たして世界は人
間の善意によって変わることが出来るのか?天才子役ハーレイ・ジョエル・
オスメントと無表情の演技派ケヴィン・スペイシーを主役に、”善意の連鎖”
が紡ぎだす物語をドラマティックに描き出した作品。

原作者のキャサリン・ライアン・ハイドは、治安の悪い町で車がエンストし
た際、車に近付いてくる男2人に恐怖心を抱いたものの、実際にはハイドの
車を快く修理してくれたという出来事に、この物語の発想を得たそうです。
他人に優しくされて気持ちのよい思いをしたという経験は誰にでもあるはず
で、それをシステム化しようというのは面白い試みだと思います。本作を見
ていても、人々の善意=優しさがさまざまな事柄を解決したり、人を救った
りする様は見ていても非常に心地いい。

ただ、ミミ・レダーは『ディープ・インパクト』(1998)の監督。サイドスト
ーリーとして語られるホームレスの物語にしても(ホームレス役のジェーム
ズ・カヴィーゼル、いい味出してます)、ラストシーンにしても、あまりに
もドラマティックに演出しすぎている気がします。
取り上げられている問題は人間関係や貧困などリアリティがあるのですが、
しかし、さらなるリアリティを追求してしまうと、”親切の押し売り”的問
題も発生するでしょう。また、”世界をよくする”とは程遠い、個人レベル
の小さな親切も多いはずで、そう考えて行くと、ラストシーンで、善意の連
鎖と相対する憎悪をわざわざ登場させる必要があったのかどうか疑問です。
ある種ファンタジックな物語として終わった方が、さまざまなことを考えさ
せられる作品になったのではないかと思います。

それでも、ヘレン・ハントが母親と対峙する場面など印象的場面も多いです。
驚くほどあっさりしていますが、それが逆に泣けます。人間って本気で変わ
ろうと思えばおそらく1秒も必要ない。それこそが人間の本当の強さかもし
れません。

by DISK
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「評価」の★の数について

5:これは最高。ぜひ見て欲しい名作。何度でも借りたくなること間違いなし。
4:良く出来た作品。見る人の趣味にもよりますが、とにかく見て損なし。
3:平均的な作品。でも見所はあります。好きな役者が出ていれば迷わずGO。
2:あまり良い出来栄えとは言えませんが、数百円のレンタル料なら許せる?
1:レビューを読んで頂くだけでいいかも。どうしても借りるものがなければ。
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創刊日:2002-04-05  
最終発行日:  
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