3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース

外資系通信社で日米の政治、経済、マーケット、金融のニュース速報の最前線で活躍してきた筆者がアメリカの株・債券・為替市場やホワイトハウスや米議会、米連邦準備理事会の要人コメント、経済指標を分析し、今何が最もホットな話題なのかを探ります。

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3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース第383号

2010/03/28

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■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第383号 ━■■

米2月新築住宅販売、統計開始以来の最低を記録

―バンカメ、住宅ローン救済措置を発表―

【2010年3月28日(日)】 2月の米新築住宅販売件数は対前月比で4カ月連続の減少とな
り、1963年の統計開始以来の最低水準まで落ち込んだ。

 その前日(23日)に発表された2月の中古住宅販売件数も3カ月連続の減少となり、新
築と中古を合わせた同月の販売件数は昨年11月のピーク時の年率換算685万戸から532万
8000戸へと、実に152万2000戸(22.2%)も減少している。

 商務省は、2月は米東部を中心に2度にわたって大寒波が襲い、新築住宅の販売に悪影
響が及んだとしている。米北東部は前月比20%減、中西部は同18%減、次いで南部が同
約5%減となり、西部だけが同21%増となった。

 しかし、エコノミストの多くは、そうした気候要因を考慮しても住宅市場の本格的な
回復は当分の間期待できず、来年半ばまで緩やかな成長が余儀なくされると悲観的に見
ている。

 悲観的な見通しの根拠となっているのは、失業率(現在は9.7%)やフォークロージャ
ー件数(デフォルト通知や競売通知、銀行差し押さえ件数の合計)が依然高水準である
こと、また、FRB(米連邦準備制度理事会)のMBS(不動産担保証券)買い取りプログラム
が3月末に終了することから住宅ローン金利が上昇する可能性があることなどだ。

■バンカメ、債務者救済措置を発表=フォークロージャー回避で

 こうした中で、米金融大手バンク・オブ・アメリカがフォークロージャーを回避する
ため、2カ月以上返済遅延となっている約4万5000人の住宅ローンの債務者を対象に元本
額の最大30%を棒引き(債務減免)する救済措置を発表した。

 同行のこの救済措置は総額で30億ドルに達する見通しだが、これで一気にフォークロ
ージャーが解決するとは考えにくいようだ。

 今後、救済措置を求めて意図的にデフォルト(債務不履行)を起こす債務者も増える
可能性があるからだ。債務減免については、ウェルズファーゴも昨年第4四半期(10-12
月)に26億ドルの債務減免を実施しているものの、今後、他行も追随するかどうかにつ
いては疑問視されている。

■2月新築販売、前月比2.2%減=4カ月連続減少

 商務省が24日発表した2月の新築住宅販売件数は前月比2.2%減の年率換算30万8000戸
と、市場予想の31万5000戸を下回り、昨年10月のピーク時の40万戸から9万2000戸
(23%)も減少した。これは昨年11月以来4カ月連続の減少でブレーキがかかった状態
だ。

 また、長期トレンドを見ても、過去5カ月間(2009年10月-今年2月)の月平均販売件数
は34万6000戸で、1月までの5カ月間の平均36万3000戸から4.7%も減少している。

 ただ、やや明るい材料としては、2月の減少ペースが鈍化したことだ。新築住宅は1月
の前月比8.7%減から2月は同2.2%減となったほか、中古住宅を合わせても2月は0.7%
(3万7000戸)減にとどまっている。

■販売低迷、低金利と住宅減税延長も寄与

 新築住宅の販売件数が4カ月連続で減少した背景には、新規住宅取得者に対する税額控
除の適用期間が今年4月末まで5カ月間延長されたため、4月になるまでは駆け込み需要が
起きにくい状況がある。

 また、FRBのほぼゼロ金利の超低金利政策で、住宅ローン金利の低下続いていることも
新築住宅を購入するインセンチブになっていないこともある。

 実際、フレディマック(米連邦住宅貸付抵当公社)によると、30年固定金利の住宅ロ
ーンの2月の平均金利は4.99%で、1月の5.03%から低下している。

■在庫水準も4カ月連続上昇=9.2カ月相当

 さらに、新築住宅の売れ残り住宅在庫(着工前や建築中の住宅も含む)の2月の販売ペ
ースで見た水準も4カ月連続で上昇した。

 2月の新築住宅の売れ残り住宅在庫は前月比1.3%増の23万6000戸となり、1月の同
0.4%増に続いて2カ月連続で住宅在庫が増加した。ただ、前年比では28.0%減と前年水
準を下回っている。

 この結果、2月の販売ペースで計算した在庫水準は9.2カ月分相当と、4カ月連続の上昇
となり、また、昨年5月の9.5カ月以来9カ月ぶりの高水準となった。

 売れ残り住宅在庫の23万6000戸の内訳を見ると、建築中の住宅は10万2000戸と、前月
比で1%増加したものの、1月に記録した過去最低水準の10万1000戸とほぼ一致してお
り、住宅メーカーは新築住宅の着工には依然慎重であることを示している。

 これは中古住宅の売れ残り在庫やフォークロージャーの格安物件が依然多いことから
逆風を受けているためだ。

■住宅価格、前月比6.1%上昇=高額物件が寄与

 明るい材料となったのは新築住宅価格の中央値(季節調整前)が販売低迷にもかかわ
らず前月比6.1%上昇の22万0500ドルと、2年以上ぶりの大幅上昇となったことだ。ま
た、前年比でも5.2%上昇となっている。

 しかし、アナリストはフォークロージャーの格安物件が住宅市場に流入してくる状況
は今後も続く見通しから、昨年春から持ち直してきている住宅価格も今後数カ月には再
び低下傾向に戻ると見ている。(了)
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発 行 元   :「誰でも分かる!アメリカ経済情勢ファイル:ザ・裏読み」
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