3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース

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3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース 第381号

2010/03/22

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■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第381号 ━■■

オバマ大統領、第1弾の雇用対策法案に署名

−上下両院、引き続き13.6兆円雇用対策を調整−

【2010年3月22日(月)】 − 米議会で難航していた雇用促進法案の第1弾がようやく成
立した。これはオバマ大統領が18日、上院が17日に、68票対29票の賛成多数で可決し
た、新規雇用インセンティブ減税とインフラ整備を中心とした公共投資から成る180億ド
ル(約1兆6300億円)の雇用対策法案に署名したものだ。

 同法案は先月24日に上院を通過した150億ドル規模の雇用対策法案を下院が修正を加え
たもので、改めて上院の再議決が求められていた。下院は今月4日に、当初の上院案に対
し、運輸省が失業対策事業として実施している、41カ所の高速道路建設プロジェクトの
今年末までの延長を盛り込むなど一部を修正した上で可決している。

 一方、上下両院は現在、総額1500億ドル(約13兆6000億円)規模の雇用対策法案の内
容をめぐって調整しているが、今回の法案は事実上、それを小分けした第1弾となるも
のだ。1500億ドル規模の雇用対策法案はさまざまな雇用促進につながる対策を網羅し
た、いわば包括法案で、すでに上下両院を通過している。

 しかし、この包括法案は、上院案がさまざまな減税と失業保険給付期間の1年延長など
を柱としている一方で、下院案はインフラ投資と公務員の雇用安定などが中心になって
おり、雇用対策の優先順位で大きな隔たりがある。このため、双方の法案調整が難航し
ており、こう着状態となっている。

 ただ、11月の中間選挙を控えていることから、特に、民主党では選挙対策上、何らか
の雇用措置を打ち出していく必要性に迫られていることも今回の“小出し戦略”に転換
した格好となっている。

■社会保障税減税、1.2兆円規模

 今回、上院を通過した180億ドルの雇用対策法案の主なものには、従業員を新規に雇用
した中小企業に対するソーシャル・セキュリティ・タックス(社会保障税)の130億ドル
(約1兆2000億円)規模の減税がある。

 これは60日以上の失業者を2月3日以降に雇用した場合、今年は現行の6.25%のソーシ
ャル・セキュリティ・タックスを雇用主である中小企業は支払いを免除する。また、雇
用された従業員が1年間在籍すれば、さらに1000ドルの減税措置が講じられる。

 そのほか、政府の8620億ドル(約78兆円)の景気刺激策に盛り込まれた、最大25万ド
ルまでの設備投資に対する加速度償却を今年末まで延長する。

 また、180億ドルとは別枠で、今年末に期限切れとなる「ビルド・アメリカ・ボンド
(BAB)」と呼ばれる、連邦政府が州政府に対して、利払いの35%を負担する債券の発行
を2013年6月まで延長し、州政府がインフラ整備に必要な資金の調達を支援する。これに
より州政府は地方債の利払いの負担が大幅に軽減される。これに伴う政府支出は76億ド
ル(約6900億円)となる。

 さらに、運輸省が失業対策事業として実施している、41カ所の高速道路建設プロジェ
クトの今年末までの延長し、政府会計から高速道路・橋梁建設ファンドに200億ドル(約
1兆8100億円)を移す措置も盛り込まれている。

■失業保険の給付再延長が当面の課題

 また、今回、上院を通過した雇用対策法案には失業保険の給付期間の今年末までの延
長が盛り込まれていないため、当面は、4月5日の保険給付の期限切れをいかに回避する
かが最大の課題となっている。

 給付期間の延長問題は、これが初めてではなく、2月28日に最初の期限切れが発生した
際には社会問題に発展する恐れがあった。

 このときは、結局、下院が全会一致で給付期間の1カ月延長などを可能にする法案を可
決、上院に再議決を求めたため、上院もようやく今月2日に期限切れとなっていた失業保
険給付期間の延長と高速道路建設労働者への給与の支払いなどを1カ月延長する総額100
億ドル(約9000億円)の緊急雇用対策法案を可決、当面の危機が回避されている。

 しかし、今度は4月5日までに上下両院が1500億ドルの雇用対策法案で合意し、失業保
険の給付期間の今年末までの延長を決めなければ、再び、短期間の期間延長の法案を審
議しなければならなくなり、議会の混乱は避けられなくなる可能性がある。(了)

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発 行 元   :「誰でも分かる!アメリカ経済情勢ファイル:ザ・裏読み」
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