3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース

外資系通信社で日米の政治、経済、マーケット、金融のニュース速報の最前線で活躍してきた筆者がアメリカの株・債券・為替市場やホワイトハウスや米議会、米連邦準備理事会の要人コメント、経済指標を分析し、今何が最もホットな話題なのかを探ります。

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3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース第373号

2010/02/08

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■■      ◆3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース◆ 
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米1月雇用者数、増加は期待外れに=失業率は9.7%に低下

−製造業、07年1月以来3年ぶり増加−

【2010年2月8日(月)】 − 先週末(5日)、米労働省が発表した1月の雇用者数(非農
業部門で軍人除く、季節調整済み)は前月比2万人の純減と、市場予想の同1万5000人増
を下回り期待外れの結果となった。

 また、前月(昨年12月)も前回発表時の同8万5000人減から同15万人減と、6万5000人
もの大幅下方改定となった。

 しかし、過去3カ月(昨年10月‐今年1月)を見ると、2009年前半の70万人台の大幅減
少からは雇用減少ペースは急速に鈍化している。1月までの過去3カ月の月平均は3万5000
人減で、昨年12月までの3カ月間の月平均10万3000人の3分の1だ。

 昨年は1月の77万9000人減をピークに3月まで70万人台の大幅減少が続いたが、4月以降
は急速に減少幅が縮小し、8-10月は月21万‐22万人台にまで縮小。11月は前回発表時の
4000人増から6万4000人増と、6万人も大幅上方改定された。この結果、11月と12月の2カ
月間の改定幅は合計で5000人減にとどまっている。

 財務省のアラン・クルーガ−財務次官補は5日の記者会見で、今回の1月の雇用統計の
結果について、「全体的にはまずますの結果だ」と述べ、楽観的な見方を示したが、
「依然として挑戦が続いている」とし、本格的な雇用市場の回復にはまだ時間がかかる
と慎重な判断を示している。その上で、議会に対し、1000億ドルの雇用刺激策の必要性
を指摘している。

 オバマ大統領は1月27日に行った大統領就任後初の一般教書演説の中で、今後5年間で
新たに200万人の雇用創出を目指す方針を明らかにしており、新規雇用、あるいは、賃上
げを行った中小企業に対しては減税措置を講じるほか、輸出を2倍に引き上げることで雇
用創出を目指す提案を行っている。

■失業率は9.7%に低下=前月は10%

 雇用者数の減少幅の縮小傾向のほかに、もう一つの明るい材料となったのは、失業率
が昨年12月の10.0%から9.7%と、昨年8月以来5カ月ぶりの低水準となったことだ。これ
は内容的には市場予想の10.0%を上回るもので、雇用市場が依然回復基調にあることを
示している。

 また、やむを得ずパート労働者になった数は昨年12月の920万人から1月は830万人に減
少したことも明るい材料だ。

 パートタイム労働者と仕事を探すことをあきらめた労働者数にパート労働に変わった
労働者数を加えた広義の失業率も、昨年12月の17.3%から1月は16.5%に大幅に低下して
いる。

■製造業、計1.1万人増=3年ぶり増加

 1月の雇用統計では、建設業で雇用者数が依然、減少しているが、これまで長期にわた
り減少していた製造業と小売業が増加に転じた。

 製造業は前月比1万1000人増と、2007年1月以来3年ぶりに増加に転じた。また、これは
2006年4月以来3年9カ月ぶりの大幅増となっている。昨年12月は2万3000人減だった。
2009年上期(1-6月)の月平均17万1000人減、同年下期の月平均4万1000人減から急速に
回復してきている。

 このうち、自動車・自動車部品製造は、12月は同1800人減だったが、1月は2万3000人
増に改善した。

 他方、建設業は住宅市場の回復の兆しが見られるものの、同7万5000人減と、32カ月連
続の減少となった。2007年12月にリセッションが始まって以降では計190万人の雇用者減
となっている。

 建設業が7万5000人もの減少となったのは、specialty trade contractorsと呼ばれ
る、整地などの基礎工事や電気・配管などの専門工事業者が4万8000人減となったため
だ。


■小売業、1万人減=自動車販売は増加

 また、サービス産業も前月比4万8000人増と、12月の6万9000人減から増加に転じた。
このうち、小売業は、同4万2100人増と、12月の同9000人減から増加に転じた。これは
2007年11月以来2年2カ月ぶりの大幅増。特に、食料品と衣料品がそれぞれ1万4000人、1
万3000人の増加となった。

 しかし、対照的に、小売業のうち、自動車・自動車部品販売は12月の同3800人増から1
月は1800人減(うち、自動車ディーラーは12月の同6200人増から1月は同600人減)と、
悪化している。

 サービス産業全体を下支えしたのは専門・ビジネスサービス業だ。12月の2万人増に続
いて、1月も同4万4000人増となった。

 特に、このうち、将来の雇用の先行指標となる人材派遣業が同5万2000人の増加とな
り、12月の同5万8500人増に続いて4カ月連続の増加となっており、雇用市場の回復の可
能性を示している。

 金融サービス業(不動産販売も含む)は前月比1万6000人減となった。このうち、クレ
ジット仲介業も同5200人減となっている。

 また、雇用者数の増減を民間部門と政府部門に分けると、これまで民間部門の膨大な
失業者数を抑制する効果を示してきた政府部門は、前月比8000人減となったが、12月の2
万7000人減からは減少幅は縮小した。この結果、12月の民間部門だけの減少幅は同1万
8000人となった。(了)

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発 行 元   :「誰でも分かる!アメリカ経済情勢ファイル:ザ・裏読み」
発行責任者  :編集主筆 増谷栄一
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