3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース

外資系通信社で日米の政治、経済、マーケット、金融のニュース速報の最前線で活躍してきた筆者がアメリカの株・債券・為替市場やホワイトハウスや米議会、米連邦準備理事会の要人コメント、経済指標を分析し、今何が最もホットな話題なのかを探ります。

全て表示する >

3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース第369号

2010/01/12

■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■
■■      ◆3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース◆ 
■■       (まぐまぐマガジンID:0000121825)
■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第369号 ━■■

米12月雇用者数、再び大幅減少=失業率10%で変わらず

−昨年11月は4千人増=リセッション以来2年ぶりの増加−

【2010年1月12日(火)】 − 米労働省が8日発表した昨年12月の新規雇用者数は前月比8
万5000人の純減と、市場予想の増減なしの横ばい予想を大幅に下回って再び大幅減少と
なった。

 ただ、前月(昨年11月)は前回発表時の同1万1000人減から同4000人増に上方改定さ
れ、リセッション(景気失速)が始まった2007年12月以来約2年ぶりの増加となったこと
が明るい材料となっている。

 昨年10月と11月の前2カ月の減少幅は合計で約1000人の下方改定となった。これは今回
の発表では、11月は1万1000人減から4000人増と、1万5000人も上方改定となったもの
の、10月は前回発表時の11万1000人減から12万7000人減へと、1万6000人の下方改定とな
ったためだ。

 今回発表された昨年12月の新規雇用者数はこれで24カ月連続の減少となっているが、
エコノミストは昨年11月が大幅な上方改定となったことなどから、雇用市場の回復傾向
には変わりはないと楽観的に見ている。

 また、12月までの統計が出そろったことで、2009年全体の雇用者数は420万人の純減と
なった。これは1939年から同統計が開始されて以降では過去最高となる。2007年12月に
リセッションが始まって以降では合計で730万人の減少だ。

 一方、失業者数で見ると、2007年12月以降、これまでに失業者数は計720万人も増加し
ている。前の景気サイクル、つまり、2001年1月のリセッションから現在の2007年12月の
リセッションの始まりまでに雇用は570万人増加し、オバマ政権の総額7870億ドル(約71
兆円)の景気刺刺激策で100万人の雇用創出があったものの、それでも失業者の増加には
追い付いていない。

 ただ、過去の毎月の新規雇用者数の推移を見ると、最大の下げとなったのは昨年1月
で、1949年(83万4000人減)以来60年ぶりの大幅減となる74万1000人減だった。しか
し、それ以降は、減少幅は縮小傾向にある。ちなみに、8月は15万4000人減、9月は13万
9000人減、10月は12万7000人減、そして11月が4000人増となっている。

 エコノミストは今回、単月で大幅な減少となったことよりも、こうした長期の減少の
縮小傾向を重視すべきとの見方も少なくなく、人材派遣大手アデコでは、今年第1四半期
(1-3月)、特に2月からは雇用者数は増加基調に転じ、年央には月20万‐30万人規模の
増加となると楽観的に見ている。

■失業率は10.0%で変わらず

 もう一つの明るい材料は、新規雇用者数が大幅に減少したにもかかわらず、失業率は
昨年11月の10.0%からは変わらなかったことだ。これは市場予想と一致しており、雇用
市場が依然回復基調にあることを示している。

 ただ、リセッションが始まった当時よりも5.1%ポイント高い水準となっている。失業
率が上昇しなかったのは、仕事を探すことをあきらめた結果、失業者として認められな
くなり、労働力人口にカウントされない人たちが前月より26万3000人増えて過去最高の
630万人に達したためだ。

 また、パートタイム労働者と仕事を探すことをあきらめた労働者数やパート労働に変
わった労働者数を加えた広義の失業率は、昨年11月の17.2%から12月は17.3%に上昇し
ている。

 さらに、半年以上就職できない失業者数は610万人に増加、過去最高を更新している。
これは、失業者全体(1530万人)の3分の1以上にあたる40%と、依然として過去最高の
水準が続いている。

■製造業と建設業、計約8万人減=減少ペースは依然鈍化

 昨年12月の雇用統計の特徴は、前月同様、建設業と製造業、小売業で雇用者数が依
然、減少しているが、減少ペースが鈍化してきていることだ。

 製造業は前月比2万7000人減で、これで42カ月連続の減少となった。しかし、2009年下
期の月平均は4万1000人減で、今年上期(1-6月)の月平均17万1000人減からは減少幅が
大幅に縮小している。

 また、2007年12月にリセッションが始まって以降では計210万人の雇用者減となった
が、この大半は自動車などの耐久財の製造業で160万人減となっている。自動車・自動車
部品製造は、11月は同4400人減だったが、12月も4900人減と悪化が続いている。

 他方、建設業も住宅市場の回復の兆しが見られるものの、同5万3000人減と、31カ月連
続の減少となった。2007年12月にリセッションが始まって以降では計160万人の雇用者減
となっている。

■小売業、1万人減=自動車販売は増加

 また、サービス産業も前月比4000人減と、昨年11月の6万2000人増から再び減少に転じ
た。このうち、小売業は、歳末商戦で盛り返したものの、同1万人減となり、11月の同
1万3500人減に続いて26カ月連続の減少となっている。しかし、10月の同4万4000人減か
ら大幅に改善している。

 小売業のうち、自動車・自動車部品販売は11月の同1000人減から12月は2400人増(う
ち、自動車ディーラーは11月の同1900人増から12月は同2300人増と、3カ月連続の増加)
と、改善している。

 サービス産業全体を下支えしたのは専門・ビジネスサービス業だ。11月の8万9000人増
に続いて、12月も同5万人増と、4カ月連続の増加だ。

 特に、このうち、将来の雇用の先行指標となる人材派遣業が同4万6500人の増加とな
り、11月の同5万5200人増に続いて5カ月連続の増加となっており、雇用市場の回復の可
能性を示している。8月以降では計16万3200人増となっている。

 また、雇用者数の増減を民間部門と政府部門に分けると、これまで民間部門の膨大な
失業者数を抑制する効果を示してきた政府部門だが、昨年12月は前月比2万1000人減と、
11月の4000人増から減少に転じた。この結果、12月の民間部門だけの減少幅は同6万4000
人となった。(了)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発 行 元   :「誰でも分かる!アメリカ経済情勢ファイル:ザ・裏読み」
発行責任者  :編集主筆 増谷栄一
ホームページ  :http://www.asahi-net.or.jp/~fl7e-mstn/usfile.html
メールアドレス:FL7E-MSTN@asahi-net.or.jp
…………………………………………………………………………………………………
Copyright(C)2000-2009【Eiichi Masutani】 All Rights Reserved.
全文、または一部の記事の無断転載および再配布を禁じます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2003-11-26  
最終発行日:  
発行周期:週2−3回  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。