3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース

外資系通信社で日米の政治、経済、マーケット、金融のニュース速報の最前線で活躍してきた筆者がアメリカの株・債券・為替市場やホワイトハウスや米議会、米連邦準備理事会の要人コメント、経済指標を分析し、今何が最もホットな話題なのかを探ります。

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3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース 第368号です

2009/12/28

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■■      ◆3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース◆ 
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米中古住宅市場、回復が一段と鮮明に=予想上回る654万戸

【2009年12月27日(日)】 − 先週(22日)、NAR(全米不動産業協会)が発表した11月
の中古住宅販売件数(一戸建てや分譲住宅、集合住宅など、季節調整値)は、前月比
7.4%増の年率換算654万戸と、2007年2月以来2年9カ月ぶりの大幅増となり、市場予想の
625万戸を大幅に上回った。

 これは前月(10月)の前月比9.9%増(改定前は10.1%増)に続く大幅増で、9月以降3
カ月連続の増加となる。8月以降の4カ月間では実に28%も増加している。

 また、水準としても前年比44.1%増と過去最大の伸びなった。1月の底からも46%増と
なっており、2005年のピーク時からは10%減まで急速に回復してきている。

 こうした中古市場の急回復のデータを受けて、22日のニューヨーク株式市場では、株
価が大幅に上昇。ダウ工業株30種平均は前日比50.79ドル(0.5%)高の1万0464.93ドル
となった。他方、国債市場では10年国債が急落し、債券価格と反対方向に動く利回りは
前日の3.68%から3.76%へと、8月以来4カ月ぶりの高水準となっている。

 販売の内訳は、主力の一戸建てが前月比8.5%増の年率換算577万戸と、2006年4月以来
3年7カ月ぶりの高水準となり、前年比も42.1%増と大幅に増加した。分譲住宅と集合住
宅の合計では前月比横ばいの77万戸となったが、前年比は60.1%増となった。

■住宅取得控除が販売戸数を押し上げ

 NARのエコノミスト、ローレンス・ヤン氏は、11月の中古住宅販売が好調となった理由
について、住宅を新規に取得する購入者に対し、8000ドルを限度に住宅価格の10%の住
宅取得控除を認める住宅取得控除が11月末で期限切れとなるため、駆け込み需要が起こ
り、販売戸数を押し上げた、と分析している。

 結局、この住宅取得控除制度はオバマ大統領が雇用市場の回復の遅れに対する当面の
措置として、失業保険の給付期間を最大で20週間延長する法案に署名した際、同時に来
年4月末まで5カ月間延長された上に、それまでの新規取得者という限定条件も外してい
る。

 つまり、居住年数が5年以上であれば、新しい住宅に買い換えた場合には最大6500ドル
の取得控除が認められることになった。こうした制度の拡充は、住宅取得控除が第3四半
期GDPのプラス成長への転換に寄与した教訓から、景気回復を後押しするために取ら
れている。

 ヤン氏によると、11月の販売戸数の半分以上は、同制度の利用者だったという。ま
た、これまでに住宅取得控除制度を利用したのは約200万人で、今後、期限延長され適用
対象も拡大された新制度の利用者は240万人に達すると予想。新旧両制度の利用者は実に
計440万人になるという。この結果、米国の中古住宅市場は、同制度の適用が終わったあ
との2010年下期に自律回復に入ると見ている。

■住宅在庫、3年ぶり低水準=適正水準に

 一方、中古住宅市場の供給過剰感を示す売れ残り住宅在庫は、前月比1.3%減の352万
戸、前年比でも15.5%減となった。11月の販売ペースで換算した在庫水準も6.5カ月分
と、前月の7.0カ月分から大幅に低下し、3年ぶりの低水準となった。

 これは過去25年間の平均値である7.1カ月分を下回っており、また、適正水準とされる
6-7カ月分(住宅ブームのピークだった2005年は4.5カ月分)のレンジに入った。最近で
は2006年4月に記録された6.1カ月分に次ぐ低さだ。

 ヤン氏は、「ほぼ全米の住宅市場で、11月の中古販売件数は前年水準を上回った」と
指摘する。

 ここ数カ月、中古の住宅販売が伸びたのは、住宅取得税額控除に加え、フォークロー
ジャー(住宅不動産の差し押さえ=競売)の格安物件への旺盛な購入意欲だ。

 このフォークロージャー物件の販売比率は、11月も全体の約33%と、2008年後半から
2009年初めまでの45−50%を下回っているものの、依然高水準となっており、こうした
格安物件は失業率がまだ高止まりしているため、2010年まで増加し続けると見られてい
る。

 また、住宅ローンの低下も販売好調を支えている。フレディマック(米連邦住宅貸付
抵当公社)によると、30年の固定金利型住宅ローンの金利は、11月は4.88%となり、10
月の4.95%から0.7%ポイントも低下している。

■住宅価格、依然低下傾向=高水準のフォークロージャー物件で

 さらに、中古住宅の販売価格の中央値(季節調整前)の低下も寄与している。11月は
前年比4.3%安の17万2600ドルと、格安なフォークロージャー物件で全体の価格水準が押
し下げられている。

 一戸建て住宅の中央値は、同4.4%安の17万1900万ドル、分譲住宅は同3.1%安の17万
8000ドルとなっている。(了)

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発 行 元   :「誰でも分かる!アメリカ経済情勢ファイル:ザ・裏読み」
発行責任者  :編集主筆 増谷栄一
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