文学

木の葉の小説『リーフノベル』

30年以上詩作してきた作者がたどり着いた世界リーフ・ノベルの誕生である。
木の葉に書き置くような1600字の超短編小説は
深層心理・欲望・幽鬼そしてアイロニーの世界へと君を誘う。千葉日報新聞に連載されているリーフ・ノベルがネット上に新たに登場。   

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木の葉の小説『リーフノベル』159

2016/10/31

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       リーフノベル 〜超短編読み切り小説〜 高安義郎   
                      
                                     VOL 159
   
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                お待たせ致しました。
                今月号のリーフノベルです。  

     リーフノベルとは、全て1600字の中に収まるように作られた
     短編読み切り小説です。
     幽鬼、深層心理、アイロニーの世界にあなたを誘います。
     それでは、どうぞ今月のリーフノベルをお楽しみください。

     ○●トップページ●○
     http://www1.odn.ne.jp/~aap60600/yoshirou/leafnove.html
     には、他の作品も掲載しております。

     ●○投稿募集●○
   またサイトでは、作品の投稿もお待ちしております。
   まずは御気軽にお問い合わせ下さい。 
   みなさんも1600字で作品をお書きになってみてください。
   今までにない手法の作品です。
   優秀作品はサイトにて、ご紹介致します。
   komugi@lily.odn.ne.jp

     ○●作者紹介●○
    名前:高安義郎(たかやす よしろう)
    日本文芸家協会会員
    日本ペンクラブ会員
    日本現代詩人会会員
    千葉県詩人クラブ顧問
    詩誌「玄」、詩誌「White  Letter」主宰
    リーフノベルを「千葉日報新聞」(隔週の日曜版)に10年間連載

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    ■☆■☆■☆■☆   リーフ・ノベル   高安義郎 ☆■☆■☆■☆

        夢の中の神様 その四
                         
       ■■■■■■■  ペット人生  ■■■■■■■                                     
               
   神様に出会った夢を見た。良太の四度目の夢だ。

  夢の中に神様がいる気配はするのだがどこにいるのか分からない。

 「神様、どこにいるの」声は暗闇の中に吸い込まれていった。

 やがて「俺、ここだよ」声がした。

 「姿が見えないって、不気味だなあ」呟くように言うと、

 「普通俺の姿は見えないだろうけど、誰も不気味がっていないぞ」

 「もともと神様は見えないけど、これは夢の中だよ。どうして姿を見せないの」

 「実は姿を見せない方が君にはありがたがって貰えるんじゃないかって思ってさ。

 最近君は俺のこと友達くらいに思っているから威厳を持たせようと思ってさ」

 「威厳か。悪いけど僕はもうきみを神様って思えなくなってる」

 「ほらね。だから姿を隠したのさ」

 「もう遅いよ。だってこの前は嘘のテスト問題を教えるし、宝くじは誰だって当

 たる末当の三百円しか当ててくれないし、神様の超能力なんて感じないもの」
 
 「超能力が見たかったのかい。そんなの簡単だよ。空を見てごらん、流れ星を見

 せてやるから」

 「ほら、それが誤魔化しなんだよ。流れ星なんて普段の日だって注意して見れば

 いくらでも観測できるものだよ」

 「そうか、知ってたか」

 「例えば僕を人気タレントにするとか、でかい文学賞をもらうとかさ」

 「それでどうするのさ」

 「有名になればファンができて多くの人にもてはやされるし、お金も入る」

 「もてはやされても飽きられたらそれまでだよ」

 「お金が残るじゃないか」

 「あぶく銭はすぐになくなるぞ。そもそもお前は幸せって何か分かってるの?」

 「分かってるよ。ファンに可愛がられて欲しい物が手に入ることだよ」

 「それじゃお前が飼っている柴犬みたいだな」

 「ああ、僕の犬は幸せそのものだと思うよ」

 「そうか。お前さんはペット人生を送りたいんだ。それじゃ犬にしてやるよ」

 そう言ったかと思うと辺りに閃光が走り優しそうな声がした。

 「リョウここにいたの。ジャーキーよ」近づいてきたのは大きな体のうら若い女

 性だった。大きいと思ったのは間違いで、実はリョウが小さな柴犬になっていた

 のだ。口にくわえさせられたジャーキーの香りの良さに竜太はうっとりした。噛

 めば噛むほど美味しい肉汁が広がる。

 「これを食べてお昼寝でもしててね。あたしこれからデートなの」そう言い残し

 て出かけた。残されたリョウはする事も無くただ家の中をうろうろすると『リョ

 ウの家』と書いたケージがあり、そこには暖かそうな毛布と美味しそうなドッグ

 フードが盛られた器があった。

  犬になって二日が過ぎた。確かに快適な生活だ。だがその日も盲愛してくれる

 彼女は朝からいなかった。

  更に二日が過ぎたがやはり留守だ。少し寂しいなと思い始めた翌日キツネ顔の

 男が尋ねて来た。彼女の彼氏らしい。彼氏は

 「犬がいるんだったね。俺猫の方がいいんだけど」そんなことを言った。これで

 二人の間は壊れるなと思っていると、

 「いいわ。リョウは隣の部屋に入れるから。あなたの好きな猫を飼いましょ」

 彼女が言った。

 「なんだ、僕を可愛がっているんじゃないのか」

 良太は犬でいるのが急に馬鹿馬鹿しくなった。すねた顔をしていると、

 「大丈夫よリョウ、あたしリョウのファンだから、リョウを保険所なんかに連れ

 て行かないから」そう言って二階の狭い物置の中に入れ鍵をかけた。

 「保健所だと?殺さないよってことだろ。最低の言葉じゃないか」

 文句を言ったが彼女には聞こえない。

 「さあペットショップへ行こ」

 彼女は猫なで声を出して彼氏と手をつないで出かけた。

 「ふざけやがって、他人の気まぐれで飼われるペットもファンもこりごりだ。人

 間にもどしてくれ」リョウが叫ぶと、

 「そらみろ。ペットもタレントも他人の気まぐれに振り回されるのさ。文学賞取

 ったって作家として活躍できる奴は何人もいないぜ。ほとんどが食い詰めの売文

 業のお先棒物書きだ」神様の声がし良太は目が覚めた。

  窓から眩しい光の差し込む朝であった。 

 
     ●○○●○○● Yoshiro's Room ●○○●○○●
 
 十月下旬にルンバを買った。勝手に掃除をしてくれるロボットだ。我が家には
小犬がおり、季節を問わず絶えず抜け毛が部屋に舞っている。毎日掃除機を掛け
るのがおっくうで、かねがね掃除ロボットが欲しいと思っていたのだ。
 早速部屋の隅にセットしてスイッチを入れると、映画のスターウォーズに出て
来るR2D2の様な音を出して動き出す。三十分ほど部屋の中を動き回らせ、ダ
ストボックスを開けると、掃除機を掛けたほどでは無いが、犬の毛がひとつかみ
ほど出て来た。これには私も女房も大満足だった。だが小犬はルンバの断続音が
気に入らないらしくルンバの動く先々から逃げ惑う。でも何時かは慣れてルンバ
と一緒に散歩をするようになるのではないかと淡い期待を持ったりしている。
 数ヶ月したらルンバと小犬の仲を紹介したいと思う。 (2016・10 : 31)

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創刊日:2001-07-21  
最終発行日:  
発行周期:月2回  
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