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日刊ショートショート劇場

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創刊日:2001-11-18  
最終発行日:2018-02-25  
発行周期:日刊  
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ショートショート「老サルの趣味」後編

2018/02/25

日刊ショートショート劇場 No.5860

『老サルの趣味』後編


 木のぼり教室を始めたサル。

 しかしサルは木のぼりはうまいものの教えるのはからっきしだったのでし
た。

「先生にはもうついていけません!」

 と言ってやめるのならまだいい方。

「まったく金と時間のムダだったよ!」

「しょせんサルも過去の人なんだよな!」

 などとまで言ってやめる生徒もいるのでした。

「やっぱりボクなんかがなにかをやろうとしたのが間違いだったんだ……」

 落ちこむサルに、子ネコが言いました。

「今回は失敗だったけど、失敗を失敗のままで終わらせるのが一番よくない
よ。大事なのはそこからなにを学ぶかだろ?」

「キミは自己啓発本を読むのが趣味なの? あ、そうか! 本だ!」

 サルはなにかに気づいた様子で手を打つのでした。

「本田?」

 きき返す子ネコ。

「違う、本。今回ダメだったのはその場で相手に合わせて口頭で指導をしなき
ゃいけなかったからなんだ。だから本として自分と向き合って1から順序立て
て執筆すればちゃんとできるんだよ」

「そうかい。そういうことならやってみるといいよ」

 というワケで木のぼり本を出したサル。

 その本を子ネコは読んでみました。

「あれだけ言ってたんだからさぞかしちゃんとした本になってるんだろうな」

 しかしです。

「なになに? 『これであなたも木のぼり名人になれる』? ホントかよ。一
章は木のぼりとの出会い? どうでもいいわ! 9割方自分語りじゃねえか。
木のぼり指導本なのに技術的な指導ぜんぜん書かれてないし、『グアー』とか
『ダー』とか擬音だらけで本を開いてちょっと見ただけでバカっぽさが見て取
れる!」

 とまあ子ネコはボロクソに言ったのですが、世間の評価は違いました。

「ある意味面白い!」
「コレを読めばサルの人生がわからないでもない」

 と、悪いとも言い切れない評価を受け、割と売れたのでした。

 世の中何が受けるかわからないという話

 めでたしめでたし。



+かいせつ+

ご愛読ありがとうございます。敷布団です。

逆のオチにするつもりだったんだけど、こっちの方が面白いかなって思って変えました。
どっちでも大差ないですね。


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最新のコメント

  • 名無しさん2018-01-18 10:21:02

    前半がとくに面白かった。

  • 名無しさん2016-05-05 17:06:35

    やはり、そうきましたか。

    口は災いの元ですからね。

  • 名無しさん2016-05-03 16:54:16

    これからも読みますよ!