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日刊ショートショート劇場

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創刊日:2001-11-18  
最終発行日:2017-08-19  
発行周期:日刊  
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ショートショート「サルの理由」後編

2017/08/19

日刊ショートショート劇場 No.5678

『サルの理由』後編


 木からおりたサル。

「で、なんでなの?」

 と、さっそくたずねる子ネコ。

「え? なにが?」

「だからサルが木のぼりする理由だよ。わかったんでしょ」

「もちろん。まあコレ見てよ」

 サルが差し出したのは、手でした。

「なに? きったない手だねえ」

 それは長年の木のぼりでゴツくなり、しかも今のぼった木の汚れがこびりつ
いた見るからに汚い手でした。

「たしかに汚いけども! 注目してほしいのはそこじゃないんだよ」

「どこ?」

「においだよ! 手のにおい!」

「ええええ。見てっていっておいて視覚情報じゃないとか」

 子ネコはサルの手に鼻を近づけてみました。

「どうだい? 木のにおいがするだろう?」

「うん。くさい」

「くさくないし。ボクはこのにおいが好きなんだよ」

「この木のにおいが? なんで?」

 これに、サルは答えました。

「お母さんの手がこんなにおいだったんだ」

「いきなりノスタルジックなこと言ってきたな。お母さんも木のぼりしてた
の?」

「いや、ぜんぜん」

「じゃあなんで木のにおいが手につくのさ」

「ウチは母子家庭でねえ。お母さんは仕事しながら子育てして苦労してたんだ
よ」

「ええ……。答えになってないよ?」

「そんな日々のストレスを木の皮を引きはがしまくることで解消してたんだ
よ」

「ええええ!? 怖い! その光景を想像するだに怖い! ていうかやっぱり
木のぼり好きの理由にはなってない!」

 そうですね。

 めでたしめでたし。



+かいせつ+

ご愛読ありがとうございます。敷布団です。

ドラクエはなんとかって空飛ぶ乗りもの手に入れました。
これで今まで行けなかったところに行けます。
いよいよ終盤って感じです。


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