野球

ぼーる通信 〜Voice From The Dreamfield〜

スポーツ界のJMMを目指して一癖も二癖もある論客が立ち上げたメルマガも、好評の中、創刊2年近くになりました。そして、ついにMacky!に登場です。ウソのない面白さをお楽しみください。

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ぼーる通信 〜Voice From The Dreamfield〜 第167号

2005/07/11

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  ぼーる通信 〜Voice From The Dreamfield〜 第167号

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☆ This Week's Contents 【今週のお品書き♪】

 《Dream1》 『にっぽん野球昔ばなし』 九時星
 《Dream2》 『プレイボールとゲームセットの間に』 粟村哲志
 《Dream3》 『めじゃーりーぐ19XX』 Shinorar

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★ お品書きその1 『にっぽん野球昔ばなし』 九時星

 第四十回 早慶3回戦事始

 早稲田の帰国第一戦は、早慶、一高に並ぶ強豪、学習院で
ありました。学習院は当時、白い靴を履いていかにも貴公子
然としたチームでありましたが、洋行帰りの早稲田は胸にエ
ンジの「WASEDA」の文字、帽子に二本のライン、アンダーシ
ャツにスパイクというハイカラぶりで学習院を圧倒したので
ありました。
 しかしながら、服装と試合は別物、早稲田はこの強敵に9
回表まで3−2とリードを許したのであります。このまま敗
れては本場帰りの面目が、といった緊張感が漂った最終回、
早稲田はアメリカ仕込みのバントを多用し学習院を撹乱、一
気に逆転し6−3で勝利したのでありました。
 さて、早稲田のアメリカ土産はまだありました。それはサ
ンフランシスコの在留邦人から寄贈された渡米記念の大きな
銀杯であります。それはそれでありがたいものではありまし
たが、ただ飾っていても面白くないということで、早稲田は
好敵手、慶応との試合をこのカップの争奪戦にしよう、そし
て一回で勝敗をつけるのは面白くない、アメリカの大学の例
に倣って3回戦にして、2勝したチームがカップを1年間保有
しようと慶応に提案し、慶応もそれを快諾したのでありまし
た。こうして今も続く3回戦形式が日本で初めて行われるこ
ととなったのであります。

 記念すべき3回戦の第一試合は明治38年10月28日、早稲田
戸塚球場ではじまったのであります。早稲田の投手はアイア
ン・コーノこと河野安通志、慶応の投手は巨漢・豪腕・容貌
魁偉の大エース櫻井彌一郎、両軍の誇る名投手の投げあいで
始まったこの試合は1回にいきなり慶応が3点を先取、その後
も加点し投げては櫻井の豪腕冴え渡り、ついに5−0で慶応
の快勝となったのでありました。
 この試合、慶応の意地と努力が実ったものといえましょう。
本場仕込みの早稲田に対し、慶応もまたアメリカ・スポルデ
ィング社から「エンサイクロペジア・ベースボール」という
本を取り寄せ、暗誦するほど読書、研究に打ち込んでいたの
でありました。
 続く2回戦は11月9日、場所は移って三田綱町球場。スタン
ドを埋める応援団は慶応の紫の小旗、早稲田のエンジの小旗
を打ち振って試合開始をいまや遅しと待ち構えているのであ
りました。両軍投手はかわらず河野と櫻井、後がない早稲田
と一気に勝利したい慶応、緊迫した投手戦で始まった試合は、
終盤となっても両軍得点なく、7回には慶応応援団が上着を
取ってスタンドに「KO」の人文字を浮かび上がらせるという
秘策も、満場を驚かせるという効果はあったものの得点には
至らず、0−0で迎えた9回、早稲田がついに一点を先取、
その裏の慶応の反撃を封じて1−0で見事雪辱を晴らしたの
でありました。

 こうなると否が応でも盛り上がる3回戦、両校地元住民ま
で寄ると触るとこの噂で持ちきりのなか、11月11日、早稲田
戸塚球場で決戦は行われたのでありました。三たび投げあう
鉄腕河野と豪腕櫻井、3回に早稲田が一点を先行すると6回に
慶応が追いつく。両軍譲らず9回を過ぎて1−1の同点、試
合はついに延長戦へと進んだのであります。しかしながら、
慶応櫻井の不運は2回に受けた死球の影響か、7回に正捕手が
負傷交代したことか、徐々に制球が乱れていったのでありま
した。延長11回、ついに早稲田は櫻井を捉え2点を挙げ、粘
る慶応の反撃を1点で押さえ、3−2で記念すべき試合に勝
利したのでありました。 
 かくして早慶戦は大盛況、世の注目を集める存在となった
のであります。そのころ早慶両校の後塵を拝した形となった
一高に新たなる挑戦者が現れます。次回にっぽん野球昔ばな
しは「三高、東上す」です。

(九時星)

 日本プロ野球史探訪倶楽部 http://www.d7.dion.ne.jp/~xmot/

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★ お品書きその2 『プレイボールとゲームセットの間に』 粟村哲志

 第32回 「むかしばなし」

 ごく一時期のことだが、球審を担当しているときに、「キ
ラキラした光る筋」とでもいったものを空気中に見ていたこ
とがある。この話は、なんだか少しオカルトめいているので
あまり人にはしないのだが、最近思い出したので書いてみる
ことにする。

 リトルシニアで審判を始めて間もないころ、私はひとつの
大きな壁にぶつかっていた。それまでは独学で審判法を勉強
した「つもり」になっていて、道具を買い込んで草野球の一
人審判などを時々していたのだが、組織に所属し、毎週毎週
グラウンドに立って試合を裁き続けるようになり、ストライ
クゾーンというものがさっぱりわからなくなってしまった時
期があった。今から考えれば、きちんとした教育を受けない
ままに「なんとなく」審判をしていたのだから当然といえば
当然なのだが、試合後の反省会で「ストライクゾーンがちょ
っとおかしいね」「少し低目をとりすぎだ」「高目がぜんぜ
んとれてない」などの講評を聞くたびに自信を喪失し、泣き
そうな気持ちでマスクをかぶっていた時期もある。

 それでも、そのときはガムシャラに努力した。機会があれ
ばどんな試合の審判でも引き受け、土曜も日曜もなく、時に
は平日さえもグランドに立ち、チームの練習に参加してブル
ペンに入らせてもらったり、フリーバッティングのケージの
後ろに立ったりして、考えられ得る努力はすべてした。仕事
をしながらとはいえ、身分は一応学生だったこともあり、今
から考えても野球付けの毎日を送っていたと思う。

 そうこうしているうちに、なんとなくストライクゾーンが
体に染み付いてきて、ある程度自信を持って投球判定に臨め
るようになってきた。もうはっきりとは覚えていないが、1
年ほど時間がかかったように記憶している。そんなある日、
「あの光」が見えたのである。

 投手が投球動作に入り、私が捕手の後ろでセットする。す
ると、ストライクゾーンの外角いっぱいのあたりに、一筋の
光がチラチラしているように感じた。最初は目の錯覚かとも
思った。しかし、何度構えても同じところにキラキラと輝く
漠然としたものが見えるのである。半信半疑ながら、その光
の筋を頼りに外角の判定を行ったところ、これが実に具合が
いい。選手からも不満は出ないし、試合後のミーティングで
も、ゾーンのことで指摘を受けることがなくなった。

 現在一般的になっている「スロットポジション」と呼ばれ
る球審の構えの基本は、打者の内角寄りに自分の顔をセット
して、打者と捕手の間に存在する隙間(スロット)からスト
ライクゾーンの全体を確保する事を絶対条件とするが、この
構え方の難しいところは、自分から遠い方になる外角の感覚
をつかむことにある。その感覚を、ある一時期、この光の筋
が教えてくれたのだと思っている。

 以前何かの本で読んだことがあるが、あの江夏豊投手も現
役時代には外角に同じような光の筋が見えていたという。往
年の大投手と比較するなどおこがましいとは思うが、何かを
つかもうと思って努力すれば、だれにでもそういう瞬間が来
るのかもしれないと思っている。

 ちなみにその光は、今は見えない。その後見えなくなって
しまったのである。しかし、いまではことさらに意識しなく
とも、自分の身体からの距離感で、外角も低めもよくわかる
ようになってきた。ひとつには、米国審判学校式の基本技術
を教わる機会に恵まれたこともあるかもしれない。それにし
ても、あの光が見えていたあの時期、私はわれながらよくが
んばったと思うし、そのことに対する野球の神様からのご褒
美だったのかもしれないと感じている。

(粟村哲志)

 合い言葉は、決めてある。 http://www.creator.club.ne.jp/~awa/

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★ お品書きその3 『めじゃーりーぐ19XX』 Shinorar


━━━━━━━めじゃーりーぐ 19XX━━━━━━━━
VOL.14 1920年 ホントにあった怖い出来事
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2001-2005 Copyright(c) shinorar write.
All rights reserved.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━無断複製厳禁━━
 2005年、マリーンズ渡辺投手が10勝を挙げる活躍を
見せています。
 かつて日本では、杉浦忠(通算187勝)、秋山登(19
3勝)、足立光宏(通算187勝)、皆川睦雄(221勝)
、そして山田久志(284勝)と下手投げの大投手・好投手
を輩出したが、最近は下火になっていた。
 一方、メジャーリーグでもロッキーズで活躍しているキム
・ビョンヒョンが下手投げ投手として奮闘している。
 メジャーリーグでは、リリーフ投手に下手投げが多く、1
970年代後半にはケント・テカルビー、80年代にはダン
・クイゼンベリーなどのリリーフエースが活躍した。

 しかし、彼らが頭角を現す以前、メジャーリーグでは、ア
ンダーハンドの投手は出現していなかった。その理由は今か
ら85年前の1920年に起きた「事件」がきっかけとなっ
たのだ。

◇――――――――――――――――――――――――・・
 メジャーリーガーの悲劇
・・――――――――――――――――――――――――◇
 1920(大正9)年8月16日、1位インディアンス、
2位ヤンキースの首位決戦がポログラウンドで行われた。
 ヤンキースの先発はアンダースローのカール・メイズ。4
回を終わり、インディアンスが3−0のリードで5回を迎え
た。この回、バッターボックスに入ったレイ・チャップマン
はいつものように、つま先をホームプレートにくっつけんば
かりにしたクラウチングスタンスでバッターボックスに入っ
た。しかし、メイズが投じた1球が、チャップマンの左のこ
めかみに当たった。ガツン、という音がスタンドの中に聞こ
えたような感じがして観客は頭をよける様にしながら息を呑
んだ。まるで銃弾を受けたように、チャップマンはその場に
倒れた。
 チャップマンは二人のチームメイトに抱えられてクラブハ
ウスへ担ぎ込まれすぐさま病院へ移送された。

 翌日、「チャップマン死亡」のニュースが全米に流れた。
こめかみに当たった為、激しい脳内出血を起こし、二度に及
ぶ手術にもかかわらず、助からなかった。あまりにも容体の
悪化が早かった為に、妻が最期を見取る事ができなかった。

◇――――――――――――――――――――――――・・
 メイズの悲劇
・・――――――――――――――――――――――――◇
 チャップマン死亡を受けて球界をあげてメイズ排斥運動が
起きた。デッドボールによる死亡事故は初めての事であり、
彼は業務上過失致死容疑で取調べを受けた。
 その後、メイズは無罪となりマウンドへ復帰した。しかし
復帰した彼を待ち受けていたのは、対戦相手、観客から浴び
せられる野次だった。「殺人鬼!」「人殺し!」・・・・。
そんな中、メイズは精神力の強さを見せ、この年は26勝、
翌年も27勝を挙げ、リーグ最多勝を獲得した。
 「そもそも、あのアンダースロー自体が危険なんだ」
 メイズがつぶれないと見て取るや、今度は彼の下手投げ投
法が問題となった。「俺は故意にぶつけたんじゃない」そう
いい続けた彼は、アンダースローを批判する声にも悠然と反
論した。
 アンダースローそのものが禁止される事はなかったが、メ
イズの主張もむなしく、彼の事件を機にメジャーリーグから
アンダースロー投手は急激に減っていった。


◇――――――――――――――――――――――――・・
 1920年8月16日
 インディアンス−ヤンキース テーブルスコア
・・――――――――――――――――――――――――◇
 インディアンス010 210 000┃4
 ヤンキース  000 000 003┃3 
◇――――――――――――――――――――――――・・
 おまけ
・・――――――――――――――――――――――――◇
 かつてヤンキースで活躍したベーブ・ルースもボストン時
代(1914〜1919年)は主に投手として活躍し、94
勝を挙げました。因みに彼もアンダースローであった事はあ
まり知られていません。

◇――――――――――――――――――――――――・・
 次回予告
・・――――――――――――――――――――――――◇
 さて、次回は高校野球シーズンと絡みますので、「高校や
きゅう 19XX」をお送り致します。
 では、8月にお会いしましょう。~(=^‥^)/~~~またニャ!

(Shinorar)

 お気楽野球サイト『ベスレボ』
           http://shinorar.web.infoseek.co.jp/

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        〜Voice From The Dreamfield〜 編集部

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