文学

空想ノート

私の空想を小説にしてお届け致します。エッセイの様相を呈する<あとがき>も売りの一つ。新しい読者様には詩でご挨拶しますよん♪

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空想ノート VOL.175

2006/06/29

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                空想ノート                 
                Vol.175
               2006/6/29発行

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――想像力の起源は「死」だという話がある。

生き物が「死」と向かい合ったとき、
 初めてサルからヒトになったのだ……と。

生きているコトが楽しい人は、
 この喜びが絶えるコトを惜しんで天国に想いを馳せ。

生きているコトが苦しい人は、
 その苦しみから解き放たれるコトを願って浄土を思い描く。

今更に、気付く。

空しい想いなんかじゃあ…なかったんだ、と。

空想こそが………生きていく為の糧だったんだ、と。

どうか……どうか。

私の空想を綴った拙い物語が、貴方の心に響きますように。

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◆ご意見・ご感想・四方山話。なんでもお待ちしています♪

 メール⇒ old_dog@yahoo.co.jp


■□■□■□■□■□■□■□■  本編  ■□■□■□■□■□■□■□  

『 彼女が望んだ未来 』第十六回



世の中には、知らぬが仏という言葉がある。

 ちょっとオタクな、恋人の趣味。
 明るくなかった家族計画。
 純粋な想いが引き寄せた、残酷な未来。

こんな具合に、世の中には知らない方が良いという事で溢れている。
知らない方が幸せというものは確実に存在するのというのに、どうして、人は
好奇心に任せてなんでも聞きたがるのだろう。
――実に不思議だ。


つい、咳き込んだ。
その拍子に、山盛りになった灰皿から灰が飛び散る。
慌ててかき集めようとしたけれど、諦めて店員を呼び新しい灰皿とダスターを
頼む。

真新しい灰皿を眺めても、気分はスッキリしなかった。
それでもすることがないので二箱目の煙草のパッケージを切り、咥える。
けれど、火を付ける気になれない。
当然だ。
ヘビースモーカーでも無いのに立て続けに一箱吸ったものだから、口の中は、
なんだか気持ち悪くなってしまっている。
喉だって痛い。
咳き込みもしようってものだ。

睦美の家から程近い、街道沿いのファミレス。
彼女との待ち合わせによく使う店だ。
授業には出ておらず、バイトも無い日。
家にいるだろうと当たりをつけて呼び出そうとしたのに、携帯は呼び出し音が
鳴るばかりで応答が無い。
一本吸い終えようかという時になってやっと、電話に出た。
喋ろうとしない彼女に一方的に待ち合わせの約束を取り付けたのだ。
来てくれるまで待っている、と。

彼女は来るだろうか?
放っておいても何時だって傍にいようとしていた睦美に対してそんな風に考え
るなんて、なんだか馬鹿げているような気がした。

嫌な気配。
不穏な空気。
振り払おうと頭を振って、コーヒーに口をつける。
何杯目かも忘れてしまったコーヒーの味なんて、分かりはしなかった。
ただ、色が付いているというだけの話だ。


「―――裕也、くん?」

聞き慣れた筈の声なのに、上手く反応が出来なかった。
彼女がそんな風に僕のことを呼ぶのは、随分と久し振りのことだったから。
付き合いだしたばかりで、少しはにかんだような……嬉しそうな。
そんな頃以来だったから。

どんな顔をしたらいいのか分からない。
まして会話の糸口なんて。
睦美も向かい合って座って店員に問われるままにコーヒーを頼んだきり、黙り
こくってしまった。
――沈黙が痛い。
責められる筈の僕。
責め立てていい筈の彼女。
なのに睦美は、悪戯を見付かった子供のように身を固くしている。
一体、どうしたっていうんだろう。

「――ごめん。」

謝ってすむとは思えないけれど、他に言葉は思いつかなかった。
それが糸口になるのなら、どれだけ責められたって構わないような気がする。
けれど睦美は、怯えたように肩を震わせただけだ。

まるで訳が分からない。
立場からしてそんな態度はおかしいし、第一彼女らしくない。
何か、ある。
いくら僕が鈍くたって、それぐらいは分かる。
隠された真実……なんて気の利いたモノかどうかはさて置き、睦美だけが知って
いる物語のピース。
それが嵌め込まれれば、見えてくるのに違いない。


「言ってくれなきゃ分からない、よ。一体………どうしたっていうんだよ?」

「言えば…………分かるの?」

俯いたまま。
彼女の表情は見えず、何の意図も読み取れない。
ようやく上げられた顔。
据えられた視線。
それでも、何も見えはしない。
透き通り過ぎるほどに透き通った、瞳。

「――本当に?」

畳み掛けるように問い掛ける睦美。
その瞳は頑なに信じていた。
想いが伝わるわけなんかないって。
それでも、僕は頷くしかなかった。

「…………?うん。」

彼女の瞳はガラス玉みたいに生気が感じられない。
いつだってキラキラと輝いて、僕に想いを伝えようとしていた瞳なのに。
心の奥底を開け放ってくれるんなら寄り添える筈なのに、そこにはまるで暗闇
が横たわっているかのようだった。

「貴方から未来を奪ったのは天使なんかじゃなくて、私。キューピッドが相手
 を間違えたんじゃない。私が、そう……仕向けたの。だからもう私には構わ
 ないで。これは当然の罰なんだもの。」



(つづく)
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
○あとがき○
こんばんわ、青空です。

『追いかけるな。背負って行け。 その光を。』

と言う訳で、篠原美也子さんのライブに行って参りました。


いやまぁ、二ヶ月以上前の話なんですが。
つまりはその……それだけ配信をサボっていたという事なんですが。(^_^;

ファンクラブ(?)予約でライブ前に手にしたNewアルバム。
ジャケットの格好良さにシビれて、聴いてその凄さに気絶しそうになり。
こんだけの曲があの時あれば、いやいや……今からだってメジャーに復帰なんて
のも有りでしょ、なんて妄想してみたりして。
久々のバンド編成での録音ばかりが原因とは到底思えない、エネルギー。
全てがあったからこそ、辿り着いた場所なのかも。
正直言って、初めて「海になりたい青」を聴いた時以来のショックでした。
この人とはかれこれ十年以上の付き合いですが(なんだか偉そう)、いやぁ、
想いを切らさないで良かった。
物好きですから、これからも付いて行きますよ、はい。

ライブもね、すんごい良かったです。
弾き語りも好きなんだけど、バンド編成も捨てがたい。
何より、生きてる内にまた立って唄ってる姉御を見れるとは(笑)。
Newアルバムの曲の合間に、懐かしい曲も連れて来てくれたんだけど、それが
これまたアップビート揃いだったりして。
これ以上に無いっていう位に、弾けることが出来ました。
一年に一回ぢゃあ寂しすぎます。
月に一遍くらいやってくれませんかね?(^_^;


さてさて、配信が滞って申し訳ないです。
お叱りのメールが来ないのを良いことに好き放題サボっておりますが、現実的
にも物語的にも、春に終わる予定だったのが繰り越し繰り延べ。
誰か私をナントカしてぇ〜〜っ!!
……某太夫チックな発言してる場合でわ(爆)。

こんなグダグダな状態で5周年を迎えるのは心苦しいです。
なんとかしませんと、ね。

次回の配信は……いつにしましょう?(笑)

それでは、次回の配信でお会いしましょう♪
(あとがきのBGM : album『レイディアント』 by 篠原 美也子 )
◇―――――――――――――――――――――――――――――――――◇
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最終発行日:  
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