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シニアネット 『おいおい』

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シニアネット『おいおい』 第777号 (2008.11.06)

2008/11/06

━━senior citizen net━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2008/11/06━

    シニアネット 『おいおい』        第777号
 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━行動するシニアの情報紙━━━━━━

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あたたかな案山子を抱いて捨てにゆく           内藤吐天 

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「あたたかな案山子」は、秋の日和の暖かさをいっぱいに受けた案山子の体温が伝わってくるようだ。刈入れの済んだ田の中に、無造作に転がされた案山子。古着を着せられたものか、マネキン人形なのか。用済みの案山子を「抱えて捨てにゆく」。秋の日をいっぱいに受けた乾燥した匂いとぬくもりが伝わる案山子。話しかけてくるようだ。どこへ捨てられるのだろうか。
「案山子」は「田の神」の依り代である。田の神様が山へ帰られると、田から持ち帰り案山子を庭先へ祀り、餅や大根を供える習慣のある地方もある。明日は「立冬」で、暦の上では秋も終わる。名古屋市立大学薬学部長を務めたこともある薬学博士。岐阜県大垣市出身。(1900−1976)。

┏━━“Change”━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  企業の成果は収益。政府の機能は税金。非営利組織は人の変革。これが、ドラッガーの著書「非営利組織における経営」のマネジメントの目標である。オバマの”change“は、ボランテイア活動における「人の変革であり、社会の変革」である。単なる、変化ではない。「変革」であるから、痛みも伴う、失望もする、不安でもある。それを恐れず挑戦するアメリカの凄さに感服する。
 英語の辞書によると、3段階の意味がある。自然に変わることではない。勿論、両替したり、替地したり、乗り換えることでもない。改宗したり、転向したり、気持ちを入れ替えたりの意味だろう。組織とか、コミュニテイの変革とか、個人に関しては自己実現に近い。
 アメリカの社会を理解するには、ボランテイア活動を抜きにしては考えられない。オバマの経歴を見ても、企業の経験はない。「非営利組織」(NPOと行政)のみだ。ボランテイア活動が社会へのスタートである。ミッション(1つの合衆国)の実現に挑戦するニューリーダーに期待したい。

┏━━オバマ当選━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◎米国が歴史的なChangeをするか◎
史上初めてアフリカ系(黒人)の大統領に選ばれた。イラクとアフガニスタンの戦争と金融危機。この「非常時」に、47歳の黒人大統領に米国の再生を託したのだ。歴史的ともいえるこの米国民の選択から二つの声が聞きとれる。ブッシュ政権のもとで分断された社会の再生への期待と、米国一極支配はもう終わりにしたいという思いである。米国という国のありようが変わるだけではない。世界との関係も新しい時代に入っていくのだろう。 

6日;朝日社説(全)オバマ氏当選―米国刷新への熱い期待
http://www.asahi.com/paper/editorial20081106.html?ref=any
『 米国を変えたい。刷新したい。米国民のこうした思いが、一気に噴き出したような選挙だった。
■厚い壁を打ち破って ■  「米国の真の強さは、軍事力や経済的豊かさではない。その理想の持つ力なのだ」と、オバマ氏は勝利演説で語った。人種や性別にかかわらず、だれにでも機会は開かれている。そんな米国の理想を自ら体現してみせた自信がみなぎっていた。 そうした偏見をはねのけた末の、圧倒的な勝利である。キング牧師らが先頭に立った公民権運動から半世紀。肌の色にとらわれずに指導者を選ぶことを、米国民はついにやってのけた。 人種という壁が破られた意義は限りなく大きい。これからは女性やマイノリティーが大統領を目指すことが特別視されなくなり、社会の融和が一段と進むのは間違いない。オバマ氏勝利の背景には、ヒスパニックやアジア系などのマイノリティー人口の増加をはじめとする米国社会の構造的な変化がある。だが、まるで革命を思わせるこの大きな意識変化は、それだけでは説明できない。 
■ブッシュ時代へ「NO」 ■ 今の米国社会には、沈滞した空気が漂っている。約8割の米国民が「米国は悪い方向に向かっている」と感じているという。軍事力と経済力で他国を圧倒してきた超大国が、自信を喪失している。 この閉塞感を打破して、新しくやり直したい。そんなリセット願望が若い世代を中心に共鳴し合い、雪だるま式に「オバマ現象」を膨らませていったのだろう。  「イエス、ウィー・キャン」というオバマ氏のメッセージは米国民を鼓舞し、前向きな挑戦への意欲を取り戻させた。 
 オバマ氏を押し上げたもうひとつの原動力は、8年間のブッシュ政権に対する有権者の「ノー」だった。 「強い米国」を掲げて軍事力を強化し、「小さな政府」路線を進めたレーガン政権以来、30年近くにおよぶ新自由主義の挫折といっていいだろう。ブッシュ時代に露呈したその失敗は、共和党支持者をも失望させ、マケイン候補の大敗につながった。 「政府には果たすべき役割がある」と強調し、イラク戦争を批判したオバマ氏は、米国民の異議申し立てを鮮やかに代弁してみせた。 
 ■米一極支配の終わり ■  だが、新政権を待ち受ける現実は厳しい。まずは米経済の立て直しだ。冷え込む景気や急増する失業、1兆ドル(100兆円)に達するとも見られる財政赤字はもとより、世界経済の混乱をどう収拾していくか。「強い米国」による一極支配の時代は、軍事と経済の両面で終わりを迎えている。米国が超大国であることは変わらないが、イラクとアフガニスタンはもはや一国では手に負えない。巨額の資金が一瞬のうちに世界を駆けめぐる金融市場の規模とスピードには、グローバルに対応するしかない。 
 オバマ氏が国際協調の重要性を訴え、敵対してきた国との対話にも積極姿勢を打ち出したのは、その意味では時代の要請に応えるものだ。温暖化対策や核拡散の防止などの課題でも、米国を軸とした国際協力が欠かせない。 これからの世界が多極化に向かうとしても、米国の指導力が頼りにされていることに変わりはない。「米国の再生」を待ちわびているのは、米国民だけではないのだ。 オバマ氏は勝利演説で「私はみなの声に耳を傾ける」と約束した。世界の声に耳を傾けて、「信頼され、尊敬される米国」をよみがえらせてほしい。 

6日;読売社説(全)オバマ氏圧勝 米国の威信は回復できるか
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081105-OYT1T00763.htm
『米国で初めての黒人大統領誕生である。オバマ氏は共和党の牙城でも着実に得票を伸ばした。人種の壁を超える新たな歴史を開いた、と言えよう。
 ◆金融危機克服に全力を◆ 米国はいま、未曽有の金融危機にある。イラク戦争以来、軍事大国としての威信も問われている。今回の選挙では、こうした米国の再生が大きなテーマだった。オバマ氏は、長い選挙戦を通じて「チェンジ(変化、変革)」を訴え続けた。弁舌能力を駆使した主張は、各層に浸透し、とくに若い世代を動かした。これから、オバマ氏が何を、いかにして「チェンジ」していくか、である。オバマ氏は、選挙戦で、「ブッシュ政権8年間の経済失政」を厳しく批判し、富裕層や石油企業などへの増税と中産層への減税によって「格差を是正する」と主張した。医療保険の拡充や雇用対策の充実など、大衆に受けの良い政策を打ち出した。しかし、喫緊の課題は、米国発の金融危機に歯止めをかけることだ。米国政府は、金融安定化法に基づいて、金融機関の立て直しを進めているが、危機が終息するメドはたっていない。
 ◆どうするイラク撤退◆  金融危機の拡大により景気後退局面入りしたとみられる米国経済の再生も急がねばならない。オバマ氏も公共事業の追加などを挙げているが、より具体的な政策の提示が求められよう。 貿易分野では、保護主義に傾斜しないか、という心配がある。 労組を基盤に持つ民主党は、上下両院で多数を制した。伝統的な保護主義が台頭しやすい環境だ。オバマ氏も北米自由貿易協定(NAFTA)や米韓自由貿易協定の再交渉を主張している。「公正さ」を標榜するが、輸入規制につながる懸念がある。 外交・安全保障分野でも、次期政権の課題は山積している。オバマ氏は、イラクの安定を確保しながら、駐留米軍の戦闘部隊を就任後16か月以内で撤退させると訴えてきた。それをどう実現させていくのか。
 アフガニスタンでは、国際テロ組織アル・カーイダやイスラム過激派勢力が武力攻勢を強めている。反テロ戦争に比重を移す場合、治安部隊を派遣している北大西洋条約機構(NATO)や、復興支援を進める国連と綿密に調整しなければならない。政情不安なパキスタンやイランの核問題のほか、中東和平への取り組みも急務だ。オバマ陣営に集まったアジア外交のチームには中国専門家が目立っている。 中国との関係では、地球温暖化対策やエネルギー、食糧問題の対策上、緊密な協力は不可欠だ。2国間の戦略的対話はもとより、国連など多国間外交における米中協力関係を促進させるだろう。
 ◆日米同盟の再確認◆ 日本は、米国の政権交代を機に、対米関係を再調整し、同盟関係を強化しなければならない。オバマ氏は、アジア重視の姿勢を強調しているが、本人の口から日米同盟を重視するという声は聞こえてこない。麻生首相は、オバマ氏とできるだけ早期に会談し、日米連携の重要性を確認する必要がある。ブッシュ政権は先月、北朝鮮に対するテロ支援国指定を解除し、北朝鮮の核問題は、重大な局面にある。オバマ政権が、北朝鮮問題にどう対処するかは、明らかになっていない。日本政府は、オバマ政権の対処方針を踏まえて、核、ミサイル、拉致問題の包括的解決を図っていかなければなるまい。

6日;日経社説(全)歴史的な経済危機に挑むオバマ大統領
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20081105AS1K0500205112008.html
 建国から230年以上を経て、米国の有権者は初めてアフリカ系市民をホワイトハウスの主に選んだ。歴史的である。それがゆえに期待と不安がある。オバマ氏は強い大統領になる一定の条件を満たしている。獲得選挙人数から見て地滑り的勝利である。ホワイトハウスの力が強まり、大統領の指導力に期待が集まる。
●保護主義に陥らぬよう● 「変革」を掲げたオバマ氏の主張は、必ずしも体系的政策ではない面がある。統合の機運がもたらしたオバマ氏のホワイトハウス入りが多民族社会の「分裂」を促す危険もありうる。来年1月20日に発足するオバマ政権の最優先課題は、金融危機からの脱却と経済の立て直しである。大手金融機関に公的資金が注入され、本格的な金融危機対策が動き出したが、解決にはほど遠い。多くの金融機関はなお住宅関連証券などの不良資産を抱えたままだ。10月に成立した金融安定化法は最大7000億ドルの公的資金を活用し、金融機関の不良資産を買い取ったり、資本を注入したりする権限を米政府に与えているが、いずれこれだけでは足りなくなる可能性もある。金融システムが安定しない限り経済の回復は望めない。次期大統領は必要なら追加的な公的資金の投入を含めた万全の対応をすべきだ。新政権の評価を分ける試金石になるのは、不況からの脱却にいかに効果的な手を打てるかだろう。
 今回の金融危機の傷は深く、不況は長引く可能性が高い。オバマ氏は大恐慌に直面した同じ民主党のF・ルーズベルト大統領を意識してインフラ投資など思い切った経済刺激策や雇用対策を実施する方針だ。危機克服に財政支出の拡大は避けられない。積極的施策は必要だが、効果が出なければ財政赤字膨張を背景としたドルへの信認低下につながる恐れがある。世界や日本にとっては、外に開かれた経済体制の維持も重要である。オバマ氏自身は「グローバル化に歯止めをかけるのは誤り」と考えるが、支持基盤の労働組合や民主党議員の間では自由貿易に異を唱える声が勢いを増している。地盤沈下が著しい米自動車産業への公的支援を求める圧力も高まっている。議会が保護主義的な立法に走らないよう、大統領の意思と行動力が求められる。足踏みしている多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)を前進させるうえでも、ホワイトハウスからの強い指導力が欠かせない。
●日本からの提案も重要● 日米関係に変化はあるか。米国は経済的に不安定な時期を迎えている。日本も新政権の対外経済政策を受け身の姿勢で見守るだけではいけない。経済の開放を進め、経済活動の障害を減らす日米自由貿易協定(FTA)の実現の後押し、エネルギーや環境面での協力強化の提案などが必要になる。日米同盟の重要性に対する認識はワシントンでは党派を超えてある。他方で中国の重要性に対する認識も一層深まっている。日中間で利害が一致しない問題が生じた場合、オバマ政権の立場は微妙になる。オバマ氏には、かつてケネディ大統領が醸した若さとカリスマ性が漂う。金融危機をきっかけに世界が苦しみ、超大国米国の立場の揺らぎが指摘される。オバマ氏が大統領として何をするかは、いま苦境にある米国が21世紀前半の世界でどのような存在になるかを決定づける。

6日;産経社説(全)】オバマ氏圧勝 信頼と指導力の回復を
http://sankei.jp.msn.com/world/america/081106/amr0811060331011-n1.htm
『オバマ氏は米史上初の黒人大統領という歴史的意義を背負って、金融危機など山積する内外の重要課題に取り組むことになる。変革を通じた「強い米国」の再生を、国際社会の側からも積極的に支えていく工夫が必要になる。
 ■国民の再統合に期待■ 8年前、ブッシュ大統領は党派対立の克服と「思いやりの保守」を掲げて登場した。だが、米中枢同時テロ後の対テロ戦争やイラク戦争が思い通りに進まなかったこともあり、内外の批判を浴びた。ウォール街で火を噴いた金融危機は財政金融面でも世界の信頼を失うダメ押しとなった。 勝利演説でオバマ氏は「アメリカは一つだ。変革の時がきた」と訴え、党派対立を克服し、国民一人一人が愛国心や犠牲の精神を発揮するよう呼びかけた。世代交代を達成し、人種の壁も越えて指導者に選ばれたオバマ氏には、勝者も敗者もない国民の再統合と「協調の政治」の復活を期待したい。同じことは米国と世界とのかかわりについても言える。 オバマ氏は、対外関係では「新しいアメリカ」を立ち上げ、自立の精神、民主主義、自由、機会の灯を絶やさず、「平和と安全を求める人々を支持する」とも約束した。
とりわけ米国にとって当面最大の緊急課題は、世界を覆う米国発の金融危機の火を消すことだ。15日には主要20カ国・地域(G20)首脳の金融サミットが米国で開かれる。オバマ氏は次期大統領として出席し、国際社会に対して米国が責任ある対応を果たしていく姿勢を示してもらいたい。民主党政権には保護主義の伝統が目立ち、オバマ陣営も北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しなどを掲げてきた。世界が内向きになりがちな時である。新政権が決して保護主義の誘惑に陥らないよう注文しておきたい。
 来年は冷戦終結20年の節目にあたる。世界は大きく様変わりした。イラン、北朝鮮など大量破壊兵器の拡散や疑惑、中東和平、気候変動、貧困など地球規模の課題に加え、国際金融システムの根本的見直しも俎上にある。安定と平和が定着しつつあるイラクからどんな形で米軍が撤退するかも重要だ。
■日本も戦略的に動け■  イラク、アフガニスタン問題にせよ金融危機にせよ、米国一国でなく、国際協調で取り組まねばならないことは言うまでもない。と同時に、米国が自信と信頼を失ったままの状態にあることは、世界にとっても、同盟国にとっても好ましいことではない。世界秩序についても「米一極」から多極化へ移るのか、それとも主権国家以外の多様な勢力が混在する「無極世界」となるのかが問われている。そんな時代に入っていることを忘れてはならない。アジア最大の同盟国である日本にとっても、オバマ次期政権とのかかわりはきわめて重要だ。中国やロシアとの関係、台湾、北朝鮮問題などに加えて、米軍再編を含む日米同盟をどう発展させていくかが大きな課題となる。
 そのためには、新政権の対アジア外交の形成プロセスに積極的にかかわり、日本の主張を反映させていく外交が不可欠だ。麻生太郎首相にも、そうした戦略的視野に立って積極的に動いてほしい。

6日;毎日社説(全)オバマ氏当選米国のチェンジに期待する 対立超え大胆な再生構想を
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081106ddm005070085000c.html
『米国民の2008年の投票行動が「賢明な判断だった」と世界史に刻まれることを期待したい。8年間のブッシュ共和党政権の失政と混迷から米国を立て直し、健全な協調性と指導力を世界に改めて提示してほしい。 この選挙により、米国の何が終わり、何が始まろうとしているのだろう。
 ●ブッシュ路線不信● アフガニスタンとイラクの二つの戦争が際限なく続く。単独行動主義や独善的な外交により、米国への批判的な見方が世界に広がった。米国発の金融危機は、市場優先の行き過ぎた規制緩和への疑問につながった。 だが、単に共和党から民主党に8年ぶりに政権が移っただけではない。
 第二の答えは「レーガンの時代が終わったのかもしれない」という点だ。ルーズベルト政権以来のリベラル路線の行き詰まりを保守の側から打破したのが80年代のレーガン政権だ。国家ではなく、市場が問題を解決し経済を繁栄させる。その思想は米国だけでなく日本も含めた世界中で影響力を持った。だが、出口が見えない経済危機に世界中が巻き込まれたいま、レーガノミクスや新保守主義の限界が議論されている。公的資金を投入して金融機関を救済する解決策はレーガン流「小さい政府」の対極にある。
 さらに「米国の世紀が終わったのではないか」という第三の答え方も可能だ。米国型の自由競争や豊かな消費生活が世界に広がれば、世界は幸福になると米国人は発想し、20世紀を「米国の世紀」と誇った。その感覚は9・11同時多発テロ後も保たれ「長い20世紀」が続いていた。
  こうした三つの終わりないしは変化が同時に重なる節目に、米国人が見いだしたのがオバマ氏だ。ルーズベルト、レーガンに匹敵する歴史的な大転換をオバマ氏は実現するかもしれない。ただ、選挙戦を通してそのビジョンがよく見えなかったのは気がかりだ。米国政治の旧来の対立軸を超え、世界との行き違いを解消する大胆な再生構想を打ち出してほしい。
 黒人大統領は、いざ誕生してみると、文化革命とさえ表現できる驚きだ。数え切れないほど多くの白人が投票したから、オバマ氏はアメリカンドリームの体現者となった。オバマ氏が生まれた1961年は、南部では人種差別が合法化されていた時代だ。公民権運動の成果で制度としての差別はなくなったが、平等な社会とはまだ、いいがたい。
 オバマ氏は多文化の統合の象徴として自分の人生を語ってきた。人種間の対立や報復ではなく、憲法前文を引用して「より完全な連合」を呼びかけた。説得力ある雄弁を受け入れ、人種の壁を越えて支持した白人もいただろう。マケイン氏が苦戦になっても「人種カード」を切らなかったことも評価したい。 米国の原罪ともいえる奴隷制の歴史を直視し、人種対立が和解に向かう契機とするよう望みたい。
 ●希望作る民主主義● 日本にとっては、新しい日米関係をオバマ新政権と築く好機だ。経済危機がさらに深刻化し失業者が増えると、米国は内向きになり保護主義に傾く恐れもある。オバマ氏はそうした誘惑を排し、開かれた米国を維持するよう努めてほしい。大統領選挙は「4年ごとの革命」といわれる。オバマ氏は昨年2月の立候補表明時には国民の半数近くが「よく知らない」政治家だった。全米で組織した草の根ボランティアが戸別訪問や電話で国民一人一人に支持を働きかけた。有権者登録も選挙資金集めも史上最大のスケールで実現した。空前の政治参加の熱気を支えたのは、チェンジとリセットへの欲求だった。
同時に、理念の国米国が掲げる自由、平等、機会の保障といった価値観を共和党と民主党が共有していることも見逃せない。選挙で分裂しても基本理念の共有があれば、再出発できる。対立と一致を組み込んだ民主主義の強さの上にチェンジの希望が成立する仕組みを、米国民は世界に示した。

┏━━身辺雑記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 暦の上では明日7日が「立冬」。来年2月4日の「立春」の前日までが冬である。気候の方は、小春日和と時雨を繰り返しながら、本格的な冬になる。ゆく秋が惜しまれる。厳しい冬を迎える緊張感がある。好天の日は、まだまだ紅葉を楽しめる行楽日和。雨の日は落ち葉も目立ち、11月も後半になると、木枯らしに木の葉も一気に散る。冬は90日間。三冬といい初冬・仲冬・晩冬がある。
 季節の変化を大切にしたい。特に、日本人には「敏感な季節感」がある。冬も寒い冬だけではない。微妙に変化する季節の移ろいに感謝したい。昔の時間の感覚も、1時間は冬は長く、夏は短い。生活には、不合理かも知れない。自然と対話するには、分かりやすい感覚である。 

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