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シニアネット 『おいおい』

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(NO 423-2006.06.19)シニアネット『おいおい』(第423号)

2006/06/19

━━ senior citizen net ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2006/06/19━━━

     シニアネット 『おいおい』             第423号
 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 行動するシニアのための情報紙━━━

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 梅雨の犬で氏も素性もなかりけり                    安住 敦
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 梅雨の日に、びしょびしょになって、迷い込んできた野良犬が、飼い犬のようにそのまま居座ってしまった。不幸にして、お節介な近所の人の密告で保健所へ捕獲された。野良猫はいるが、野良犬はいない現代ではなく、昭和20年代の句である。野良犬を、「氏も素性もなかりけり」と擬人的な表現をした。劇作家らしいユーモアがある。野良犬は、狂犬病を媒介するから保健所が捕獲するが、野良猫は病気を媒介しないので保健所は関係なしです。

┏━━ D O ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     ◎作家の中野孝次の『ガン日記』、『文藝春秋』に全文掲載◎
 月刊誌「文芸春秋」の7月号に、作家の中野考次の未発表手記 『ガン日記』が、ほぼ全文が掲載された。2004年7月に、79歳で亡くなったが、自らが食道がんであると告知される直前の2004年2月8日から、入院する直前の2004年3月18日までが記されている。迫りくる死といかに向き合ったのかが分かる。和紙の400字詰め原稿用紙73枚に、病名を聞いた後の心の揺れ、余命1年と知ったことによる苦悩、妻への思い…。がんと共生するのではなく闘うことを選び取るまでの心情が克明につづられている。
 文学的な価値が下がる訳ではないが、医学的には「疑問」の『がん日記』である。80歳近い高齢者が、「ガンの基礎知識」がなかったようだ。相談できる専門医がいなかったのではないか。作家でありながら、人間の寿命を認識して、人間の寿命には限りあることを本当に理解していたか。セネカの死生観に親しんでいたようだあるから、慌てないとあるが。人間の弱さを文学的に表現したのだろうが、作家として一段高いところからの著述であってほしかった。がんの症状は、「緩和医療」の段階に来ていた。QOL(生活の品質)を大切にすることが大切であった。
 手記は、神奈川近代文学館(横浜市)で開かれる「中野孝次展」のため、同市の中野さんの自宅から同館に運ばれた資料の整理中に発見された。中野孝次展」は今月10日から7月30日まで。「清貧の思想」や「ハラスのいた日々」などがベストセラーになった。バブル崩壊後の1992年に、著書「清貧の思想」で日本人の生き方を説き、広く共感を呼んだ。
http://www.bunshun.co.jp/mag/bungeishunju/index.htm
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┏━━ S A Y ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ◎B型肝炎判決。国に損害賠償と除斥期間◎
 B型肝炎の感染原因をめぐる訴訟で、最高裁は、同じ注射器で複数の子供に予防接種を行う注射器の使いまわしたのを長く放置していたのが原因だと国に責任がある、と断じた。 
 そして国に対し、感染した原告に1人当たり550万円を損害賠償するように命じた。
B型肝炎ウイルスの感染者は全国で100万人以上とみられる。除斥の壁を取り除いた今回の判決は、多くの人に提訴の道を開いた。判決は、予防接種を受けてから感染に気づかず20年以上経過したとしても、国を訴えることができるとする判断だ。しかし、裁判に訴えなくてもすむようにしなければならない。 除斥とは、不法行為の被害を受けてから20年の期間がたつと賠償請求の権利がなくなる民法の規定だ。

18日・産経社説(2)B型肝炎訴訟 国は早急に支援策提示を
 http://www.sankei.co.jp/news/060618/morning/editoria.htm 
『最高裁は、「予防接種以外の感染原因はうかがわれない」とし、「予防接種時の注射器連続使用でB型肝炎ウイルスに感染した可能性が高い」との判断を下した。また、もう一つの争点だった除斥期間についても、「損害は感染から相当期間経過後に発生し、除斥期間は接種時でなく、発症時から起算すべきだ」という判断を示した。 肝炎の予防接種は昭和30年代まで、注射器の連続使用、いわゆる回し打ちが行われ、B型肝炎感染の大きな要因とされた。現在、わが国のB型感染者は、推定で約120万〜140万人という。これにC型肝炎者を加えると約350万人にもなり、慢性化して長期化すると、肝硬変や肝がんを発症させる。国は感染者に最善の医療を尽くすとともに、医療費の経済的負担軽減など患者救済策を提示すべきだ。』

17日・読売社説(2)[B型感染訴訟]「医療行政の怠慢と断じた最高裁」
  http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060616ig91.htm
『注射器の連続使用が感染を招く危険性については、遅くとも1951年には認識されていた、とした。最高裁は「1人ごとの交換または徹底した消毒の励行を指導せず、連続使用の実態を放置していた」と、感染対策を軽んじた医療行政を批判した。厚生省が「針だけでなく注射筒も換えよ」と告示して徹底が図られたのは、やっと1988年のことである。早期に発見して適切な治療を続けていけば、大事に至らない場合が多い。だが放置すれば、肝硬変から肝がんへと進行し、取り返しのつかないことになる。年間3万人以上が肝がんで亡くなっている。その8割以上がB型・C型肝炎ウイルスの感染者とされる。厚労省は、保健所での無料検査体制を拡充するなど、早期発見体制の強化に乗り出している。肝炎への対策が甘かった過去の医療行政を償うためにも、厚労省は肝炎ウイルス感染者の早期発見体制の充実に取り組む必要がある。』

17日・朝日社説(1)B型肝炎判決 今こそ総合的な対策
http://www.asahi.com/paper/editorial20060617.html
『感染者の10〜15%は、ウイルスが再び暴れ出して慢性肝炎になることがわかってきた。放っておくと肝硬変や肝がんになる。感染者のほとんどは自分が感染していることを知らない。厚生労働省は2002年から公費による「肝炎ウイルス検診」をしているが、受診率は低い治療体制も十分ではない。インターフェロンなどの薬をうまく使えばウイルスの増殖を抑えられるが、専門医が少ないうえに、保険診療の枠内では治療に限界がある。手厚い治療を受けられる態勢を整えてもらいたい。肝炎の薬は海外で開発されたものが多い。日本でも研究に力を入れるべきだ。肝がんによる死者は増え続けており、がんの中では胃がん、肺がんに次ぐ。そのほとんどは、B型やC型の肝炎ウイルスの感染による。今回の判決を肝炎ウイルスの脅威と国の対応の遅れへの警告と考えたい。

17日・日経社説(2)賠償への道を広げる最高裁
      http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20060616MS3M1600H16062006.html
『最高裁の判決は「他の原因による感染の可能性」の主張を「一般的、抽象的なもの」と退けた。原告側が示す因果関係を否定するには「他に原因となる可能性の高い具体的な事実」を挙げよ、と国側に求めたのである。除斥を巡っては、最高裁が既にいくつかの裁判で取り入れた、20年の起算点を“後ろ倒し”する新解釈を適用した。最高裁判決は除斥期間の起算点を「ウイルスによる症状が出た時」と判断して賠償を認めた。司法の場で国民が行政に過ちを認めさせ、賠償という一定の救済を得る道を広げることは、行政のあり方を「事前規制から事後の監視・救済」に変えつつある時代の要請に応えるものだ。後々賠償責任を負わされる可能性が高くなれば、一つ一つの行政行為について国民に損害を与えないよう注意を払う緊張感が生まれる。国家賠償への道を広げる最高裁の判決を評価したい。 』
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┏━━ S E E ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
         ◎『ガン日記』(中野幸次著)の紹介(1)◎
2月8日(日)町内碁で成績よく気をよくする。かわやからの帰りに無意識に腹を叩きつつ歩いていて、知人から「腹ですか?」と言われてギョッとする。体重が減り、酒の量が減り、臍の上部の鈍痛は異常事の発生を告げる。自覚症状が出ている。
2月12日(木)最初の検査を受ける。肝臓エコー異常なし。胃カメラで胃上部と食道下部辺赤くだだれて、ビランあり。食道のビランを検体に回す。検査結果は来週木曜日。悪ければすぐに連絡をすると。
2月17日(火) 電話があり「食道がんが見つかる」の通知。治療を受ける病院をどこにするかの相談になる。もし全摘出手術の如きせまられたら断るしかないと予め防衛策を定めておく。
2月18日(水)鍼灸院で胃のビランが背に出て痛むと訴求する。1時間の治療で、患部に「かたまりがあいますね」と言われる。ガンのことは言わず。
2月19日(木)食道癌には前途にいかなる救いの道もなきことに非ずやと腹が立ち、「で、もしいかなる方法もないとすると、あと生きるのはどのくらいです?」ときくと、「あと1年ですね」とオウム返しに答える。
2月20日(金)別の大病院を紹介されるが断る。中小医院の人間関係のある所しか希望しないという。 
2月21日「前々から、生きるのは今日一日、『今ココニ』の時空しかないとして生きてきた。これが生涯かけて文学をやって来て最後に得たものだ」
2月25日(水) 生きる意義は、いかによく生きるかにありて、どれだけ長く生きるかになし。その一事からはんだんすれば四、五ケ月も空しく病室に横たようによっては病状は早く進み、全き精神を保つたまゝ死にゆく方がはるかに人間の生ならんか。気が緩むと欲が出て、心が乱れる。(以下、次号に転載予定)
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