あなたへ贈る季節のたより

毎回、1つの季語を添えたお便りがあなたの元に届きます。心に残る詩、和歌、俳句をひもときながら、北越後の城下町から都会に住むあなたに宛てて、その時々のふるさとの様子や、あなたへの想いを伝える恋文です。

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あなたへ贈る季節のたより No.2

2006/04/01


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    あなたへ贈る季節のたより     ---- No.2 ----

        「花とぶらんこ」                      2006.4.1

               by URUSHI OHTAKI 大滝 豊
               http://www11.plala.or.jp/u-ohtaki/
                                  
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 遠くのあなたへ。


 お元気ですか。

 うらうらと春の陽差しがようやく訪れたかと思ったのに、突然冷たい
 北風が家中の窓硝子をガタガタと揺さぶり、雪を舞い散らす日が3日
 続きました。

 いったい今年は、どうしちゃったんでしょう。
 「花冷え」という言葉はありますが、花も咲かないうちからこの寒さ。
 せっかく開きかけた蕾も、寒風にふるえていましたが、きょうになり、
 ようやくほっと一息ついたところです。

 あなたの街では、もう桜の開花は始まっているのでしょうか。

 薄紅色をした無数の花弁が風に舞い、水辺に一面散り敷く光景などを
 思い描くと、自らが作り出した幻影の世界に迷い込んでしまうような、
 ちょっと目がくらむような気さえします。

 ひたすらあなたを待ちわびるその心の中に、あなたが存在するように、
 花を想う心の中にこそ、春が宿るのかもしれません。



   春は光線が膨らんで物体がみんな楕円形になる

   おたまじやくしを見に行きませう

   明るい水の中でのんきな栄華の夢を見てゐる所を。

   金の喇叭を赤い紐で胸にかけてゐる村童は春の可愛い天使です。

   魚は腹を仰向けて空の鳥等と日向で遊ぶし

   芽立ちの草のステッキで燕の雛が巣立ちます。

   川辺のスミレは人間を神様のやうに思ひ

   人間はスミレを野の真珠と見る。

   桃色のカーテンの向ふで野原の娘が

   神話のランプに火をつける。

              「朗らかな春」  古賀春江


 いつだったか、あなたと二人で、色とりどりの花がきれいに咲き揃う
 公園を、そぞろに歩いたことがありましたね。憶えていますか。
 暖かな光を背中に感じながら、二人の影が土の上で重なるのを、少し
 くすぐったくも嬉しく感じて、なるべくゆっくり歩を進めたのでした。

 そのあとあなたはブランコに腰を下ろし、春風に髪をなびかせながら
 青い空をバックに、優しい弧を描いたのですよね・・・。


 そういえば、「ぶらんこ」という言葉も、春の季語になっているって
 知ってました?

 元々は「鞦韆」(しゅうせん)という北方民族のものだった遊びを、
 斉の桓公が取り入れて、春節(旧暦の正月)に、晴れ着を着た男女が
 共に乗って漕いだんですって。

 その後、唐の玄宗皇帝が、仙界に遊ぶという意味で「半仙戯」(はん
 せんぎ)と名づけ、たくさんの美女たちに、はなやかな裳裾を翻して
 楽しませたらしいです。ちょっとエロティックなんだけど、そのため
 今でも春の季語になってるんですね。

 「ふらここ」とか「ふらんど」とか「由佐波利」(ゆさはり)等とも
 言うらしいですよ。「ふらここ」なんて、何となくいいですよね。


   鞦韆(ふらここ)は漕ぐべし愛は奪ふべし  (三橋鷹女)


 この句は、鷹女が50歳を過ぎてからつくったものだそうです。
 ブランコを漕いでいるうちに、恋人への想いが高まったのでしょうね。

 そうなんとなく、春はちょっと危ない季節なのかも・・・。
 それを知りつつ、私も「ふらここ」に乗ってみたくなりました。

 またお手紙、書きます。


                  平成18年4月1日 

                遠くのあなたを想いながら・・・



 追伸

  今年2月、ドイツの「フランクフルト・メッセ・アンビエンテ」
  (世界最大の消費財見本市)に出品した作品の帰国展が、東京の
  日本橋で開かれますが、あなたはお忙しいでしょうか。
  
  会期が短いですけど、お近くへ行くことがあったら、見ていただけ
  ると嬉しいです。初日は私も会場にいますから。


  ●新潟発の国際ブランド「百年物語」新商品発表会2006 in TOKYO

   会期:4月27日(水)〜29日(土) 11:00〜18:00
   会場:東京日本橋NICOプラザ#2 (三越本店真向かい)
   出品作品:漆(私が作ったものです)、陶器、ガラス、金属、
        曲げわっぱ、織物、紙、屏風、桐の家具など 
   入場は無料です
  
    http://www.nico.or.jp/hyaku/ja/index.html

 
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 読者からのおたより
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 先日、と言っても2月17日ですから、かなり前になってしまったの
 ですが、このメールマガジンの「創刊準備号」を読んでくださった
 「2羽の水鳥さん」から、こんなメールをいただきました。
 ありがとうございます。

 先回ご紹介するのをすっかり忘れてしまい、遅くなってしまいました。
 ごめんなさい。ご本人の承諾を得ていますので、ここにご紹介します。

 みなさんからの感想メール、お待ちしています。
 よろしくお願いします。 


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 こんにちは

 こちら、東京では近所の神社で紅梅がほころんでいます。

 今年は東京も冬の冷え込みが厳しく、
 暖房設備・断熱が薄い一人暮らしの部屋には、寒さが応えました。

 それでもここ数日は、冷え込みも少し緩んできたかな、と感じていま
 す。

 2年ほど前に、姉が長岡に嫁ぎました。

 関東育ちで、冬は乾燥して青空が広がっているものと思っていた私に
 とって、姉の暮らしを思うとき、天候が変わりやすく、冬の間はすっ
 きりはれた青空を見ることはない、雪下ろしの苦労、雪の大変さばか
 りを想像して心配していたのですが、大滝さんのお手紙を拝見し、す
 こし気持ちが明るくなりました。

 姉もたまにはそんな気持ちで、ふっと頬を緩めているといいな、と思
 います。

 今年は東京も冬が厳しかったせいで、
 新潟の寒さと雪の中に暮している人には怒られてしまいそうですが、
 春が待ち遠しく感じられます。

 都会に住んではいますが、季節の変化を肌に感じながら、日々を暮し
 ていけたらと思っています。

 メールマガジンを楽しみにしています。

 それでは、お元気で。


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   ●発行 URUSHI OHTAKI
   ●編集 大滝 豊

      〒958-0873 新潟県村上市上片町2-32
        TEL:0254-52-6988 FAX:0254-53-3272
        MAIL TO:   yutak@lapis.plala.or.jp
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創刊日:2006-01-29  
最終発行日:  
発行周期:毎月1日  
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