文学

三島由紀夫の総合研究

創立35年の老舗「三島由紀夫研究会」の会報を兼ねた、あらゆる角度からの総合研究メルマガ

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三島由紀夫研究会メルマガ

2019/04/10

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『三島由紀夫の総合研究』(三島由紀夫研究会 メルマガ会報)
  平成31年(2019)4月10日(水曜日)
           通巻第1328号 
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令和の御代を迎えるに当って
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            玉川 博己(三島由紀夫研究会代表幹事)

  この四月末を以て天皇陛下には皇太子殿下にご譲位あそばされ、翌五月一日に皇太子殿下は新帝として践祚、ご即位あそばされる。
新元号は「令和」となることが四月一日に政府から公表された。本来新帝のご即位と同時に公布・施行されるべき新元号が一か月前倒しで発表されたことなど、政府の対応には遺憾の点少なからざることを思う。

昭和五十四年に成立した元号法は確かに、元号は皇位の継承があったときにのみ政令をもって定められる、としているが、そもそも元号が万世一系の天皇の御位と不離一体の関係として深く結びついていること、そしてその基盤たる国体の本義に対する理解と認識が政府与党に薄弱たりしことは多くの良識ある国民から指摘されてきたことであった。
明治以来の一世一元の根拠であった帝国憲法と登極令が戦後廃止されことにより、元号は法的根拠を失い、いわば慣習的に昭和元号が使用されてきたのであるが、やがて元号法を求める国民世論が盛りあがってきた。

その結果、昭和五十四年に現在の元号法が制定されたのである。
たとえ現在の元号法ではかつての勅諚ではなく、政令で元号がさだめられることになっているとしても、元号の歴史的背景と国体の本義をわきまえるならば、今般の政府の対応が批判されることは当然である。
また報道によれば、今上陛下がご退位に際して述べられるお言葉の中で「譲位」という文言は、皇位の継承が天皇の個人的意思に基づくものと見なされ、それは天皇の政治関与を禁じた現行憲法に抵触するおそれあるがため、お言葉の中で「譲位」という言葉は使わせないというのが政府官僚どもの見解である由。まことに僭越、臣下の分を弁えぬ態度ではないか。

結局、現在の政府は、表面上は尊皇を装いつつも、天皇を武家支配の道具と見なしてきた足利、徳川の幕府と何ら変わりないのではないか。また新元号の公表に際して、安倍首相他が示した新元号を自らの政治宣伝に利用せんとするパフォーマンスは真に見苦しいものであった。
日本はいつから安部「大統領」の国になったのであろうか。

  あともう一つ忘れてはならないことは、現在の元号法が成立するまでに多くの国民、憂国の士たちの元号法成立への熱意があったことである。
とりわけ、その先鋒であった民族派の重鎮、大東塾の影山正治塾長が、昭和五十四年五月二十五日、青梅の大東農場において「一死以て元号法制化の実現を熱祷しまつる」との遺書を遺して壮烈な自決を遂げたことであった。

影山正治塾長は戦前から保田與重郎、浅野晃、林房雄ら日本浪曼派の巨人たちとの交流を深め、また昭和四十五年十一月二十五日の三島由紀夫先生と森田必勝烈士の自刃に際しては、これを「昭和の神風連」と称え、実際その後創設された「憂国忌」の発起人としてその死に至るまでその熱心な支援者であった。

今年の五月には影山塾長の四十年祭を迎え、そして来年十一月には憂国忌五十年を迎える。
 古来わが国の国体が危機に瀕したときに、忠臣、烈士が決起して君側の奸、逆賊を討ち、国体の本義の恢弘を図ってきたのがわが国史の真実であった。

  ところで新元号「令和」は、万葉集の五巻にある、大宰府における梅花の宴で詠まれた三十二首の歌の序文から採ったものとされる。
この序文の作者である大伴旅人は、長男の大伴家持とともに万葉集の代表的歌人である。大伴氏は神武の昔より天皇の親衛隊の武門の家柄であり、またそれゆえ大伴父子は東国出身の西方防衛に当る防人の兵士たちに強い思いを抱き、また万葉集に多くの防人歌を採取することに尽力したといわれる。
有名な「海ゆかば」の歌も、元来大伴氏の武門としての決意(言立て)に基づくものである。        

 来年令和二年は、また三島由紀夫先生と森田必勝烈士の五十周年に当る。我々は来年の憂国忌五十年が、三島先生の「檄」に書かれた精神を継承し、国体の本義の恢弘に向けて更に歩んでゆく歴史的一歩としたい。多くの同志の皆さんの更なるご協力とご支援をお願いするものである。                                          
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■ 事務局より 今後の予定
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四月の「公開講座」は金子宗徳氏(里見日本文化学研究所所長)に国体論をテーマに講演して頂きます。

日時 4月19日(金)18時半開演(18時開場)
会場 アルカディア市ヶ谷(JR・地下鉄「市ヶ谷」下車2分)
http://www.arcadia-jp.org/access/pdf/DL_2018_04.pdf
演題 「御代替わりに際して〜あらためて国体とは何か」
講師 金子宗徳氏(里見日本文化学研究所所長、月刊『国体文化』編集長)
会費 会員・学生1千円(一般2千円) 
<講師略歴 昭和50年生。名古屋市出身。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了退学。 著作『安全保障のビッグバン』(共著・読売新聞社)『「大正」再考―希望と不安の時代』(共著・ミネルヴァ書房)『保守主義とは何か』(共著・ナカニシヤ出版)

          
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5月公開講座は元『正論』編集長の上島嘉郎氏です。

日時 5月28日(火)18時半開演(18時開場)
会場 アルカディア市ヶ谷(私学会館) JR・地下鉄「市ヶ谷」下車2分
演題 「三島由紀夫と西郷南洲」(仮題)
講師 上島嘉郎(かみじまよしろう)氏はジャーナリスト、元月刊「正論」編集長
(講師略歴)昭和33年生。長野県出身。愛媛県立松山南高校卒。フリーランスを経て産経新聞社に入社。月刊「正論」編集長を歴任。現在はフリージャーナリストとして活躍中。
著書として『韓国に言うべきことをキッチリ言おう!−いわれなき対日非難「サクサク反論ガイド」』(ワニプラス)、共著に『大東亜戦争「失敗の本質」』(飛鳥新社)がある。
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六月の「公開講座」は渥美饒児氏(文藝賞受賞作家)
浜松在住の作家・渥美饒児氏が小説家を志した20代より30年間にわたって蒐集した「三島由紀夫コレクション」を通じて、三島由紀夫への熱い思いを語って頂きます。
      記
日時  6月24日(月)18時半より(18時開場)
会場  アルカディア市ヶ谷(私学会館)
        JR/地下鉄「市ヶ谷」徒歩2分
演題  「私の三島由紀夫コレクション」
講師  渥美饒児氏(あつみじょうじ、小説家)
   <講師プロフィール> 昭和28年生、静岡県浜松市出身。日本大学文理学部卒。『ミッドナイト・ホモサピエンス』(河出書房新社)で昭和59年度文藝賞を受賞。『十七歳、悪の履歴書―女子高生コンクリート詰め殺人事件』(作品社)を原作とした映画「コンクリート」(中村拓監督)が平成16年に上映される。その他『孤蝶の夢―小説北村透谷』(作品社)、『原子の闇』、『沈黙のレシピエント』(何れも中央公論新社)。その他最新作として警察小説の傑作として評価の高い『潜在殺』(河出書房新社)がある。浜松市在住。
 平成25年浜松文芸館で「三島由紀夫コレクション展」を主催した。 


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 7月公開講座の日程とテーマが下記のように決りましたのでお知らせします。蓮田善明とともに『文芸文化』を創刊し、また三島由紀夫の才能を見出し三島由紀夫が世に出ることに尽力した清水文雄について論じて頂きます。
荒岩氏がこれまで当会で取り上げた蓮田善明、保田與重郎、伊東静雄、影山正治に続く浪曼派文学シリーズの第5弾になります。
    記
日時  7月26日(金)18時半より(18時開場)
会場  アルカディア市ヶ谷(私学会館)
演題 「清水文雄の国文学と教育」
講師  荒岩宏奨氏(あらいわ ひろまさ、展転社取締役編集長)
    講師略歴 昭和56年山口県生まれ。広島大学教育学部卒、プログラマー、雑誌編集者を経て現在展転社取締役編集長。著書『国風のみやびー国体の明徴と天業の恢弘』(展転社)。尚荒岩氏は来る4月より展転社代表取締役に就任予定です。
会場費  会員・学生千円(一般2千円)


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九月「公開講座」の講師が新国立劇場演出家の宮田慶子さんに決まりました。日程などは下記の通りです。
      記
日時  9月20日(金)18時半開演(18時開場)
場所  アルカディア市ヶ谷(私学会館)
    JR/地下鉄「市ヶ谷」徒歩2分
演題  「三島由紀夫演劇の世界」(仮題)
講師  宮田慶子氏(新国立劇場演出家・同演劇研修所長)
<講師略歴>昭和32年生まれ。東京都出身。学習院大学文学部中退後青年座(文芸部)に入団。その後新国立劇場演劇部門芸術監督を経て現在は同劇場演劇研修所長。三島由紀夫作品の「朱雀家の滅亡」など多くの作品の演出を手掛ける。第9回読売演劇大賞最優秀演出家賞をはじめ受賞歴多数。
会場費 会員・学生1千円(一般2千円)

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  三島由紀夫研究会 http://mishima.xii.jp/contents/index.html
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創刊日:2006-01-12  
最終発行日:  
発行周期:半月刊  
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