文学

三島由紀夫の総合研究

創立35年の老舗「三島由紀夫研究会」の会報を兼ねた、あらゆる角度からの総合研究メルマガ

全て表示する >

三島由紀夫研究会メルマガ

2018/10/17

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『三島由紀夫の総合研究』(三島由紀夫研究会 メルマガ会報)
    平成30年(2018)10月17日(水曜日)
         通巻第1284号   
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆ 
 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  

 『文化防衛論』『反革命宣言』など思想の作品を詳論しつつ
  『日本文学小史』という佳品の詳論を試みた

  ♪
松本徹『三島由紀夫の思想』(鼎書房)
@@@@@@@@@@@@@@@

 この本は松本徹全集の第二巻(全五巻)にあたり、主に著者が三島を論じた中でも、思想に特化しての評論である。紹介するまでもなく、松本氏には、三島由紀夫論が数冊、そのうえ、鼎書房からは『三島由紀夫の研究』がすでに十九巻。すべて松本氏が中心となって佐藤秀明、井上隆史氏らとともに編んだ。
 本書ではまず三島の『文化防衛論』について論じられる。
 「論の中心は、『文化概念としての天皇』である。先に『英霊の声』で人間宣言を行った昭和天皇を厳しく糾弾、衝撃を与えたが、戯曲『朱雀家の滅亡』では天皇と特攻隊の英霊の融和の糸口を示した旨を指摘した。が、衝撃は鎮まるに至っていなかった。そうした状況で、天皇擁護論を如何にして持ち出すか、考えなくてはならなかったろう。(中略)とにかく伝統、歴史、文化との関わりに改めて重点を置き、押し出したのである。そして、天皇は、『国と民族の非分離の象徴であり、その時間的連続性と空間的連続性の座標軸』であるだけでなく、『雑多な、広汎な、包括的な文化の全体性と見合』い、『変革の原理』としても働くとした。固定化し、矮小化するのを徹底的に排除しようとした」
 さらに松本氏の解説は次のように進む。
 「文化を守るのは『剣の原理』であり、『必ず危険がつきまとふ』。それというのも、『文化における生命の自覚』が『生命の連続性を守るための自己放棄というふ衝動へ人を促す』からだという。」
 つまり三島は「文化の蘇生は同時に自己滅却を要求する」と主張したわけで、「このような献身的契機を含まぬ文化の、不毛の自己完結性が、『近代性』と呼ばれたところのものであった」。
 三島はこうも言った。
 「天皇という絶対的媒体なしには、詩と政治とは、完全な対立状態に陥るか、政治による詩的領土の併呑にをはるしかなかった」。 
 このほか、『日本文学小歴史』について重厚な解説が試みられる。
                             (評 宮崎正弘)
          ◎◎◎◎◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ■ 事務局からおしらせ ■ 事務局からおしらせ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 
  ♪
10月公開講座は、憂国忌発起人で元朝日新聞記者・編集委員の井川一久氏
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 講演テーマのクァンガイ陸軍中学とは戦後残留した日本人将兵が教官としてヴェトナム青少年を教育して精強なヴェトミン軍、ヴェトナム軍の指揮官、将校を育成した陸軍士官学校である。昭和29年ディエンビエンフーで仏軍を撃滅した戦いも、昭和50年サイゴンを陥落させて米軍を撃退した戦いも正にこの学校で鍛えられた日本精神を発揮したが故の勝利であった。井川氏がこの歴史と経緯を熱く語ります。

日時  10月25日(木)午後6時半開会(午後6時開場)
会場  アルカディア市ヶ谷(JR・地下鉄「市ヶ谷」徒歩2分)
講師  井川一久氏(元朝日新聞記者、編集委員、憂国忌発起人)
演題  ヴェトナム独立戦争に挺身した日本人たち
       〜典型としてのクァンガイ陸軍中学教官団
会場分担金 2000円(会員と学生は千円)。
    (講師略歴 昭和9年生れ。愛媛県出身。早稲田大学政経学部卒後朝日新聞入社、以降、外報部で活躍。ハノイ初代支局長をはじめ長年インドシナ情勢を取材。現在も大東亜戦争終結後ヴェトナムに残留し、インドシナ戦争(対仏独立戦争)やヴェトナム戦争(対米戦争)で戦った日本人将兵の記録に取り組んでいる。
        ○□◇□△◎△□◎◎☆□□☆□△◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  三島由紀夫研究会 http://mishima.xii.jp/contents/index.html
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)三島由紀夫研究会 2018  ◎転送自由
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2006-01-12  
最終発行日:  
発行周期:半月刊  
Score!: 98 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。