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三島由紀夫の総合研究

創立35年の老舗「三島由紀夫研究会」の会報を兼ねた、あらゆる角度からの総合研究メルマガ

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三島由紀夫研究会メルマガ

2018/08/20

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『三島由紀夫の総合研究』(三島由紀夫研究会 メルマガ会報)
    平成30年(2018)8月20日(月曜日)
         通巻第1276号   
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対米従属体制を打破し、真の独立日本の建設を目指せ 
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             矢野一輝

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 5月の米朝首脳会談でトランプ大統領が金正恩に対して日朝関係の大きな問題として拉致問題があることを提起した、ということを日本の政府与党、保守派の人々は手放しで喜んでいた様子であった。
それ自体今後の日朝交渉に対する援護射撃になることは否定しないが、日本が米国の属国ではなく真の独立国家であるならば、日本国民が外国によって拉致(正確な表現は「人さらい」「誘拐」である)された犯罪行為、言い換えれば日本に対する主権侵害であり、侵略行為を先ず自らの問題として解決することが筋ではないか。

すなわち、日本政府は自国民の奪還を外国政府に頼ること自体本末転倒である。国防上の自衛権発動も警察権行使も独立国家なら基本的権利としてもっているはずだ。それがなにもかもアメリカ頼みとは余りに情けない話ではないか。結局戦後占領期を経ていまだアメリカの従属国から脱却できていないのである。

  昨年11月トランプ大統領一行が来日した際、彼らは羽田でなく横田基地にやってきた。彼らは入国審査もなくパスポート提示もなくそのまま都心へ向かったのである。
逆に出迎えの日本政府高官や自衛隊高級幹部は横田基地に入る際、身分証明書の提示とボディチェックを求められたという。

こんな馬鹿げたことがあろうか。横田基地といえども日本領土である。この問題を指摘したマスコミも野党も全くいなかった。
この問題の根本原因は日米地位協定にある。日本と同じくかつての敗戦国であるドイツにも、イタリアにもNATO条約に基づく米軍が駐留しているが、独伊が米国と結んでいる地位協定では、米軍基地内にはそれぞれ独伊の国内法が適用され、独伊は必要に応じて基地内への立ち入りの権利も認められている。

▲沖縄の基地問題で真っ先にやるべきは日米地位協定の根本的見直しである。


これに対して日米地位協定では、米軍基地には日本の国内法は適用されず、日本政府には基地内への立ち入りも認められていない。
とくに米軍基地が多く点在する沖縄では、頻発する不良米兵による犯罪に沖縄県警もその対応に苦慮しているのである。

沖縄の基地問題においてまずなすべきことはこの日米地位協定の根本的見直しである。沖縄戦において沖縄県民は軍に協力してアメリカ軍相手の壮絶な国土防衛戦を戦い、多くの県民が犠牲となった。
昭和47年ようやく沖縄は本土に復帰したものの、依然日米地位協定は改訂されず、多くのアメリカ軍基地が治外法権の下に存在しているのである。与野党も普天間だ辺野古だと言う前に日米地位協定の根本的改訂に議論をなすべきである。

 独立国であるはずの日本、そしてその首都東京の周辺には横田、横須賀、厚木などの巨大な米軍基地が存在する。
しかも横田なら米第五空軍司令部があって、そこに空自の航空総隊司令部が居候のような形で存在している。

横須賀ならかつての我が帝国海軍の根拠地であった主要な施設群は米第七艦隊が占有・使用している。かつて多くの戦艦、空母を建造した栄光の横須賀海軍工廠は現在米軍の修理施設になっている。

自衛艦隊司令部をはじめ海上自衛隊は横須賀の船越、西逸見、長浦などの地域にある。いわば母屋を取られた状態である。厚木またしかり。日本が戦後の貧困弱小の国の時代であるならともかく、今や世界有数の経済大国となり、自衛隊の装備も飛躍的に増強されているのに未だ「米軍の弾除け」いいかえれば植民地軍的状態に甘んじているのは何故か。

日本国憲法はいまだ改正されず、自衛隊は建軍の本義も与えられないまま、軍隊か警察か分からない組織のままである。
政府・自民党が進めんとしている加憲改正案は憲法九条の第1項と第2項をそのままとしたまま、第3項に自衛隊の保持を明記するというものである。第2項で軍隊の保有と交戦権を否定したままでの自衛隊とは一体何であろうか。

国家主権の発動としての交戦権を具体的に行使するのが独立国の軍隊であるとすれば、軍隊でもなく交戦権を認められない自衛隊とは何なのか。手足を縛られたままの自衛隊に政府・国民はいざというときには国のために死んでくれと言っているのだ。
尖閣諸島だって自衛隊が守ってくれると思っている。話の順序が逆ではないか。まず自衛隊に軍隊、武士としての名誉を与えることが先決である。

 政府与党も野党もシビリアンコントロールを強調する。
しかし長年自衛隊の健全な発展を阻害してきたのは政治家どもであった。昭和40年代後半海自の次期対潜哨戒機は国産で生産されることに決まっていたのに、これを覆したのはロッキードから賄賂をもらった時の首相田中角栄ら政治家であった。

昭和60年代やはり国産の方針が決まっていた次期支援戦闘機を米国に阿って日米共同開発という方向に捻じ曲げたのはやはり自民党の政治家達であった。現在の政府与党もまた米国製品の輸入増大を主張するトランプ大統領に「忖度」して、多くの兵器を米国製の丸ごと輸入しようとしている。


 ▲防衛装備調達を日米貿易摩擦問題解決の政治的犠牲として供した

本来、純軍事的見地から検討されるべき防衛装備調達を、日米貿易摩擦問題解決の政治的犠牲として供しようとしているのだ。お陰で日本の防衛産業は、先細りか壊滅の危機を迎えている。
シビリアンコントロールとは政治家が防衛にかかる利権をわがものとし、国家の利益よりも私益を第一に考えることなのであろうか。

  昭和45年三島由紀夫が市ヶ谷台上で壮烈な憂国の諫死を遂げたとき、ときの佐藤栄作首相は「狂気の沙汰」といい、中曽根康弘防衛庁長官は「迷惑千万」と言い放った。
あまつさえ、中曽根は今においても老醜をさらしつつ「三島由紀夫の呼びかけに応えた国民、自衛官は一人もいない」と強弁しているが、何故死後50年近くたっても多くの人々が「憂国忌」に結集するのか、何故多くの自衛官OBが三島研究会において熱心に国家と国防を論じているのか、中曽根はどう説明するのだろうか。

昭和53年いわゆる超法規発言で栗栖弘臣統合幕僚会議議長を免職に追い込んだのは金丸信防衛庁長官であったが、その金丸は金権政治の亡者として哀れな末路を辿った。今では何れが真の愛国者であったか明白ではないか。

平成20年至極全うな論文を発表した田母神俊雄航空幕僚長を追放したのは麻生太郎首相と浜田靖一防衛相であった。結局、これらの政治家どもは日本の真の独立を考えず、憲法改正にも取り組まず、ただ戦後の対米従属に安住して己の権力を保持したいがための政治屋に過ぎなかった。 

  戦後の日本では、保守勢力はGHQの庇護の下に政権を保持し、GHQの権威によって敵対勢力を排除するという構図が出来上がり、講和独立後も日米安保体制の下に対米従属体制が堅固に維持されてきた。


▲「自主性を回復せねば自衛隊は永遠にアメリカの傭兵として終る」

またこれに対する左翼勢力も米国製憲法を錦の御旗として戦後の平和と民主主義体制を自らの存在基盤としてきた。すなわち一見「保守と革新」の対立という図式が描かれつつも、その実態は保守も左翼もひたすら米国への従属国家体制を日米安保と平和憲法の両輪でもって支えるという立場に甘んじてきたのである。
その意味で日本の歴史と伝統への回帰、独立国家体制樹立への民族的意思を踏みにじってきたのは保守も左翼も同罪であったのだ。これを最も鋭く指摘し、戦後の対米従属体制の打破を訴えたのが三島由紀夫であった。

  三島由紀夫は最後の「檄文」において「自主性を回復せねば、左派のいふ如く、自衛隊は永遠にアメリカの傭兵として終るであらう」と述べている。

 日本を守るのは日本自身の責務であり、日本国民は国防の義務を負い、その具体的あらわれとして自衛隊を名誉と栄光ある日本国軍となすべきことを我々日本国民が自覚し世界に宣言することである。憲法改正はこの大前提のもとに進められるべきである。 
いよいよ長年の対米従属体制を打破し、真の独立自尊の栄誉ある日本国家を目指すべき時が来た。その主体はあくまで日本国民であることを銘記せよ。
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 事務局からおしらせ 事務局からおしらせ
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8月24日の公開講座、澤村修治氏
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        記
日時   8月24日(金)18時半開演(18時開場)
場所   アルカディア市ヶ谷(私学会館)
講師   澤村修治(作家・文芸評論家)
演題  「反抗と仁愛〜日本の浪曼主義」
     三島思想の源流としてまず西郷隆盛に触れ、次いで日本浪曼派を論じます
     <講師略歴>昭和35年生れ。東京都出身。千葉大学人文学部人文学科卒。大手出版社勤務、新書や選書の編集長をつとめる傍ら、主に評論と評伝の執筆を行う。『表現者』にも寄稿。
主な著作『悲傷の追想「コギト」編集発行人、肥下恒夫の生涯』(ライトハウス開港社)『敗戦日本と浪曼派の態度』(ライトハウス開港社)『唐木順三―あめつちとともに』(ミネルヴァ書房〈日本評伝選〉)『西郷隆盛 滅びの美学』(幻冬舎新書)その他多数。
会場分担金 会員・学生1千円(一般2千円)
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9月公開講座講師は作家・伝統文化評論家の岩下尚史氏。
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         記
 日時 9月25日(火)18時半開会(18時開場)
 場所 アルカディア市ヶ谷(JR・地下鉄「市ヶ谷」下車2分)
 演題 拙著「ヒタメン」について
    https://honto.jp/netstore/pd-book_28077482.html
講師 岩下尚史(いわした ひさふみ)作家・伝統文化評論家、國學院大客員教授
 講師略歴 昭和36年生れ。熊本県出身。國學院大卒、新橋演舞場企画室長を経て作家・評論家に。平成19年『芸者論:神々に扮することを忘れた日本人』で和辻哲郎文化賞受賞。三島由紀夫を論じた『見出された恋:「金閣寺」への船出』や『ヒタメン』の著作がある。(いずれも文春文庫)
 会場分担費 会員・学生1千円、一般2千円

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後藤修一氏を偲ぶ会を9月29日に開催します
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 当会幹事の後藤修一氏(享年66)を偲ぶ会を9月29日に開催します。
友人、同志が集まって誰からも愛された後藤修一氏の人柄を偲び、語り合う場です。

日時 9月29日(土)午後6時〜8時半(午後5時半受付開始)
会場 アルカディア市ヶ谷(私学会館。JR・地下鉄「市ヶ谷」徒歩2分)
    形式 立食パーティ
会費 1人7千円
主催 三島由紀夫研究会
 尚この会は当会関係者には後日正式のご案内をお送りします。一般の方で参加を希望される方は当会事務局までご連絡願います。
 事務局 TEL 090-1611-9839
       Eメール yukokuki@mishima.xii.jp

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10月公開講座、は憂国忌発起人で元朝日新聞記者・編集委員の井川一久氏
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 講演テーマのクァンガイ陸軍中学とは戦後残留した日本人将兵が教官としてヴェトナム青少年を教育して精強なヴェトミン軍、ヴェトナム軍の指揮官、将校を育成した陸軍士官学校である。
昭和29年ディエンビエンフーで仏軍を撃滅した戦いも、昭和50年サイゴンを陥落させて米軍を撃退した戦いも正にこの学校で鍛えられた日本精神を発揮したが故の勝利であった。井川氏がこの歴史と経緯を熱く語ります。

日時  10月25日(木)午後6時半開会(午後6時開場)
会場  アルカディア市ヶ谷(JR・地下鉄「市ヶ谷」徒歩2分)
講師  井川一久氏(元朝日新聞記者、編集委員、憂国忌発起人)
演題  ヴェトナム独立戦争に挺身した日本人たち
       〜典型としてのクァンガイ陸軍中学教官団
    (講師略歴 昭和9年生れ。愛媛県出身。早稲田大学政経学部卒後朝日新聞入社、以降、外報部で活躍。ハノイ初代支局長をはじめ長年インドシナ情勢を取材。現在も大東亜戦争終結後ヴェトナムに残留し、インドシナ戦争(対仏独立戦争)やヴェトナム戦争(対米戦争)で戦った日本人将兵の記録に取り組んでいる。
会費 会員・学生1千円(一般2千円) 
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  三島由紀夫研究会 http://mishima.xii.jp/contents/index.html
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