文学

三島由紀夫の総合研究

創立35年の老舗「三島由紀夫研究会」の会報を兼ねた、あらゆる角度からの総合研究メルマガ

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三島由紀夫研究会メルマガ 『アウトロー臨終図鑑』

2018/04/07

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『三島由紀夫の総合研究』(三島由紀夫研究会 メルマガ会報)
    平成30年(2018)4月7日(土曜日)
         通巻第1244号   
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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 日本のアウトローはいかような処死観をもっていたのか
  多様多彩な人間像を追求しながら存在の根源を問う

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書評 山平重樹著『アウトロー臨終図鑑』(幻冬舎アウトロー文庫)
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 本書に登場するのは筆者の言葉を借りれば「世代差や有名無名の違いこそあれ、いずれも世間から見たら型破り、異端といっていい男たちである。維新者、革命家、プロッスポーツマン、芸能人、カーレーサー、映画人、作家、政治家、冒険家、カメラマン、シージャッカー、任侠人・・・・・と、あまりカタギが見当たらないのは、激烈でドラマチックな生と死を経た男たちとなれば、無理からぬところか。」(本書「はじめに」より)と、実に幅広い分野から約70名もの人物が登場する。
この中から私の関心をひく人物をあげると維新者・民族派運動家では三上卓、影山正治、森田必勝、阿部勉、三浦重周、野村秋介、江藤小三郎など、作家・文学者では村上一郎、檀一雄、高橋和巳、川内康範など、そして唐牛健太郎であろうか。
(以下敬称略)

  三上卓は五・一五事件の首謀者であるとともにいまだに民族派の聖歌というべき「青年日本の歌」(「昭和維新の歌」)の作者として永遠に語られる存在である。
大東塾の影山正治塾長は戦前から維新運動家をして知られ、また保田與重郎、林房雄など日本浪曼派の巨人たちとの交流を持った文学者、歌人であった。三島由紀夫を「昭和の神風連」と称揚し、「憂国忌」の発起人にもなった。影山正治塾長は昭和54年5月青梅の大東農場で元号法案の成立を熱祷して壮烈な自決を遂げた。私は学生時代に大東塾の行事に招かれた際、影山塾長自ら日本酒を振舞われたことがある。その優しい目と温容が記憶に残っている。
森田必勝、三浦重周は我々の運動の先輩であり、同志であった存在でありこれ以上は付記しない。

  作家・評論家の村上一郎は晩年の三島由紀夫と濃密な交流を持ち、昭和50年3月東京・武蔵野市の自宅で愛蔵の日本刀で三島のあとを追うが如く自裁した。先般二月の公開講座で講演をされた西村繁樹元一等陸佐が、青年自衛官のとき三島由紀夫から村上一郎の『北一輝論』を直接贈られたことを述べておられた。
私も村上一郎とは面識を得ることはなかったが、その晩年の著作はむさぼるように読んだものである。村上一郎の葬儀で弔辞を読んだのが戦後『試行』の同人であり、生涯の友人であった吉本隆明であったという。

  檀一雄は私の好きな作家の一人であった。戦前の『花筐』から晩年の『火宅の人』までその作品の根底には如何にも日本浪曼派の出身らしいロマンチシズムが流れている。最後の作品であり、愛人との行状を描いた『火宅の人』は不倫小説と揶揄されることもあったが、私はこの作品は、本当は見事な青春小説ではないか、と思う。
  高橋和巳は大学紛争当時、全共闘の学生から圧倒的な支持を受けていたというが、当時民族派学生運動をしていた私も高橋和巳の『非の器』や『邪宗門』は愛読書であった。また高橋和巳は三島由紀夫の自決の報道には大きな衝撃を受けた、といわれる。
  川内康範は民族派学生運動に理解を持ち、日本学生同盟(日学同)の同盟歌「我らは誓う」もつくってくれた。私は今でも「風が吹くなら吹くがいい たとえ嵐になろうとも 〜」というこの歌の歌詞が好きである。
三島事件直後の「三島由紀夫氏追悼の夕べ」では代表発起人を引き受けてくれたし、その後も「憂国忌」の発起人をつとめた。

  唐牛健太郎といえば60年安保のときの全学連委員長であり、その後右翼の大物・田中清玄との関係で世の注目を浴びた。毀誉褒貶の多い人生で晩年は酒とさすらいの旅を愛し、昭和59年に46歳の若さで他界している。
唐牛健太郎については60年安保ブントの同志であり、今年1月に自裁死を遂げた西部邁氏の『六〇年安保〜センチメンタル・ジャーニー』に詳しく描かれており、まさにあの時代の青春群像が浮かび上がる
      (玉川博己
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  ◎事務局よりお知らせ   ◎事務局よりお知らせ
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四月の「公開講座」講師は元国立劇場理事の織田紘二氏
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 織田氏は昭和42年國學院大學卒業と同時に国立劇場芸能部に入られ、昭和44年から三島由紀夫先生の担当者として三島歌舞伎に携わられました。
 自決までのわずか2年足らずでしたが、最晩年の三島先生との濃密なお付き合いは初公開の秘話ばかり。
とくに三島演劇研究にとって貴重なお話しが聞けるものと思います。
 織田氏は国立劇場の芸能部長、理事を歴任され、現在は日本芸術文化振興会の顧問をされています。

とき    4月19日(木)午後6時半開演(午後6時開場)
ところ   アルカディア市ヶ谷(私学会館)
講師    織田紘二氏(おりたこうじ、日本芸術文化振興会顧問、元国立劇場理事)
演題    三島歌舞伎の世界
<講師略歴>昭和20年生。北海道出身。昭和42年國學院大學日本文学科卒、国立劇場芸能部に入り、以後三島由紀夫先生の担当として三島歌舞伎に携わる。国立劇場芸能部長、理事を歴任。日本芸術文化振興会顧問。著作に『芸と人 戦後歌舞伎の名優たち』(小学館)、『歌舞伎モノがたり』(淡交社)その他。
会場費   会員・学生1千円(一般2千円)
      

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三島由紀夫研究会「文学ツアー」のご案内
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           記
日時:平成30年5月13日(日)雨天中止
集合:13:00 JR横須賀線「北鎌倉」(きたかまくら)駅
作品:「海と夕焼け」(昭和30年刊・新潮文庫『花盛りの森・憂国』に所収)
場所:神奈川県北鎌倉 建長寺〜勝上献
行程(予定)北鎌倉駅−東慶寺−建長寺(勝上献往復)−鶴岡八幡宮−鎌倉宮(バス)−鎌倉駅(駅近隣で懇親会)

 (注)建長寺〜勝上献は、整備された上り坂を30分ほどかけて登ります。ゆっくりと進みますので、ご安心ください。昼食会の設定はございませんので各自で早めのお昼を済ませてからご参加ください。
 東京から参加される方は東京駅11:53発・横須賀線逗子行きに乗車します。(ホームは地下4階にあり、他線からの乗換には10〜15分を要しますので、充分な余裕を持っての時間配分をお立てください)
  参加を希望される方は、下記メールアドレスまで、お名前、電話番号(できれば携帯)、懇親会の出欠を明記の上、お申し込みください。
yukokuki@mishima.xii.jp
         (三島由紀夫研究会 案内係 浅野正美)


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5月の「公開講座」は憂国忌発起人でもある井上隆史先生をお迎えします
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           記
日時 5月25日(金)午後6時開場、6時半開演
会場 アルカディア市ヶ谷(私学会館)
    (JR・地下鉄「市ヶ谷」駅徒歩2分)
講師 井上隆史先生(国文学者、白百合女子大教授)
演題  「もう一つの日本」を求めて、『豊饒の海』を読み直す」
    講師略歴 昭和38年生れ。横浜市出身。東京大学文学部国文科卒。文芸評論家。百合女子大学教授。専門は日本近代文学。著編書に『三島由紀夫幻の遺作を読む〜もう一つの『豊饒の海』』(光文社新書)、『混沌と抗戦〜三島由紀夫と日本、そして世界』(共著、水声社)など多数。最新著に『「もう一つの日本」を求めて〜三島由紀夫『豊饒の海』を読み直す』(現代書館)
会場分担金  会員・学生千円(一般2千円)


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会員勉強会、六月は荒岩宏奨氏
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6月は下記の通り展転社の若き編集長・荒岩宏奨氏を講師にお迎えして、「影山正治と維新文学」のテーマで語って頂きます。これまで蓮田善明、保田與重郎,伊東静雄について論じて頂いた日本浪曼派シリーズ第四弾です。
影山正治氏(1910〜1979)は戦前より維新運動家として大東塾・不二歌道会を主宰するとともに、保田與重郎、浅野晃、林房雄など日本浪曼派の巨人達と親しく交際し、三島由紀夫先生を昭和の神風連と高く評価して憂国忌の発起人となり、昭和54年元号法案の成立を熱禱して自裁されました。
           記
◇日時 6月29日(金)午後6時半開演(午後6時開場)
◇会場 アルカディア市ヶ谷(私学会館)
     (JR・地下鉄「市ヶ谷」駅2分)
◇講師 荒岩宏奨氏(あらいわひろまさ、展転社編集長)
◇演題 「影山正治と維新文学」
◇講師略歴 昭和56年山口県生まれ。広島大学教育 学部卒、プログラマー、雑誌編集者を経て現在展転社編集長。著書『国風のみやびー国体の明徴と天業の恢弘』(展転社)
◇会場分担金 会員・学生千円(一般2千円)
    以上
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  三島由紀夫研究会 http://mishima.xii.jp/contents/index.html
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創刊日:2006-01-12  
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