小説

◆◆◆ありすワールド◆◆◆

創作小説メルマガです。バンドでメジャーデビューを目指す少年たちが、様々な出来事や、他のバンドとの関わりなどを通して成長して行く姿を綴っていきます!

全て表示する >

◆◆◆ありすワールド◆◆◆第35号

2007/11/17

〜当メルマガは、MSゴシック(等幅フォント)で読むのをオススメします。〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■           ■
■■  ありすワールド  ■■
■           ■■■
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
◇バンドでメジャーデビューを目指す少年たちの恋愛模様をお届けします◇
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
                             第35号
                           2007/11/17
                          発行 有栖都
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




ボジョレー・ヌーヴォーが今年も発売されましたね!
美味しいチーズとボジョレーでパーティがしたいな〜★

⇒ http://niigata.cool.ne.jp/jaguar666/ (ありすワールド)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ BIRTHDAY Vol.6
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ひとまずしゃくりあげる信之介を孝史は椅子に座らせた。
なんでこうも無防備に泣けるのかねぇと思わなくもなかったが、そんな信之介
は可愛かった。
信之介の髪の毛を撫でてやりながら、孝史は心があたたかくなって行くのを感
じ、一人微笑みを浮かべていた。
どのくらいか。
静かな事務所の中で、孝史はずっと信之介の隣に座り、頭を撫で、背中をさす
ってやっていたので、信之介も大分落ち着きを取り戻してきた。
「ご・・・ごめんな・・・・・・孝史くん」
鼻をすすりあげながらそう謝る信之介がめちゃめちゃ可愛くて、孝史はその髪
の毛をぐしゃぐしゃと掻きやって、「構へんよ」と言った。
「孝史くん!?」
突然椅子を立ちあがった孝史に、不安そうに声を掛ける信之介。
にっこり笑って「待っとき」と言うと、孝史は事務所から出て行った。
やっぱり言わなければよかった。
信之介の心には後悔がうずまいていた。
『誕生日祝ってほしいねん』と言えば、当然伝わると思っていた自分の浅はか
さ。孝史がそういう事にあまり頓着しない人だと言う事を知っていたはずなの
に、自分の事が絡むともう目先の事しか考えられなくなっていたのだ。
どないしょ、これから。
孝史くんはもう、僕と仲良くしてくれへんかもしれへん・・・・・・
ふと、先の暗い現実を思って、再び涙を浮かべる信之介だった。
そこへ。
「お待たせっ」
孝史が冷たい缶のお茶を持って入ってきた。
「ん? なんや、又泣いとったんか? 泣き虫やなぁ」
「だって・・・・・・」
「だってもヘチマもないやろ。そんな顔、人前では絶対に見せんなや? 約束
やで」
やっぱりうっとおしいと思っているんだと、信之介はそう確信して、ずどーん
と奈落に落ちた。
プルトップを開ける音が隣で響く。
僕が落ち込んでても、孝史くんは喉が乾くんや・・・・・・
どうでも良い事にまで、拗ねてしまい、一人鬱に入っていく信之介。
「ほら、元気だしやって」
孝史が信之介の肩に腕を回して揺さぶってくるが、そんな仕草もわざとらしく
感じられて、信之介はなお落ち込む。
「そんな顔、いつまでもしとんと、元気に笑ってや。笑ってる信之介の方が好
きやで」
”好き”と孝史の口から言われる言葉に、胸が痛いくらい切なくなる。
「そういう事、言わんといてんか。僕、今、めちゃめちゃ落ち込んどるんやか
ら」
「へ?」
「孝史くんにあんな事言うてもうたし、もうなんやら耐えられへんわ」
缶を机の上に置くと、孝史は信之介の座っている椅子を強引に自分の方に向け
た。
「嘘なんか?」
「え?」
「あれは冗談やってんか?」
向かい合った孝史の顔。
真剣なまなざしは、不純な動機で孝史と誕生日を過ごしたいと願った自分を責
めているようで、信之介はものすごく居たたまれない気持ちでいっぱいだった。
「冗談で言われへんて」
ぼそっと呟く。
その呟きを掬い取ってくれた孝史。
「信之介が本気で言うてくれたのに、俺が冗談で返せる訳あらへんやろ?」
わかるか?・・・と、孝史はその手を信之介の頬に起き、じっとその顔を見つ
めてきた。
見つめ返す信之介の耳に聞えてきた孝史の声。
「信之介は俺をどう思うてんねん?」
ドキッとした。
真正面からこうやって聞いてくる孝史を、本当に格好良いと信之介は思った。
自分なんか、姑息な手段で孝史を自分の手元に引き寄せようとしたのに、孝史
は真正面からぶつかってきてくれている、それが本当に嬉しかった。
打ち砕かれても・・・・・・良いや。
「僕ね、孝史くんがずっと前から好きやってん」
言えた。
ずっと言いたくて、でも言えなくて、すごくすごく苦しかった胸のつかえが取
れたと思った。
白雪姫の毒りんごが、ポロリと取れたのと同じような感覚を信之介は感じてい
た。ぽろぽろと又もや涙を零し始めた信之介を見て、孝史は苦笑する。
「泣かんといてや、信之介。俺、信之介のそれに弱いねんから・・・・・・」
「だって・・・・・・」
「俺もな、信之介のこと好きや」
「へ・・・・・・」
「信之介、好きやで」
頬に置いていた手で信之介の顔を上向けると、軽く立ちあがった孝史は信之介
にキスをした。

======================================================================
  〜つづく〜
======================================================================

○人物紹介○
【佐藤喬】アマチュアバンド『スパイラル』のボーカル担当。整った外見が冷
たそうに見えるが隼人にはとりあえず甘い。
【鈴木隼人】アマチュアバンド『スパイラル』のリードギター担当。細身なの
に甘いもの好き。実は内向的。
【三条孝史】アマチュアバンド『スパイラル』のサイドギター担当。バンドの
ムードメーカーで、いつも元気!
【中村信之介】アマチュアバンド『スパイラル』のベース担当。バンドのマス
コット的存在。
【小林朗】アマチュアバンド『スパイラル』のドラム担当。バンドのリーダー
だが、のんびりおっとりした性格。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆配信は各週を予定しております◆
短編、長編織り交ぜつつ配信をして行く予定です。平均4回で物語は終了し、
次のストーリーが始まります。それぞれの短編は続き物ではありませんが、登
場人物など設定が引き継がれますので、末永くお付き合い頂ければ幸いです♪

◆WEB SITEへもご訪問ください◆
物語に登場する人物の相関関係や、メルマガでは配信されない物語なども掲載
して参ります。また、不定期にWEB上でのイベントも行う予定です。イベント
内容は秘密です、お楽しみに♪
(メルマガ配信済みの物語もWEB上にてまとめてUPする予定です)


*********************************************************************
        +++ご購読ありがとうございます+++
*********************************************************************

 +-+-+◇◆◇ありすワールド◇◆◇+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
 このメールは、melma!にて「ありすワールド」の購読設定されている方
 を対象に、無料で配信いたしております。
 解除希望・お心当たりがない方はこちらからお手続き下さい。
   ⇒ http://www.melma.com/backnumber_148518/
 ありすワールドウェブサイトへもご訪問ください!
 URL:http://niigata.cool.ne.jp/jaguar666/
 発行者:有栖都(arisu_385@mail.goo.ne.jp)
 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+◇◆◇by 有栖 都◇◆◇+-+-+-+
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   Copyright 2005-2007 by Miyako Arisu.All rights reserved.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2005-12-09  
最終発行日:  
発行周期:隔週刊  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。