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◆◆◆ありすワールド◆◆◆

創作小説メルマガです。バンドでメジャーデビューを目指す少年たちが、様々な出来事や、他のバンドとの関わりなどを通して成長して行く姿を綴っていきます!

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◆◆◆ありすワールド◆◆◆第19号

2007/03/17

〜当メルマガは、MSゴシック(等幅フォント)で読むのをオススメします。〜
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◇バンドでメジャーデビューを目指す少年たちの恋愛模様をお届けします◇
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                             第19号
                           2007/03/17
                          発行 有栖都
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卒業式シーズンですね。
なんとなくドラマティックな季節だなーと思うのですが、現実はそうそうドラ
マティックな事って無いんですよね。
え、私だけですか(笑)???

さて、「AIR」第7回目。かなりの長編となりましたがいよいよ最終回です。そ
の他のお話はサイトへどうぞ!
⇒ http://niigata.cool.ne.jp/jaguar666/ (ありすワールド)

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■ AIR Vol.7
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バイトが終わってから、俺たち二人は馴染みの飲み屋に行った。
いきなり本題を切り出すこともできなくて、なんとなく適当な話で場をつなぐ。
そのうち音楽の話になったら、お互いに熱くなってきちゃって、結局店を出る
まで、言いたいことは全然言えなかった。
俺たちは店を出ると、肩を並べて人通りの少ない道を歩いた。
ふいに、喬が空を見上げて呟いた。
「あー、今日は満月だったんやな。雲が無いから、えらい綺麗に見えるわ」
「そうやなぁ」
俺も空を見上げて相槌をうつ・・・けど意識はすでに別のところに向かってい
た。
言うんだったら今や、って自分で自分の背中を押す。
「なぁ、喬」
「うん?」
まだ空を見上げたままで、喬が返事をする。
そのまま上向いとってくれたら、話しやすいんやけど。
「あのな、実は俺言いたいことがあるんやけど・・・」
でもやっぱり喬の顔を見ることができなくて、俺は俯いてしまう。
眼の端で、喬が俺のほうを向いたのが見えた。
「・・・なに?」
「ん・・・あのな・・・」
なかなか言葉を紡ぎ出せない俺を、喬は急かすことなく待っていてくれた。
その優しさに後押しされて、俺は自分の想いを告げた。
「俺、喬のことが好きなんよ」
「え?」
驚いたような喬の声。急にこんなこと言われたら、そりゃ驚くよね。
でもごめん。いやかもしれないけど、最後まで俺の話聴いて。
「友達としてじゃなくて、つまり"そういう意味"で好き、なんやわ。突然こん
なこと言って、びっくりするかもしれんけど・・・」
喬はそうとう動揺してるらしく、言葉も出ないみたいだった。
だから俺は、勝手に言葉を続けてしまう。
「だからね、俺喬に抱かれてすごい嬉しかった。喬にとっては思い出したくも
無いことなんやと思うけど、俺にとってはめちゃめちゃ幸せで、夢みたいで」
「なんで・・・だっておまえ、あの時たいしたことじゃないって・・・」
「それは、喬の負担になりたくなかったから!だって俺が喬の弱みにつけ込ん
であんな状況にしちゃったんやし。喬とっては迷惑かもって思ったら、とても
俺の気持ちなんて言えへんかった」
「・・・迷惑なわけないやろ?」
喬の言葉にびっくりして顔を上げた時には、俺は喬に抱き寄せられていた。
突然の予想外の出来事に、俺の頭はパニックに陥る。
だって、だって、喬が俺を抱きしめるなんて。

「なんではよ言うてくれなかったんよ。俺、無駄なことで悩んどったわ」
俺の耳元で、喬が囁く。触れる吐息が心地いい。
「え・・・?」
「本当はあの時隼人に『たいしたことじゃない』って言われて、俺かなりショ
ックやったんやで。隼人は俺のことなんてなんとも想ってないんやって思って。
それまでは、隼人も俺のこと少しでも好きでいてくれてるんやと思ってたから」
「えぇ?!」
ショックやったって・・・それって・・・。
「しかも次に会った時には、おまえは平然とした顔してるし。もぉおまえの気
持ちがちっともわからへんようになってしもうて、俺はどうしたらええねん、
って感じやったわ」
「嘘・・・」
喬の言葉があまりにも意外すぎて、俺は思わずつぶやいてしまった。
まさか、喬も俺と同じ気持ちでいてくれたなんて。
そんなの、都合のいい夢や。
疑ってかかる俺を、喬は態度で信じさせてくれた。

甘いキス。

立っていられないほどのキスをされて、俺は夢中で喬にしがみついた。
喬が俺の腰に腕を回して支えていてくれる。
あぁ、このままずーっとキスしていたい気分や。
うっとりと目を閉じて喬のキスを受ける。
しばらくして喬は唇を離すと、ちょっと笑ってこう言った。
「ホンマのこと言うとな、俺はずっと知ってたよ。隼人がいつも俺のこと見て
たの。いつも俺のこと気にしてたの」
やっぱり喬は気がついてくれてたんだ、俺の視線に。
そう思ったらめちゃめちゃ嬉しくて、涙が出そうになった。
やばい、ほんとに涙が零れ落ちそう。
俺は涙をこらえるために無理やり笑って、喬に抱きついた。
「帰ろか」
俺を抱きしめたままで、喬が囁く。
「俺んち?」
「とーぜん」
喬が笑うから、俺も同じように笑う。
「うん・・・一緒に帰ろ」

俺たちはつないだ手は離さずに、ゆっくりと歩き出した。

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  〜END〜
   ⇒この物語はWEB SITE上で公開します。是非ご訪問くださいね!======================================================================

○人物紹介○
【佐藤喬】アマチュアバンド『スパイラル』のボーカル担当。整った外見が冷
たそうに見えるが隼人にはとりあえず甘い。
【鈴木隼人】アマチュアバンド『スパイラル』のリードギター担当。細身なの
に甘いもの好き。実は内向的。

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◆配信は各週を予定しております◆
短編、長編織り交ぜつつ配信をして行く予定です。平均4回で物語は終了し、
次のストーリーが始まります。それぞれの短編は続き物ではありませんが、登
場人物など設定が引き継がれますので、末永くお付き合い頂ければ幸いです♪

◆WEB SITEへもご訪問ください◆
物語に登場する人物の相関関係や、メルマガでは配信されない物語なども掲載
して参ります。また、不定期にWEB上でのイベントも行う予定です。イベント
内容は秘密です、お楽しみに♪
(メルマガ配信済みの物語もWEB上にてまとめてUPする予定です)


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創刊日:2005-12-09  
最終発行日:  
発行周期:隔週刊  
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