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仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える

学生のときは男も女も対等だったのに、どうして社会人になると男社会になってしまうの? 仕事と家庭を両立する方も、一旦退職した方もその後のライフスタイルをどうしたいかを一緒に考えてみませんか

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創刊日:2005-10-20  
最終発行日:2017-10-17  
発行周期:月2回  
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仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える

2017/10/17

仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える 第176号 2017年10月17日
プレミアムフライデーは早くも見直し? 
 ファイナンシャルプランナーの永田です。今号では、今年の2月から毎月
月末の金曜日にスタートしたばかりのプレミアムフライデーに、早くも
(実施タイミングの)見直し論が出始めていることについて触れたいと
思います。
 当制度に関しては、9月15日の記者会見で、世耕弘成経済産業相が
「産業界や消費者の意見を聞きながら、見直すべきところがあれば見直したい」
と表明。
 それに先立つ9月11日には経団連の榊原定征会長が「『月初めにしてほしい』
という声は強いが、見直すとすればそのあたりになる」と述べ、月初への
変更を示唆。
 9月20日の塩ビ工業・環境協会という業界団体の記者会見では、角倉護会長
がプレミアムフライデーの効果について、「月末、特に締めの金曜日はメーカー
として忙しく、実感は伴っていない」と時期の見直しに言及も「月末から
月初に変更しても変わらないのでは」と厳しい指摘。
 日本貿易会の小林栄三会長も「(プレミアムフライデーが)月末の多忙な
時期で良いのかという意見もある」と指摘。「企業として、従業員として、
取得しやすい時期が一番良い」と述べ、
 9月29日には経団連の石塚邦雄副会長が、「プレミアムフライデー」の開催
時期について「一律にやっていくべきではない」と述べると共に月末開催は
原則変更しないものの、「金曜日」「午後3時退社」などにこだわらず、
企業が柔軟に運用すべきだとの考えを示す………などという 一体本気で
まとめるつもりがあるのかどうか、迷走も甚だしい…という状況に
陥っています。

 そして急遽衆議院の解散総選挙が決まり、10月22日に総選挙が行われる
ことになりましたが、そこで公明党が掲げているのが「月曜午前を半休にする
「シャイニングマンデー」構想だそうで…。
 「日曜の夜が憂鬱」といった若者の声に答えての政策だそうですが、
月曜日が祝日だったら行わないのか? の問題や、診療所が月曜午前に
休まれると急患に対応できない問題(小児科が開いていないと困りますし、
子育て世代に限定すると言われても、若い女性職員の多い眼科や歯科は
人の配置に苦労しそう)。
 土日がお休みの会社の場合は、金曜日の業務終了後に行った急ぎの
問い合わせが月曜午後にならないと対応して貰えないのか? 
*今でも、残業させないありきの間違った働き方改革の影響で、内勤部隊が
締め切り時間を前倒しした結果、営業成績に影響する懸念が顕在化
し始めているそうです。
 はたまた 始業開始時刻は正午と判断してよいのか 午後1時からなのか?
 などなど突っ込み所も満載なアイディアで、こちらも素直に普及するかと
言われれば首を傾げざるを得ない所があります。


 では、プレミアムフライデーの実施日を、月末金曜日から月初の金曜日に
など諸企業にとって都合の良い週に移せば、ただそれだけのことで、制度は
本当に普及するのでしょうか…。

 まず、月末金曜日に実施することについては、そもそも多くの企業が年末の
11月と12月及び年度末の2月と3月が忙しいことがわかっていてそもそも
年度末を控えてバタバタしはじめる2月からスタートすること自体
タイミングが最悪。
*2012年の上場企業の決算期は、3月決算企業が70.2%で、海外に合わせて
12月決算としている企業が8.5%。現在はもう少し時期も分散して3月期
決算企業の比率も減少していると思いますが、6月末に株主総会が集中している
ことを考慮すれば、中小企業程には時期の分散も進まず、今でも大きな企業
やその子会社では6割〜3分の2位は年度末決算のまま とみてよいでしょう

 年度末は官公庁の人事異動も多く、強引に実施した日には挨拶回りに
行っても肝心の相手が捕まらないということにもなりかねず、オフィスには
それでなくてもいつもより少ないスタッフ数で業務を回すことを余儀なく
され、このアイディアを推進している経済産業省自体も人事異動で
振り回されていることが経験上わかっているのに、なぜあえて強行したのか
という疑問。
 3回目の4月28日もGW前半戦(4月29日)の前日。こちらは1日と2日が
平日で3日〜7日まではGW後半戦に突入するために、当然ながら仕事を前倒し
するために早帰りするとは考えにくく、やはりタイミングとしては最悪。
 3回連続で空振りで終わるようだと、プランそのものが自分には関係の
ないことと愛想を尽かされてしまい、政権リーダーが交代した途端に全く
人の口にも上らなくなってしまい、あえなく廃れてしまうリスクもあるのでは
ないかと危惧していたのですが、今の所は、正にその危惧が的中し続けている
形になっていると思いますし、同制度を推進している本丸ともいえる
プレミアムフライデー推進協議会のHPでさえ、取り組み紹介ページなどは
更新しているものの、どの程度の比率の方が恩恵を受けてどう過ごしたか
などを報告する実態調査報告書も第1回・第2回・第3回までは毎月順調に
公表されていましたが、6月22日に第4回までをまとめた意識調査報告書を
公表してからは更新されない状態に…。
 あ〜。担当者もやる気なくしちゃったかな…などと勘繰られても仕方がない
状況に陥っています。
 そういう意味ではスタートダッシュのタイミングを完全に誤ってしまい
仮に見直しをするにしても、今度も同じくあえなく失敗した日には、
それこそ本当に愛想を尽かされ見限られてしまうことにもなりかねず、
だからこそ、失敗する可能性のある芽は事前に摘み取り成功する確率を
少しでも引き上げなければならないと考えます。

 では、失敗を繰り返さないためには、どういった所に気をつけなければ
ならないのでしょうか。
 まず月末金曜日の実施に拘った理由としては、日本企業の多くが25日頃に
給与を払っている会社が多いことから、その月末に設定すれば、働き手の
側もお給料が入ったばかりで、散財して消費に回してくれるだろう…との
バブル時代の発想があった(あえて嫌味を言いますが、このタイミングの
実施を考えた人も、これまで順調に出世・昇給を続けてきた方なのでしょう)
ように思いますが、そんな幻想に体よく踊ってくれる方など、扶養家族の
いない、お給料全てを自由に使える独身者位のもの。正社員でも伸び悩む
給与に将来の不安を抱いていて、非正社員に至っては、日々の暮らしで
消費刺激効果は少ないか、何か消費する分、他の消費が削られてしまう
という冷徹な現実を、まずは真摯に受け入れなければならないと思います。
 まして現在ではお給料の銀行振り込みも当たり前。その口座(キャッシュ
カード)を働き手本人が管理しているとは限らず(専業主婦家庭などその
典型)。本人の強い意思がなければ、より多い消費(おこぼれ)にあやかる
ことなど期待薄でしょう。

 次に(企業側の要望が比較的多い)毎週第1金曜日に変更するにしても、
残業しないでいつもの終業時刻よりも早く帰る時短につなげることを
最優先するのか、それとも経済(消費)を回すことを重視するのか。
もし後者の経済(消費)を回すことを重視するのならばどこ(どの産業、
どの地域)に恩恵を与えるつもりなのか、その恩恵を与えるターゲット
企業の範囲も絞り切るようでないと、上手くいくものも上手くいかない
ように思います。

 時短を優先するのならば、(中には早く家に帰りたくないというお父さんも
いらっしゃるかもしれませんが)最近流行語となりつつある働き方改革の
流れに合わせて無駄な会議の削減や仕事の進め方の見直しにもつながる
可能性もあり、とりわけ残業しにくい制約を抱えて働いている方にとっては
我が身に降りかかる問題だけに、どうすれば社員の多くが早く仕事を
終わらせることができ、ひいては自分も早く帰ることができるのか。被る恩恵
も大きいだけに、アイディアも出しやすいでしょうし、そういった方々からの
改善の積み重ねや仕事の見直し提案も期待でき、比較的協力を得やすい
のではないでしょうか。
 この働き手自らが個々人レベルで作業の見直しを行い、無駄な業務を削減
する仕組みが上手く機能するのならば、それ自体が企業のアピール材料にも
なり、それが優秀な中途転職者を受け入れ、更に企業競争力を高めていく
好循環につながるかもしれない。
 仕事は積み重ねの連続だけに、何が無駄で何が必要かの判断も難しければ、
一歩間違えると仕事の効率を落とす便乗時短になりかねない問題もありますが
これまでのやり方を見直し修正すべきところは修正していく姿勢そのものは
間違っていないと思います。

 では経済(消費)を回すことを重視する場合の、どこ(どの産業、どの地域)
に恩恵を与えることを狙うのか? とはどういう意味でしょうか。
 こちらは、主に小売業や飲食店など稼ぐ側に回って考えてみると、わかり
やすいと思いますが、定時あるいはそれに近い時間帯に仕事が終われば、
オフィス街あるいは繁華街の近隣の小売業や飲食店が恩恵を受ける可能性が
高く、それよりも早い例えば政府が主導する15時といった時間帯に終われば、
働き手はその分早く帰宅することができ、自宅近くの小売業や飲食店が恩恵を
受ける可能性が高い基本ゼロサムゲームになることが予想。
 もっと露骨に言えば、働き手の自宅近隣の小売業や飲食店にお金が落ちる分、
オフィス街や繁華街の小売業や飲食店に落ちるお金は、その分は少なく
なってしまうため、需要の取り込み予測もより難しくなることが予想されます。
 日本企業の悪い癖として、同業他社がやっていたらわが社もと真似を
したがる傾向があり、お客が減ったからと無理な価格競争を行い24時間
あるいは深夜まで営業することが顧客のサービスにつながると勘違いした
あげく、お互いが潰し合いになってしまう現象が、人手不足が深刻化する
つい数年前まで当たり前のように行われていました。
 イベントを行う側としても、経営資源そしてそのイベントに投入する人材
資源は貴重に使いたいですし、イベント要員を確保したものの、肝心の集客に
失敗して手配した人員が暇を持て余したあげく、店舗から離れることもできず
家族サービスから逆に遠ざかってしまう。
 地域のイベントに参加したくても肝心の働き手が参加できず、集まるのは
高齢者や専業主婦など時間に比較的自由の利きやすい人ばかり………
などという笑えない最悪の事態だけは何としても避けたいものです。
 そういう意味では、個々の企業ごとに実施日を分散されてしまうようだと、
却ってターゲットが絞り切りにくくなるという意味では、消費喚起目的では
逆にやりにくいのではないかという気もしなくもないのですが、さてさて
どうなることでしょうか。


 そろそろまとめに入りたいと思います。
 プレミアムフライデーの当初の目的は消費喚起だっただけに、政府が
押し進める働き方改革に、後から乗りかかってこられて主導権を握られる
のは経産省としても面白くないのが正直な所だとは思いますが、
今度しくじると、そもそもこの取組を冷たい目で見ている、出社時間
そのものが早い(定時も当然早くなる)地方の方などからは、ますます
白けた目で見られる運命を辿りかねません。
 急に思いついたプレミアムフライデーを導入するよりも、今年は祝日と
土曜日がぶつかり実質的な休日が4日も目減りしてしまう(2月11日、
4月29日、9月23日、12月23日)と以前から騒がれていたのだから、
日曜日だけでなく土曜日に祝日がぶつかった場合にも振替休日にしてあげた
方が、子供らも一緒に休みになり行楽地に連れていきやすい分、消費経済刺激
効果としてもまだ高いのではないかと思いますし、日本は元々祝日が多いと
いう反論もありますが、土曜日と祝日が重なってしまうと、お医者さんに
定期的に罹っている方で、その受け持ちの先生が非常勤だと、先生の出勤日に
合わせて診て貰おうと思うと日程調整が難しくなってしまう問題や、患者が
前後の金曜日や月曜日に診療日をずらすことを余儀なくされることで、
その金月がいつもより混んでしまい、普段金月に診療を受けている人も、
いつもより待ち時間が長くなったりする弊害もあるのだから、中途半端な
見切り発車状態でスタートするよりも、今年に限ってはそちらを優先して
くれた方が、働き手には喜ばれたのではないかという気もしなくも
ないのですが、働き方改革が声高に叫ばれている中、こういった新しい
取組は今度こそ上手く機能してくれるのか。それとも失敗に終わるのか。
 そのチャンスに稼ごうと構えている企業もあれば、働き手を早く帰宅させて
家庭サービスあるいは体を休めて貰うと思う企業もあると思いますが、
取り組みを成功させるかどうかはまさにその個々の決断に委ねられていると
いったらさすがに大げさでしょうか。
 ある月はイベントが近隣で競合してある月は何も行われない…などという
ことにならないように上手く調整できればいいのですが、最悪複数のイベント
で客を取り合ったあげく双方が共倒れになってしまったり、
また参加できなかった方が不満を抱える…などということにならないことを
願いながら、今号を締めくくりたいと思います。



2.あとがき
 今年の10月2日の日経有料記事で、厚生労働省が2018年度から、保育士の
子どもが優先的に保育所に入れるようにする。具体的には、入所の優先順位を
高めるほか、保育士が自ら勤める保育所に子どもを預けることを認める
ようにする方向で動き出している という報道がありました。
保育士の子ども、優先して保育所に 離職防ぎ待機児童対策 2017年10月2日 日経有料記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21759950R01C17A0MM8000/?dg=1&nf=1
*コンピューターウイルス対策は自己責任でお願いします。

 はて? 昨年の今頃にも保育士の子供を優先入所させる話は出ていなかった
っけ? と記事検索を行ってみると、昨年9月9日に発表されたのは
大阪市の話で、今回は厚労省自らが市町村に通知を出す形で促すのだとか。
 「多くの自治体が保育士が働く保育所に自分の子どもを入れることを認めて
いない」というのは、実の親(主に母親)の勤務する保育園だと、つい自分の
子供ばかりえこ贔屓してしまう、預けられる子供も混乱してしまう可能性…
といった問題を懸念して自粛させていた面もあるようですが、保育士業務を
民営化する以前の公務員保育士がメインで、産前産後休業や育児休業を
取得して職場復帰することで仕事を継続しやすい職種も限られていた時代
ならまだしも、キャリアを積んでもお給料が中々上昇しない民間保育士相手に
このような融通の利かないことを言っていては、潜在保育士問題はますまず
深刻になるでしょうし、保育士が確保できなければ、受け入れ枠があっても
定員一杯受け入れられなくなってしまうわけで…。
 ちょうど最低賃金の改定の時期ですが、コンビニやスーパーのレジなど
主に高校生や大学生、キャリアのブランクの長かった元専業主婦の方が就業
することの多いお仕事と、民間保育士の募集時給には実は100円前後しか
開きがありません。
*リクルートの8月の時給調査では、首都圏、東海、関西3地域とも、
奇しくも100円前後の時給差です。

 それでなくとも子供の命を預かる責任の重さも考慮すれば、お給料は
簡単に引き上げられないとしても、それ以外の制約は極力取り払う位でないと
就業を継続するどころか、他業種からの人材の草刈り場にもなりかねないと
思いますが、このような通知を出さなければならないこと自体、まだ親と
子供は別の保育園に預けるべき論が強いことの裏返しでもあるのでしょうね。
 職業選択の自由があるので、勿論強制はできませんが、保育の仕事に
誇りを持つ方が仕事を続けられる環境整備は是非優先して取り組んで
欲しいものだと思いますね。

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