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仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える

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最終発行日:
2017-06-17
発行部数:
27
総発行部数:
3481
創刊日:
2005-10-20
発行周期:
月2回
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仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える

発行日: 06/17

仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える 第172号 2017年6月17日
隠れ待機児童問題
 ファイナンシャルプランナーの永田です。
 先々月号で保育定員について、厚生労働省が自治体に対して、0歳児枠を
必要に応じて減らす一方で、その分を1歳以降に振り向けることを認める
通知を出すという謎?通知を出したことに触れ、先月号では(認証保育所
あるいは〇〇保育室などと呼ばれる自治体が独自で定めた基準の施設に
預けているため待機児童に含まれない児童数ではなく)全自治体が統計を
取っている待機児童数について厚生労働省自らが発表している数値
(平成28年10月時点での待機児童数)についてお届けしました。
 今号ではお役所(厚生労働省)の公式発表を眺めているだけでは表面化
してこない 隠れ待機児童問題 について書きたいと思います。

 隠れ待機児童問題については、先月号でも川崎市の事例を紹介し、公式統計
では昨年4月は6人で10月も同100人だったのに対して、今年の5月2日に
川崎市が発表した希望した認可保育所などに入れなかった保留児童(隠れ待機
児童)が今年の4月1日時点で実に2891人にも上り、厚労省が3月末に、
より実態を反映するために示した新基準でも最大200人程になる(新基準に
ついては後述します)ことに触れました。
 新基準でも200人程に対して当事者目線では桁が1つ違うようでは、当の
子育て世代からみれば、『統計は当てにならない! 信じる方がバカを見る』
と一蹴されても文句は言えないことでしょう。

 ここで『希望する認可保育園に入れない!』と一言に言っても、どのような
理由で入園できないかを区別しなければ、本質的な議論ができません。
 待機児童が2.3万人(平成28年4月時点で23553人)に対して、隠れ待機
児童数はその数にして3倍近い6.7万人(67354人)と言われていますが、
その主な理由としては、1)保護者が育児休業中、2)求職活動を休止、
3)特定の施設のみを希望、4)認証保育室や自治体の〇〇保育室など
自治体助成の施設に入所のケース らが考えられ、比率的には3)の特定の
施設のみを希望するケースが、実は3.5万人程と公式統計である2.3万人さえ
上回り、待機児童の2.3万人と隠れ待機児童の6.7万人を合計した9.1万人弱
のうちの3.5万人程・比率にしても39%程を占めるという…お役所側から
すれば、う〜ん…とうなりたくなる結果なのですが、次いで4)の自治体
助成の施設に入所が1.7万人程、そして残りの1.6万人程のほぼ半分ずつを
1)の保護者が育児休業中と、2)の求職活動を休止が占めています。
 ここで2)の求職活動を休止については、当事者にはそれぞれ深い事情が
あるのだとは思いますが、公式の待機児童数から外すことに、一部の方
以外からは大きな異論は出ないものと思われます。
 問題は1)の保護者が育児休業中をどう解釈するかです。
 「出産後の体調が思うように回復しない」、「夫が住居の移転を余儀なく
される突然の遠方への転勤になってしまった」など、育児休業中の方の全てが
職場復帰するわけではないといえ、保護者が育児休業中の方は(復帰が翌年の
年度末なのか更にその先なのかの違いはあれ)いずれ元の職場に復帰する
ことを前提にしているはずです。
 それなのに、これまでは自治体によって待機児童数の数え方が異なること
を許容していたことから、この1)さえ待機児童数として数えない自治体が
約6割に上りました。
 そのため、厚生労働省としてはこうしたバラつきをなくそうと、1)の
ケースは待機児童に含めると待機児童の定義の見直しを年度末に行い、
18年度から全面適用する発表を行いました。(自治体が助成する保育所に通う
子どもについては、引き続き待機児童から除外します)

 では、最新の待機児童数は実際の所、どう推移しているのでしょうか。
 こちらは、今年の5月26日に日経が公表した『待機児童 16市区で増加 
主要34市区、4月6500人』という記事から全国の政令市と東京23区を対象に
今年と昨年4月1日時点での待機児童数の上位20自治体を見ていきたいと
思いますが、1位が世田谷区で2017年4月時点で861人で2016年4月時点では
1198人。2位が岡山市で849人・729人。3位が目黒区で617人・299人。
4位が大田区で572人・229人。5位が江戸川区で420人・397人。
6位が足立区で374人・306人。7位が中央区で324人・263人。
8位が江東区で322人・277人。9位が渋谷区で266人・315人。
10位が仙台市で232人・213人。11位が板橋区で231人・376人。
12位が品川区で219人・178人。13位が港区で171人・64人。
14位が浜松市で168人・214人。15位が墨田区で148人・134人。
16位が文京区で102人・98人。17位が神戸市で93人・59人。
18位が福岡市で89人・73人。19位が北区で82人・232人。
20位が葛飾区で76人・106人。
 このうち新基準を適用しているのは世田谷区・岡山市・目黒区・大田区の
1位〜4位及び6位の足立区、10位の仙台市、12位の品川区の7自治体に
過ぎず、目黒区と大田区はおそらくはこの新基準を適用したが故に数値が
急増したのではないかと予測される急増っぷりを示しています。
 また、同記事では新規申込者の10人に1人以上が入所できないのは目黒区の
ほか、中央区、岡山市、渋谷区、世田谷区の計5市区あったとも報道されて
います。
 東京都の発表では、4月1日時点の待機児童数も今月9日までの集計で
約8590人に上ると報道されています。

 隠れ待機児童6.7万人のうち人数的には0.8万人程の保護者が育児休業中の
方を定義に含めるだけでもこれだけ数値が膨らむ以上、この新基準の適用は
18年度までに適用すればよいとのことなので、順調にいけば来年の9月頃に
発表される統計あたりから、一応のバラつきは解消され多少は比較しやすく
なるのではないかと思うのですが、これまで小手先の対応で、見た目の
待機児童数値を意図的に低く抑え込もうと目論んできた自治体程、今後は
その反動で苦労する(*1)ことになるのではないでしょうか。

*1 東京都の過去の待機児童の定義の変更については、日本共産党が発行する
しんぶん赤旗2015年2月3日号でも、定義を改悪したことについて、
変更前と変更後に分けた表付きで紹介しています。特定政党色に偏ることは
望まないのであえて割愛しましたが、ご参考までにリンク先を紹介します。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-02-03/2015020301_01_1.html
閲覧はコンピューターウイルス対策の上自己責任でお願いします。



 そろそろまとめに入りたいと思います。
 この上記日経記事には、渦中の川崎市がランクインしておらず、隠れ待機
児童問題も、1)保護者が育児休業中 こそ、期限を区切った上で待機
児童にカウントすることに移行していくものの、4)の認証保育室や
自治体の〇〇保育室など自治体助成の施設に入所のケースは相変わらず
待機児童としてカウントしないままで、母数として一番多い3)の特定の
施設のみを希望に至っては、お役所目線では『こちらはハードもソフトも
準備しているのに、えり好みしやがって』となりそうで、一方保護者目線
では『そんな遠方の園や保育士の質の低い園に預けるのは嫌』と議論も
堂々巡りになりそうな嫌な予感しかしません。
 この隠れ待機児童問題を議論する時は、物理的に足りない分とマッチング
ミスによるものは区別して考えていかなければ、まとまるものもまとまらない
でしょうし、そのミスマッチをどう最大限にマッチングさせていくのか…。
 年齢別の待機児童数も4月の時点ではゼロ歳児(平成28年4月で3688人)
に対して1・2歳児(同16758人)と、この年に1度の入れ替え時期だけを
見て、1・2歳児枠が足りないから0歳児の枠を回すなどという、実に危ない
議論を政府はしていて、マスコミも読売だけでなく何故か天下の日経までもが
この論調に追従する、『おいおい大丈夫か』と突っ込みを入れたくなるような
危うい風潮を感じる(*2)のですが、将来的にはどうなっていくのでしょうか。
 今後は数値だけでなく、その内容についても細かくチェック。
地域に応じたきめ細かい対応をしなければ、中々この問題は解決しずらい
のではないかと思います。

*2 10月時点では先月号でも指摘した通り、0歳児が22007人VS
1・2歳児が22183人とほぼ同水準。仮に1)に該当する8000人のお子さんが
全て新たに1・2歳児に流れこむとしても、増加ピッチを考慮したら1月時点
では、よくてほぼ同水準。ひょっとしたら0歳児数に逆転を許しているかも…。
少なくとも無視できない二大勢力になるのは確実で、その0歳児枠を無闇に
減らせば、リスクが大きいことなど、少し冷静に考えればわかるはずです。



あとがき
 5月27日付け日経新聞に『学童保育、私立小にも 働くママの需要増』
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFE15H33_X20C17A5MM0000/?dg=1&nf=1
というタイトルの記事が出ていて、東京では4人に1人が私立小学校に進学
するいわゆる小学校版お受験があるとは聞いていましたが、私立小学校は、
公立の小学校より生徒の人数が少ない所が多く、PTAなどの役員なども毎年の
ように回ってくるケースが多く、各種行事は参加が当たり前。
 また家から近い公立小学校と異なり、電車やバスなどの公共交通機関を
使って通うことになりますが、特に低学年の場合は親の車での送り迎えを
余儀なくされることもままあるだけに、私立小学校に通わせている子供の
お母さんのイメージは、ある程度金銭的な余裕があり、専業主婦やフリー
ライターや自営業者など時間の自由の利く方だとばかり思っていたのですが、
記事を読んでいると、どうも最近は、地元の小中学校が荒れているからあえて
私立を選ぶという方ばかりでなく、公立の学童保育の受け皿が足りない
学童保育版の待機児童なるものが発生していて、在学生なら確実に利用
できることから、あえて私立小学校を選ぶケースも増えているのだとか…。
 小学校にかかる費用は公立が年間30.5万円程に対して、私立は平均で年間
142万円強とも言われていて、素直に考えるならば年間100万円以上も
キャッシュの流出額が違うのだから、地方では絶好の貯蓄時期を放棄して、
あえて私立小学校に通わせるインセンティブも薄いのですが、核家族化が
進んだ現代では、自宅に子供だけにしたくないことから、親が帰宅するまでの
子供の過ごさせ方というものも悩ましい問題で、そういった要素も考えながら
子供の教育費の捻出も考えなければならない時代になったのかな…
などと感じてしまいました。
 人間はどうしても自分の基準で物事を捉えがちな傾向がありますし、
学童保育の枠に余裕があり、通う先も自由に選べる地方都市に住んでいると、
どうもこの問題は実感としては中々ピンとこないのですが、某有名私立大学に
エスカレート入学させたいからその傘下の私立小学校を受験させるような
方は別にしても、お役所的に、『私立に通わせる程、経済的に余裕があるのに、
何故学童で騒ぐ?』などと機械的に一蹴するのではなく、こちらも実態に
応じた対策が必要そうですね。

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