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仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える

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最終発行日:
2017-01-17
発行部数:
27
総発行部数:
3319
創刊日:
2005-10-20
発行周期:
月2回
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仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える

発行日: 01/17

仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える 第167号 2016年1月17日
配偶者手当の在り方に関する検討会報告書
 ファイナンシャルプランナーの永田です。11月号では配偶者手当が創設
された歴史的経緯や、個々の企業の配偶者手当の支給条件として、現行の
配偶者控除を受けられる年収103万円、あるいは健康保険の被扶養者の
対象となる130万円未満であることを条件に支給しているケースが多いこと。
 12月号では昨年の12月8日に公表された税制改正大綱で、配偶者控除の
ボーダーラインこそ動かされませんでしたが、配偶者控除の支給要件に
まさかの年収要件が導入され、控除額も夫の収入に応じて3段階の
控除額になることについて触れてきました。
 今号では、そもそもこの配偶者手当の見直しを迫るきっかけとなった、
『女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会の報告書』
について触れたいと思います。
順番的には遡る形になりますが、そちらはご容赦の程を…。
*配偶者控除・配偶者特別控除制度の見直しがあまりにも衝撃的な内容と
なったため、順番を差し替えて配信しました。

 同研究会ですが、第1回は平成27年12月15日、第2回は平成28年2月
18日、第3回は平成28年3月29日 とかなりのハイペースで開催されて
いたので、そもそもこのような議論が進められていることを知らなかった
という方も多いのではないかと思いますし、いきなり『企業の配偶者手当を
見直せ!』 と言われても、『お国はいきなり何を言い出すんだ!』と
戸惑われた企業の担当者、転居を伴う異動の可能性のある夫や子供と住んで
いて、補助的働き方を余儀なくされている妻にとっても、扶養に入れる
のならばその範囲内で働き、将来の年金の手取りが増える(厚生年金に
加入することで将来の自分が受け取る年金額が増える)ことよりも、
年単位の夫婦合算の実手取りが減らないぎりぎりのラインで、仕事と家事・
私生活のバランスをとって働くことを選び、結果時には就業調整するのも
致し方ないと考える方も一定数いることが予想され、彼女らもまた、いきなり
降って沸いた議論にただただ当惑されたのではないかと思います。

 続いて同検討会で配布された資料をパラパラと見ていきたいと思いますが、
 『就業調整の状況』(別添1:6ページ)によれば、
日本チェーンストア協会主要会員企業にヒアリングした結果は
・スーパーや量販店等で働く方の4分の3超・76%相当がパート労働者で、
その職責も店長のようなマネジメント職からレジ打ちなど様々ですが、
全パート労働者に占める就業調整をしている従業員の割合は、企業により
5〜10%程度の所から約半数近い所まで様々。
・勤め先で希望する勤務日数や勤務時間数の理由は、トップは「家庭の中で
手が空く時間の範囲で働きたい」に次いで、「103 万円、130 万円の壁を
超えないように働きたい」との理由が多いこと。
・結果、年末に壁を越えそうになって就業調整を行うパートさんもいるものの、
その年末が繁盛期に重なり人材確保に苦労していること。
・企業が正社員登用したいと考えたり、より高いレベルの育成の機会を
与えたいと見込んだパートさんに打診しても、当のパートさんが「手が空く
時間の範囲で働きたい」「103 万円・130 万円の壁を越えずに就労したい」と
賃金上昇を拒む場合があること。
・その穴埋めの労働力確保として正社員が残業したり学生アルバイトにシフト
に入ってもらうことで対処していること → 正社員の不満が高まります
・年末から就業調整が行われることに備えて、11月から派遣社員で対応する
場合もあること → 派遣会社を経由するので人件費は割高になります
・社会保険料負担が増える130 万円以上150 万円以下の労働については、
負担増分を取り戻すためには実質的に160 万円程度まで働かざるを得ず、
この間は収入増の実感がない人が多く、心理的に130 万円を超えて働く
ことに対してモチベーションが低いこと。 → これに企業の支給する
配偶者手当が、月1万円を超えるなどそれなりの金額となれば、さらに
ハードルが上がります
・(昨年の10月から501人超の大企業を対象に行われた)社会保険の被保険者
の適用拡大の実施に備えて、従業員へのアンケートを実施したものの、
就業調整対象者の9 割以上が今後103 万円、もしくは106 万円の範囲で
就業すると回答したこと。 → 企業としてはドツボにはまる形です。
・未就学児童や小学校低中学年の子供をもつ主婦層が就業できるのは、
10時から夕刻までの時間帯が多いのに対して、店舗は16 時以降が高稼働時間
となる需給ギャップがあること → こちらも学生アルバイトに入って貰うか
正社員に勤務時間をずらしてシフトに入って貰うことになります。
・他社との競合関係で、自社だけが配偶者手当を廃止すると、いい人材を
採用できなくなる可能性があるので、見直す場合には産業界全体で考える
必要があるのではないか。 → 身勝手にも程がある言い草としかコメント
できません。

 また、百貨店協会へのヒアリングでは、
・就労調整するパートの割合こそ高い企業でも20%程度で、理由としては
年間所定労働時間を事前に定めてシフトを組んでいるから
・ただ百貨店でも11月や12月に就労調整が行われることが多く、代替要員を
確保できないことからフルタイム勤務者の残業で対応していること。
・年末の繁忙期に就業調整を行う傾向があるため、従業員に対しては、年初
より計画的に勤務するようお願いしたり、募集の段階で扶養の範囲内で働く
ことを前提とした勤務時間の契約と、週28 時間以上の勤務に加え社会保険の
加入を前提とした契約の2 通りの採用を行ったりしていること

 別添2(28ページ)では配偶者を対象とした手当に関する見直しが実施・
検討された事例等の紹介が行われ
・配偶者手当の見直しは1〜2年程度の期間をかけてじっくり議論したうえで
労使合意の上で決定。
・制度見直しにより手当がなくなる方へは、数年かけて段階的に減額・廃止
するなど経過措置を講じたケースも多いこと
・会社名は匿名とした上で19社の見直し事例を紹介 
→ 要はこんなやり方があるんだよの紹介。

 別途3(45ページ)で配偶者手当の見直しを行う場合の留意点
→ 労働契約法や労働条件の不利益変更の問題などに触れた
要は法律的なことです。

 最後に女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会報告書
(30ページ)をまとめ、先々月号でも書きましたが、最終的な判断は個々の
企業に任せるよと委ねながらも、現場は就労調整されて迷惑だから、
お国としては配偶者手当の支給基準をできれば見直して、就業調整が極力
発生しないようにして欲しいな…という見事なまでの投げっぷりを
見せています。

*厚生労働省より同報告書が公開されていますので、興味のある方はアクセス
して下さい。
直接リンク先も紹介しますが、厚生労働省HPの報道・広報→報道発表資料
→2016年4月 4月11日の同報告書のリンクからもアクセスできます。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000120636.html

 さて、ざっと同報告書を見てきましたが、政府の思惑通り事は進むの
でしょうか?
 まず昨年の10月より開始されはじめた501人以上の大企業の雇用保険
適用拡大(被扶養者のボーダーラインを年収130万円から106万円に引き下げ)
ですが、こちらが最終的に従業員規模に関わらず全ての企業に適用される
までには相当の時間がかかることが予想され、配偶者手当支給金額が
そこそこ高い企業でなければ、急いで見直しを行う必要性も低い
(労働条件の見直しという法的トラブルを抱え込む可能性を今議論するよりも、
個々の企業が生き残ることを考えるだけで今は精一杯。労使で争っている暇は
ないという企業も少なくないでしょう)と思われます。
*この昨年10月から見直された雇用保険の適用拡大については、詳細に
踏み込むと長くなるので、別の機会に書きたいと思います。

 また11月や12月という年末に就労調整が行われることが多い点についても、
そもそも雇い入れの時に、扶養の範囲内でバランスをとって働きたい方に
対しては、数年間働いて貰い時給もアップすることを逆算(ここ数年の
最低賃金の上昇ピッチは企業にとっても予想以上で、想定外だったかも
しれませんが、見方を変えればそれだけの低処遇でパートさんを雇っている
ことへの裏返しでもあります)して、契約の時点で週に何時間働くかを
事前に話し合っておくなど、雇う側の企業とパート側が相互に信頼を
寄せれば、ある程度は解決できることもあるのではないでしょうか。
 企業の言い分としては、人間関係を理由に急に辞める人も中にはいるし、
「現に有効求人倍率が高水準で推移し続けて人員補充したくてもできないから
前倒しで働いて貰うしかないんだよ…」とぼやきたくもなるのかも
しれませんが、それ自体、パートを単なる労働力の埋め合わせとしか
見ておらず、そういった行き当たりばったりな採用をしている企業は、
今後ますます自分の首を絞めることにしかならないような気がしてなりません。
 また、今後はパート処遇であっても、そのパートをどう戦力化するかが
問われ、パート本人も、人生のライフステージに伴い自らの働き方をどう
変えていくか、もっと真剣に考えていく必要がある時代になっていくのでは
ないでしょうか。

 また報告書そのものが、年収制限の問題さえクリアすれば、主婦パートは
就労調整しなくなり、もっと就労時間を増やしてくれるはずと、企業に
とってかなり都合の良い解釈をしている所にも、ややひっかかりを感じます。
 中には、すぽっと空いた数時間を費やして、たまりにたまった家の雑事を
この機会に片づけたい人もいるかもしれませんし、そのまま骨休めしたい
という方だっているでしょう。
 年末年始に子供が孫を連れて帰省してくるようなご家庭だと、布団を
干したり、買い物に出たり何かと準備に時間がかかり、空き時間が出来たら
出来たで、やることは山のようにあるはずです。
 その家事・育児に関わる夫婦間の分担割合が変わらなければ、たとえ
夫婦が同程度稼ぐ共働き世帯でも、夫が主体的に働き妻は補助的に働く
(あるいは本当の意味での専業主婦)形態の世帯でも、仮に税制が中立的な
形になって、配偶者手当の見直しが行われたとしても、単純に政府や企業の
思惑通りに進むとは思いにくいのですが、さてどうなることやら…。

 そろそろまとめに入りたいと思います。昨年の12月8日に公表された税制
改正大綱では、結局当初に検討されていた夫婦控除への切り替えは見送られ、
配偶者控除のラインは変更しなかったものの、世帯主である夫の側に年収制限
を新たに導入して一部対象外になる人が出現。
 年収103万円〜150万円までは配偶者控除と同額の配偶者特別控除を適用
して、以降は段階的に配偶者特別控除額を減額することで年収201万円までは
控除が受けられることになりそうですが、当のパート労働者も企業の側も
『扶養から外れた後は、どう働き続けるのか』の具体像がまだ見えていない
ように思います。
 パート側からすれば扶養から外れるのならば、仕事内容に応じたお給料が
欲しいとなるでしょうし、企業の側もパートの身分のままなら、どこまで
ポストを与えるのか、その場合の処遇を評価できる基準が本当に運用できて
いるのか。正社員に転換する場合は転勤の有無をどうするのかの問題などなど、
扶養から外れたら外れたで、いろいろと考えなければならない難題が、
それこそ個々の企業ごとに出てくるのではないでしょうか…。
 欧米と異なり、日本では正社員の解雇に厳しい分、社員の転勤に関しては、
企業側にかなりの裁量を与えていますが、こちらの問題も配偶者の転勤先の
事業所のある地域で勤め続けられる仕組などがない限りは、妻側の
就業意識に微妙に影響しそうな…。
 日本チェーンストア協会傘下のスーパーや量販店等で働く方の9割以上が
社会保険の適用拡大に備えて103万円もしくは106万円の範囲で働くと回答
しているのも、「そもそも企業側の評価を信頼していない」「時給を対価に
時間を切り売りしているだけで、評価されることもあまり求めていない」
裏返しとは言えないでしょうか。
 この問題は、とかく就労調整が勿体無いからの企業目線、あるいは
夫婦共働き世帯と比べて不公平といった観点から捉えられがちですが、
全ての方が(家庭的責任を背負っていたり、家族に要介護者がいるなどの
理由で)フルタイム並みに働けるわけでもないでしょうし、当の働き手
であるパートさん個々人がどう処遇・評価されたがっているのかの
観点からの議論ももっと欲しいと思いますね。



2.あとがき 日本は有給取得に罪悪感を感じる人が多い
 ということで、(税制改正の話題も含めて)3か月連続で配偶者控除や
配偶者手当に関する記事をお送りしました。
 話題は全然変わりますが、先日旅行会社のExpediaが毎年行って
いる有給休暇国際比較調査の最新結果が発表されましたが、有給取得に
罪悪感を感じる人の割合は、2015年は日本が18%で、10%の米国・インド・
韓国を大きく引き離してトップだったのですが、
最新版の2016年では、1位の座こそ69%の韓国に譲ったものの、日本も
59%と30%台前半の米国・インド・香港などを大きく引き離し、有給消化率
に至っては50%と53%の韓国よりも下になり、主要12か国中最下位に
転落してしまったようです。
 韓国は、ご存知の通り一流企業に入社できるか、その後も競争に勝ち抜け
続けられるかどうかで生涯年収が決まってしまうお国柄なので、日本と並んで
正社員の労働時間が長く、何よりも自分が今いるポストを失うことへの
恐怖感から休めないのだろうな…などと推測できるのですが、一方の日本は、
人手不足が原因で取得をためらわせているのだとか。 
 一応は好景気が続いているとされ、これだけ雇われる側が一見有利な立場に
ありそうなのに、それでも有給を取得できない。では不況になったらますます
取得しにくくなるのではないかと、暗澹たる気持ちにさせられますし、
こちらの問題も、いよいよその方の体力や気力の限界に達した時に、
本当に必要な人から順番に抜け落ちていくことのないように、「(有給を)
取得されなくて(財政的に)助かった」などと安心するのではなく、
企業としても、また働く側も、その企業で長期間働き続けられるように、
あるべき姿はどのようなものなのかを今一度真剣に考えるべきステージに
来ているのかもしれないと感じます。

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いばらきどうじ

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