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仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える

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最終発行日:
2017-04-17
発行部数:
27
総発行部数:
3427
創刊日:
2005-10-20
発行周期:
月2回
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仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える

発行日: 04/17

仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える 第170号 2017年4月17日
認可保育園 0歳児枠を減らし1・2歳児枠を増やす…だと?
 ファイナンシャルプランナーの永田です。
 3月31日付けで、平成28年10月時点での待機児童数が発表(前年同月比
2423人増加の47738人)されましたが、こちらの詳細は次号でチェックする
として、今号ではその待機児童対策に関して、保育の年齢別の受け入れ枠を
変更するかもしれないという、決して聞き捨てならない議論がなされている
ようなので、今号ではその問題について触れたいと思います。

 本題に入る前に、まず4月2日の日経有料記事で、今年の保活事情の
厳しさを示す記事がありましたので、最初にその記事を紹介したいと思います。
 『認可保育施設、1次募集で3割落選 今春の東京23区・政令市調査』
というタイトルの記事で、共働き世帯が多く保育需要が高いとされる東京
23区と政令市20市を対象に日本経済新聞社が行った(40市区から有効回答
が戻ってきたようです)調査によれば、申込者数が19万人に対して落選者数が
書類の不備なども含めてですが、5.4万人で落選率(*1)が28%。
 うち練馬区を除いた東京23区が2.4万人で落選率が38%。札幌市や広島市を
除いた政令市で3万人で落選率が24%となり、落選者の総数は前年と比較
可能な35地区で6%の増加。
 東京の港区に至っては55%と半分以上が落選の憂き目にあったようです。
*1 自宅から近い・上の子を通わせたなど、第一希望の園に決まらなかった
という意味ではなく、文字通り複数申請した認可保育園が全滅(不承諾通知を
受け取った)の意味での落選率と思われますし、落選者は認証保育園や
保険の意味で抑えていた保育料が割高な無認可保育園を含め預け先を
探すことになるでしょう。

 年が明けてから慌てて動き出すのんびりさんどころか、出産直後あるいは
それ以前から保活に熱心に取り組むなど情報収集を怠らない、心情的には
全力でエールを送りたくなるような方であっても、希望する認可保育園が
全滅(不承諾通知を受け取った)してしまうことが時には起こり得る程、
東京23区やその近辺など、一部の地域では保活事情が非常に厳しくなって
います。
 この手の問題はつい自分の基準で物事を考えてしまいがちですが、一部の
保活激戦区では本人の努力だけでは解決できない事態にまで追い込まれている。
その厳しい現実をまずは真摯に受け止めなければなりません。

 そしてこの記事が出る1週間程前の3月26日に『保育所、1〜2歳受け入れ
拡大 0歳児枠縮小へ 待機児童多い層厚く』という、もう1つ子育て世代に
は決して見過ごせない衝撃的な記事が報道されていました。
 こちらは、あえて先に記事全文を掲載した上で、その上で私の感じた
感想を述べたいと思います。

保育所、1〜2歳受け入れ拡大 0歳児枠縮小へ 待機児童多い層厚く 
2017年3月26日 日経
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF24H0S_V20C17A3MM8000/?n_cid=TPRN0003
 厚生労働省は待機児童の解消に向け2018年度から、全国の保育所で1〜2歳
児などの受け入れ枠を増やす。通常よりも多くの保育士が必要な0歳児の枠を
できるだけ減らし、浮いた保育士を1〜2歳児に振り向ける。0歳児は家庭で
預かる保育ママなどを積極的に活用してもらう考えだが、こうしたサービスの
利用が難しい共働き世帯からは反発も予想される。
 保育所では1〜2歳児は保育士1人あたり6人まで子どもを受け入れること
ができる。より手間のかかる0歳児保育ではその半分の3人までしか預かれず、
保育士不足が深刻化するなかで年長の子どもたちの受け皿を増やせない原因に
なっていた。1歳児からの入所倍率が高いため、やむをえず育児休業を早く
切り上げるなどして0歳児から子どもを預けようとする保護者も多い。
 厚労省は自治体に対し、0歳児枠を必要に応じて減らす一方で、その分を
1歳以降に振り向けることを認める通知を出す。多くの自治体は子どもの
人口割合や女性の就業率などに応じて一定の0歳児枠を設けている。
 こうした枠を地域の実情に応じて柔軟に設定できるようにすることで、
自治体ごとの判断で待機児童を早く減らせるようにする。0歳児保育は全国で
14万人に上る。保育士は0歳児保育から1歳以降に移ることで面倒を見られる
子どもの数が2倍以上になり、それだけ待機児童を減らせるとみられる。
 0歳児については少人数の子どもを家で世話する保育ママ(家庭的保育)の
活用などを通じて自治体に別の受け皿を用意するよう促す。ただ、十分な保育
ママが整備されていないことなどから0歳児枠縮減には批判も出そうだ。
 厚労省は自治体の取り組みや待機児童数の行方を慎重に見守る考えだ。
〜記事引用ここまで〜 



 まず認可保育所は国が「児童福祉施設最低基準」というものを定めていて
0歳児には概ね3人に1人、1・2歳児には概ね6人に1人、3歳児には概ね
20人に1人、4・5歳児には概ね30人に1人の保育士を配備しなければ
ならない決まりになっています。
 文字通り最低基準ですから、自治体によっては保育の質を保つために
基準を上回る保育士を配置している所もあるのですが、その自治体相手に国が、
『現に待機児童がいるんだから自治体の国を上回る基準ではなく、国の
最低基準に合わせて待機児童を受け入れろ』と圧力をかけ、保育団体らが
反発していたニュース。あるいは保育士の募集をかけても、肝心の保育士が
確保できず、定員一杯受け入れることができないと園長らが弁明していた
ニュースを少し前にご覧になられた方もいらっしゃったと思います。

 では、保育園の年齢別保育園児の受け入れ状況は、実際の所、どうなって
いるのでしょうか?
 私は首都圏には地理勘があまりないので、タワーマンションの建設が
相次いでいて、通勤混雑率もかなり厳しいと言われている川崎市中原区の
武蔵小杉駅の近くの地図を見て、ぱっと目に入った地名の 「丸子」 で
検索をかけてみました。
(*2)
*2 あくまでも川崎市のHP内の情報ですし、保育士が確保できない等の
理由で年齢別定員が多少増減する可能性があることはご了承下さい。

 認可保育園の数件をぱらぱらと見ても、実は「ウチ(都会の認可保育園)
では、0歳児は受け入れていないんですよ!」という認可保育園が結構見られ、
多摩保育園(0歳12人、1歳24人、2歳24人、3歳30人、4歳30人、5歳30人)
のように年齢が上がるにつれ受入れ人数を増やしている従来型の園も
なくもないのですが、まなびの森保育園小杉やアスク新丸子保育園のように、
年齢5区分ごとに同一人数しか受け入れない方針の園だったり、0歳児だけ
やや受入れ人数を減らして、1歳児の数も4・5歳児の数もあまり変わらない
という園も少なくなく、どうも世間で思われている程には、2歳までの低年齢児と
3歳以上の児童とで、受入れ人数枠に極端に大きな差がある……
ということではなさそうです。

 地方都市ならば、職場側で十分なスタッフが確保できない等の理由で、
赤ちゃんの首が座ってお母さんの体調も無事回復したらすぐに職場復帰する
ような事例もそれ程珍しくありませんし、児童の年齢が上がるにつれ受入れ
人数も増やしていく、昔ながらの人数構成のままという所も残っているのかも
しれませんが、仮に0歳児枠が12人で保育士4人を配置している保育園が
0歳児枠をなくして1歳以上から預けるようにしたところで、必要な人数が
4人から2人になるだけで、2人の保育士の配置が必要なことには
変わりないわけで。
 これ。本当に保育士不足解消の切り札になるのでしょうか?
 そもそも、既にゼロ歳児は受け入れませんという認可保育園が現にあるのに
あえて自治体に通知を出す必要が本当にあるのでしょうか???

 むしろ0歳児枠を減らすことで、育児休業を取得する余裕もない方の職場
復帰を妨げたり、最悪退職に追い込まれたり、フリーランス(*3)で働く
方の保活に支障を生じる弊害の方が大きいのではないでしょうか。
*3 キャリア的には通常の勤務組より軽くみられがちですが、専門職や
同時通訳者・翻訳者など専門性がかなり高い仕事をしている方もいます。

 また育児休業を取得して年度末に復帰しようと考えている
現在育休取得中です な方から見れば、仮に育児休業給付金の支給
対象になり職場も育児休業の取得に協力的な比較的恵まれたケースであっても、
1歳児からの入所倍率が高く確実に入れる保証がない以上は、はいそうですか
とすんなり納得して従うことができるものでもないような…。
 地域によってはシングルマザーなど、より優先度の高い方だけで1歳児枠が
埋まってしまったりすることもありますし、あえて数か月早く職場復帰して
無認可保育園に預けることで入園の優先度の順位を上げようとする(*4)
方も現にいます。
*4 フルタイム共働きの選考指数満点の夫婦がズラリと横並び になるため
頭ひとつ飛び抜けるための加点を狙うわけです。
 もっとも保活激戦区では、この育休を早く切り上げて仕事に復帰し、
子どもを認可外施設に預けて認可外加点を得るあまりにも露骨? な手法
でのやり口が増えたことに苛立ちを感じたのか、勿論経過措置は設けて
いますが、育休を切り上げて認可外施設に預けた場合と、入園ぎりぎりまで
育休を取った場合が同点になるように加点基準と優先基準の見直しをする
自治体も…。
 また激戦区によっては、数年前までは0歳児の方が入りやすかったという
過去の常識を信じ込むあまり、1歳児になると入れないのではないかという
危機感を強め、0歳児の時点で申し込む人が増えた結果、1歳児より0歳児の
ほうが入りにくいという摩訶不思議な現象も発生しているようです。

 ここは自治体が通知をどう柔軟に解釈するか次第だと思いますが、あまり
ドラスティックに制度を変えようとしても、保護者の側に悪戯に混乱を招き
お互いが疑心暗鬼に陥りかねないような…。

 そしてこちらは次号で詳しく書きたいと思いますが、『保育園の入園
受け入れは年度末だけではない!』というごくごく当たり前の現実を黙殺
している(あえて見ない振りをしている?)問題です。
 一般論として、待機児童問題が厳しい地域では、年度末の入れ替え時期が
一番待機児童数が少なくなり(年長さんが小学校に入学。月齢の関係でまだ
預かることができない赤ちゃんもいますし、少し考えてみれば当然の話です)、
その後徐々に待機児童数が積み上がっていく傾向がみられるかと思います。
 勿論、待機児童問題が深刻な自治体も、指をくわえて傍観しているわけ
ではなく、保育園を建設して、保育士の確保にも駆けずり回るわけですが、
それでも追いつかない所がマスコミの注目を集める形で晒され、更に
騒がれることになる…。
 そしてその年度途中に預けたいと希望が多いお子さんの多くは実は0歳児。
それなのに、肝心の0歳児の保育枠を減らせば、たとえスペース的に
受け入れる余地があっても、枠も保育士も足りないことを理由に
事実上の門前払いになりかねません。
 もし昨年の時点でこの門前払い問題が多発している地域で、更に強引に
ゼロ歳児保育を減らすような決断を下すようなことになれば、この問題は
更に深刻化して、他の近隣自治体に流れる形で迷惑をかけたり、いよいよ
切羽詰まって陳情運動が激しくなるなり、どちらにせよ周囲も巻き込む、
今以上の混乱が発生する光景が、容易に目に浮かぶようです、

 また新米保育士のキャリア形成の観点からも、政府や自治体の都合で
年齢別受入れ人数をそうコロコロと変えられても、園側としても困るでしょう。
 学校を卒業したばかりの新米保育士さんは、マニュアルには書かれていない
園児達の想定外の諸言動に戸惑いながらも日々成長していくことが期待されて
いると思いますが、普通に考えるならば最初は眠っている時間の長い、
行動範囲もよちよち歩きと、比較的行動パターンが予測しやすい低年齢児
クラスに、ある程度経験を積んだ保育士さんとペアを組んで、最初は
任されることになるのではないでしょうか。
 お子さんの大切な命を預かる大事な仕事だからこそ、そのプレッシャーも
半端なく、だからこそ早期離職者を極力出さないような仕組みが必要なはず
なのに、児童数あたりの保育士の数がぎりぎりになると、先輩保育士や
園長らに相談もできずに、悩みを抱え続けてバーンアウトしてしまう、
誰も得をしない…ということにもなりかねません。

 資格取得率では5〜8%を占めると言われる男性保育士について十分議論
することなく、保育士が足りないから0歳児枠を減らして1歳児枠に回すと
いう発想にもかなりひっかかりを感じます。
 まあ、地方ならば男性保育士さんは、公務員として採用されて、擁護施設
など一見目立たない所に配属されているのかな…などと思いますが、
民間保育士の場合は、採用の可否を決めるのは園の側。
 トイレやおむつ替えは女性保育士さんにお願いという親の側の要望は、女児
を持つ親からすればやはりどうしても気になってしまうことなのだろう…とは
思いますが、酷いケースでは男性保育士の就労そのものに反発するような
ケースも見られ、この問題に関しては千葉市の熊谷俊人市長らが熱心に
訴えているものの、保守派の反発も相当強烈で、そう簡単に世論の意識を
変えていくことは難しそう…ですが、その男性民間保育士という人材資源の
活用を後回しにして0歳児枠を減らして1歳児枠を増やすというのは、
単なる小手先の対応に過ぎないどころか、むしろ地域住民のニーズからは
逆行してしまうことにはならないでしょうか…。
 こういった数々のリスクを、プランを考えた人は本当にわかった上で
それでも0歳児の預け枠を減らして1歳児に充てると言っているのだろうか?
と最初にこの報道を聞いた時には本当に吃驚しましたし、正直呆れ果てさえ
したのですが、どれだけ自治体側が今預かっている児童とその親の側にたって、
体を張って守り切ってくれるかな…と思うと、甚だ心もとない部分もある
わけで…。本当に運用が上手く回るのだろうか…と懸念を感じずには
いられません。



 そろそろまとめに入りたいと思います。厚労省としては自治体に対して、
0歳児枠を必要に応じて減らす一方で、その分を1歳以降に振り向けることを
認める通知を出すことで、地域の実情に応じて柔軟に設定できるようにする
としていますが、待機児童問題が激しい保活激戦区の現場(認可保育所)では
既に1歳以上しか預かりませんという認可保育園も現に存在していますし、
正直何を今更感が強く、本音は保育士が足りないから強引に預かる0歳児を
減らすことで、年度末の数値だけ綺麗にしたいだけではないかとさえ
勘繰りたくもなります。
 育児休業に入る方としても、当然ながら職場に事前に復帰予定を伝える
必要があるわけで、かといって受け入れる自治体がどう動くか予測しにく
かったり、道路をまたいで隣接する自治体なのに方針が全然異なるようでは
混乱することは必至かと。
 そういう意味では2018年度から早速運用を変えるというのは、周知期間が
短すぎるという意味でも早急過ぎるのではないかと思うのですが、
お役所側の単なる「こちらも精一杯頑張ってます」アピールなのか、
それとも本気で0歳児枠を減らしていくことになるのか。
 保育士の場合は原則自宅から通える範囲内が勤務先となるだけに、東京で
足りないからといって北海道や東北からかき集めるというのも、奨学金などで
条件交渉できる新卒を除けば基本無理がありますし、このようなことこそ、
いきなり日本全体に適用するのではなく、特区を作って柔軟に対応して
欲しいと思うのですが、いよいよ募集時期になって、「去年と全然ルールが
違うじゃないか!」と、混乱と反発を招くような事態だけは避けて欲しい
と思いますね。

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