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仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える

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最終発行日:
2016-11-17
発行部数:
27
総発行部数:
3265
創刊日:
2005-10-20
発行周期:
月2回
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仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える

発行日: 11/17

仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える 第165号 2016年11月17日
配偶者手当はどうなっていく?
 ファイナンシャルプランナーの永田です。11月に入り来年度の税制改正
絡みの話題がぼつぼつと新聞誌上をにぎわせ、配偶者控除についても
いろんな議論が進んでいる(配偶者控除を廃止して夫婦控除に切り替える
議論については、夫婦控除の具体的要件が定まっていないのに時期尚早と
早々に議論の対象から外され、妻の年収上限を現行の103万円から150万円に
引き上げる案やら、夫の年収に制限を設ける案やらが出ているようです。)
 501人以上の企業のパートの社会保険加入要件が106万円以上に引き下げ(世間で
106万の壁と言われているものです)られましたが、『税制と社会保険は違う!!!』と
頭ではわかっていても、お国はどういう方向にもっていきたいのかよくわからないなあ…
と思いつつ、今号では、配偶者控除の対象となる配偶者の多くが恩恵を受けて
いると思われる、公務員から民間企業まで多くの組織で支給されている
配偶者手当について書きたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 まず方向性を書く前に、そもそも配偶者手当はどのようにして生まれたのか
を最初に書かなければなりません。
 夫が稼いで妻は家庭に入るあるいは補助的に働くという、夫婦共働き勢が
主流派になるまでは主流だった働き方は、そもそも雇われ人という働き方が
主流になったからこそ成り立つわけで、私も真実を知るまでは、戦後になって
産業構造が自営業的な働き方の第一次産業から第二次産業や第三次産業に
シフトしはじめ、お父さんや男性に猛烈に働いて欲しい役所か大企業が
最初に導入して、自然発生的に中小企業にも浸透していったものだとばかり、
てっきり信じ込んでいました。
 ただ、実際の歴史をさかのぼると、多くの企業で家族手当が採用された
契機は、昭和14年にインフレを抑制するために発出された「賃金臨時措置令」
により賃金の引き上げが凍結されたものの、物価上昇で扶養家族を有する
労働者の生活が苦しくなってしまったため、翌年 一定収入以下の労働者に
対して、扶養家族を対象とした手当の支給が許可されたことから、多くの
企業で家族手当が採用されることになったことが経緯だそうです。
(昭和22年に制定された労働基準法より前に誕生していたんですね…)
 そして太平洋戦争が終わった後は、高度経済成長やインフレで物価が上昇
し続けていたことから、当時は勢力が強く組織率も高かった労働組合が
生活保障の要素を重視する観点から、家族手当の支給や引き上げを要求。
 企業としても基本給に反映しない配偶者手当や家族手当(基本給ではなく
諸手当として支給すれば、退職金の算定基礎に含めなくて済みます)なら
増額に応じていいよとばかり、従業員の福利厚生として定着した経緯が
あるようです。

 では、配偶者手当を含めた家族手当の支給額がどうなっているかと言えば、
こちらは2014年8月に公表された『企業の諸手当等の人事処遇制度に関する
調査』を見たいと思いますが、扶養家族ごとに支給額を変えている企業(配偶
者手当が子供手当よりも多いパターンが大半)が69.1%、扶養家族であれば
支給額は同一が15.3%、扶養家族の人数に関わらず定額を支給が9.8%。
 扶養家族ごとに支給額を変えている企業の支給平均額は配偶者が11613円、
第1子が5228円、第2子が3827円、第3子が4792円、その他の家族が
4277円。
 基本的には個々の企業の経営体力に応じて支給額を決めているのだと
思いますが、大雑把に見て配偶者には1〜1.5万円程。子供は1人あたり
3000円〜5000円を支給する企業が多いようです。
 ただ最近の傾向としては、こちらはかなり大胆に改革に踏み切った事例だと
思いますが、自動車大手のホンダでは、扶養対象の場合、月に16000円払って
いた配偶者手当をなくし、1人4800円だった子供への手当を2万円に引き上げ、
共働きの場合は従来子供1人なら16000円、2人なら20800円(要は配偶者の
代わりに1人目の子どもを配偶者とみなして手当を支給)していたのを1人
なら2万円、2人なら4万円の支給に。
 トヨタも今年1月から、月19500円の配偶者手当をなくして、代わりに
子供手当を1人あたり2万円にするなど、配偶者よりも子供のいる家庭に
配慮する傾向が見られるようです。
参考記事 配偶者手当は古い? 変わる職場や家族 2016年3月5日 
日経ウーマン掲載

 では民間企業では、どのような方を対象に配偶者手当を支給しているの
でしょうか?
 こちらは、『平成27年職種別民間給与実態調査の結果』を見たいと思いますが、
 家族手当制度がある企業が76.5%で、ない企業が23.5%。
 うち、配偶者に家族手当を支給している企業が90.3%と9割強を占める
(500人以上87.8%、100人以上500人未満94.3%、50人以上100人未満93.5%)
のですが、配偶者の収入による制限を設けていない企業は15.1%(500人以上11.2%、
100人以上500人未満19.0%、50人以上100人未満29.0%)に過ぎず、配偶者の
収入に制限をかけている企業が実に84.9%。
 うち、103万円(所得税の給与所得控除の下限65万円+配偶者控除38万円)
をボーダーラインにしている企業が68.8%(500人以上73.8%、
100人以上500人未満60.7%、50人以上100人未満59.5%)、
130万円が25.8%(500人以上19.4%、100人以上500人未満35.9%、
50人以上100人未満38.4%)、
 としていて、それ以外に独自に定めている企業は5.4%に過ぎません。
(500人以上5.4%、100人以上500人未満6.8%、50人以上100人未満2.1%)
 配偶者の年収に制限を設けていない企業の場合は、そもそも配偶者手当の
金額がそれ程高くなく、専門の給与計算担当もおらず、一々チェックする方が
大変だから条件をつけていない可能性。
 130万円をボーダーラインにしていた企業は、(今年10月からの社会保険
制度改正で見直しが行われた会社もある可能性はあるものの)健康保険の
被扶養配偶者に該当すれば支給。そして103万円をボーダーラインに支給
していた企業は、年末に提出させられる『給与所得者の扶養控除等(異動)
申告書』で扶養対象配偶者の名前が記入されていれば支給といった運用
(妻がSOHOなど自営業として働いている場合は給与所得控除の適用はなく
所得額38万円までが配偶者控除の対象となりますが、収入が38万円までに収まれば、
そのケースなら確定申告書のコピー添付など弾力的に運用)でしょうか。

 そこで冒頭の配偶者控除の見直しの議論に戻ります。
 短時間労働者への被用者保険の適用拡大については、日本年金機構が該当
事業所に特定適用事業所となる旨のお知らせを8月頃に送付したそうですから、
これまで年収130万円をボーダーラインにしていた事業所は、該当者の洗い
出しの方が最優先で、あえてこのラインの見直しを急いで行うリスクは
冒さない(500人未満なら現時点ではそもそも関係ない)。配偶者手当の支給
条件を引き下げるとしても、子供手当を増額するなどのバーター条件を持ち
出すなど、労使で十分に時間をかけて見直すことが予想されます。
 では、年収103万円を配偶者手当の支給のボーダーラインとしている企業は
就業規則あるいは家族手当規定で、どのように規定しているのでしょうか?
 個々の企業のことなので推測することしかできませんが、『配偶者手当は
所得税法上の配偶者控除を受けられる方を対象に支給する』あるいは
『扶養家族の所得が所得税法上の扶養家族の所得制限を超える場合には、
手当は支給しない』といった文言が入っている可能性が高いのです。
*子供などを対象に支給している手当への影響も考えられますが、子供は
(税金の増加よりも健康保険の適用の関係から)扶養から外れない範囲内に
アルバイト収入を抑えるよう父親が命令しているケースが多いでしょうし、
一番影響が大きいのは家計補助目的で扶養の範囲内で働く妻だと思われる
ので今号では割愛します。

 言い方を変えれば、このお国の配偶者控除の基準をあまりにも急に変更
されると困る企業が沢山出てきて現場が大混乱しかねないという別の次元の
問題を抱えているわけです。
*6日の日経新聞では配偶者控除ではなく、年収103万円を超えたパート主婦
世帯に適用している配偶者特別控除の減税枠を拡大することで対処する。
 12日の日経新聞では、『年収103万円以下の妻(配偶者)に所得控除額
38万円を適用する配偶者控除は減税の仕組みを維持する。103万円を超えて
150万円以下までは38万円の控除を適用し、150万円を超えたら徐々に
控除額を縮減する。141万円まで控除額を縮減して適用する配偶者特別控除を
さらに拡大する形をとる』とあり、ボーダーラインを年収150万円にするなら
配偶者控除は夫(世帯主)の年収1220万円以下(所得1000万円)の世帯に
制限して、年収130万円以下にする場合は、それより高い年収で設定する、
と、いずれも年収制限を設ける方向で議論しているようです。

 国でさえ年収制限を検討する位ですから、一民間企業としては、一律に
支給していると財源的にも厳しく、配偶者手当の支給に一定の所得制限を
設けることも合理的な判断でしょう。
 ですが、もし配偶者控除に関して、妻の年収上限を現行の103万円から
150万円に引き上げる案がそのまま成立すれば、その妻が社会保険の被扶養者
から外れたにも関わらず年収150万円未満のため、企業が支給する配偶者手当
は支給されるようなつじつまの合わない状態になったり、あるいは逆に
(こちらは可能性が低くなりましたが)配偶者控除の廃止(縮小)で
これまで支給されていた配偶者手当が突如支給されなくなれば、労働条件の
不利益変更にもなりかねず。
 配偶者控除ではなく配偶者特別控除の拡大でパート主婦に配慮するにしても、
税制と社会保険の違いを企業側が十分説明しつくした上で、従業員及びその
家族の納得と理解を得ないと不公平感が芽生えることにもなりかねないのです。

 お国としてはできるだけハードルを取っ払って、今パートで就労調整して
働いている方にも目一杯働いて欲しいのが本音でしょうし、その目的も
わからなくもないのですが、あまり事を性急に進めると民間企業が
ついていけない可能性もあるわけです。
 そういう意味では、お国のお偉いさんだけで議論が決まってしまうのも
考え物(給与所得控除の上限の縮小とは起こる波乱のレベルが違います!)
だな…と思うのですが、この配偶者控除をめぐる議論はどう進んでいくの
でしょうか。
 11月15日付け日経新聞では、経団連が来年の春季労使交渉で配偶者手当の
廃止や削減を会員企業に呼びかける方針と報道(ただ労働条件の不利益変更
の問題に抵触しかねないため、具体的な対応は各企業の労使交渉に委ねると
いう見事なまでの投げっぷり。経団連は1年前のこの時期にも同じような
提言を出し、その時はうやむやになっていたようです)され徐々に外堀が
埋められつつある雰囲気になりつつありますが、働き手にとっては思わぬ所で
影響が出てきかねない問題。
 つい税制の方にばかり目がいきがちですが、勤務するわが社の福利厚生制度
はどうなっているか も時には気にかけたいですね。



2.あとがき
 海の向こうのアメリカの大統領選でトランプ氏が当選を決める大波乱
(番狂わせ?)がありましたが、選挙と言えば、日本でも おっ と
思わせられる市長選挙結果がありました。
 161号(7月17日発行)で大阪府阪南市が、市立の4幼稚園と3保育所を
全廃して、旧家電量販店の店舗を改修して約630人の幼保連携型認定
こども園を造ろうとして、疑問を抱く子育て中の母親らが住民投票の実施を
求める約1万2600人分の署名を5月18日に市に提出した騒動ですが、
10月30日に行われた同市長選で、同計画の白紙撤回を訴えていた水野謙二氏
(11150票を獲得)が、同計画を推進していた現職で3選を目指していた
福山敏博氏(7050票)を破り初当選を決めました。
 市民の全てがこの問題だけで市長を選んだとは限りませんが、同じく同計画
に反対して立候補した吉羽美華氏(同計画の中止を訴え5445票を獲得)の
獲得票数を含めると7割の市民が強引な計画にNO! を突き付けた形に。
 組織票の自民党の推薦を受けようが、市民の総すかんを食らうといかに現職でもこうも
簡単に敗れさるものなのかと改めて市民の力を感じさせられると共に、人口減少と
建物の老朽化で集約を迫られている過疎の自治体にとっては決して他人事の問題ではなく、
この大きな問題をどう解決していくのか、その行政手腕が注目されていくことになるの
ではないかと思います。
 一斉に保育園を整備した地区程、老朽化による建て替え時期も被ってくることになる
でしょうし、地域の中核病院の建て替えの場合は隣接している駐車場にしている場所と
置き換えるなどの手法が取れるものの、保育園の場合は立地的にもその手が使えない。
どうインフラを維持・活用していくのか中々大変な問題です。

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いばらきどうじ

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