出産・育児

仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える

学生のときは男も女も対等だったのに、どうして社会人になると男社会になってしまうの? 仕事と家庭を両立する方も、一旦退職した方もその後のライフスタイルをどうしたいかを一緒に考えてみませんか

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創刊日:2005-10-20  
最終発行日:2017-07-17  
発行周期:月2回  
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仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える

2017/07/17

仕事と家庭の両立のために〜両立支援を考える 第173号 2017年7月17日
合計特殊出生率と5歳区分別の出生数
 ファイナンシャルプランナーの永田です。待機児童問題について書き連ねて
いる間に重要統計が相次いで発表されたので、今月、来月はその話題について
触れたいと思います。今月号では、合計特殊出生率と5歳区分別の出生数に
ついて公表した平成29 年6 月2 日に公表された、『平成28 年人口動態統計
月報年計』について触れたいと思います。
 世間では合計特殊出生率がマスコミ報道で発表され、この数値が前年と
比べて上昇したあるいは下落したと一喜一憂している感が強いのですが、
出生数という母体があってこその出生率ですし、5歳区分での出生数の推移を
見ることで、女性労働者の職場復帰支援やパートナーとなる男性(夫)の
意識の変化に多少なりとも寄与すればいいと思います。どうぞよろしく
願いします。

 まず、世間で注目を集めることも多い合計特殊出生率は平成28年(2006年)
は、前年比0.01ポイント悪化の1.44。
 昨年の発表では前年27年は1.45ではなく1.46と前々年と比べて
0.04ポイントも改善したと報道していただけに、0.01ポイント悪化ではなく
0.02ポイントの悪化ではないか? と思わず突っ込んでしまったのですが、
統計の誤差の範囲もあるでしょうし、急に数値が改善した翌年に反動が出る
のもままあること。
 合計特殊出生率については平成17年に前年比0.03ポイント悪化の1.26まで
下落した後、18年0.06ポイント改善の1.32、19年0.02ポイント改善の1.34、
20年0.03ポイント改善の1.37、21年1.37で横ばい、22年0.02ポイント改善
の1.39、23年1.39で横ばい、24年0.02ポイント改善の1.41、25年0.02
ポイント改善の1.43倍、26年0.01ポイント悪化の1.42倍、そして27年
0.04ポイント改善の1.46倍(その後修正があったのか1.45倍になっています)
 と10年ほど前に下落傾向が続いていた状態が一服して、横ばいになった
翌年は改善、悪化した翌年はその反動もあり大きく上昇する傾向があり、
今年はその反動でまた下げる形になりました。

 第何子別かの直近5年間の統計を見ると
第1子  は24年0.6781→25年0.6871→26年0.6914→27年0.7109
(修正後0.7090)→28年0.6971
第2子  は24年0.5095→25年0.5174→26年0.5088→27年0.5177
(修正後0.5154)→28年0.5168
第3子以上は24年0.2176→25年0.2221→26年0.2222→27年0.2272→
(修正後0.2260)→28年0.2275

 全体が1.42だった平成7年と比べると第3子以上は0.2410から0.2275、
第2子も0.5209から0.5168と減らした半面、第1子が0.6607から0.6971と、
その頃よりは第1子の比率が高くなっていて、当たり前と言えば
当たり前ですが、第1子の誕生がなければ第2子の誕生もないわけで、
そういう意味ではより厳しい状況に置かれていると言えるかと思います。

 都道府県別にみると、1.51以上は25県(前年23県)、1.41〜1.50は12県
(前年14県)、1.31〜1.40が8府県(前年7県)、1.21〜1.30が2道府県
(前年2道府県)、1.20以下が0都(前年1都)
 トップの沖縄が1.95と日本の自治体としては比較的高水準を維持するなど
九州地方・中国地方及び北陸地方で1.5以上(富山と福岡は1.50)、四国地方も
1.47の高知以外の3県で1.5超。
 一方の低い所では、こちらはかなりつっこみ所がありまして、
昨年の発表では平成27年は東京が1.17で京都が1.26だったはずなのに、
今年の発表では平成27年は東京が1.24で京都が1.35(微修正があるにしても
ここまで大きく狂うことは不自然です)となっていて、その東京と京都は
今年はそれぞれ1.24と1.34。
 他、北海道が1.29、秋田が1.39.宮城が1.34、大阪が1.37と冴えない数値に。
 『数値の冴えない地域の統計の数値を意図的にいじっているのではないか?』
というお上(政府)への疑惑もなくはないものの、日本の人口を維持するのに
必要な数値は2.08と言われていているだけに、直ちにこの数値まで回復させる
ことは困難でも、少子高齢化のスピードを予定よりも早めないためにも、
特に首都圏や関西圏の出生率の引き上げが早急な課題になるかと思います。



 そして赤ちゃんの出生数は、前年比2万8698人減の97万6979人と、とうとう
100万人の大台割れに…。
 まあ、100万人割れそのものは年初から割り込むよと脅すような報道が
相次いで発表されていただけに、大台割れそのものの報道にはそれ程の
驚きもなかった(ああ、とうとう大台割れしたか…位の印象)のですが、
統計の残っている1899年(明治32年)以来初の大台割れだとか。
 出生数は1920年に初めて200万人の大台超。その後1925年から1952年まで
(1938年と1939年を除いて)200万人超をキープ。
 第二次ベビーブームと呼ばれる1971年〜1974年も200万人を超えていた
ものの、時代が平成に入ってしばらくまで、するすると下落。
 平成5年の出生数は118.8万人強となり、その後平成12年までは120万人を
挟んだ一進一退な状況が続きますが、13年117万人、14年115.4万人弱、
15年112.4万人弱、16年111万人、17年106.3万人弱まで減り、18〜20年は
109万人前後も、21年と22年に107万人ちょっと、23年に105万人、24年に
103.7万人強、25年に103万人、27年は100万3539人、28年は100万5677人
と出生数そのものは依然として減少傾向が続いていて、
今年は前年の反動もあり一気に下げた形。

 生まれた赤ちゃんのお母さんの年齢を5歳区分で調査した結果も、
19歳以下は24年12770人→25年12964人→26年13011人→27年11927人
(修正後11929人)→28年11095人
20〜24歳は24年95805人→25年91250人→26年86590人→27年84459人
(修正後84461人)→28年82168人
25〜29歳は24年29万2464人→25年28万2794人→26年26万7847人
→27年26万2251人(修正後26万2256人)→28年25万0638人。
30〜34歳は24年36万7715人→25年36万5404人→26年35万9323人
→27年36万4863人(修正後36万4870人)→28年35万4912人
35〜39歳は24年22万5480人→25年22万9741人→26年22万5889人
→27年22万8289人(修正後22万8293人)→28年22万3289人
40〜44歳は24年42031人→25年46546人→26年49606人
→27年52557人(修正後52558人)→28年53474人
45歳以上は24年960人→25年1116人→26年1272人→27年1308人
(修正はなしで1308人)→28年1401人に。
 19歳以下の出産数が密かに上昇していた傾向は、あまり早すぎる出産は
本人の体力的にも、また女性本人の将来のキャリア形成的にも好ましいもの
とは言えないこと。また2014年度中に虐待で亡くなったと確認された18歳未満
の子供のうち無理心中以外の理由の44人の実母が抱えていた問題のトップ理由
が「望まない妊娠」で24人(54.5%)を占めるなど、本人の意識が伴わない
出産は悲劇を生むことも少なくなく、このこと自体はむしろ好ましい傾向。
 20〜24歳層の減少も高学歴化もあり、そもそもこの年齢層で既に結婚して
いる方の比率が減少していることを考えればまあ妥当かな…とも思えるの
ですが、25〜29歳層だけでなく、これまで横ばい傾向だった30歳〜34歳層でも
減少が目に付き始め、35歳〜39歳も今年は減少。
 一方、40歳以上では一転上昇する展開に

 そして平均初婚年齢もここ3年程こそ夫は31.1歳で妻も29.4歳と共に横ばい
ですが、こちらも
夫は平成23年30.7歳→24年30.8歳→25年30.9歳→26年・27年・28年31.1歳
妻は平成23年29.0歳→24年29.2歳→25年29.3歳→26年・27年・28年29.4歳
 とじわじわと上昇傾向にあり
 第1子出生時の母の平均年齢も24年30.3歳→25年30.4歳→26年30.6歳
→27年・28年30.7歳と高止まり(参考昭和50年25.7歳、昭和60年26.7歳)
傾向にあります。

 勿論結婚は基本的には当人同士の問題ですし、女性側はキャリア継続の
観点から、男性側は収入の伸び悩み面から、結婚への決断もついつい
先延ばしになってしまうのかもしれませんが、日本人の場合、世間体の問題も
あり、非嫡出子の比率は他国と比べて極端に低く(*1)、加齢に伴い
相対的に高まっていく不妊のリスク(*2)に関しても、自分だけは大丈夫と
変に過信しているフシもあり、時期を逸すると、自分の希望とは裏腹に、
望む数の子供を授かることができなくなるリスクもあるということは、
少しは意識した方がいいのかもしれません。

*1 少し古い統計ですが、2008年の非嫡出子の比率は、スウェーデンの54.7%、
フランスの52.6%、デンマークの46.2%、英国の43.7%、オランダの41.2%、
米国の40.6%はもとより、香港の5.6%と比べても著しく低く日本は2.1%。
 日本の場合は、世間体もあるのか、結婚前に子供が生まれることを極端に
嫌う風潮、逆に「出来ちゃった婚」というおそらく世界の方からすれば何それ?
と言われそうな風潮があるため、平均初婚年齢の上昇は出産数や出生率にも
負の影響を与えたり、結果的に夫婦が欲しい人数の子供を授かることが
困難になることが推測されます。

*2 この不妊の問題はこれまでに何度か書いて見ようとトライしたものの、
男女側であまりにも意識差が大きく、また生々しいテーマでもあることから
これまで上手く文章をまとめることができませんでした。
 一般論として、男性側は何歳になっても自分の側に不妊の原因があるとは
信じたくないと思い込みたがる傾向があり、一方の女性の側も子供が欲しい
願望の度合いにかなりの個人差が見られ、中には子供を授かることこそ
自身の存在意義と受け止める方も一定数存在。
 夫婦の年齢が30台半ばならば、出産のタイムリミット的にも、親の定年
退職までに子供が大学を卒業できるかというライフイベントを意識したり
その間の家計のやりくり的にも、あるいは自分の親に孫の顔を早く見せて
あげたいといった理由で焦る気持ちもまだ理解できなくもないのですが、
中にはまだ20代同士だというのに、一般的な不妊の定義である1年 を文字通り
解釈してしまい、1年経っても授からなければ、すぐに不妊ではないか? と
疑心暗鬼になり、夫婦で不妊検査を受けようとバタバタする方も
時折いらっしゃるようで…。
 検査の結果 本当に不妊が発覚すれば、早く原因がわかって今後の取り得る
選択肢も増えると頭では理解できても、あまり双方の意識に差があるようだと、
夫側の気持ちがついていけずに白けてしまい、将来的な夫婦同士の気遣いが
できなくなるリスクを抱え込みかねず、夫婦不和にもなりかねないかと…。
 他、心理的に追い込まれるという意味では、女性側は苦しい思いをするのは
こちら側と治療期間が長期化するにつれ、焦りも重なり感情を爆発させる
傾向が強く、一方の男性側は特に高度不妊治療では健康保険が使えないことも
あり、1度うん十万円の費用負担による金銭的プレッシャーとパートナーへの
気遣い疲れで、心が折れてしまうケースも見られるようです。


 *2で少し脅すようなことも書いてしまいましたが、そろそろまとめに
入りたいと思います。
 合計特殊出生率の定義は「15〜49歳までの女性の年齢別出生率を合計した
もの」なので、生まれる子供の数の減少が続けば、出生実数は減ったにも
関わらず、合計特殊出生率は回復するあるいはあまり下がらないという、
一見首を傾げる現象が起こり得るのも別に不思議でも何でもなく、多少
大雑把ではありますが、母数の塊的には25〜40歳までの出産数の比率が
約85%を占めるのだから、単純に男女比が同率としても、現在の出産数が
25年〜40年後の出産数にも大きく影響を与えることになるでしょう。
 そして合計特殊出生率が回復傾向にある都道府県も、その結果に安住する
ことなく打てる施策を断続的に打ち出し続けないと、そう遠くない日に
厳しい現実が突き付けられることになるかと思います。

 一部の自治体では最近待機児童問題が急に深刻になりはじめていて、
鉄道が開通して通勤に便利になったから、あるいは川崎市に代表される
ようにタワーマンションの建築が相次いだ影響で若者世代が急に流入して
保育所の建設が追い付かない所もあるようですが、逆に自治体の人口が
横ばいあるいは減少傾向だからという理由で、保育所の新設や保育士の
養成にあまり熱心に取り組んでこなかった自治体も、安倍政権になって
急に女性の就労に積極的になったら保育需要が追い付かなくなってしまった…
という所も少なからず存在しているのが紛れもない現実ではないでしょうか。

 専業主婦が兼業主婦よりも大きな勢力だった時代には、保育所の整備は
出産人口の推移に大きな影響を与えなかったかもしれませんが、現代は
都市部を中心に待機児童問題が深刻になり、人によっては前回の保活で
大変な思いをしたため、もう1人産むことを諦めてしまう方もいます。
 保育所にしても、ハード面では足りない分を建設する新設だけの問題でなく、
当たり前と言えばあまりにも当たり前のことなのですが、既存の建物も
建設してから数十年経てば老朽化が進んでしまい、建て替えの時期を
迎えますし、建て替え中の間は別の保育園に児童を通わせなければ
ならなくなり、送り迎えで車を使わざるを得ない不都合な事情が発生する
ことも考えられます。
 一方、ソフト(保育士など人材)面でも、頭数だけ揃えればいいと
いうものではなく、その保育士の質や、保育士自身にとっても安定した
キャリア形成が実質的に担保されなければ、他の職種に流出してしまう
潜在保育士の問題もますます(特に仕事を選べる首都圏では)深刻に
なっていくことでしょう。

 現代では出産後も夫婦共働き志向が急速に強まる中、今は保育の空きが
あると言われている自治体も含めて、『本当に中長期的に保育需要を十分に
満たせる体制を整えてきたか?』 という質問に自信を持って YES!
と答えられる自治体は果たしてどれだけあるでしょうか。
 保育士が余っている自治体など基本的にはどこにも存在しませんし、
地域のニーズに沿うように、着実にソフトとハードの双方を確保していく
努力を重ね続けることが欠かせないのではないかと思います。

最新のコメント

  • でめきん2008-03-07 19:07:06

    >『ちゃんずけ』くらいで、お給料を減らされなければならないのだと憤慨している

    男性も多いのではないでしょうか)



    裏にはちゃんとした訳があるようです。

    大学における権力者=教授を訴えるということは学生にとっては容易なことではありません。現実に訴えることも無く教授のパワハラで自殺なんていう話はめずらしくもありません。

    例えとして適切ではないと思いコメントさせていただきました。



    http://www.zakzak.co.jp/top/2007_12/t2007120518_all.html