国際情勢

IOM国際移住機関 “Migration”

IOMは世界的な人の移動(移住)の問題に取り組む国際機関です。IOMが世界各地で実施している、人身取引対策や人道復興支援などの活動紹介を現地からのレポートを織り交ぜてお送りします。

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【IOMニュース】7/30人身取引反対世界デー、シエラレオネ-日本企業製品を活用した浄水施設

2018/07/30





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【1】2018年7月30日 人身取引反対世界デー
公共セクターと民間セクターが協調しなければ、人身取引の加害者が勝利する
被害者保護のために連携を
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↓ウェブ版はこちら↓
http://www.iomjapan.org/pressrelease/details58.html


国際移住機関(IOM)事務局長
ウィリアム・レイシー・スウィング

カリフォルニアの庭師からシンガポールの銀行家まで、世界の労働人口が、今日以上に激しく移動していたことはない。ローマにいる皿洗いであろうと、ロンドンのデザイナーであろうと人々の志は移動し、熟練労働者であろうと非熟練労働者であろうと、労働許可があってもなくても、自分の才能を市場でどう生かして最大の報酬を得るか、という目標を等しく目指している。

単純な経済状況が、より良い生活へのあこがれと共に始まる旅路のきっかけとなり、安全に秩序ある方法で行われれば、出身国と目的国双方にとって巨大な共有の利益となり得る。

しかし、人身取引反対世界デーに当たり、移民が故郷から離れてより良い雇用の機会を求める際に、残念ながら、多大な搾取や虐待のリスクにさらされていることもまた現実である。

毎年多くの移民が出身国内や国境を越えて人身取引の被害に遭い、強制労働に従事させられている。男性・女性が力づくで、または継続的な暴力や脅し、心理的操作よって働かされる場合もある。あるいは、既に借金を抱えた家族やコミュニティからの大きなプレッシャーの中、不公平な採用過程や雇用条件のために、仕事を探し始める段階で債務を負わされたりすることもある。

他の搾取の形態には、わずかにましなものではあるが、危険な重労働をさせられたり、最低賃金だったり、気づかずに給与から差し引かれたり、勤務時間中や勤務時間外の不当な制限などがある。こうした虐待も、移民を害することとなり彼らの人権を侵害するもの。

こうした虐待は、どの産業のサプライチェーンでも起こり得るもので、下請けが重なる中で隠蔽されやすい。消費者として、安い物やサービスを探す一方、製品を作ったりサービスを提供したりしている労働者について考慮する義務がある。

今日、人身取引はどんな国にも、どんな経済セクターにも存在している。コーヒー業界であれ、服飾や建築業界であれ、どんな職場やコミュニティであっても人身取引が存在しないところはないのは明らかである。

人身取引は蔓延しやすいもので、グローバルで様々な立場の人達による対処が必要となる。特に消費者は、それぞれの政府、地元のビジネス・コミュニティと協働して、ディーセント・ワークの基準が満たされるように要求しなければならない。我々は皆、サプライチェーンから、人身取引やその他の形態の搾取がなくなるように訴えなければならない。

すでに変化の兆候は見えている。ますます多くの企業が、自社のサプライチェーンに関して取り組みを始めている。企業に、より高いアカウンタビリティを求める、新しい施策や規制のメカニズムを構築する政府が増えている。そして、市民社会もまた、移民の人権保護を訴えたり、彼らが保護や必要とする支援サービスにアクセスできるように働きかけたりしている。

よく知られる例としては、2015年に、東南アジアの漁場での労働者への虐待が明らかになった。多くの労働者が実質的に奴隷のように働かされていた。政府は、保護の規範を実行する手立てを持たないことが多く、そのために多くの雇用主がそれらの規範を無視するようになっていた。

ただ、変化は始まりつつある。消費者や大規模小売業者は、サプライチェーンにおける虐待の負の影響を認識し、より高い透明性を求めている。政府も同様で、海産物を扱う多国籍企業により高いアカウンタビリティを求める新しい法律を制定している。

こうした積極的な動きは励みではあるが、為すべきことは未だ多い。本日は、私がサプライチェーンにおける次の最前線と思っている、主要な課題に注目する。つまり、不当な扱いを受けている移民の状況が改善され、正義がなされるよう、民間セクターを巻き込むことだ。

デューデリジェンスを強化することを超えて、企業は自分たちの労働者に及ぼされる危害に対し責任を持つことが出来るし、持つべきである。また、人身取引被害者が社会復帰するのを支援するのにあらゆる方策を採る責任がある。そのためには、政府や市民社会、国際機関、そして被害者自身と緊密に協力する必要がある。人身取引に対処し、被害者を保護する第一義的な責任は政府にある。人身取引被害者を支援するための民間セクターと公共セクターの努力のより強固な結びつきがあれば、壊された人生を一緒に建て直すことができる。

IOMは今年前半、こうした課題に取り組む企業のための実践的なガイドラインを発表した。国連の「保護・尊重・救済」枠組みに沿って、IOMの改善ガイドラインは、政府や非政府の関係者と協力して、搾取の被害者に対する改善策として企業が採り得る多くの手段を説明している。

こうした方法には、医療や心のケア、被害者を別の職場環境に移すこと、出身国への自発的帰還の提供、可能な場合には回復やリハビリ、社会復帰への支援などの、被害者へのサービスや支援システムへのアクセスを促進することも含まれる。
 
ますます多くの企業がサプライチェーンで直面するリスクに対応しようとしているが、人身取引被害者の回復支援は、民間セクターにとって、これから取り組むべき新しい分野である。我々は、人身取引被害者への支援が我々の仕事の主要な柱になるように、努力を倍増しなければならない。
 

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拡張鉱物サプライチェーンにおける人身取引被害者のためのIOM「改善ガイドライン」は、こちら
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【2】シエラレオネ
  日本企業製品を活用した浄水施設が完成 - コミュニティ防災事業
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↓写真入りのウェブ版はこちら↓
http://www.iomjapan.org/pressrelease/details57.html


IOMは、2018年5月末から6月初めにかけて、ケネマ郡フォインドゥ及びイバマ、プジョン郡マンデマ、カンビア郡マヤキに建設した浄水施設をシエラレオネ政府国家安全保障局((ONS)、郡議会及びコミュニティに引き渡した。

シエラレオネでは一年の半分(5月から10月)が雨季で、大量の降雨により全国各地で洪水が発生する他、暴風や雷雨等も頻発し、乾季には不用意な焼き畑による火災も散見される。また、調理には都市部でも炭を使用していることから、自然災害の他にも火の不始末による火災といった人的災害も多々発生する。このような状況を受けてIOMは、日本政府の支援により、防災及びレジリエンス(強靭性)強化事業を2017年3月から実施しているが、その一環として、コミュニティの災害への備えと対応力、回復力を高めるため、合計4か所で浄水施設を建設した。

この施設には日本企業の日本ポリグル社による製品が活用されている。「ポリグル」と呼ばれるパウダーは水中の不純物を吸着させ、不要な物質が水の底に沈み残りは透明な水となることから、その水を濾して塩素処理することで飲料水として使用することが可能となる。この処理を経た水は、同国水資源省による水質検査を受け、世界保健機関(WHO)の基準を満たしていることが証明されている。今年のシエラレオネは雨季の始まりが遅く、6月が正に乾季最後の時期だったため、どのコミュニティでも水不足が深刻であり、そんな中で開催した引き渡し式では、コミュニティの人々から安全な水の提供に対する感謝の声が口々に上がり、各郡議会代表者からもIOMのパートナーシップと日本の技術が高く評価された。  

IOMは、これら4つのコミュニティにおいて、各10名の代表からなる水管理委員会に対し施設の維持管理に関する研修を実施し、今回の式典後にはフォローアップの研修を行った。今後は各コミュニティ自ら施設を活用していくため、コミュニティが持続可能な施設運営を行えるよう、IOMは今後もモニタリングを続けていく。

2017年8月には、これらに先駆けて建設した浄水施設をフリータウン近郊のマイル6(2015年に発生した洪水被災者の再定住地)で引き渡しており(活動紹介はこちら)、コミュニティによる維持管理の下、継続的に活用されている。今回建設されたものと合わせて、5カ所の日本の支援による浄水施設が、約16,700人に活用されている。





☆‥…・IOM中東・北アフリカ地域事務所 有給インターン募集・・…‥☆

エジプト・カイロのIOM中東・北アフリカ地域事務所では、有給インターンを募集しております。

シリア、イラク、イエメン、リビアを含む、中東・北アフリカ17ヶ国の移民・難民にかかわるIOMの保健・医療事業の全般的なサポートをしていただきます。将来、国際機関でのキャリアを目指している方にお勧めです。医師である必要はありません。

担当地域がフランス語圏を含むため、英語の他にフランス語ができれば選考審査に有利です。応募締め切りは8月1日です。

応募方法等の詳細は、以下のTORをご覧ください。
http://www.iomjapan.org/ckfinder/userfiles/files/IOM_Regional_Office_MENA_Migration_Health_Intern_Jul2018.pdf

※IOM駐日事務所は、本募集に関するお問い合わせには対応できかねますので、予めご了承ください。
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☆‥…・3/1国際ワークショップ 開催されました・・…‥☆
平成29年度  外国人の受入れと社会統合のための国際ワークショップ「外国人と進める地域の活性化」が2018年3月1日、 かつしかシンフォニーヒルズで開催されました。約160名の皆さまにご参加いだきました。

ワークショップの報告書は完成次第、以下のページに掲載し、当メルマガやIOMウェブサイト・ソーシャルメディアでもご案内します。
http://www.iomjapan.org/publications/jointworkshop.html
(過去のワークショップの報告書も掲載しています。)
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☆‥…・IOMの最新の活動はこちらでチェック!・・…‥☆
【IOMによる移民関連ニュースのまとめ The Migration Newsdesk】(英文)
(最新版 2018年7月27号)
 ラオス洪水、エチオピア国内避難民 他
 http://www.iom.int/newsdesk/20180727
【IOMグローバル・ブログ】
 http://weblog.iom.int/
【オンライン・ブックストア】
↓IOMの出版物が入手可能。ほとんどがダウンロードできます↓
 http://publications.iom.int/
 2018年版「世界移住報告書」
 人の移動のダイナミクスの広い視野からの説明と、
 人の移動を形成し、問題を生み出している複雑で新しい課題への詳細な分析
 https://www.iom.int/wmr/world-migration-report-2018

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