国際情勢

IOM国際移住機関 “Migration”

IOMは世界的な人の移動(移住)の問題に取り組む国際機関です。IOMが世界各地で実施している、人身取引対策や人道復興支援などの活動紹介を現地からのレポートを織り交ぜてお送りします。

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【IOMニュース】移住は世界の利益- 国際移民の日(12/18)に寄せて

2010/12/16




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       移住は世界の利益 - 国際移民の日に寄せて    
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↓写真入りのウェブ記事はこちら↓
http://www.iomjapan.org/news/press_232.cfm


IOMは12月18日の国際移民の日に寄せて、各国の政府は移住のもたらす利益に目を向け、広く国民とそのビジョンを共有すべきだと訴えた。

多くの政府が短期的な対応をして、移民を景気回復の重荷や福祉国家の負担としてみなしているため、移民がもたらす社会へのプラスの側面にしばしば疑問がもたれている。

しかしながら、移民の社会への貢献は随所に見られる。今年発表された大学ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究によれば、東欧からの新規の移民は2008年から2009年にかけて、公共サービスで受けた利益よりも37%多く納税していた。多くの移民が公共医療で不足している医師や看護師、清掃などの必要不可欠な仕事に就いている。最近の他の研究でも、移民のコミュニティがイギリス経済にプラスの要因をもたらしていると指摘している。

米国大統領経済諮問委員会によると、アメリカ生まれのアメリカ人に、約370億ドルの収入が移民によるアメリカ経済への参加を通じてもたらされている。アメリカでは自営業を営む人の10人に1人以上が移民。

「こういった事例があるにも関わらず、未だに移住に対して強い風当たりがあります。議会、街中、食事の席などでも、移民が国のアイデンティティや治安、雇用、医療、社会福祉に与える影響について白熱した議論が交わされています。しかし、残念なことに、これらの多くの議論は社会と経済の現状ではなく、主観や作り話に基づいています。移住は今もこれからも、経済的、社会的、人口統計的な世界規模の動向に影響されるため、無視することのできない課題です。」とウィリアム・レイシー・スウイングIOM事務局長は言う。

最近IOMが発表した世界移住報告書(※注)によると、過去20年間と同じペースで増加すると、国際的な移民は2050年までに4億500万人に達すると予想されている。

世界の先進国の人口が2050年までに25%ほど減少することが移民急増の一因。途上国の労働力が2005年の24億人から2040年には36億人に増加する一方で、先進国では移住労働者への需要が大幅に高まる。

その国の国民ができなかったり、やりたがらなかったりする仕事から研究開発まで、さまざまな技能レベルの移住労働者が多くの国で必要となる。保健、保育、介護、公共サービス、サービス業、農業、建築業などの分野が含まれる。

世界銀行の推計では、人口が減少している国々が2001年から2025年の間に、1,400万人の移住労働者を受け入れて労働力をわずか3%増やした場合、世界経済に3,560億ドルの利益があり、その大半が途上国に流れる。

「こういった数字は経済だけのことではないので、人的な側面も考慮しなくてはなりません。経済成長は人的・社会的開発や安全保証と一体です。世界の様々な地域で移民の送金が極度な貧困をなくし、食卓に食糧を、家族には家を、子どもたちには教育を提供しました。結果として、移民だけでなくそれ以外の世界の人々にも、よりよい未来がもたらされるのです。」とスウィング事務局長は言う。

移住問題は存在し続けるため、各国政府は、移住管理の「理想的シナリオ」と「間違ったシナリオ」の間で選択を迫られている。

「間違ったシナリオ」は、不安や短期的な視点に基づく現在の典型的な施策。制限的な移民政策や、移住に関する国・地域・国際レベルそれぞれでの対話の不足が特徴。

一方で理想的なのは、移住は世界経済の重要な一部で、移民は現在の経済危機から完全に抜け出すために不可欠な要素であるとの認識を高めること。政府には、増え続ける労働移住への需要に応え、移民の人権を守り、移民の出身国と受け入れ国との間で定期的な対話を促進し、双方の国に移民が社会経済的な貢献をしていることに着目する施策が求められる。

「課題は人々の移住への欲求と人の移動に関する国の主権とのバランスを取り、人道的で公平な解決策をみつけることです。移民の人権を保障するだけではなく、移民が受け入れ国の文化や法律を敬うように協力していくことが重要です。」とスウィング事務局長は締めくくった。


(※注)「世界移住報告 2010年版」の全文(英文PDF)は、下記のIOM本部ウェブサイトでダウンロード可能です。

↓World Migration Report 2010本文↓
http://publications.iom.int/bookstore/index.php?main_page=product_info&cPath=37&products_id=653&language=en 

↓Executive Summary↓
http://www.iom.int/jahia/webdav/shared/shared/mainsite/published_docs/wmr-2010/WMR-Executive-Summary.pdf 

↓プレゼンテーション↓
http://www.iom.int/jahia/webdav/shared/shared/mainsite/published_docs/wmr-2010/WMR%202010_FINAL_23_11_2010.pdf

 


☆‥…・☆‥…・  報告書  ・・…‥☆・・…‥☆

【外国人の受入れと社会統合のための国際ワークショップ 報告書】
IOMは2月20日、外務省、及び神奈川県と、「外国人の受入れと社会統合のための国際ワークショップ―受入れ社会における意識啓発と外国人に対する情報提供を中心にして」を横浜市で共催しました(協賛:三井物産株式会社)。

↓以下のページで、ワークショップの報告書を分科会の成果物とともに公開↓
http://www.iomjapan.org/archives/symposium.cfm 

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☆‥…・☆‥…・IOM出版物のご案内・・…‥☆・・…‥☆

New! 【IOM機関誌 "Migration" 2010年冬号発行】
特集「パキスタン洪水被災者支援」
↓英文PDFはこちらからダウンロードできます↓
http://www.iomjapan.org/archives/Migration2010winter.pdf

【人身取引被害者のためのIOMハンドブック】
日本語版を日本政府の支援により発行。これまでのIOMの経験を要約・体系化し、包括的な被害者保護と支援に関する実務者向けの指針を提供しています。
http://www.iomjapan.org/act/trafficking_012.cfm

【IOMオンライン・ブックストア】
英語、スペイン語、フランス語の450タイトルがクレジット決済で注文できます。
ご注文いただく書籍の他にも、無料でダウンロードができる出版物も多数用意しています。
http://publications.iom.int/bookstore/

【人身取引対策アニメ「夢のゆくえ」ワークショップ教材に最適】
主に東南アジア地域で、若者の人身取引への意識を高める活動や、被害者の社会復帰支援、入国管理局などの政府関係者やNGO職員向けのトレーニングで使用されたアニメーションです。
↓ハイライトシーンや日本語版DVDの入手方法など詳細はこちら↓
http://www.iomjapan.org/dream/index.cfm

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☆‥…・☆‥…・移住・移民に関するメディア紹介・・…‥☆・・…‥☆

【ディスカバー・ニッケイ -日系人のためのコミュニティ・ウェブサイト-】
日系人のアイデンティティ、歴史、体験をテーマとした、コミュニティ・ウェブサイト。オンラインスペースを通して、日系人の多様な体験、文化、歴史などをお互いにシェアしあい、見聞を広め、互いにつながりを深めることを目的とします。日本語・英語・スペイン語・ポルトガル語の4カ国語で利用が可能です。
↓詳細はこちら(全米日系人博物館運営)↓
http://www.discovernikkei.org/ja/

【多文化情報誌"Immigrants"(イミグランツ)】
日本の人口が減少する中で、どのように在日外国人との共生をめざすかを考え、日本人と外国人の交流の輪を広げるため創刊。
↓詳細はこちら(株式会社 移民情報機構ウェブサイト)↓
http://www.imin.co.jp/

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創刊日:2005-08-26  
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発行周期:不定期(月2〜3回)  
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