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花岡信昭メールマガジン

政治ジャーナリスト・花岡信昭が独自の視点で激動の政治を分析・考察します。ときにあちこち飛びます。

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花岡信昭メールマガジン196号

2006/03/01

★★花岡信昭メールマガジン★★ NO.196号<2006・3・1>

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<<NHK批判の「落とし穴」>>

 トリノ五輪で日本は「金1個」に終わったが、ふだん、国を挙げてスポーツ振興につとめようなんてことはしていないのだから、五輪のたびに慨嘆していても仕方ない。その貴重な金メダルを取った荒川静香のNHKの中継映像をめぐって、またぞろ、「偏向批判」が飛び出した。

 とにかくトリノ五輪全体の平均視聴率はNHK8・3%、民放7・1%だったが、荒川が出たフィギュアスケート女子フリーは31・8%だったというから、驚異的な高率だ。そこで、荒川は表彰式で「君が代」を歌い、これがまた好評だったものだから、そのあとのNHKの中継が非難の集中砲火を浴びることになった。昨夜、ある会合があったのだが、この話で持ちきりで、「またNHKはやったのか」といきり立つ向きも多かった。

 というのは、荒川は表彰式のあとのウイニングランで、日の丸を身にまとってリンクをまわったのだが、この模様をNHKは「意識的にカット」したのだという。

 下記はあるサイトで、あちこちに転載されて出回っている。

< NHKの恐ろしい偏向体質がまた露となりました。荒川静香選手が金メダルを獲得した時にNHKは表彰でのメダル授与の場面やスケーティングの様子ばかりを再三再四にわたり放映しましたが、荒川選手はメダルを首に掛けてもらった後に日の丸をまとってリンクを周ったのです。なぜ、NHKはこの様子をあえて意図的に排除しているのでしょうか。この場面こそ最も感動的ではないでしょうか。NHKは日本国民が愛国心を抱くような場面を検閲し、日の丸を愛するような気持ちを抱かせぬために情報統制を行っていると言わなければなりません。NHKは”公共放送”です。このような超偏向的な報道をして許されるのでしょうか。偏向報道で国民を騙し続けれると思っているのでしょうか。NHKにはいい加減に「反日」偏向報道を止めてもらいたいです。>
http://ryutukenkyukai.hp.infoseek.co.jp/masscomi3.html


 NHKがこの感動的な場面を故意にカットしたのだとすれば、現場のプロデューサー、ディレクターあたりの判断か、それとも東京の判断か。現場でとっさに「これを映してはまずい」という判断が働いたのだとすれば、「日の丸忌避意識」がそこまで徹底していることになるのだが、一方で、「オレは日の丸もってリンクをまわっているのを見たような気もするなあ」という声もある。

 筆者は原稿執筆の段取りが狂って明け方までパソコンに向かうことがままあり、この夜も(明け方も、と言った方が正解か)フィギュアが気になって、ときどきテレビをつけたりしていた。金メダル決定の瞬間は見たのだが、それだけ確認してまたパソコンに向かったので、肝心のくだりは見ていない。

 そこでNHKの友人に聞いてみた。荒川が本当に日の丸を身につけてリンクをまわったのなら、それをカットする手はないだろうに、と。

 返ってきた答えはこういうものだった。

< さっそく、関係者に確認しましたので、ご参考までにご連絡します。

△まず、ご理解いただきたいのは、オリンピックの中継映像については、「オリンピック放送機構」という国際的な共通の映像で放送しています。したがって、NHKが単独で中継映像を撮っているわけではありません。

△次に荒川選手のケースについては、国際的な共通映像は、演技の部分と表彰式の模様の中継で配信が終了したので、その後のウイニングランの映像については、送られてきていません。つまり、放送しようにも中継映像がないというわけです。

△このため、NHKは、ニュース用の単独のカメラでウイニングランの模様を撮影し、その映像を回線で送り、昼のニュースから放送しています。

国民にとって喜ばしい金メダル獲得やウイニングランの模様を何か別の意図で止めることなどはありえませんので、ご安心ください。国際共通映像の仕組みが日本ではまだ、十分、理解されていないので、一部に誤解が生まれるのではないかと思います。 >


 以上がNHKの友人からの回答である。話というのは聞いてみるものだ。ものごとは一面的に見て独断的に判断してはいけないということの見本である。

 つまり、国際映像の送信の約束で、競技と表彰式だけはリアルタイムで送ることになっていたということだ。「オレは見たことがあるような気がする」という人はニュースを見たのであろう。

 したがって、ウイニングランの模様も国際映像に含めるという事前の協議がなされていれば、日本の視聴者はリアルタイムで「日の丸ウイニングラン」を見ることが出来たということになる。国際映像というからには、参加した世界中の放送局に同じものが送られるわけだから、他国の選手のウイニングランなどほとんど関心は呼ばないだろう。たまたま、荒川が唯一の金メダルを取ったことによって、「ウイニングランは契約に含まれていなかった国際映像」の実態が判明したということになる。

 さあ、以上の事実を踏まえて、なおNHKの偏向非難を続けるべきかどうか。ここはフェアーにいきたい。朝日新聞とのトラブルに発展した「女性国際戦犯法廷」などはまさに論外だが、今回のケースを持って「偏向!」と断じるのはいかがなものか。

 ものごとは多面的、多角的に見なくてはいけないということを、自戒を込めて再認識した次第である。




<<花岡の拙稿>>

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★読売ウイークリー 2月27日発売号「政々流転」
★世界週報 2月24日発売号「解剖・混迷政局」
★現代警察 111号 「セレクト情報 国内政治」
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★漁火 「警鐘」3月1日号

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創刊日:2005-07-03  
最終発行日:  
発行周期:原則日刊  
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  • 2006/03/02

    このNHK職員の話は失礼ですが、嘘です。国際映像では荒川選手のウィニングランは海外では放映されており、後にニュースでNHKが独自の映像を流したと言うのも、嘘。女子フィギュアは冬のオリンピックの華であることは世界の常識ですから、この言い訳は成り立たないでしょう。私は特に注目して中継を観ていましたが、表彰式のあとのウィニングランを待ちかねていると、NHKは他の場面をかぶせて、見れなくしてしまったのです。果ては壁を写したり、天井を写したり。その後ネットで荒川選手が日の丸の旗をひらめかせて滑る美しい写真が多数掲載されました。若者たちが、海外でビデオにとって持っている人がいないか、懸命に探しているようですが、現時点ではまだ見つからないようです。