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『メルマガFPS』

映画フィルムを映像文化財として考える「映画保存協会」のメールマガジンです。当会の活動や催し情報などについてお伝えしていきます。映画は時代を映す貴重な文化財!観る/作る以外の映画の楽しみ方にご興味がある方はぜひ!

メルマガ情報

創刊日:2005-05-10  
最終発行日:2018-05-25  
発行周期:月刊  
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映画保存協会メールマガジン『メルマガFPS』 Vol.151

2018/05/25

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§1.【レポート】ロシアでモスフィルムに行ってみた!(プレゼント有り)
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5月のゴールデンウィークを利用してモスクワにあるロシア最大の映画撮影
スタジオ「モスフィルム」に行って来ました。

というのも、以下の記事を偶然目にしたことがきっかけです。
日本人を驚かせるかもしれないロシアの「ハリウッド」の5つの側面
https://jp.rbth.com/arts/79678-roshia-no-hollywood

モスフィルムの名前は知っていましたが、まさかスタジオ見学が出来るとは。
早速モスフィルムのホームページから問い合わせ…なかなか返事が来なくて
ヤキモキしましたが、直前になってようやく「英語のガイドは無いけど、ロ
シア語でいいなら」という回答を得て、喜び勇んで出かけました。
スタジオ見学ツアーは基本的にグループツアーですが、個人でもグループツ
アーに空きがあれば一緒に参加できます。

モスクワの中心部から車で約20分。スタジオの名を冠した通り「モスフィ
リモフスカヤ・ウーリツァ」に面する広大な敷地がモスフィルムです。
通り沿いには数々の作品の看板がズラリと並び、『戦艦ポチョムキン』『イ
ワン雷帝』『惑星ソラリス』『不思議惑星キン・ザ・ザ』といった名作がこ
の撮影所から生まれたのだと思うと胸が高鳴ります。

受付がある小さな建物に入ると、すでにツアーに参加する皆さんが。一眼レ
フを持った若者グループ、老夫婦、子供連れの家族…平日でしたが意外にも
たくさんの人が並んで待っていました。
ロシア語を解さない私は、英語も何も無い環境に不安な気持ちだったのです
が、時間になるとツアーガイドの女性が名簿を持って名前を呼びに来ます。
自分の名前を呼ばれて、別の建物で460ルーブル(約820円)を払い、
無事エントリー完了。

20人ほどのツアーにマイクロフォンを持った女性ガイドが付き、それぞれ
の建物ごとに説明してくれます。ロシア語が分からないのでただ見るだけで
したが、時々大きな笑い声が起きていたので、ユーモアたっぷりに説明して
いたのでしょう。30代位のその女性ガイドはきびきびと、自信に満ちた口
調で説明していました。

広大な敷地にはスタジオのほか、備品(車や衣装、戦車まで)が置かれてい
る倉庫や事務所が入るビル、中世ヨーロッパを復元したロケセットもありま
す。
18世紀頃のイギリスの町並みの後ろに、近代的な高層ビルが見えるのは不
思議な光景でした。
敷地の所々には、おそらく有名な監督やキャメラマンだと思うのですが銅像
が置いてあり、その足元に小さく花が供えられているのも、モスクワの街中
でもよく見かける、実にロシアらしい光景でした。

現在モスフィルムは映画撮影以外に、テレビの討論番組や音楽番組の制作も
行っているようで、大きなスタジオセットの一角では男性二人のコンビがロ
シアの民族楽器の練習をしており、その脇でインカムを付けた若いスタッフ
が忙しそうに働いていました。
スタジオの中は写真撮影可です。珍しいポスターやセットの前では皆が撮影
大会。「インスタ映え」の波はモスクワでもすっかり定着しています。私も
ここぞとばかりに写真を撮り、壁に『デルス・ウザーラ』のスチル写真を見
つけて大興奮。

それでも感心したのは、ガイドのレクチャー中、参加者は皆スマホやカメラ
をいじる手を止めて静かに説明を聞いていたことでした。こういう時お喋り
してはいけないと、子供の頃から教えられているのでしょうか。
たっぷり1時間半に渡るツアーが終わった後、皆さんが自然にガイドへ拍手
を送っていたことも温かな気持ちにさせました。

ツアーの後半にはソ連製のキャメラやフィルムが並んだ棚を見学できます。
数があまりに多いのでしょう、一部のみの展示だとは思いますが、それでも
普段見ることができない珍しい品々を目にして気持ちが高ぶります。
その展示ケースの真ん中には、モスフィルムのオープニングに出てくる有名
な像「労働者とコルホーズの女性」が。
その隣には小さなお店もあり、モスフィルムグッズがたくさん。とにかくテ
ンションの高いおばさんがニコニコ、楽しげにTシャツやマグネットを勧め
ます。なかなか商売上手です。

外国人にはあまり馴染みのないツアーですが、映画好きならロシア語が分か
らなくても十分楽しめる内容でした。
ツアーの概要と申し込みは以下のページから。モスクワへ行ったら映画の思
い出作りにぜひいかがでしょうか。(天野)

<MOSFILM TOURS>
https://en.mosfilm.ru/fans/excursion/

■プレゼント■
見学の記念にお土産を用意しました!2名の方にモスフィルムのキーホルダ
ーとボールペンをお送りします。
ご希望の方はメールの題名を「モスフィルムのプレゼント応募」として、
info@filmpres.orgまでメールでご応募ください。

1)お名前
2)郵便番号
3)お送り先の住所
4)連絡が取れるメールアドレス

上記を明記の上、2018年6月22日(金)までにご応募ください。当選
は発送をもって代えさせていただきます。

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§2.【映画保存見聞録 第41回】ジョージ・イーストマンの来日
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2018年3月、京都の円山公園にある左阿彌(さあみ)という料亭に行っ
てきました。ここは100年近く前にコダック創設者ジョージ・イーストマ
ンが来日した際、小西六商店が歓迎の宴を催した場所。その史実を思うと背
筋が伸びる思いでした。

イーストマンは1920(大正9)年4月10日の出国から5月30日の帰
国まで、富裕層の仲間たち総勢11名による3ヶ月の優雅な旅を楽しみまし
た。とはいえ、もちろんビジネスの目的もありました。

当時の日本からコダックに対する新製品の予約数はヨーロッパ全土からの予
約数に匹敵するほどで、一方のコダックも日本からフィルムベースの原料「
樟脳」を大量に仕入れていました。その頃、樟脳は日本の(主に植民地・台
湾の)特産物だったのです。つまり、映画フィルムの製造販売業を成立させ
る上で、両国は持ちつ持たれつの関係にありました。

伝記を捲っても、イーストマンが具体的に日本のどこを訪れ、そして何を思
ったのか詳しくはわかりませんが、東京では三井財閥の迎賓館(現「綱町三
井倶楽部」)に招かれて西洋建築の模倣に眉をひそめ、京都では和風建築の
美しさを手放しで称えました。また、事あるごとにカメラマンにフラッシュ
をたかれた経験から、日本における写真文化の浸透ぶりを理解しました。「
この国はいつか映画フィルムの製造に着手するかもしれない」と思ったかど
うかはわかりませんが、海外の文化を素早く取り入れて改良する器用さに感
じ入ったことは確かなようです。

人物では、渋沢栄一や目賀田種太郎等と親交を深めました。とくに渋沢は1
921年秋の渡米時にコダックの本拠地ロチェスターを訪れ、イーストマン
の邸宅(現ジョージ・イーストマン博物館)に宿泊し、翌日はコダックの工
場見学を許されています。1909年に同地を訪れた日本人2名は、警戒さ
れ見学を断られたそうですから、誰でも歓迎というわけではなかったはずで
す。

1923年に関東大震災が起こると、イーストマンは渋沢の求めに応じて2.
5万ドルを救済基金に寄付。米国では1924年に「排日移民法」が施行さ
れますが、これにも賛同はせず、中立的立場を貫きます。

巨額の富を築いたイーストマンも晩年は病に苦しみ、1932年3月14日
に77歳でピストル自殺します。富士写真フイルム設立は、その2年後のこ
とでした。つづく(K)

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§3.【連載レポート】映画保存関連のイベントに参加して(12)
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2018年4月22日(日)に東洋大学白山キャンパスで開かれた日本アー
カイブズ学会2018年度大会の参加レポートです。
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4月21日(土)と22日(日)に開催されていました日本アーカイブズ学
会にお邪魔しました。フィルムアーカイブだけでなくアーカイブズに関する
様々な発表がありました。筆者が参加した22日(日)は自由論題研究発表
、ポスター研究発表、企画研究会シンポジウムの3つに分かれていました。

その中でフェリス女学院大学教授の春木良且氏による政策ニュース映画に関
する発表は興味深かったです。
ニュース映画とはテレビが一般の家庭に登場する前から、映画館で本編前に
上映されていた数分ほどの記録映画のことです。春木氏の発表はニュース映
画の中でも地方自治体が制作した「政策ニュース映画」についてでした。
春木氏は川崎市が社団法人神奈川ニュース映画協会に委託して制作した「川
崎市政ニュース」の全717本を分析し、史料としての価値の高さを指摘さ
れていました。

驚いたことに「川崎市政ニュース」は平成19(2007)年まで制作され
ており、神奈川ニュース映画協会で制作されたものが日本で最後に映画館で
上映されたニュース映画だと言われています。

現在、川崎市や神奈川県のホームページや資料センターなどで視聴が可能で
す。
帰宅後、筆者は複数のホームページを調べたところ、簡単に視聴することが
できました。しかし、「なつかしの市政映画」、「なつかしの広報映画」、
「県政のニュース映画」などホームページごとで名称が異なっています。
今後インターネットに公開されているニュース映画の名称が統一されれば、
検索しやすくなるかもしれません。
またインターネット上で公開されているニュース映画の中には音楽が追加さ
れ、改変されているものあるそうです。このような改変版を公開するのでは
なく、オリジナルのまま公開することが重要だと思います。

問題はこれらの保存方法だと思います。デジタル化しただけでは長期保存は
難しく、フィルムでの保存が最適でしょう。
しかし、行政刊行物として扱われた政策ニュース映画は地方ごとに扱いが異
なり、きちんと保存されることなく、フィルム劣化など問題を抱えているも
のも多いと春木氏は指摘されていました。
商業映画だけでなく、このようなフィルムを救うことも必要でしょう。市政
ニュース映画は様々な分野で思わぬ発見が数多くあるため、その地域の宝に
もなると思います。

日本アーカイブ学会は初めての参加でしたが、他にも民間団体のアーカイブ
ズや、オーストラリアとニュージーランドの公文書管理制度を分析した面白
い発表もありました。会場には若い方も多く参加していたので、幅広い世代
からアーカイブズに関心が高まっているように感じました。(萩山祐毅)

ご参考:川崎市映像アーカイブ
https://www.kawasaki-movie-archive.com

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§4. 光影流年−中国映画保存報告 第46回
    映像アーカイブを利用した「温故知新」のドキュメンタリー
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台湾の国立映像アーカイブ、國家電影中心が保存する映像を使ったショート
ドキュメンタリーシリーズが、2018年5月4日〜13日に開かれた台湾
国際ドキュメンタリー映画祭(TIDF)で上映されました。
映画祭の事務局は國家電影中心の下部組織にあることから、古い映像を生か
した新しいコラボレーションが生まれています。
少し長いですが、面白い試みだと思いますのでご紹介します。(天野)
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昔の映像が持つ価値と新しい意義を表現するため、公視(訳注:台湾公共テ
レビ、台湾の公共放送を運営する財団法人)と國家電影中心、台湾国際ドキ
ュメンタリー映画祭がショートドキュメンタリーシリーズ「時光台湾」を共
同制作した。14人の監督が昔の13の映像を使い、様々な視点を表してい
る。
14人の監督の内、侯季然と姜秀瓊は姿を消した愛猫と、早くに亡くなった
同級生にカメラを向け、同性愛や家庭、死という問題を取り扱った。新旧の
映像が対話する中で違う時代が結びついた、「温故知新」だ。

「時光台湾」は國家電影中心が保存する古い映像を使い、監督が自由に作品
を創作する試みだ。
この計画のため、國家電影中心は14人の監督をフィルム保管庫に招き、各
種資料やリストを出来るだけ揃えた。
例えば沈可尚監督の『時光中』は父親との交流がテーマなので、父親が若い
頃の映画、また、温知儀監督の『引商おばさんとの対話』ではベテラン女優
の劉引商が主役なので、劉が最初に主演した作品『砲道終点』の映像を準備
し、さらに中視(訳注:台湾のテレビ局、中国電視公司)に許可を取って、
劉が出演した台湾初の連続テレビドラマ『晶晶』の場面を取り寄せた。

数多くのドキュメンタリー作品で歴史映像を取り上げたことも多い侯季然監
督は、『剪刀找猫』(訳注:ハサミで猫を探す)の中で、愛猫のムジがいな
くなったことを起点として、國家電影中心と個人の映像資料を活用した。ド
キュメンタリーの小品ではあるが、この作品は彼に資料保存の重要性を気づ
かせたという。

残った映像は記憶では到達できないような細かい事を発見できるという。古
い映像を発掘する中で、侯季然は以前は気づきもしなかった映像や、そして
それが時間と共に消えていくことを改めて感じ、再び目にした時は「タイム
トンネルの中にいる感じだった」と話した。

猫のムジは8年間、侯季然の家にいた。ムジの画像はすべて侯と家族の携帯
電話に残っている。
侯季然はこの間4つの違う種類の携帯電話を持っていたが、以前撮った猫の
画像を見るために古い携帯電話を探し出し、さらに専用の充電ケーブル等も
見つける必要があった。残った画像を確認する中で、侯季然は覚えていない
細かな点があることに気づき、『剪刀找猫』の中で以前撮影したフィルムや
親しい人たちの映像を「回収」することにした。

映画の題名『剪刀找猫(ハサミで猫を探す)』とは、ハサミを家の入口に向
けて水平に置き、心の中で猫の名前を呼ぶと、不思議な力が猫を連れて帰る
というネットの伝説から来ている。
家族の一員であるムジが突然消えたことは、早くに亡くなった父親のことを
侯季然に思い出させた。子供の頃の彼にとって、それは突如やって来た欠席
であり、時と共に失われるものだった。

映画の中で侯季然は、両親が若い頃に列車に乗って旅に出た時の写真を見つ
ける。自強号(訳注:台湾の特急列車)や高速道路が開通したばかりの頃の
シーンだ。
「後で國家電影中心の資料映像を使ったのですが、カラータイミングの時に
古いカラー写真が同じ色をしているな、と気づいたのです。赤く変色してい
ました」

もう一人の監督、姜秀瓊はショートフィルム『太陽雨』で大学時代の同級生、
劉智和を追った。26歳の劉は1995年に突然この世を去った。姜秀瓊に
とって彼の死は「まるで生命の裂け目」のように感じたという。
撮影時に姜秀瓊は意外な事実を知る。それは劉が同性愛者であることを両親
に知られないように、同級生が彼の日記を焼き捨てていたことだった。

姜秀瓊は話す。「私も母親ですが、これを聞いて非常にショックでした。で
も、同級生にとっては劉を助けるための、親切な気持ちだったかもしれませ
ん。今とは違う時代ですから」

日記は灰となったが、幸いにも劉の文集は残っていた。『太陽雨』では劉の
親しい友人を訪ねて以前の学校生活を再現した。
撮影とインタビューを進める中で、姜秀瓊は一部の同級生が大学生になって
ようやく「同性愛」という3つの文字を知ったことに気づく。

言うまでもなく、1990年代初頭の同姓愛に対する台湾社会の理解は、姜
秀瓊が國家電影中心のデジタル資料アーカイブで検索した、「同性愛」とい
うキーワードが1件もヒットしなかったことに表れている。
「同性愛者のシーンを探したかったのですが、あの時代で残っていたのはい
わゆる“美しい”“スタンダードな”生活スタイルで、見つかる訳がありま
せんでした」

そこで姜秀瓊は「聯考(訳注:台湾の大学共通入試)」のモノクロシーンに
焦点を変えて昔の映像を探した。「入試を経て、私は台湾芸術学院で劉智和
と知り合いました。そこで小さい頃から好きだった芸術に出会ったのです」

「時光台湾」シリーズ撮影のため、姜秀瓊と侯季然は多くの古いフィルムを
鑑賞した。しかしこれらの映像は時代的な環境という制限を受け、周到に表
現された世界だという印象が残るようになったという。

「なぜなら、これらの資料は官製の台影(訳注:台湾電影文化公司)のニュ
ース映像だったからです。より公明正大、より美しい方法で描かれた生活で
した」と侯季然は話す。また、彼は「すべての資料映像が過去の“正しい生
活”に対するイメージの総集編のように思えました。1950年代から80
年代の映像資料は「台湾民国」の美学と意識形態の結晶体です」と指摘した。

しかし、資料映像の引用で豊富な経験を持つ侯季然は、特定の物が見つから
ない時にこそ、自由な視点で関連する資料を見るべきだと話す。もしかした
ら思いもよらない結果が見つかるかもしれないからだ。

例を挙げると、彼が3年前に制作した台湾民歌のドキュメンタリー『四十年』
は、民歌運動初期の歌手、李双沢を追った作品だが、映像をくまなく探して
範囲を広げていった結果、華視(訳注:中華電視公司)のニュースが撮影し
た彼の葬儀の際の珍しい映像にたどり着いた。

古い映像の保存でいえば、侯季然が2004年に監督したドキュメンタリー
『台湾黒電影』でも深い経験がある。
これは1979年から83年にあった台湾の「社会写実映画」を取り上げた
作品で、スタッフが『女王蜂』(訳注:1981年上映の台湾映画)のフィ
ルムコピーを個人の倉庫で見つけ、國家電影資料館(國家電影中心の前身)
に購入するよう要請した。
「しかし、当時、映画保存のための国の予算は年間でたったの36万元しか
ありませんでした。仮に海外の人にフィルムを寄贈したとしても、輸送費で
すら足りない金額です。どうやって映像を買うなんて出来るでしょうか」

昨年、国の映画資料保存(収集、保存、研究、宣伝等)の予算は4700万
元(日本円でおよそ1億7180万円)になったが未だ不足しており、外部
に向けて寄付を募っている状況だ。

「時光台湾」シリーズの作品は、古い映画の余力を新しい作品に活用して、
侯季然、姜秀瓊らクリエイターが広くは国家、狭くは個人の映像保存の問題
まで指摘したものだ。映像は記憶であり、記憶を残すことでようやく歴史と
文化の累積があるのだ。(了)

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※上記は台湾のメディア「鏡週刊Mirror Media」に掲載された記事から一部
抜粋、翻訳したものです。元記事と「時光台湾」の予告動画が以下からご覧
いただけます。
https://www.mirrormedia.mg/story/20180511insight001/

台湾国際ドキュメンタリー映画祭(TIDF)「時光台湾」プログラム
http://www.tidf.org.tw/en/category/shows2018/5322 (英語)

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§5. 【HMD通信 第39号】「BINARI 線路」
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2016年秋、イタリアのサルデーニャ島カリアリのチネテカ・サルダが、
鉄道、路面電車、地下鉄等、乗り物の記録されたホームムービーを世界中の
HMD会場から集めて10分の作品「BINARI 線路」を制作しました。
日本からはHMD京橋の「今年の一本」を提供。都電の映像が冒頭で使用さ
れています。今回はじめて拝見して、本当に美しい作品に仕上がっているこ
とに驚きました。

残念ながらこの作品は権利の関係でインターネット上に公開することができ
ないのですが、チネテカ・サルダは2018年も同種のプロジェクトを計画
しています。テーマが決まり次第告知いたしますので、ぜひご協力ください。

2017年、ボローニャやトリノ等6都市でHMDが開催されたイタリアで
すが、今年はなんと首都ローマで初開催される予定です。会場は......まだ
秘密ですが、予定通りうまくいきますように!

再掲:再びHMD全国チラシを作成します!
仮登録の締め切りは2018年6月末日です。
詳しくは以下をご覧ください。
http://homemovieday.jp/post/172580665101/home-movie-day-japan

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「ホームムービーの日」最新情報
http://homemovieday.jp/
twitter @hmd_japan
FB https://www.facebook.com/hmdjapan/

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§6. FPSからのお知らせ
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□■映画の復元と保存に関するワークショップ、8月に開催□■

13回目となる「映画の復元と保存に関するワークショップ」、今年は関西
に会場を移し、開催します。
日程:2018年8月25日(土)、26日(日)
会場:京都府京都文化博物館 3F フィルムシアター
※実習は8月24日(金)で調整中
※参加者の募集開始は7月に予定

詳しくは以下をご覧ください。
http://filmpres.org/project/project02/program2018/

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§7. その他お知らせ
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□■記録映画アーカイブ・プロジェクト ミニワークショップご案内□■

記録映画のアーカイブを活用して、映像を用いた多様な研究・教育の可能性
を再発見する連続ワークショップ(研究上映会)。
第10回目は、戦後の地域社会と伝統工芸を描いた作品を取り上げます。ゲ
ストには木漆作家の辻徹さん、結城紬と家族の地域史をテーマに研究してい
る湯澤規子さんをお招きして、伝統工芸と地域社会の労働や暮らしについて、
映像から考えます。

「戦後の地域社会と伝統工芸ー『うるし日記』と『結城紬』から」

日時:2018年6月20日(水)18:00〜20:30
(開場は17:30)
場所:東京大学本郷キャンパス工学部2号館93B教室
(地図 http://media-journalism.org/access
定員:80名(当日先着順・申し込み不要・参加無料)
※満員になった場合、ご入場できないことがありますのでご了承ください。

上映作品:
『うるし日記』(1947年/21分/理研映画/演出:東隆史)
『結城紬』年輪の秘密シリーズ(1959年/17分/岩波映画/演出:時
枝俊江)

お話:辻徹(木漆作家・日本文化財漆協会常任理事)、湯澤規子(筑波大学
准教授)

主催:記録映画アーカイブ・プロジェクト(東京大学大学院情報学環丹羽美
之研究室)
お問い合わせ:記録映画保存センター(運営窓口)
電話:03−3222−4249
Eメール: center_otoiawase★kirokueiga-hozon.jp(★を半角の@に変更し
てください)

□■『Gaumont 映画誕生と共に歩んできた歴史』展□■

1895年の創業から現在まで、120年以上に渡る歴史を誇る世界最古の
映画制作会社“Gaumont(ゴーモン)”。
いつの時代も映画界の新しい才能に光を当て、豊かなフランス映画の発展に
貢献してきました。

本展覧会では、1000本以上におよぶゴーモン映画の代表作から、映画の
ポスターや名シーンの上映、またゴーモン博物館の所蔵品から貴重な資料や、
Gaumontのアーカイブなどを特別に展示し、ゴーモン映画が映画誕生
と共に歩んできた歴史を辿る旅へと誘います。

※会期途中で場所が変わります。

日時:6月13日(水)〜24日(日)11:00〜19:00(最終入場
18:30)
会場:横浜赤レンガ倉庫1号館2Fスペース(横浜市中区新港1−1−1)
お問い合わせ:アンスティチュ・フランセ横浜(045−201−1514)、
横浜赤レンガ倉庫1号館(045−211−1515)

日時:6月27日(水)〜7月6日(金)11:00〜20:00(最終入
場19:30)
会場:YCCヨコハマ創造都市センター3F(横浜市中区本町6−50−1)
お問い合わせ:アンスティチュ・フランセ横浜(045−201−1514)

フランス映画祭2018 関連企画
『Gaumont 映画誕生と共に歩んできた歴史』展
http://www.institutfrancais.jp/yokohama/events-manager/gaumont/

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§8. 編集後記
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是枝裕和監督の『万引き家族』がカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞し
ましたね!日本映画のパルムドール受賞は21年ぶりとのこと。日本映画で
の久々の明るいニュースで本当に嬉しく思います。

帰国後インタビューでは、この21年間の変化を問われた是枝監督が「僕は
まだ撮影はフィルムにこだわって、今回もフィルムの質感というのは残って
いると思う」と話していました。今はデジタル撮影とDCP上映がほとんど
を占めていますが、時々こうして有名な映画の賞や監督の発言で、フィルム
の存在が忘れられないように続くことを願うばかりです。
『万引き家族』上映の際は映画館で、監督が大事にされているフィルムの質
感にも注意して観てみようと思います。(天野)

※「マラウイの視聴覚資料保存」今月号はお休みです。

最新のコメント

  • 名無しさん2009-10-18 22:16:56

    この時期にダム造りの映画を取り上げるセンスがとてもよいと思う。30年前、村を追われた人々やダムに期待をかけた人々のルポに興味を持ちます。行けるといいな。

  • 名無しさん2008-05-31 07:58:15

    とても示唆に富んだ内容で、まちづくり活動の仲間に知らせたい部分が多いのですが、転載禁止などと書いてあると、紹介しづらいです。商業目的ではない場合については、もう少し「みんなに伝えて」的なスタンスだと有難いのですが。