映画

『メルマガFPS』

映画フィルムを映像文化財として考える「映画保存協会」のメールマガジンです。当会の活動や催し情報などについてお伝えしていきます。映画は時代を映す貴重な文化財!観る/作る以外の映画の楽しみ方にご興味がある方はぜひ!

メルマガ情報

創刊日:2005-05-10  
最終発行日:2017-12-31  
発行周期:月刊  
Score!: - 点   

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

このメルマガは最新記事のみ公開されています。

映画保存協会メールマガジン『メルマガFPS』 Vol.146

2017/12/31

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
§1.【災害対策部】経過報告 Vol.58
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
久しぶりの投稿です。夏から秋にかけてコガタ社の引っ越しがありまして、
落ち着かない日々が続いておりましたが、ようやくひと段落しましたので、
災害対策部の連載も再開いたします。またどうぞよろしくお願いいたします。

年の瀬というのに、話題は今年の夏のことになってしまいますが、ふくしま
資料ネットの夏の歴史資料記録整理集中作業に参加しました。

作業は古文書の整理です。いくつかの班に分かれて、福島大学の学生の皆さ
んに交じって、午前中は資料の撮影です。和紙で作られた、商店の台帳のよ
うなものを1ページずつめくり、虫食いの部分は次の帖とくっついてしまっ
たりしているので、慎重にはがして、撮影しやすいように、竹ひごで押さえ
ながら撮影していきます。読めないながらに少しずつ文字を追っていく作業
が楽しいものでした。

午後はふすまの下張りをはがしていく作業に参加しました。何枚も重ねて貼
ってある和紙を少しずつ濡らしながら、丁寧にはがしていきます。学生の皆
さんは慣れた手つきで、ゆっくりでありながらも、「ここはいけそう」とな
るとぐっと進むことができて、その集中力にとても感心しました。
授業の一環ではありますが、学びながら博物館に実習に行ったり、こういう
作業が経験できるのは、うらやましいことだなと思いました。作業にはゼミ
のOBの方も来られていて、作業の手順が少しずつ受け継がれ、広まってい
くのだろうと思います。
一日の参加でしたが、私自身にとってもとてもよい勉強になりました。(N)

ふくしま歴史資料保全ネットワーク
http://www.geocities.jp/f_shiryounet/

●災害対策部ではボランティアを募集中!PCを使った作業です。
詳しくは以下をご覧ください。
http://filmpres.org/whatsnew/6017/

<災害対策部にご寄贈ください>
http://filmpres.org/project/sos/sos08/

<災害対策部>
http://filmpres.org/project/sos/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
§2.【連載レポート】映画保存関連のイベントに参加して(7)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2017年11月23日(木)、神戸映画資料館で開催された「ホームムー
ビーの日in神戸」の感想です。
--------------------------------------------------------------------
今回初めてホームムービーの日に参加しました。当日は7名の出品者からフ
ィルムの提供がありました。

出品者の方から上映中に生解説があり、1つ1つのホームムービーを楽しん
で見ることができました。
また、家族の思い出話をする方や、骨董市からフィルムを購入されて出品す
る方、映っている建物やイベントの情報を詳細に解説される方など全く飽き
ず鑑賞することができました。司会者の方のお話も面白く、会場からは笑い
があふれていました。

出品された物の中にはタイトルが入ったフィルムもあり、特に驚いたことは
上映リストにコダカラーが入っていたことでした。コダカラーの実物を見た
ことはあったのですが、映写されたものを見るのは初めて。スクリーンに映
写されたコダカラーはカラーで、フィルムが白黒とはとても信じられません
でした。

上映中に出品者の方が「フィルムをDVDに焼いてもらえばずっと残る」と
つぶやいたら、神戸映画資料館さんの支配人の田中範子氏から「少なくとも
現時点ではデジタル化=永久保存ではありませんので、フィルムも引き続き
大事にしてください」と鋭いツッコミが入りました。

途中、映写トラブルで上映が中断しました。しかし、すぐに原因が判明し、
上映を再開することができました。
ここまでスムーズに上映を再開できたのは、フィルムを使った上映だったか
らではないかと思います。デジタル上映の場合、何が原因で故障したか分か
らず、上映を再開できなくなり、上映中止になった経験が何度かあります。

今回は初めての参加でしたが、初めて会う方のホームムービーをここまで楽
しく見られることは驚きで、あっという間の90分でした。
次回も開催された時は参加できる範囲で参加したいです。

名古屋学芸大学 映像メディア学科4年 萩山祐毅

「ホームムービーの日」最新情報
http://homemovieday.jp/

twitter @hmd_japan
FB https://www.facebook.com/hmdjapan/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
§3. 光影流年−中国映画保存報告 第41回 
       上海電影資料館、30年の歴史
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今から30年前の1987年12月27日、上海にある映画アーカイブ「上
海電影資料館」がオープンしました。設立30周年を祝う上映イベントも行
われるそうです。(天野)
--------------------------------------------------------------------
30年前、上海電影資料館は国内外の映画及び映画資料を収集、分類、整理、
保存するために設立された。ゼロから始めて、現在では約3000作品のフ
ィルムや1000作品のデジタルコピーを有するまでに成長した。
12月27日、同館は設立30周年を記念して上海影城(訳注:上海市内の
映画館)で「海納万象 留駐時光−上海電影資料館優秀コレクション映画展」
の開幕式を行った。

■ゼロからスタート、急速に成長

30年前の12月27日、上海電影局の食堂両脇にある簡素な事務所から同
館は始まった。上海という、映画と深い縁のあるこの街は、自らの「家庭の
アルバム」を持つことになったのである。
当時、市民の映画に対する情熱は高まりつつあったが、普通の市民が市内の
映画館で海外の作品を観ることは難しいことだった。国内外の映画交流が活
発になる中、特に映画従業者に対する体験や学習、外国の優秀な映画を使っ
た創作経験を与えるため、上海電影局は同館の設立を決定した。
設立後、まず「国内外映画業務シンポジウム」を開催し、上海の映画業界、
メディア、大学の専門家、芸術家らや映画従業者に集中的に映画を見せ、討
論させた。この伝統は現在も継続しており、春、夏、秋の芸術映画サロンへ
と継承されている。

■時代に合わせ、絶え間なく変化

2006年以降、映画マーケットの変化や業界からのリクエストに合わせ、
同館は業務範囲を拡大した。早期映画の研究や学術交流といった基礎があり、
さらに、異なるタイプのブランディング活動を展開して映画ファンに興味を
持ってもらう活動だ。
現在、「影・鑑」公益講座は幅広い観客に間違いないと思わせる映画授業の
場となり、「青年監督海上影展」は4年を経て優秀な中国語映画を作り出す
舞台に成長している。また「IFD−跨文化電影日」は各国の駐上海総領事
館とのコラボレーションを展開している。

また、最近の10年間は国際協力の歩みを推し進めている。国際フィルムア
ーカイブ連盟(FIAF)への加入申請や、「彼らと島の著作・台湾映画文
学展」「アキ・カウリスマキ レトロスペクティブ」「世相・離岸・再生−
名作国産映画祭」「嘘と1秒24コマ ミヒャエル・ハネケ映画祭」など、
国内外の特集上映を精力的に行っている。どれも上海の映画界を盛り上げ、
上海の映画ファンを熱狂させる機会だ。
同館が最初に収蔵した作品は中国の『希望在人間』(訳注:沈浮監督、19
49年制作)のフィルムで、ここから、中国国産映画の収蔵と修復は、同館
の重要な責務となっている。(了)
--------------------------------------------------------------------
※上記は上海の新聞「新民晩報」デジタル版に掲載された記事から一部抜粋、
翻訳したものです。元記事は以下からご覧いただけます。
http://xmwb.xinmin.cn/lab/html/2017-12/28/content_21_1.htm

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
§4. FPSからのお知らせ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□■お悔やみ:栗本百合子氏(美術家)□■
美術家の栗本百合子氏が2017年12月23日に他界されました。心より
ご冥福をお祈り申し上げます。

栗本百合子氏の撮影された8ミリフィルム「冬の光景」(1970)はCH
Mの「Living Room Cinema: Films From Home Movie Day, Vol. 1」に、
「non-title」(1972)は小会の「ホームムービーの日 日本篇 201
2−2013」に収録されています。

1933年に建てられた愛知県一宮市の旧尾西繊維協会ビル(現Re−TA
iL、一宮駅から徒歩3分)地階に栗本氏の最新作/現存する唯一の作品、
「heating room」があります。
なお「heating room」は2018年1月5日よりRe−TAi
Lの営業日に限り、午前10時から午後6時まで公開されます。詳しくはR
e−TAiLスタッフの方にお尋ねください。
謹んでお悔やみ申し上げます。

http://filmpres.org/whatsnew/8507/

□■(継続)被災したメキシコのフィルムアーカイブへご協力を!□■

2017年9月19日、メキシコ中部でマグニチュード(M)7・1の地震
が発生し、大きな被害が出ました。
この地震で被災したメキシコ・テポストゥランのフィルムアーカイブが所蔵
フィルム救済とフィルムアーカイブ再建のため支援を求めています。

あと少しで目標額達成です。下記のサイトで寄付を引き続き募集中です。あ
と少しで目標額に達成します。貴
重な資料を一日も早く守るために、皆さまのご協力をお願いいたします。

Help Permanencia Voluntaria!
https://www.gofundme.com/recadaucion-para-baticine

(ご参考:写真がご覧いただけます)
Mexican Film Archive Struck by Major Earthquake
http://www.movingimagearchivenews.org/mexicos-only-independent-film-archive-struck-by-major-earthquake/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
§5. 編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今年もやって参りました!米国議会図書館が永久保存対象に選ぶ映像資料、
ナショナル・フィルム・レジストリーの発表です。
今年(2017年)は1905年の短編ドキュメンタリーから『タイタニッ
ク』「ダイ・ハード』『スーパーマン』といったお馴染みの映画まで。個人
的には大好きな『グーニーズ』が入ったことが本当に感無量です…。
最も古い作品で1905年制作の『Interior New York Subway, 14th Stre-
et to 42nd Street』はyoutubeでも観られますよ!ニューヨークの地下鉄を
撮影した、鉄道ファンにはたまらないクールな映像、ぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=J10-aYVG6HY

【米国議会図書館ナショナル・フィルム・レジストリーの発表ページ】
Complete National Film Registry Listing
https://www.loc.gov/programs/national-film-preservation-board/film-registry/complete-national-film-registry-listing/

今年も小会団体会員の皆様にはご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。また、
小会の活動にご協力・ご賛同くださった皆様、本当にありがとうございまし
た。
来年も映画文化の継承に役立てるよう、微力ながら臨んでいく所存です。ど
うぞよろしくお願いいたします。
皆様、良い新年をお迎えください。(天野)

※「マラウイの視聴覚資料保存」今月号はお休みです。

最新のコメント