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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点

2019/08/13

もくじ
<相場見通し>

     ・ 米中和解の糸口は見えず、相場低迷続く  


<今週の推奨銘柄>
            
        お休み

                       
<経済の動き> 

     ・鉄鋼市場で中国が大きな攪乱要因に
     ・サブスクリプション、はや選別の動き

                              
<株式投資のセオリー>
 
     第684回 伊の政治的混乱が一段の円高をもたらす可能性も        
                                              
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<相場見通し> 米中和解の糸口は見えず、相場低迷続く

先週の日経平均は、節目の2万1000円を大きく割り込み大幅下落、一時2万100円
近辺まで突っ込む場面が見られた。1週間余りで1600円もの急落である。

大幅に下落した要因は、前週にトランプ大統領が対中制裁関税「第4弾」を発動するとの
発表したことに対し、中国が激しく反発、米中貿易戦争の泥沼化の可能性が高まったから
である。それに加え、105円台まで円高が進んだことも影響した。

中国は、為替による人民元売り介入(人民元安を誘導)、米農産物輸入禁止(6月末の
米中首脳会談では米農産物の大量輸入を約束していたが)、中国内米企業への営業妨害
などと、次々に対米反撃の手を打ち始めている。まさに米国と中国の正面衝突の様相だ。

中国がこのような激しい反発をした背景には、現在の中国政府の対米戦略の舵が習近平
主席ではなく、毛沢東回帰派の中核である王滬寧(オウコネイ)が握っていることがある
と見られている。

王滬寧は行政経験はほとんどないにもかかわらず政治局常務委員会入りした異例の人材だ。
政治家としての根回しとか忖度とかは全くしない人物のようだが、外交、イデオロギー政策
においては彼の知恵がなければ習近平は何も出来ないという定評がある(習近平の個人崇拝
を煽ったのも彼だと言われている)。

今中国政府内は親米市場開放路線の改革開放派(支持母体は共産党青年団派、太子党派)
と対米強硬路線の毛沢東回帰派(同習近平派)が激しい路線闘争を行っている。

習近平は改革開放派に対しても一定の配慮を示すことはあるが、その度に習近平を叱咤激励
しているのは王滬寧で、習近平としても政治局内の唯一の味方が王滬寧なので、それに
従わなければならない状況に陥っているようだ。

もう一つ注意すべきことは軍部暴走の可能性の高まりだ。人民解放軍と習近平の関係は
決して良好ではない。

習近平は軍部掌握を強めるため大規模な軍政改革を行ったが、役人が軍人の威信を傷つける
ような大胆な改革を行ったことにより深い軋轢を生じた。60人以上の将軍級の軍幹部が
更迭され、現在も軟禁状態にあると見られている。

昨年秋に4中全会(党中央委員会全体会議)が行われなかったのは、軍の主要メンバーが
軟禁状態となっていることが露見してしまう、さらに、全体会議を開くために彼らの軟禁
を解けば、軍部の習近平に対する不満が噴出してしまうことを恐れたからのようだ。従って、
軍幹部の代替人事が決まるまでは4中全会はいつまでも開けないことになる。

この軍部のストレスをさらに高めているのが香港問題だ。習近平は鎮圧に動きたい軍部を
押さえてきたのだが、その理由は軍が動けば米国の香港問題への介入の可能性が高まる
からだ。

米国は既に超党派で「香港人権・民主主義法案」を議会に提出している。香港の民衆を
守るというのが名目だが、米国の本音は中国の香港への影響力を弱め、香港経由の米国へ
の抜け道輸出を排除したいことにあるとみられる。

ただ、軍部のストレスがこれ以上高まればその矛先を習近平に向ける可能性もあることから、
中国政府は「これ以上暴挙に出れば軍事的に鎮圧する」という軍の出動を示唆するような
警告を急遽出し始めている。

もし、軍が出動すれば、当然米国は強く反発することになる。しかし、軍との関係修復を
迫られている習近平としては苦渋の選択ということなのだろう。

習近平の置かれている状況は、改革路線派と毛沢東回帰派のせめぎ合いの上に立っており、
さらに軍部との関係修復を急がなければならない立場にもある。

従って対米スタンスは一気に反米強硬派に傾くこともないが、米国に対して弱腰のスタンス
をとることも出来ないという状況で、政策のブレの深刻化が目立つことになりそうだ。
その間にも中国経済は混乱、景気低迷の道を進むことになる。

米中が和解へと進むことは期待にしにくく、9月1日の対中制裁関税「第4弾」は予定通り
実施されることになろう。従って、今後も相場低迷は避けられず、物色は対中依存度が低く、
円高抵抗力の強い銘柄への選好が強まりそうだ。

       *     *     *

<今週の推奨銘柄>

   お休み


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<経済の動き>

◆鉄鋼市場で中国が大きな攪乱要因に

世界の鉄鋼市場で中国が攪乱要因となっている。需要が伸びてないにもかかわらず景気対策
のため中国(世界シェア5割)の生産は増加(10%増)、1〜6月の世界の粗鋼生産量は
過去最高だった。あふれた鋼材が輸出されアジアなどの市況を押し下げており、世界の鉄鋼
メーカーの収益悪化懸念が強まっている。


◆サブスクリプション、はや選別の動き

定額料金を支払って商品やサービスを継続利用する、サブスクリプション型のビジネスモデル
が脚光を浴びているが、はや選別の動きがでてきているようだ。

サブスクリプションは音楽や映画などの他、近年は飲食やアパレル、自動車業界でも活用
する企業が増えている。市場規模は18年の5600億円余りが、23年には3倍に急拡大
すると見込まれている。

ただ、早くも撤退する企業が目立ち始めた。AOKIやZOZOは撤退を決めた。トヨタも
伸び悩み傾向で、米国を見てもGMは撤退しネットフリックスは会員が減少し苦戦している。

傾向としては高額なものは総じて苦戦しており、1000円を切るような安価なものが人気
があるようだ。


      *     *     *

<株式投資のセオリー>

第684回 伊の政治的混乱が一段の円高をもたらす可能性も

為替でドル・円が105円台まで進む円高となったことが、相場の下押し圧力として働いて
いる。ここ数日105円50銭付近が下限でやや揉み合い症状となっているが、今後さらに
円高が進むかどうかが、相場の行方を左右しそうだ。

8月に入り円高が進み出したのは、トランプ大統領が対中制裁関税「第4弾」の発動を発表
したことがきっかけとなっているが、その後、中国政府が人民元安容認姿勢をとったことや、
トランプ大統領の「強いドルを望まない」発言が飛び出したことなどがさらに円高進行を
後押しした。

こうした中、欧州からもさらに円を押し上げる圧力が高まっている。ユーロ円は7月25日
のドラギECB総裁の金融緩和・マイナス金利深掘り発言や、7月30日のジョンソン
英首相の「EUとの交渉は10月の離脱期限まで行う気はない」との発言を受けて
121.5円から117.5円近くまで3.3%下落し、この間のドル円相場下落の側面的
要因となっていた。

その後、8月5日の人民元急落を受けてユーロにも急速な買い戻しが入ったため、一旦
ユーロも120円近辺まで回復したが、今度はイタリアで連立政権内部の対立が表面化し
弱含みの動きとなっている。

イタリア連立政権の内部対立は、イタリアーフランス横断トンネル(TAV)建設を巡り、
連立与党の五つ星運動とレガが正面衝突したことだ。8月7日に五つ星運動が提出した
「TAV建設差し止め議案」が連立与党のレガを含む反対多数で否決された。

このような連立政権の実質崩壊を示すような動きを受けて、8日にレガのサルビーニ党首
(副首相兼内務大臣)は、「連立与党の両党は離反し、政権は崩壊した」と発言、コンテ
政権の信任投票とこれに続く9月末までの総選挙実施を議会に要求した。

コンテ首相は夏休み後の8月20日までには議会を招集して、信任投票を行わざるを得ない
と見られている。総選挙実施するかどうかはマッタレッラ大統領の権限だが、レガが連立
政権から離脱するのは確実のため、大統領は9月末までに総選挙実施は避けられない見通し
だ。

レガが連立与党から離脱し、総選挙を求めた背景には、5月に実施されたEU議会選挙で
レガが圧勝し、EU内ではドイツのCDUに次ぐ議席数を獲得した勢いがある。総選挙すれ
ば世論支持率で38%を占めるレガが五つ星運動を凌駕するのは確実な情勢だ。

極右政党であるレガが政権を取れば(単独政権となるかかどうかは不明だが)、EUの警告
を無視して財政赤字を増やし、EU議会からユーロ離脱を勧告される状況に陥る可能性が
高まる。EU内の混乱は一段のユーロ売りをもたらすことになる。

アナリストの予想では、日本の外需企業の業績は年後半V字回復の見込みだが、現在の
ドル円の水準は既に日本企業の想定レート(109円近辺に集中)を大きく上回っている。

これ以上の円高の進行は、外需企業にとってさらに下方修正圧力に繋がるが、これまでの
「米中為替戦争」、「トランプの大統領選を意識したドル安発言」、「BREXIT」の
要因のほかにも、円高をもたらす要因が出てきていることに十分留意しておく必要がある。

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創刊日:2005-04-12  
最終発行日:  
発行周期:週間  
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