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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点

2019/08/05

もくじ
<相場見通し>

     ・米中貿易摩擦や為替動向を睨んだ展開   


<今週の推奨銘柄>
            
        お休み

                       
<経済の動き> 

     ・合意なき離脱後の英国の悪夢
     ・駆け込み需要も出ないほど消費は弱い?

                              
<株式投資のセオリー>
 
     第683回 「第4弾」発動はトランプの独断?        
                                              
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<相場見通し> 米中貿易摩擦や為替動向を睨んだ展開

1日のトランプ大統領の対中制裁関税「第4弾」を9月1日から発動するとの発表を受け
て、週末の日経平均は全面安症状となり450円余り急落した。

対中制裁関税「第4弾」の発動は、米国にとっても被害が甚大となるので、大統領選が
本格化するのを前にして発動することはないだろうというのが市場の大方の見方だった
ので、虚を突かれた感じだ。ただ、市場はこれが本当に実施されるのかどうかについては
まだ半信半疑の所があるようだ。

中国との交渉を担当しているムニューシン財務長官やライトハイザーUSTR代表は、
かねてから発動には反対していたからだ。行政手続きは何も通してない。従って、今回の
決断はトランプ氏が独断専行で行った可能性がある(詳細については下記「株式投資の
セオリー」参照)。

トランプ氏の意図は、とりあえずぶち上げてみて、回りの反応を見ようということなの
かもしれない。おそらく、企業や消費者からはかなり反発が出てくるだろう。その動きを
見て、場合によっては撤回し、それを自分の手柄(「私は忍耐強い・・・」等)にする
つもりかもしれない。

また、トランプ氏が得意な外交手法はいわゆる恫喝外交だ。相手を脅かして譲歩を引き
出す方法だ。今回もその手法を採用している可能性がある。そうであれば、中国から何ら
かの歩み寄りの姿勢があればとりやめとなる可能性も否定できない。

もし本当に実施されるのであれば米国経済に大きな影響を及ぼすところから、米国の株式
市場はもっと大きく下げてもおかしくないが、先週末に下げ渋っているところを見ると、
まだ、本当に実施されるかどうかについてはまだ不透明だという見方も強いものと見ら
れる。

ただ、日本市場にとっては、「第4弾」発表と同時に円高が進み始めたことから、市場
へのインパクトは大きくなっている。先週末はドル円で106円台半ばまで円高が進んで
いる。さらに円高が進めば、相場への下押し圧力は強くなりそうだ。

今週は夏休みモードに突入する事に加え決算発表がピークを迎える。薄商いの中、引き
続き米中貿易摩擦の行方や為替動向を睨んだ展開となりそうだ。米中貿易摩擦では、米国
の措置に対してまだ明確なリアクションが出てない中国の動きが注目される。

       *     *     *

<今週の推奨銘柄>

   お休み


       *     *     *

<経済の動き>

◆合意なき離脱後の英国の悪夢

英国がEUと合意せずに離脱した場合、英領土内の北アイルランドは、忌まわしいアイル
ランド紛争を想起させる状態になりかねなくなっている。

アイルランドのバラッカー首相は7月27日、英国がEUと合意せずに離脱した場合、
英領北アイルラドとアイルランドの統一という問題が必然的に浮上する発言。アイル
ランドはEU内に留まり、その結果英領北アイルランドとの間で自由往来が出来なくなる
からだ。

これに対して英国との連合維持を主張する北アイルランドの地域政党・民主統一党
(DUP)は即座に反発し、バラッカー首相発言を痛烈に批判している。

北アイルランドが英国領土からの離脱の動きを強めれば、スコットランドも同じ動きを
することは間違いなく、さらにウエールズも追随の動きが予想される。

従って、英国が合意なき離脱に動けば、英国の領土はイングランドだけということになり
かねなくなっている。合意なき離脱も辞さないと唱えるジョンソン新首相は、それでも
合意なき離脱に踏み切るのだろうか。


◆駆け込み需要も出ないほど消費は弱い?

消費税引き上げが近づいても今回は目立った駆け込み需要は起きていない。政府が需要の
振幅を抑える対策を手厚くしたことが奏功していると見る向きもあるが、自動車や住宅
など高額品でも駆け込み購入の動きが限られているところをみると、需要そのものが落ち
ているとみたほうがよさそうだ。

駆け込み需要が少ない分、消費税増税後の反動減も以前ほどはないと見られるが、消費が
弱くなっているのは景気にとってはマイナス。米中摩擦など海外発の景気下振れリスクも
高まっており、日本の景気はかなり厳しい状況に陥り始めている。


      *     *     *

<株式投資のセオリー>

第683回 「第4弾」発動はトランプの独断?

トランプ大統領は中国からの3000億ドルの輸入品に追加関税を掛ける「第4弾」を
9月1日から実施すると発表した。これで、中国からの輸入品ほぼ全てに追加関税を
かけることになる。

今回の対象品目には消費財が多く含まれているため、米国の一般消費者の生活をモロに
直撃することから、トランプ大統領は「第4弾」実施には踏み切らないだろうという見方
がこれまでの大勢だったが、中国の対応に業を煮やし決断したようだ。

トランプ大統領の怒りをかったのは、6月末に米中首脳会談で習近平が約束した米国
農産物の大量購入が一向に進んでない事と、さらに、これも米中首脳会談で約束した
フェンタニル(麻薬性の高い鎮痛剤)の米国への輸出を続けていることだ。

フェンタニルは代表的鎮痛剤のオピオイドの代替品として近年米国で普及し、麻薬蔓延
の一因になっていると言われており、今回トランプ大統領は「多数の米国民を死に追い
やっている」激しく非難している。

ただ、今回の決定はトランプが独断専行で決定した可能性が高いと見られている。
というのは、政府内でも米中通商交渉を担当しているUSTRも、米国への返り血が
大きすぎるということで「第4弾」発動には反対だったからだ。

にもかかわらずトランプ大統領が暴走(?)したのは大統領選の本格的なスタートが
目前に迫っていることへの危機感と見られている。

トランプ大統領の今の最大の関心事は大統領選挙が本格的にスタートする9月3日
(レイバーデイ)まで、いかに外交で国民にアッピールできる何らかの成果を上げる
こと。その目玉として考えていたのが中国への米国農産物の大量輸出だ(大統領選の
焦点となる中西部農業州での支持獲得に繋がる)。

また、トランプ氏はFRBの利下げ姿勢に大きな不満を持っており、9月以降の利下げ
を加速させる意図も含まれているのではないかという見方も多い。7月末のFRBの
利下げ後、トランプ大統領は執務室で「制裁関税を引上げれば利下げするのか」と
叫んでいたと言われる。

しかし、選挙戦を考えた場合、消費者に影響の大きい「第4弾」発動は、大票田である
中西部農業州への被害も大きく、明らかにトランプ大統領にとって不利に働く。

政府周辺のシンクタンクからは、「今回の決定は6月と同様、トランプお得意の恫喝
外交(拳を振り上げて恫喝し相手から譲歩を引き出す)で、8月一杯で中国が何らかの
反応を示してくれば、これを成果として凱歌を挙げ、制裁関税を一旦取り下げる」と
なるのではないかといった見方も聞こえてくる。

6月メキシコの移民流入阻止を巡る追加関税発動の時も、結局最後はメキシコから
移民対策で善処するという約束を引きだして、直前で取りやめている。従って、今回も
直前で発動を中止する可能性は十分ある(トランプもそれを望んでいる)と見られるが、
中国の出方次第のところもあるので今所は何とも言えない。

中国内では習近平が対米交渉で弱腰だという声も強まっており、習近平としても安易に
妥協する態度は見せにくい状況だ。もし中国が米国に妥協する態度を見せなければ、
9月1日に制裁関税が実施されることになる(行政手続きが本当に間に合うのかという
問題はあるが)。

その場合中国ではGDP成長率は6%を割る可能性が高まり、米国では景気後退懸念
からFRBによる利下げの動きが早まることになろう。

また、日本では10月1日の消費税引き上げを控え(民間の準備が進んでいるため
現時点ではもはや延期は困難)、景気後退懸念がさらに高まることから、大規模な経済
対策が遡上に上ってくるものと見られる。

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創刊日:2005-04-12  
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発行周期:週間  
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