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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点

2019/07/22

もくじ
<相場見通し>

     ・円高進行懸念が頭を押さえる   


<今週の推奨銘柄>
            
        お休み

                       
<経済の動き> 

     ・「リブラ」が恐れられる理由
     ・買収ファンドの待機資金、過去最高
                              
<株式投資のセオリー>
 
     第681回 惨憺たる結果に終わった米中通商交渉
        
                                              
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<相場見通し> 円高進行懸念が頭を押さえる

先週の日経平均は、108円を割る円高の動きや米中貿易摩擦への懸念などから軟調な
展開が続き、18日(木)には400円以上急落した。しかし、NY株式の反発や、台湾
半導体メーカーの楽観的な業績見通しからハイテク株中心に買い戻しが入り、週末は大きく
反発して終えている。

ただ、週末の反発が本格的な切り返しと見るのは早計だろう。円高進行の懸念があるから
だ。ドル円相場が、今回108円台を切る直接のきっかけとなったのは、NY連銀
ウイリアムズ総裁他FRB幹部の発言だったが、これは6月21日に108円を割った時
と同じ動きだ。

しかし、米金利引き下げ観測による円高ドル安の動きは、ある程度為替相場に織込まれて
おり、これだけで円高が進むとは考えにくい。従って、今回の円高の動きには他の要因も
加わっているという見方がもっぱらだ。

その要因の一つはホルムズ海峡の緊迫だ。これまで、中東の地政学リスクと円高(対ドル)
は強い相関関係を示している。つまり中東の地政学リスクが高まれば円高が進みやすい。

2015年のイエメン紛争勃発時や2017年のカタールと他の中東諸国との国交断絶時
などを見ても、為替は敏感に反応して円高が進んでいる。ところが今回のペルシャ湾の
日本船舶襲撃事件に関しては、真相究明が困難なことから為替への折り込みが遅れていた
きらいがある。

それが、このところのイランによるウラン濃縮加速の動きや、先週のホルムズ海峡での
イラン無人偵察機撃墜の報道等により、イランと米国の緊張がかなり高まっており、為替
もついに反応し始めたということである。

もう一つの要因は英国10年債の下落だ。英国10年債と円高も高い相関性を持っている
ことが知られている。欧州金融市場の動揺は、欧州からの資金逃避につながり、その結果
安全資産である円が買われやすくなるためと見られている。

その英国10年債が急低下している。その理由は今週行われる英保守党党首(英国首相)
の選挙で「合意なき離脱派」のボリス・ジョンソンが当選する可能性が高まっているから
だ。英国の合意なき離脱に市場の警戒感が強まっている。

以上挙げた3つの要因がさらに懸念される方向、すなわちFRBが利上げを加速する
可能性が高まるとか、ペルシャ湾で軍事的な動きが散発するとか、英国で合意なき離脱の
可能性が高まる、といった動きが進んだ場合はさらに円高が進む可能性がある。

昨年円ドル相場が105円台に円高が進んだ時は、日経平均は20500円ラインの攻防
となったが、当時はまだ企業業績が大きく伸びていた時だったことを考えると、今後もし
円ドル相場が107円を切り、106円台や105円台まで円高が進めばかなりの下落が
おきる懸念も想定しておくことも必要だ。

今週は、第一四半期決算が本格化するため基本的には模様眺め気分が強まると見られるが、
為替の動きを見守る神経質な展開が予想される。

        *     *     *

<今週の推奨銘柄>

   お休み


       *     *     *

<経済の動き>

◆「リブラ」が恐れられる理由

米フェイスブックが計画するデジタル通貨「リブラ」への包囲網が強まっている。米FRB
のパウエル議長は「深刻な懸念」を表明し、米議会も「開発を一時停止すべきだ」と待った
をかけた。また、フランスで開催中のG7財務相・中央銀行総裁会議でも早急な対応を取る
必要があるとの認識で一致した。

このように世界の政策当局がリブラを恐れるのは、リブラの流通により世界の主要国で従来
のように通貨の管理が出来なくなると言うことではなく、エマージング諸国でデフォルトが
頻発し、新興国経済破綻の伝播が起こることだ。

先進国ではまずないと見られるが、自国通貨への信頼度が低い新興国では、流通性が高く
米ドルなど基軸通貨との連動性も高いリブラの人気が高まり、一気にリブラへ転換する動き
が出てくることも予想される。そうなれば当該国の金融調節機能は失われ、経済のコント
ロールが出来なくなってしまう。

具体的にはフェイスブック・ユーザーが多い一方で、国債信用格付けの低いアルゼンチン、
トルコ、ブラジルなどが破綻候補として上がっているようだ。これらの国では、銀行口座
の普及率が低く、多額なタンス預金の相当部分がリブラに流出するのではないかと見られて
いる。


◆買収ファンドの待機資金、過去最高

企業やインフラに投資する世界の買収ファンドが肥大化している。米投資会社ブラックストーン
・グループなどが大型ファンドを立ち上げ、投資可能な「待機資金」は2019年6月末
時点で約260兆円と過去最高になった。

低金利下の運用難で、年金基金などが高い収益を求めて資金を振り向けているからだ。一方
で買収案件は増えておらず、米国の利下げの動きも加わり、買収価格の高騰などファンド
バブルの懸念も強まっている。


<株式投資のセオリー>

第681回 惨憺たる結果に終わった米中通商交渉

日本で開かれた6月末のG20会期中に行われた米中首脳会談の結果、米中通商交渉は交渉
継続に決まった。ただ首脳会談では、具体的内容についてはほとんど話し合われなかった
ことや、中国内の反米意識の高まりで中国側が以前にも増して強気の態度を示したことから、
今後の交渉は前途多難が予想された。

交渉継続の決定を受けて7月9日に最初に行われた米中通商交渉は、懸念されていた通り
「平行線」以下の惨憺たる内容で終わったようだ。米政権内のクドロー米国家経済会議
委員長からは「会合は前向きだった」というコメントが伝わってきているが、これはあく
までメディア向け。

交渉時の両国の主な主張を列挙すると以下のようになる。

≪米国≫
・5月初めの通商交渉で破棄された合意事項の復活が交渉の前提。
・米農産物の中国の購入は、数値目標を設ける。(米中首脳会談で習近平がトランプに
大量購入を約束した)

≪中国≫
・前回合意事項は白紙に戻して、新たな合意内容を一から話し合う。
・米農産物の中国の輸入拡大は、中国農産物の米国の輸入拡大と双方向で行うべき。

以上のように、両国の主張は最初の一歩目から大きな隔たりがあった。従ってほとんど
話し合いが出来なかったというのが実態だったようだ。今後の交渉日程も何も決まって
ない。

交渉後トランプ大統領が「何千もの企業が中国から去っている。中国は米国との交渉を
渇望している」とツイートしたのも、中国の頑な姿勢に対する批判と見られている。

中国側が一旦覆した合意事項を復活する考えがないとすれば、今後も交渉はすれ違い
状態が続き前には進まないだろう。

米国側は大統領選挙への対応から表面上の対立は避けるものと見られるが、中国側への
圧力を強めるため、ECRA(米国輸出管理改革法)に基づく対中ハイテク製品の輸出
規制をさらに厳しくするものと見られる。

それを裏付けるように、ロス商務省長官は「海外生産による抜け穴中国向け輸出」に
対しても罰則を適用するとの発言をしており、ファーウエイに対する輸出条件の緩和から、
一部では軟化する態度も見せていた米政府は、輸出規制を強める姿勢を示している。

米大手ハイテク製品メーカーの海外拠点への、米国政府の監視の目が強まるとすれば、
同様に米国技術を援用している日本のハイテク製品メーカーへの監視も派生的に強化
される可能性が高くなっている(経産省は警戒感を強めている)。

今後米政府が、日本のハイテク製品メーカーに対しても、厳しい規制(対中輸出)の
網を掛けてくることを想定しておく必要がありそうだ。

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創刊日:2005-04-12  
最終発行日:  
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