投資

投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

全て表示する >

投資の視点

2019/06/17

もくじ
<相場見通し>

     ・米中首脳会談開催の行方見守り、揉み合い   


<今週の推奨銘柄>
            
        お休み

                       
<経済の動き> 

     ・米中首脳会談なければ「第4弾」発動へ
     ・中国企業の東南アジア投資、急増

                              
<株式投資のセオリー>
     
     第677回 トランプ流威嚇交渉が通じない米中貿易戦争
        
                                         
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★
<相場見通し> 米中首脳会談開催の行方見守り、揉み合い

先週の日経平均は、2万1000円台前半での揉み合いに終始した。現在の相場は、米中
貿易摩擦への懸念は大きいものの、今月28日と29日に開かれるG20の後に、米中
首脳会談が開かれるとの期待と、米FRBの利下げ期待が高まっていることが支えと
なっている。

しかし、米中首脳会談の開催はまだ見通しが立ってない。前倒しされている大統領選に
向けて、一定の成果を出したいというとトランプ氏の思惑から、米国は首脳会談開催を
意気込んでいるが、中国の態度が依然不透明だ。

これは、中国内に米国への反発が強まっていることに加え(詳細は下記「株式投資のセオ
リー」参照)、中国側はトランプの焦りを冷静に判断し、次の手を考えている可能性も
ある。

従って、米中首脳会談が開催される可能性は少ないのではないかという見方もある。また、
開催されたとしても、米国が望んでいるように交渉継続の合意がされるかどうかも分から
ないし、さらに交渉継続が合意されたとしても、お互いに貿易摩擦解消への歩み寄りが
されるかどうかも不明だ。

つまり今後の米中貿易摩擦問題は二山も三山も難題が待ち構えており、そう簡単に進む
とは考えにくい。

ただ、貿易摩擦問題が期待通り進まず、3000億ドルへの25%制裁関税が発動されて
も、米経済の減速を懸念して「早々に制裁関税は解除されるだろう」、更には制裁関税が
発動されれば、「7月以降米FRBが数回利下げを続けることから、米景気にダメージは
少ないだろう」という楽観論も市場には多い。

しかし、3000億ドルの25%制裁関税の発動は、これまでと違い単に米国内での
関税分の価格引き上げに留まらずに、サプライチェーン(部品供給体制)の深刻な崩壊を
もたらすため、想像以上に米国経済に大きなダメージを与える(米GDP成長率1%以上
のダウン)との見方も有力で、米FRBがいくら金利を下げても追いつかず、米景気後退
は避けられない可能性がある。

従って、欧米の機関投資家の間では、市場に期待感が優勢なG20までは買い上がると
しても、G20終了後、米中首脳会談が実施されない、あるいは実施されても合意せずと
なったら、一気に売り逃げる、極端なリターン・リバーサル戦略を想定しているところも
多いようだ(特に投機勢中心)。

相場は2万1000円台を固め、今週開かれる米FOMCの利下げの動き如何ではさらに
上値追いが期待出来るという楽観論も一部では出ているが、目先米中首脳会談が実現する
かどうか(また合意に至るかどうか)という大きな爆弾が控えており、結果次第では大幅
な下げも予想されることから、ポジションは縮小し静観が賢明だ。

        *     *     *

<今週の推奨銘柄>

   お休み

       *     *     *

<経済の動き>

◆米中首脳会談なければ「第4弾」発動へ

トランプ米大統領は10日、月内の米中首脳会談が実現しなければ全輸入品に関税を課す
「第4弾」(3000億ドルへの25%課税)を直ちに実施すると語った。

これは中国への揺さぶりと見られる。米国としては自国経済に大きな影響を及ぼす
「第4弾」は避けたいのはやまやま。そのためには米中首脳会談を開いて交渉継続に
持っていきたい
と考えている(交渉中は課税猶予)。

一方中国は、米国が焦り始めていることを知っているのでこれに応じるかどうかは不明
だ。一旦「第4弾」の実施を受け入れ、その後の米国の出方を見る強気の戦術も十分考え
られる。「第4弾」の実施すれば9月から始まる大統領選でトランプは窮地に追い込まれ
る可能性があるからだ。


◆中国企業の東南アジア投資、急増

米中貿易戦争の激化で、中国企業の東南アジア投資が急増している。ベトナムでは
2019年1〜5月の中国からの新規投資認可額が前年同期と比べて6倍弱(約1700億円)
に、タイでも1〜3月に2倍(約1000億円)に増えた。

中国企業があわてて中国国内から逃げ出している動きが見て取れるが、ただ、余りにも
スケールが違いすぎてベトナムやタイあたりでは間に合わない。早晩、一杯になり他の
地域を探さなければならなくなるだろう。

また、制裁関税が廃止されれば、逆に中国へ回帰することも考えられ、投資先の地域に
とっても必ずしもいい事ばかりではない。


<株式投資のセオリー>

第677回 トランプ流威嚇交渉が通じない米中貿易戦争

5月初旬に行われた米中通商交渉の決裂後、米中貿易戦争は見通し難の状況に陥っている。
米国は2000億ドルの輸入品に次いで、3000億ドル分の輸入品についても25%の
制裁関税を掛ける構えだ。

6月末に開かれるG20後に米中首脳会談開催の話が出ており、今後交渉が進展する
可能性もまだ残ってはいるが、そう簡単にはいかないだろうとみられる。

それはトランプが大統領就任以降、外交だけでなく国内の政治交渉などでも多用してきた
威嚇交渉は、中国には通用しないという見方が強まっているからだ。

トランプ流の交渉術(セルフ・メイド・クライシス(自作自演のヒーロードラマ)といわ
れる)の主な筋書きをまとめてみると大体以下のようになる。

相手が簡単には応じない問題について、

まず強硬な手段で相手を威嚇する

期限を設けて譲歩を求める

交渉では一切妥協せず、強硬姿勢を崩さない(進展が見られなければ一旦交渉を打ち切る)

ひどい結果になるぎりぎりの時点で譲歩を引き出す

勝利宣言する。

メキシコ、カナダとのNAFTA交渉や、移民問題によるメキシコへの制裁関税発動の
問題などは、まさにこの手法で相手から妥協を引き出している。

しかし中国との交渉では同じ方法は通用しそうもない。カナダもメキシコも「ひどい結果」
を避けるため妥協したが、中国はグロ−バルス・タンダートとは距離を置き、社会構造も
巨大国家を一党が独裁する体制で、簡単には外交で妥協できない仕組みとなっているからだ。

その兆しは既に見えている。先日習近平がロシアのプーチン大統領と首脳会談を行った後の
記者会見で「米国の中国政府への干渉には徹底的に抗議する」と語る一方、「トランプ
大統領は友人であることには変わりはない」とコメント(ロイター報道)したが、中国内
では「トランプ大統領は友人」という部分は一切伝えられてない。

官製メディアを管理する共産党常務委員会が削除したと見られる。常務委員会では「習近平
はやはり劉鶴と同様”対米降伏派”だ」と厳しい批判が噴出しているという。米中貿易戦争
は中国内では、”対米徹底抗戦派”と”対米降伏派”に分かれた激しい政治闘争を持もたら
している。

一方、トランプとしては、威嚇したはいいが、相手が妥協に応じなければ、3000億ドル
分の25%制裁関税は実現してしまうことになりかねない。3000億ドルの制裁関税は
これまでの制裁関税とは違って「自己被弾型」といわれ、米国経済に相当なダメージを
もたらすので、トランプとしても放置するわけにはいかない。

従って、トランプとしてはなんとか6月末に習近平と会談し、「交渉継続」の合意を引き
出し、「交渉期間中は制裁関税実施を猶予する」と発表し、とりあえず時間を稼ぐ戦術に
出たいと考えているはずだ。

しかし、中国内の状況はこれまで絶対権力を持つと言われていた習近平でもコントロール
しがたい状況になっており、米中首脳会談すら開かれるかどうか分からない情勢だ。

また、もし米中首脳会談が開かれ交渉継続の合意が出来た(これも不明だが)としても、
7月には民主党の強い要請もあって、ECRA(米国輸出管理法)により、米国の安全
保障に脅威を与える中国企業への厳しい締め付けが行われる見通しである。

中国国内の情勢を考えれば、交渉中、中国は交渉スタンスを緩めるどころかさらに硬化
させることも十分有りうる。合意への道のりはかなり遠いといわねばなるまい。今回の
トランプ流威嚇外交は、手を振り上げたが、おろしどころが見つからない自縄自縛の
状況に陥り始めている。

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2005-04-12  
最終発行日:  
発行周期:週間  
Score!: 非表示   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。