投資

投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

全て表示する >

投資の視点

2019/06/10

もくじ
<相場見通し>

     ・下値不安薄れ、揉み合いの動きに    


<今週の推奨銘柄>
            
        お休み

                       
<経済の動き> 

     ・トランプ、メキシコへの関税発動見送る
     ・ドラック業界、合併・再編が今後の焦点

                              
<株式投資のセオリー>
     
     第676回 衆参同時選挙の見送りと消費税増税実施の背景
        
                                         
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★★
<相場見通し> 下値不安薄れ、揉み合いの動きに

先週の日経平均は、メキシコへの通商摩擦拡大を嫌気し、前週末米国株が大きく下げた
ことを受けて続落ではじまった。一時は2万円割れも時間の問題かと懸念されたが、
週半ば以降は戻りに転じ、週間では283円の上昇となった。

反転のきっかけとなったのは、4日にパウエルFRB議長が利下げに動く可能性を示唆
したことなどからNY市場が大幅に上昇したこと。ただ、この日の米株の上昇は、確かに
利下げ示唆も大きかったが、中国が米国との通商協議に応じる姿勢を見せた事のほうが
さらに大きかったと見られる。

今市場が一番気にしているのは米中通商摩擦が泥沼化しないかという懸念だ。米国が
3000億ドルの輸入品への25%の制裁関税適用を実施し、これに対して中国は報復
の動きから米国企業の国内営業停止や米国製品不買運動等に踏み込んだ場合は、世界
景気への影響はさらに大きくなり、成長率をかなり下押す事が考えられるからだ。

5月初めの米中交渉決裂以降、中国はかなり態度を硬化させている。習近平は国民への
演説で毛沢東の「長征」になぞらえて「新長征」を唱え、米国との長い戦いの備える
よう呼びかけ始めた。

共産党幹部は「徹底抗戦」という言葉を使い、軍部からは「(台湾問題への介入には)
軍事行動も辞さない」といった過激な発言が飛び出している。今のところこれらは、
中国政府の国内向けのプロパガンダ的意味合いが強いと見られているが、これが具体的
な反撃に移った場合は、決定的な米中の対立に発展する可能性が出てくる。

一方トランプは、次期大統領選の実質前倒しの動き(予備選の時期が早まる)から、
かなり焦り始めている。9月頃までに今抱えている政治課題で一定の成果を上げる必要
があるからだ。その政治課題で米国民が一番注目しているは米中貿易戦争の行方だ。

特に大統領選でキーポイントなる中西部の州(前回選挙でトランプ勝利をもたらす
原動力となった)の勝敗を左右する無党派層(無党派の比率が高い地域)は、米中貿易
摩擦に対するトランプのやり方にかなり批判的となっている。

従って、トランプとしては振り上げた拳を一旦収め、(出来るだけ米国にプラスとなる
ような形で)中国との合意に持ち込みたいと考えている。ファーエイ問題で制裁の実施
を先送りにしたのは、米国の態度が軟化していることを示し、中国を交渉のテーブルに
付かせたいためだ。

当面のポイントとなるのはG20後に米中首脳会談が実現するかどうかだ。今水面下で
交渉が進められていると見られるが、もし実現すれば、米中貿易交渉は一定の前進の
可能性が出てくる。

いずれにしろ今後の焦点は、大統領選を睨み守りの姿勢に入ったトランプに中国側が
歩み寄ってくるかだ。トランプの足下を見て強硬な態度に出てくる可能性もないでは
ない。ただ、とりあえず中国が協議に応じる姿勢を示したことは明るい材料だ。

米中貿易摩擦がやや改善の方向に動き出したことから、株式市場は下押し懸念が薄れて
きた。ただ相場を押し上げるような好材料も乏しいため大きな戻りは期待しにくい。
当面は2万1000円台前半での揉み合いの動きになりそうだ。

        *     *     *

<今週の推奨銘柄>

   お休み

       *     *     *

<経済の動き>

◆トランプ、メキシコへの関税発動見送る

トランプ米大統領は7日、メキシコからの全輸入品への関税発動を見送ると発表した。
見送った理由は、メキシコが対策を講じることになったということだが、内情は米国内
での反発が余りに強いので、大統領選を考え引き下がったと言うことだろう。

今回も問題をぶち上げておいて、成果があったと言っては旗を降ろし自分の手柄の
ようにする、お得意のトランプ劇場が繰り広げられた感じだ。


◆ドラック業界、合併・再編が今後の焦点

ドラッグストア大手のスギホールディングスとココカラファインは1日、経営統合に
向けて検討を始めると発表した。両社の合算売上高は8890億円とウエルシアHD
を抜いて業界トップになるが、マツモトキヨシもこの合併に参加する可能性があり、
3社が合併すれば、売上1兆5000億円近くの業界断トツ企業が誕生することに
なる。

これまで急成長してきたドラッグストア業界は今曲がり角にきている。各社が多店舗
展開を急速に進めた結果、過当競争に陥り始めているからだ。今後は生き残りのため、
規模のメリットを目指す合併・再編の動きが焦点となってきそうだ。


<株式投資のセオリー>

第676回 衆参同時選挙の見送りと消費税増税実施の背景

6月9日の日経新聞で、安倍政権は7月の衆参同時選挙の見送りと秋の消費税増税の
予定通り実施の意向を固めたと報道された。最終的な判断は今月末近くに行うため
まだ流動的な面はあるが、タイミング的に見て安倍政権の方針はほぼ固まったと見て
いいだろう。

安倍政権は、もし7月の参院選で自民党が敗北する(50議席確保できず)可能性が
あれば、消費税増税延期と衆参同時選挙をセット行う準備を進めていた。両者の
見送りを決めたのは、参院選で勝つ見込みが立ったためと見られる。

その判断に大きな影響を与えたと見られるのはひとつは内閣支持率だ。5月中に
行われた報道機関10社の世論調査の結果では、支持率の平均が47.22%
(前月比プラス3.35%)、不支持率が34.98%(同マイナス3.39%)
と内閣支持率は改善した。
参院選挙で勝つためには最低46%は必要と見ていたので、それをクリアーしたこと
から選挙は勝てると判断したものと見られる。

もうひとつは、消費税増税の延期が見送られたことだ。消費税増税を延期する場合
には、衆参同時選挙にして国民の意を問うことが有力視されていたからだ。しかし、
景気減速懸念が強まっている中、景気の下押し要因となる消費税増税を実施する
理由はなんだろうか。

元来、安倍総理は経済情勢が厳しければ消費税延期はあり得るという、やや延期
推進派に位置していた。それに反対していたのが麻生副総理。両者は前回(2016年)
の消費税増税の時にも対立したが、最後は安倍首相の説得に麻生副総理が渋々同意
した経緯がある。

今回も意見の違いがあったため、安倍首相が4月29日に麻生副総理を自宅に招き、
2時間以上にわたって意見交換したようだ。

この総理私邸での会談以降、安倍首相は「消費税増税は予定通り行う。むろん今後
何が起こるか分かりませんが」という発言を繰り返し、事前スタンスより一歩
「引上げ実施」に一歩踏み込んだ表現が読み取れるようになった。麻生副総理の
意見に耳を傾けたためと見られる。

安倍首相が消費税増税を延期するかどうかの判断で、一番影響を与えそうな要因
として考えてたのはは米中通商交渉の行方。これがもつれれば、今後の景気の
下押し圧力になるからだ。

しかし、このところ米国は急激に態度を軟化させており、中国との再交渉の可能性
を探っている。中国が頑な敵対態度をとらないかぎり、今後は事態は次第に改善
の方向に動くと見られている。

この動きを見て安倍首相は、政府が消費税増税の延期の最終期限と考えている
6月末時点で、「延期」に踏み切る理由は薄れたと判断したものと見られる。

株式市場にとって、消費税率引上げの実施は必ずしも好材料とはならないが、
ここに来てやや見方に変化が見られるようだ。

米中関係悪化がさらに悪化したら、いくら消費税増税を延期したとしても、世界
景気の悪化により日本経済へのダメージははるかに大きくなるからだ。消費税増税
を延期を余儀なくされる事態の方が日本経済にとってはよほど厳しいという見方だ。

ただ消費税率の引き上げは景気の下押し要因となることは間違いないことから、
思い切った経済対策が今後必要になってこよう。

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2005-04-12  
最終発行日:  
発行周期:週間  
Score!: 非表示   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。