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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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2019/02/25

もくじ
<相場見通し>

     ・今週は強含みの動き続く


<今週の推奨銘柄>
            
        クイック

                       
<経済の動き> 
    
     ・大幅減少する中国の海外直接投資
     ・軒並み不振のスマホゲーム会社

             
                              
<株式投資のセオリー>
     
     第662回 景気指標悪化にもかかわらず、なぜ米株堅調なのか?
        
                                         
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<相場見通し> 今週は強含みの動き続く

先週の日経平均は2週連続の上昇となり、一時節目の2万1500円台に乗せる場面も
あった。米株式市場が弱い経済指標の発表が続いているにもかかわらず、堅調な動きを
維持していることが支えとなり、日経平均はじり高基調が続いている。

米株式市場の堅調な動きは、米中通商交渉で摩擦解消への期待が高まっているためと
言われているがそうではないだろう。米中摩擦は両者の覇権問題も絡んでおり、そう
簡単には解決するの問題ではない。今回も含め、今後長い時間をかけて交渉が続けられる
ものとみられる。

今回の交渉への期待があるとすれば、3月2日の25%の追加関税発動はとりあえず
見送られる(延長する)ということだろう。発動期限の再延長は、これ以上の米中間の
貿易への悪影響がとりあえず避けられるため市場にとっては朗報となる。

米国としても、米景気減速が予想される中、米経済にダメージの大きい追加関税発動を
やめたいのはやまやまだ。従って、現在米中で行われている交渉は、追加関税発動の
見送りを正当化するための作業と見ていいだろう。

米国としては「中国からある程度妥協を引き出したので継続審議とする」という形に
持っていきたいものと思われる。相場は既にこのことを織り込み始めており、今週は
3月1日の決着に向けて引き続き強含みの動きを維持しそうだ。

その後の市場の関心は米中通商交渉から、次第に米景気動向に移っていくものと見ら
れる。このところ米景気悪化を示す指標の発表が相次いでいる。通常なら米株式市場に
悪影響が出てきてもおかしくないはずだが、今のところ市場はそれほど響いてない
(米株が堅調を維持している理由についての考察は下記「株式投資のセオリー」参照)。

やや危うさは残るが米株に大きな崩れがなければ、日本株も強持ち合いの動きを維持
しそうだ。弱気筋の日経平均の下げを見込んだ日経平均ベア型ファンドが残高を積み
上げており、市場にはこの踏み上げが日経平均の上昇を支えているという見方もある。

ただ、3月に入れば新四季報の内容も次第に明らかにされ、来年度の個別企業の業績
見通しが見えてくる(新四季報の情報開示は今来週がピーク)。

今のところ、外需関連を中心に今下期の流れを引き継ぎ、かなり厳しい見通しになる
と予想されているが、それが改めて明らかになれば株価にとっては重しとなる可能性
もある。注意しておきたい。


<今週の推奨銘柄>

  4318 クイック 1550円

≪選定理由≫
・業績好調で物色盛んな人材派遣会社の一角。
・好決算発表で一旦急騰したが調整入り。出来高推移(昨年来最低出来高付近まで
減少)や日柄(調整期間は通常1〜2週間)から見て調整は最終局面。
・目先の高値からの押しが小さく、今後の上昇幅の大きさを期待させる。


<経済の動き>

◆大幅減少する中国の海外直接投資

中国からの海外直接投資は18年が約1300億ドルと、2年で30%強減った
ようだ。減少分はフランスからの年間投資額に相当する規模。北米では投資資産の
売却も膨らんでおり、差し引きでは資金の吸い上げに転じているようだ。

海外不動産の取得は昨年までの1年間で60%以上減り、豪州では中国マネーの減少
から深刻な不動産不況に陥っている。日本でも一時大量の不動産購入の動きがあった
が、現状ではほとんど消えたようだ。


◆軒並み不振のスマホゲーム会社

スマホゲームを主力事業とする大手5社の不振が鮮明となっている。「パズル&
ドラゴンズ」の課金収入が好調だったガンホー・オンライン・エンターテイメントを
除き、4社で連結営業損益が悪化。ディー・エヌ・エーとコロプラは赤字に転落した。
既存タイトルの落ち込みを新作ゲームで補えない状況が続いている。
 
一方ゲーム機メーカーである任天堂やソニーの収益は比較的堅調を維持している。
一時はゲーム機時代は終わりスマホ時代が到来したと叫ばれたが、現状ではゲーム機
への回帰が進んでいる状況だ。

         *     *     *

<株式投資のセオリー>

第662回 景気指標悪化にもかかわらず、なぜ米株堅調なのか?

このところ米国で弱い経済指標の発表が相次いでいる。しかも気になるのは、指標の
内容が米景気の急減速がを示すようなものが多いことだ。

14日に発表された12月の小売売上高変動率はマイナス1.2%(市場予想は
プラス0.2%)とリーマンショックを上回る急落となった。

また、15日に発表されたNY連銀とアトランタ連銀が地元経済指標の動向から
算出したGDP予測(2019年第1四半期〜第2四半期を予測)は平均1.3%
と前週の2.45%から”失速”に近い急減速を示している。

先週21日に発表された指標もいずれも市場予想を下回るものだった。フィラデル
フィア地区連銀が公表した2月の連銀業況指数はマイナス4.1(市場予想は
プラス14.0)と急落し、2016年5月以来のマイナスに転じた。

また、米商務省が発表した昨年12月の耐久消費財受注統計は、民間設備投資の
先行指標とされるコア資本財の受注が前月からマイナス0.7%(市場予想は
プラス0.2%)の大幅減少となった。

注目を集めた全米不動産協会が発表の1月の中古住宅販売戸数は、年率換算で
前月比1.2%減の494万戸(市場予想は500万戸)と2015年11月以来
の低水準となった。米国では中古が住宅販売の9割を占めており、中古販売数の
減少はこれまでも失速気味だった米国の住宅市場の悪化がさらに進んでいることを
示している。

これほど弱い経済指標の発表が続くと、通常なら株式市場への大きな影響は避け
られないところだ。ところがNY市場は戻り歩調の動きが続いている。先週末で、
昨年12月安値からの戻り率は既に82%にも上っており、10月の史上最高値
2万6951ドルまであと900ドル余りの所まできている。

どうして米株式市場はこのような強い動きとなっているのだろうか。

理由としては次のようなことが考えられる。ひとつは、米景気の悪化は短期に
終わり、2019年後半には回復に向かうと見ているのではないかということだ。

来年は米大統領選挙の年だ。早くも何人か出馬表明した者も出てきている。今年
の秋以降には、来年明けから始まるの予備選に向けて候補者の激しいつばぜり
合い開始される。再選を目指すトランプ大統領としてもそれまでには出来るだけ
の手は打っておきたいはずだ。

もし米経済が今年後半も景気減速の動きを続ければ、トランプ大統領にとっては
逆風となるのは間違いない。当然早めに景気刺激策を打つことになろう。今の
ところ予想されているのは大規模なインフラ投資や所得減税だ。

可能性としては、民主党と連携できるインフラ投資が有力だ。これらの景気てこ
入れ政策が米景気の落ち込みを短期で終わらせ、年後半には回復をもたらすという
のが景気落ち込み短命説の根拠だろう。

もうひとつは、世界の過剰流動性(=世界のM3の伸び率ー世界のGDP成長率)
の伸びが回復に転じ、市場資金の需給改善が市場にとって追い風となっていること
だ。

米国や中国が2016年から引き締めに転じた影響で、減少傾向を示してきた
世界の過剰流動性の伸び率は、昨年12月末には4.15%と危機ラインの4%
(過去の経験則で4%を割ると株式市場は暴落しやすくなる)まで減少してきた。

ところが年明け以降はこの動きに歯止めがかかっている。引き締めをしてきた米国
と中国の金融政策は年明け以降大きく変化してきたからだ。米国はFRBが当面
資産売却を止め市場からの資金吸収をストップする宣言した。また、中国は国内
の景気急悪化に対処するため、逆に資金供給を増やすよう180度政策転換して
いる。

また、年明け以降いよいよ資産売却に動くと見られていたECBも、欧州経済の
景気悪化から引締めの動きを凍結している。景気てこ入れから米国や欧州は今後
緩和の方向に動くのではないかという予想すら出てきている。

このため、世界の資金供給の大半を占める米国、欧州、中国、日本の中で、引締め
のスタンスの地域はなくなり(日本は緩和継続)、逆に景気てこ入れから緩和
スタンスへ舵を切り替える所が増えそうな動きとなっている。

その結果、世界の過剰流動性の伸び率は年明け以降回復傾向を示しており、昨年
初めまでのゴルディロックス(適温)相場をもたらした伸び率5%台へ復帰も十分
考えられる水準まできている。

過剰流動性の伸び率回復がどこまで相場上昇の支えとなっているか不明の所もあるが、
少なくと相場回復の原動力の一つとなっているのは間違いないと見られる。

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創刊日:2005-04-12  
最終発行日:  
発行周期:週間  
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