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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点

2019/01/07

もくじ
<相場見通し>

     ・1万9000円台後半を中心とした揉み合い


<今週の推奨銘柄>
            
        お休み

                       
<経済の動き> 
    
     ・アップルが売上高下方修正
     ・「現代版ココム規制」に動く米国
             
                              
<株式投資のセオリー>
     
     第655回 値動きを荒くしている要因はオプション取引

        
                                         
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<相場見通し> 1万9000円台後半を中心とした揉み合い

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

今年の相場は昨年末の動きを引き継ぎ波乱の幕間明けとなった。大発会となった4日は、
急激な円高の動きや米株の急落を受け、一時日経平均は800円近く下げる場面があった。
終値でも452円下げ、節目の2万円台を割り込んで終えている。

米株が急落したのは12月米ISM製造業景況感指数が市場の予想を大きく下回ったこと
に加え、アップルが10−12月の売上見通しを大幅に下方修正したことが響いた。

ISM製造業景況感指数は景気判断の分かれ目となる50を上回っているものの、8月に
付けた14年振りの高水準(61.3)から大きく低下している。前月比5.2ポイント
の大幅低下(59.3→54.1)は約10年前のリーマンショック以来のことで、
米製造業の業況拡大の動きが急速に鈍り始めていることを示している。

また、アップルが四半期決算発表を前に売上見通しを下方修正するのは、2007年の
iPhon発売後初めてのことで、今後ハイテク関連の受注下方修正につながるのでは
ないかという警戒感が強まった。

さらに、長い間世界の時価総額トップにあったアップル株の急落は、ファンド等のポート
フォリオへの悪影響も懸念される。3日の急落でアップルの時価総額は1日で約8兆円
失われている。

アップルは米株上昇の象徴的存在で、ファンド等のポートフォリオの中では中核的な銘柄
の一つとなっている。そのアップル株の急落は、ファンドにとってのダメージが少なく
ないと見られる。その結果、ポートフォリオのパーフォーマンス悪化から、リスクオフ
姿勢が強まり、他の株への売りの連鎖に繋がりかねない。

年明けに悪材料が重なり大きく下げた米相場だが、昨年12月以降続く大幅下落の背景
には、景気鈍化懸念が高まっているにもかかわらず利上げを続けるFRBの金融政策へ
の不信(パウエル・プット)と、貿易摩擦を仕掛け、年末にはつなぎ予算を拒否している
トランプ大統領の政治への市場の不信(トランプ・プット)があると言われる。

両者とも、景気鈍化懸念に対して何らかの対策を講じるどころか、逆に景気の足を
引っ張るようなことばかりしているという厳しい見方だ。

先週末パウエルFRB議長は、今後の利上げやFRBの資産売却については柔軟に考える
用意があると発言し、金融引き締めの動きに軌道修正する姿勢を示し米株は反発したが、
これが本格的な反発に繋がるかどうかは疑問だ。

パウエル発言は景気の足を引っ張ることはしないと言っているだけで、今後の景気鈍化
懸念に対する答えにはなってないからだ。一方トランプ大統領はFRBの金融政策を
非難するだけで、経済対策で次に打つ手が見えてない。

おそらく大幅な所得減税で景気を維持したいと考えていたのだろうが、下院で民主党が
多数派となり思惑通り行かなくなってしまった。これに変わる代替案を考えていな
かったことから立ち往生しているという感じだ。

ヘッジファンド勢は「景気後退→企業収益の悪化→株式相場の下落」の動きを想定して、
悪材料が出る都度売りに拍車を掛けている。

米議会のつなぎ予算をめぐる混乱は今週中に決着できるかどうかが焦点。そこで決着が
つけばいいが、さらに予算成立が延びるようなことになれば、ヘッジファンド勢の格好
の売りの口実となるだろう。

ヘッジファンド勢の売りはオプション取引主体なのでいずれ買い戻しが必要となるため、
大幅下げのあとに好材料の出方次第で相応の戻りも期待できる。しかし、今後は景気
関連の悪材料が頭を押さえ、上値下値を切り下げる動きが避けられないだろう。

米株との連動性が強まっている日本株も基本的には同じ流れとなりそうだ。大きな
悪材料が出れば1万9000円割れて下値を追うことも考えられるが、当面は1万9000円
台後半を中心とした揉み合いが想定される。

 *     *     *

<今週の推奨銘柄>

 お休み 


<経済の動き>

◆アップルが売上高下方修正

米アップルが2018年10〜12月期の売上高を下方修正した影響が、アップル関連
企業の多いアジア株式市場に広がっている。東京市場でも4日、村田製作所やミネベア
などが大きく下落した。

米アップルの売上が伸び悩んでいる原因は、中国が貿易摩擦や景気減速の影響で減少
していることが響いているが、最大の要因はiPhonに魅力がなくなってきたため
だろう。新製品が出ても、目新しい機能は殆ど見られない。iPhonの売上拡大に
テコにしたアップルの成長は曲がり角にきている。


◆「現代版ココム規制」に動く米国

台湾の半導体メーカーであるUMCが中国への投資縮小に動いている。米国が産業スパイ
の罪で同社を起訴し、同社の中国への技術供与に歯止めを掛けようとしているからだ。

カナダでのファーウエイ副社長の逮捕など、先端技術での中国の優位性を阻止するため
米国は中国への技術流失を止めようと躍起だ。今回の動きもその一環と見られる。日本
も含め、半導体や設備機械な先端技術をもつ企業への米国の圧力は今後さらに強まって
こよう。「現代版ココム規制」が作動し始めた。


         *     *     *

<株式投資のセオリー>

第655回 値動きを荒くしている要因はオプション取引

米国で相場の強弱感を示す指標のひとつとして活用されているものにプット・コール
レシオというものがある。特にヘッジファンドの間では、相場の方向性を判断する際
に使用される最需要指標の一つとされている。

計算方法はオプション取引のプットオプション(売る権利)の建玉残高をコール
オプション(買う権利)の建玉残高で割って算出される。

相場に強気な投資家が多ければコールオプションの建玉残高が増えるため本指標の
水準は低下し、逆に、相場に弱気な投資家が多ければプットオプションの建玉残高が
増えるため本指標は上昇する傾向にあるとされる。基本的には相場の動きとは逆相関
の形で動く。

以前よく使われていたのは「S&P500指数プット・コールレシオ」などの指数
取引をもとにしたレシオだが、最近は「米CBO上場全S&P個別銘柄加重平均
プット・コールレシオ」という個別株取引をもとにしたレシオがよく使われように
なっている。

その理由は、オプション取引を利用して株価指数先物を一時に大量に売買する
マクロ型ヘッジファンドやCTAが株式市場を大きく揺さぶって来た時代から、
同じくオプション取引を利用して数千の個別銘柄を瞬時に売買するクオンツ勢が
米株式市場売買高の4割を占めるように変化してきたからだ。つまり主役交代に伴い
チェックする指標も変わってきたということだ。

このところ米株が振幅の大きい乱高下を繰り返しているのは、クオンツ勢による
オプション取引を利用した個別株への大規模な仕掛け的な動きが影響している。

彼らは悪材料が出てと見れば、個別株のプットオプションを買い(コールポジション
を売る)、好材料が出たらそれを売って(コールポジションを買う)いる。それを
AIを駆使して瞬時にしかもほぼ一斉に行うからどうしても値幅が大きくなりがちだ。

その「CBO上場全S&P個別銘柄加重平均プット・コールレシオ」の直近の動き
をみると、株価同様かなり激しいアップダウンを繰り返しているのが見て取れる。

12月17日に0.97のピークを付けた後12月28日には0.78まで低下し、
売り圧力はひとまず収束したように見える。ところが年明け以降プットオプションの
増加から再度上昇を始め、1月3日には過去最大の1.31を付けている。

1月4日にNY市場が700ドル以上も大幅上昇したのは、過去最大に膨らんだプット・
オプションを一旦売る動きが出たためと見られる。

おそらく今後もオプション取引の動向に振り増される展開が続きそうである。ただ留意
しておきたいのは、オプション取引では必ず仕掛けた後に反対売買が待っていることだ。
売りで大きく下げた後には、必ず買いで大きく戻す揺り戻しの動きが出てくる。一方通行
の動きを続けるわけではない。

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創刊日:2005-04-12  
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