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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点

2018/01/09

もくじ
<相場見通し>

     ・ロボティクス、半導体製造関連株中心に堅調な展開

<今週の推奨銘柄>
      
     タツモ 
        
    
<経済の動き> 
    
     ・関西の初売りは出だし好調だが
     ・キャッシュレス経済で大きく遅れる日本
     
                              
<株式投資のセオリー>
     
     第606回  さらに地盤沈下が避けられない日本経済                                                   

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<相場見通し> ロボティクス、半導体製造関連株中心に堅調な展開

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

今年の株式相場は大幅高で始まった。このような好スタートは最近ではアベノミクス相場
の初期である2013年の大発会以来である。この年は年央まで日経平均は5割強急騰して
いる。今年も好調な出足から先高期待が高まっている。

日本株が上げている背景には、年初、一足先に始まった米国株が堅調に推していることが
ある。米国株が堅調なのは、クリスマス休暇から戻ってきた海外の機関投資家が、年末まで
の税金対策売りが収まったところを見計らって、積極的な買いを入れたためと見られる。

クリスマス休暇開けの機関投資家のファンドマネージャー達は、例年、年末にかけて年明け
後の投資方針を検討するが、今回は積極な買い方針で臨むことにしたと見られる。

その理由は、なんといっても米国の税制改革が昨年末成立したためだろう。税制改革では
法人税を21%(現行35%)に下げることも大きな変革だが、海外留保金の本国環流を
促すレパトリ減税を実施することが大きなインパクトをもたらしている。

現行税制では35%かかる税金が、今回のレパトリ減税では8〜15.5%まで削減される。
しかも今年1年だけ適用される措置なので、23兆円以上の資金が今年中に米国に環流する
と見られている。

これだけ巨額な資金の米国環流は、米国経済にとっては盆と正月が一緒に来たようなもの
だ。景気は押し上げられ、過剰流動性の発生から株式市場の上昇も期待できる。以上の
ような見方から海外の機関投資家は積極的な米株買いに動いていると見られる。

具体的にレパトリによりどのような恩恵が米経済にもたらされるかをてみると、過去の
ケースでは自社株買いにも多く振り向けられたが、現在、米国株の水準が高いことから、
今回自社株買いはあまりないだろうと見られている。

従って多くは設備投資に向かうというのが大方の見方である。現金で持っていると
15.5%の税金がかかるが、設備投資に使うと8%の税金で済むからである。

設備投資が期待されている分野は、レパトリする企業にIT関係の企業が圧倒的に多い
(アップル、マイクロソフト、IBM、グーグル等)ので、ロボティクス(工場自動化)
・半導体、AI、ビックデータと言われている。

既に米国ではこれら関連企業の株価が大きく上げている。日本にはAI、ビックデータの
めぼしい企業がないというのが海外投資家の見方なので、日本株ではロボティクス・
半導体関連株に資金が集中しそうである。特にロボティクスの分野は日本企業の独壇場で
あることもその動きを助長しそうだ。

既に大発会からロボティクス・半導体関連株は大きく上げているが、本格的な上昇は
これからだろう。米国市場のAI、ビックデータ関連企業を見ると、まだ赤字にもかか
わらずとんでもない高値まで買われている企業が目に付く。ほとんどバブル化していると
いってもいいほどだ。

日本のボティクス・半導体関連株も、これまでかなり買われてきてはいるが、外国人
投資家の集中的な買いで、今後バブル化する可能性があるのではないかと見ている。

年明け後、懸念されていた北朝鮮問題がしばらくは小康状態が維持されそうな情勢と
なってきていることも追い風となり、相場はじり高基調が続きそうだ。ロボティクス・
半導体関連株の押し目は積極的に拾いたいところ。


<今週の推奨銘柄>

  6266 タツモ 2030円 

(選定理由等)
・物色の中核となっている半導体製造装置関連。
・業績は上振れ含み(コンセンサス予想が会社見通しを上回る)。
・高値時から6ヶ月経過し、休養も十分。そろそろ人気化してもおかしくない。


<経済の動き>

◆関西の初売りは出だし好調だが

今年の関西の新春初売りは好調な出だしである。あべのハルカス近鉄本店の2日の売上高
は前年比13%増で開業以来最高となった。阪急うめだ本店では2〜3日の売上高が
前年比1割増となり、2日の開店前に前年より500人多い約7500人が列を作って
いる。
これが消費が回復してきている兆しであれば大変喜ばしいことだが、中身を見ると必ず
しもそうとはいえない。福袋の売れ行きが伸びたことが大きく寄与しているが、福袋の
中身は購入者に必要なければ最近はネット販売にかけられしまう。以前のような外れが
少なくなていることが売れ行き好調な背景にあるようだ。


◆キャッシュレス経済で大きく遅れる日本

先進国の中で日本はまれに見る現金大国となっている。キャッシュレス経済がほとんど
進んでないからだ。他の国ではクレジットカードやデビットカード(スマホ決済等)に
よる支払いが急速に進み現金決済が大幅に減少している。最近では中国やインドでも
現金比率が急速に減少しており、発展途上国にも追い抜かれる始末だ。

その結果、日本の銀行はATM管理に莫大なコスト(約2兆円)を負担し続けている。
日本経済は今後キャッシュレス経済をどう進めるかが大きな課題だ。

    *     *     *

<株式投資のセオリー>

第606回 さらに地盤沈下が避けられない日本経済

昨年は残念ながら世界の中で日本企業の退潮がかなりはっきりしてきた年となった。
それを示す表が2つある。一つは世界の時価総額上位企業の動きだ。トップ10を
10年前と比較する以下のようになる

2007年5月末             
1、エクソンモービル(米、石油)
2、GE(米、金融・機械他)
3、マイクロソフト(米、IT)
4、シティグループ(米、金融)
5、ペトロチャイナ(中国、石油)
6、AT&T(米、通信)
7、ロイヤル・ダッチシェル(英蘭、石油)
8、バンク・オブ・アメリカ(米、金融)
9、中国工商銀行(中国、金融)
10、トヨタ(日、自動車) 
(その他100以内の日本企業3社、三菱UFJ(65位)、任天堂(88位)、
NTT(92位))

      ↓↓↓

2007年11月末
1、アップル(米、携帯)
2、アルファベット(GOOGLE)(米、IT)
3、マイクロソフト(米、ITソフト)
4、アマゾン(米、eコマース)
5、フェイスブック(米、SNS)
6、テンセント(中国、SNS)
7、バークシャーハザウエイ(米、投資)
8、アリババ(中国、eコマース)
9、J&J(米国、医薬)
10、モルガン・チェース(米、金融)
(100以内の日本企業1社、トヨタ(40位))

10年前にトップ10に入っていたトヨタは40位まで後退し、その他の日本企業で
100位以内に入っている企業は1社もない。

もう一つ日本企業の退潮を示す表は世界のユニコーン(未上場企業で時価総額
1000億円以上)のランキングだ。米調査会社が昨年10月時点まとめた調査に
よると、世界には141社のユニコーンがあると見ているが、日本には1社もない。
因みに上位10社を上げると以下のようになる。

1、ウーバー(米、配車サービス) 時価総額約5兆6千億円 
2、シャオミ(中国、携帯) 約5兆円
3、エアーB&B(米、宿泊用空き部屋仲介) 約2兆8千億円
4、パランティールTec(米、ビックデータ) 約2兆2千億円
5、スナップチャット(米、写真共有アプリ) 約1兆8千億円
6、ディディ・クアイディ(中国、配車サービス) 約1兆7千億円
7、フリップカート(印、eコマース) 約1兆7千億円
8、スペースX(米、宇宙飛行) 約1兆3千億円
9、ピンタレスト(米、写真共有サイト) 約1兆2千億円
10、DJI(中国、ドローン製造)約1兆1千億円

ほとんどが中国と米国の企業で占め、日本企業で最も評価された企業はスマート
ニュース(ニュース収集アプリ)で、評価額は370億円にすぎない。日本の新興
企業では大きく飛躍できそうな企業がまったくといっていいほど見当たらない状態だ。

以上二つの表は何を示しているかというと、世界の中で日本企業は、既存の企業は
大きく順位を落とすとともに、次世代を担う新興企業でもめぼしい企業が見当たらず、
新旧両方で極めて劣勢となっていることを示している。

これでは、世界経済の中で日本経済は地盤沈下していくことは避けられない。それは、
株式市場にも大きな影響をもたらす。今後、成長企業の少ない日本市場は、時が立つに
連れ魅力の乏しい市場となっていくことになろう。

幸いにも現時点は、世界的に設備投資が拡大する局面にあり、その分野で高い競争力を
持つ半導体製造装置やロボティクス(工場自動化)の企業が活況を示しているが、それが
一段落したあと、次の成長分野を担う成長企業が少ない日本市場は急速に勢いを失って
いく可能性がある。

従って、これからの株式投資は、投資対象においても、広く世界に求めることを真剣に考
えなくてはならない時代になってきている。

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創刊日:2005-04-12  
最終発行日:  
発行周期:週間  
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