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投資の視点

株式投資は「相場観測力」「銘柄選択力」「売買手法」の3つの能力を、バランスよく身に付けないとうまくいきません。本サイトは、株式投資の基本を勉強しようとする投資家のための支援サイトです。

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投資の視点

2017/09/04

もくじ
<相場見通し>

     ・ 目先、北朝鮮核実験強行を嫌気し下値追い

<今週の推奨銘柄>
      
      日東電工
            
      ※5月推奨銘柄の評価
                  
<経済の動き>     
     ・企業の内部留保は406兆円、5年連続で過去最高を更新
     ・現代自動車、中国政府の嫌がらせ(?)で一時稼働を全面停止
     ・鹿島がオーストラリア事業を拡大
                                       
<株式投資のセオリー>
     
    第590回 目立つ大型株の不振ぶり                                                           

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<相場見通し>  目先、北朝鮮核実験強行を嫌気し下値追い

先週の株式相場は、29日(火曜日)に北朝鮮がミサイル発射したことから大幅下落したが、
同日夜のシカゴ日経平均先物が1万9080円近辺まで下落したところで反発に転じた。
週末は1万9700円どころまで戻して終えている。

ただ、北朝鮮は、3日に水爆とも見られる核実験を強行した(原爆実験を含め2回強行した
との報道も)。これを受けて北朝鮮を巡る緊張は再度高まると見られる。

ポイントとなるのは米国の出方だ。トランプ大統領は、直近まで北朝鮮の行動がおとなしく
なっていたと評価していたほどなので、立て続けの北朝鮮の動きに面目丸つぶれだ。3軍の
指揮権はトランプ大統領にあるので、態度を一気に硬化させ、臨戦態勢を強化することも
考えられる。

北朝鮮の核実験強行を受け、週明けの相場は大幅下落が避けられない。今回は先週のミサイル
発射時よりも、影響は長期化する可能性もある。最悪の場合は先のシカゴ先物市場の安値
1万9000円近辺までの下げることも想定される。当面は、関係国の動向を見守りながら
の動きとなりそうだ。

先週末発表された米雇用統計は、非農業部門雇用者数が15万6000人増と市場コン
センサス(18万人)を下回り、12月にも予想された追加利上げ見通しが後退している。
米市場はこれを好感して上げているが、これまで利上げを前提に動いてきた為替の視点から
は円高要因となるため、日本市場にとってはマイナスに働きかねない。北朝鮮の核実験強行
と併せて、週明けに円高がどこまで進むか注目される。

全体相場は膠着状態が続いているが、新興市場を中心とした中小型株の物色は依然活発な
動きだ。東証1部や、ジャスダックの新高値銘柄数は中小型株の高値更新で、高水準を
続けている。

8月以降外国人投資家が大きく売りに傾いているため、市場資金は外国人投資家の保有が
少ない中小型株に向かっているものと見られる。北朝鮮の核実験強行で、相場は目先下落
が予想されるが、相場の戻り課程では業績良好な中小型株が物色の中心となりそうだ。

銘柄選択の点で参考となるのは、会社四季報オンラインに掲載されている業績予想更新の
データ。先週までに新四季報発売(9月15日)に向けて既に7〜8割の銘柄の見直しが
終わり、逐次オンライン上に掲載されている。これを丹念にチェックし、有望株発掘に
活用されたい。


<今週の推奨銘柄>

 6988 日東電工 9500円

(選定理由等)
・会社四季報の新予想(8月30日付)で、会社見通しの今期経常利益を30%増額修正
した。株価も整理が進んでいるのでそろそろ反転してもいいタイミング。

・ただ、目先北朝鮮問題で地合が悪化することから買いのタイミングは慎重に見極めたい。
・また、大型株の動きが鈍いことから、思ったほど人気化しない可能性も考えられる。
その場合は欲張らず5〜10%の小幅利食いに留めること。
  

(5月推奨銘柄の評価)
・5月8日 6474 不二越 590円 (先週末株価584円) 評価△

ロボット関連で、受注が大きく伸びている(前年同期比約80%増)ことに注目して推奨。
推奨後一旦反落し、560円台まで調整したが、その後反発。4ー6月決算期待で7月
始め671円の戻り高値を付ける。

決算では増額修正したにもかかわらず,材料出尽くしから下げに転じた。前回高値
(632円)をやや越えた節目の水準だったことに加え、決算発表後大きく下げたのを
見て、640〜650円で小幅利食いするのが賢明だった。


・5月15日 6481 THK 2950円 (同3695円) 評価◎

半導体、工作機械、ロボット業界からの受注急拡大を受けて、利益が急伸していること
から推奨。

推奨後右肩上がりで水準を上げた。4−6月の決算が良好だったことを受けて8月25日
3830円の高値を付けた。

株価は高値圏にありまだ上値はありそうな動きだが、既にスタートラインの安値2000円
から約2倍上昇していること、四季報の業績見直し(8月30日発表)では、今下期は
業績が伸び悩むと見ていることから、ここは無理せず利食いをおすすめする。

・5月22日 6874 協立電機 2150円 (同2258円) 評価△

FA関連で、業績が上振れ傾向で、PERも割安だったことから推奨。
推奨後2200円台中心の揉み合いが続く。8月9日に突然上昇し、2548円を付けたが、
それまでは出来高も減少し、動きも鈍かったことから、2200円台での小幅利食いも
やむを得ない。


<経済の動き>
◆企業の内部留保は406兆円、5年連続で過去最高を更新

財務省が1日に発表した4〜6月の法人企業統計調査によると、経常利益は前年同期比
22・6%増で四半期ベースの最高益を更新した。2016年度の内部留保は400兆円
を突破しているが、さらに増える勢いだ。

企業の内部留保が溜まるのは、有力な投資先がないことにもよる。ただ、使い道がなければ、
株主へ還元するのが筋。ところが、昨年度盛り上がった自社株式買いも、今年度は減少する
など、企業の株主還元意欲は減退傾向。今後、企業にとって株主還元が大きなテーマと
なってくると見られる。


◆現代自動車、中国政府の嫌がらせ(?)で一時稼働を全面停止

現代自は、中国国有自動車大手の北京汽車集団との合弁で中国に5工場を持ち、生産能力
は年165万台に上る。このうち3工場が28日に、さらに1工場が29日に稼働を停止。
ただ、30日には稼働再開にこぎつけている。

停止した理由は、現地合弁会社の部品購入代金の支払いが滞り、反発した一部の部品
メーカーが供給を停止したためであるが、米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム
(THAAD)の韓国配備に反発する中国当局の意向が働いたとの見方が有力である。
 
中国市場は資本主義化しているといわれているが、まだ完全なる自由市場とはいえない。
いまだ政府の統制如何により企業の経済活動は大きく制限されるリスクを孕んでいる。

 
◆鹿島がオーストラリア事業を拡大

オーストリアは政治的に安定し、移民受け入れで人口が増え続け、新興国のような成長力
が期待できそうである。不動産も右肩上がりに上昇しており、先細りの見られる日本国内
に比べれば、建築市場としては有望だ。ゼネコンは、これまで海外からは撤収続きだった
が、久々の海外進出動きだ。

    *     *     *

<株式投資のセオリー>

第590回 目立つ大型株の不振ぶり

相場全体は調整模様となっているが、東証一部の規模別株価指数を見ると、全てがさえ
ない動きとなっているわけではない。日経平均と同じように調整色の強いのは大型株指数
のみで、中型株指数は高値横ばい、小型株指数に至っては右肩上がりに上昇しており、
先週は25年振りの高値を付けている。

指数の動きを見ると現在の相場がいかに中・小型株指向となっているかわかるが、なぜ
大型株は買われないのだろうか。その理由としては以下の三つが考えられる。

1、業績回復が鈍いこと

今期の収益見通しを見ると、多くの企業が好決算を予想している。大型株にも、業績回復
するところが多いが、日本の大型株は旧来型の業種の企業が多く、米国などのように
新しい分野で急成長している企業はほとんど見られない。

確かに業績は回復傾向だが、収益が大きく伸びるような企業は限られる。その点中小型株
の方が業績変化率が大きく、株価的にも魅力を増している企業が多い。

中小型株の方が業績変化率が大きいのは、景気回復の初期によく見られる現象で、景気
回復が本格化してくれば、やがて大型株も恩恵が及んでくることになる。ただ、今回の
収益回復は外需主導で、主力の内需がさえない状況が続いているので、今後大型株が
どれほど本格的な収益回復となるか疑問。

2、外国人投資家の買いが減少していること

外国人投資家の買いはアベノミクス相場が始まった12年暮れから13年にかけて急増
したが、13年をピークに減少しており、15年からは売りの方が多くなっている。今年
も前半はやや買いが多かったが、7月の後半以降は売りが増えてきている状況だ。

売買シェアの6〜7割を占める外国人投資家が買い気が乏しい状況では、大型株の動き
に活気は出てこない。しかも外国人の買いの多くは、個別買いではなく、ETF経由の
買いが多いようで、積極的に個別大型株を買い上がる姿勢は見られない。

3、日銀のETF買いで株価変動のダイナミックスさを失ったこと

日銀のETF買いは2010年より始まったが、本格化したのは13年から。買い入れ
規模をみると13年は1兆円、15年に3兆円、16年からは6兆円に膨らんでいる。

大型株の多くはこの日銀のETF買いの対象となる銘柄が多い。従って下値抵抗力が強く
なっているため、どんなに業績が悪くなっても株価はそれほど下げない。株が買われる
のは割安感が大きくなった時だが、もともと割高感のある銘柄には買いは入りにくい。
その結果人気も付きにくくなる。

今年前半は半導体関連株が人気化したが、同じ半導体関連でも大型株に属する東京エレク
トロンなどは上げ幅が安値から2倍程度と、米国の同業株の平均4倍程度の上げと比べて
相対的に少なかった。

この理由は、下げるべき時に株価が下げなかったため、買いが入りにくかったことが影響
していると見られる。

さらに、日銀のETF買いは、適正な株価水準の形成を妨げていると外国人投資家からの
批判が根強く、外国人投資家の買い意欲を削いでいる要因のひとつとも言われている。

以上のような点から見ると、相場全体が大きく上げることがない限り大型株人気は戻って
きそうもない。相場は2万円台回復は難しくなっている状況では、中・小型株優位の状況
は続きそうだ。

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